【2017年版】人事採用における成長戦略とは?

エイペックスのコンサルタント、ギャリー・シュレイダーです。10年以上もの間、人事や会計の分野に特化した採用コンサルを行ってきた私ですが、先日、アンケート調査をプロフェッショナルな人事担当者の方に行いました。その内容をLinkedinで一つの記事として公開したのですが、弊社、Apexのウェブサイトでも引用という形で紹介させて頂きます。

以下となります。

私は長年日本で人事分野に特化したエグゼクティブリクルーターとして働いており、しばしば日本やアジア地域の人事リーダーと、現在直面しているプロジェクト・課題点・オペレーション・チームディベロップメント等について、一対一でお話しさせてただく機会があります。その経験から申し上げますと、お伺いするお話しの中には、必ずしも客観的に測れるデータではなく、風聞や噂に基づくものがあるように思われます。

 

2015年中頃、私は100名以上の日本の人事担当者にアンケートを行い、その結果を“Challenges and Direction of Human Resources in Japan”という記事で公開しました。こういったアンケートを行うのは初めてのことでしたが、得られた結果は、驚くべきものでした。また、その結果は、過去18か月(2016年後半)まで、多くの実例を通じて、正しかったことが裏付けられました。

そのため、私は私の人事担当者ネットワークに再度同様のアンケートを行い、これから始まる2017年に有用なデータや知識を集められるのではないかと考えました。そして、これらのデータは、人事担当者にとっても、今後の人事計画や予算策定の一助となる・・・かもしれません。

今回のアンケート結果に基づき、より分かりやすいように、スライドショーを作成しましたのでご覧ください。

 

1.あなたの属する人事チームにとって、最も改善すべき分野やスペシャリティは何ですか?(複数回答可)

この質問については、10個以上選択肢から複数回答可としたので、結果はタレントマネジメントやCenter of Excellence (CoE)のみに偏ることなく、Organizational Development, Talent Acquisition, Learning and Developmentといった、より細かな各スペシャリティについて深く掘り下げることが出来ました。

また、フロントオフィス対バックオフィスの人事といった単純化された構図からも、逃れることが出来ました。

一見すると、最も改善が必要なのは人事ビジネスパートナーのように見えますが、結果をよく見ると、65%の回答が、TA ・L&D ・OD人材についても、改善の必要があると認識しています。つまり、日本におけるタレントマネジメントのプロセスは、タレントマネジメントの各プロセスのつながりが脆弱で、今後このつながりを強くする必要があるように見えます。

 

2. 課題解決のために、十分な人員が確保されていますか?

多くの組織において、人事部門はコストがかかるとみなされているため、この質問をしたとき、(さすがに大多数とまではいかなくとも、)無記名であれば、おそらく10%くらいはYesと回答するのではないかと予想していました。しかし、私の予想は大きく裏切られました。

必要以上の人員が確保されていると回答した人は、全体のたった2%に過ぎなかったのです。70%に上る人が、人員不足であると回答し、また企業の必要に見合う人員が過不足なく確保されていると回答したのも、28%に留まりました。つまり、多くの日本の人事担当者は、自社のニーズに見合った人員が確保されていない環境で働いているのです。

朗報と言えるのは、Fortune 100 companies in Japanに名を連ねるような企業では、日々のオペレーションを専門に担当する、シェアードサービスから成るadminチームを作り、プロアクティブな人事業務をより専門的分野として確立させる努力が進んでいるのを、この目で直接見ていることです。

 

3. 2017年に最優先で改善すべき分野は何ですか?

人事担当者とお話しさせていただくと、よく最初の話題に上がるのは、事業の全体的なニーズを把握し、戦略的に考えることのできる人事ビジネスパートナーの必要性です。

しかし、会話が進むにつれ、本当に必要なのは、TA・採用業務のフロントエンドである採用ブランディングに始まり、研修・人材開発・Organizational development・サクセッションプランに至る幅広いタレントマネジメントのプロセスに生じる様々なギャップを埋め、より強固なタレントマネジメントのプロセスを作り出せるTM/CoE 人材である、という結論に至ります。

“ビジネスパートナー”というのは、いわゆる”buzzword”で、多くの人事担当者が求めています。なぜ?それがトレンドだからです。しかしアンケート結果では、Talent AcquisitionとLearning & Development (TM/CoE)へのニーズの合計は、ビジネスパートナーそのものへのニーズに比べ、40%も多かったのです。やはり、本当のニーズは、タレントマネジメントチーム内のギャップを埋めることだったのです。

 

4.今年、人事チームを発展させるために、どんな施策を考えておられますか?

4分の1近くの回答者が、2017年に取るべき施策として、ローテーション・グローバルを含めた社内異動・モビリティといった選択肢を選んでいます。

私は、2016年に多くのL&D分野の採用が行われるのを見てきましたので、社内のL&Dチームの人材を、それ以外のチームの研修・教育に割り当てるという回答が、全体の20%に過ぎないことは、興味深い結果と言えるでしょう。それは一体なぜでしょうか?

2015年、2016年と、市場にはDiversity & Inclusionへの強いプッシュがありました。この市場情勢と今回の結果を併せて考えると、ローカルな人事チームはグローバルなモビリティと採用の両方を通して、チームのダイバーシティを推進するとともに、ローテーション制度を使って、人事全般を見る視野があり、タレントマネジメントのスキルも備え、今後ビジネスパートナーとなりうるポテンシャルを備えた優秀な人事ジェネラリストを育成しようとしています。

優秀な人事チームを持つ企業のいつくかは、2016年に、海外の社員が6-12か月のプロジェクトベースで来日する、また日本人の従業員を海外に送るといった、定期的なローテーション制度を始めています。

また、人事やタレントマネジメントの3-5年の経験があり、日本語にも堪能な、若くて高いポテンシャルを備えた外国人人材を採用する機会が増えています。そして、私の知る限り、これらの試みは、とてもうまくいっています。

 

5. 2017年、一番ニーズの高い人事ポジションは何ですか?

ここで再び現れるのが、buzzwordのビジネスパートナーです(34%がビジネスパートナーが必要と回答)。しかし実際のところ、タレントマネジメントチーム全体の採用の重要度は、61%に上ります。くり返しになりますが、人事を含め、最良の人材を企業に呼び込み・定着させるために、タレントマネジメントのプロセスを補強することが必要なのは明らかです。

 

6. 求める人事人材を見つけるために、どういった方法を取りますか?

71%の人事担当者が、適切な人事人材を探す手段として、リクルートメントファームを利用しています。この数字は一見とても高いように思われますが、内訳をみると、56%は成功報酬型サーチ、15%がリテイナー契約のサーチにあたります。

リテイナー契約サーチが減少した理由は、大手グローバルリクルートメントファームと専門分野に特化した日本ローカルのファームが両方とも、85%以上のリテイナー契約のサーチに失敗しており、さらに悪いことには、採用に漕ぎつけた場合でも、その半数以上が、1年以内に採用された従業員が辞めてしまう”Miss-hiring“だった、という事実によるものと思われます。(これらのデータは、私の担当するクライアント企業へのダイレクトサーチによるものです。)

一方、センシティブかつ極秘ポジションをリテイナー契約のないリクルートメントファームに依頼することは、人事戦略を変更する立場にある企業責任者やカントリーマネージャー、また後継者を探す現任の人事ディレクターにとっては、心配なものです。

今回目についたのは、ダイレクトソーシングの増加です。2015年に行った前回のアンケートでは、ダイレクトソーシングという回答は17%にすぎませんでしたが、今回は34%と、2倍に増加しています。グローバルに事業を展開する企業にとって、社内の独立したビジネスユニットとして、元リクルートメントエージェントからなる、いわゆる自社独自のエグゼクティブサーチファームを持つことは、明らかなトレンドになっています。

 

7. 2017年に、必要な人事人材を採用するにあたり、どんな困難が予想されますか?

日本の人事人材を見つけるにあたって予想される問題は、候補者のプールが狭くなり、かつオプションも限られる、ということでしょう。これは、市場の誰もが求めているビジネスパートナーに特に顕著です。

34%の人事担当者が、日本には十分な数の人事プロフェッショナルがいないと回答しています。それ自体が高いハードルですが、加えて18%が、必要な人材を採用するだけの予算がないと回答しています。

つまり、日本には十分な人事プロフェッショナルがおらず、たとえふさわしい人材を見つけられても、採用するに十分な予算がないのです。

 

以上となります。このそれぞれの質問・内容に対して、より掘り下げた情報を、今後エイペックスのブログ内で、紹介して参ります。

引用元は下記となります。
HR Japan 2017: Strategies for Growth & Development