セルフメディケーションの推進

Nick 2017/06/06 製薬

セルフメディケーションの推進

セルフメディケーションの推進に向け、スイッチOTC拡大のための新たなスキームがスタートしました。

厚生労働省は2016年4月に新たに設けた「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の初会合を開催。検討会議での議論を踏まえ、8月からはスイッチOTCの候補成分について、学会や団体、企業、消費者から要望の受け付けを開始しました。12月には候補成分の第1弾要望リストとして、16成分を公表。

今後、医療関係学会や医師会などの見解を聞いた上で、順次、検討会議で検討し、スイッチOTC拡大につなげます。

スイッチOTCの拡大をめぐっては、2014年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2014」で、軽度の身体の不調には身近な一般用医薬品を利用するセルフメディケーションを推進することが盛り込まれ、医療用医薬品から一般用医薬品への転用を加速することになりました。

これを受け、厚労省は米国など海外の事例も参考に、産業界、消費者などのより多くの分野からの要望が反映される仕組みを構築し、議論の透明性を確保するため、一般消費者もメンバーに含む「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」をxを設置しました。

新スキームでは、スイッチ候補品目の選定に当たり、学会や団体、消費者など多方面から要望を随時募集し、要望のあった品目に関する情報を産業界から提出してもらい、関係する医療関係学会や医師会などの見解を聞いた上で、新たに設置した評価検討会で検討し、候補品目としての適否を議論します。

 

2016年12月に第1弾要望リスト16成分を公表
 
厚労省は2016年4月に開催された第1回の検討会議での議論を踏まえ、2016年8月5日からスイッチOTCの候補成分の要望受け付けを開始。11月30日まで受け付けた第1弾の要望品目リストを12月に公表しました。
第1弾の要望品目として上がったのは、以下の16成分です。

成分名 要望する効能・効果 対応する医療用医薬品
ヒアルロン酸ナトリウム ・ドライアイ、角膜保護
・目の次の症状の緩和:乾き(涙液補助)、異物感(コロコロ、チクチクする感じ)、ソフトコンタクトレンズを装着しているときの異物感(張り付き感、コロコロ、チクチクする感じ)、疲れ、かすみ、なみだ目、まぶしさ、目やに、充血
ヒアレイン点眼液0.1%
レバミピド 胃潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 ムコスタ錠100mg
レボノルゲストレル 緊急避妊 ノルレボ錠0.75mg, 1.5mg
リザトリプタン安息香酸塩 片頭痛 マクサルト錠10mg, 同RPD10mg
スマトリプタンコハク酸塩 片頭痛 イミグラン錠50
エレトリプタン臭化水素酸塩 片頭痛 レルパックス錠20mg
ナラトリプタン塩酸塩 片頭痛 アマージ錠2.5mg
ゾルミトリプタン 片頭痛 ゾーミック錠2.5mg、同RM錠2.5mf
クリンダマイシンリン酸エステル にきび ダラシンTゲル1%, 同ローション1%
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル 湿疹 アンテベート軟膏0.05%、同クリーム0.05%、同ローション0.05%
オメプラゾール 胸やけ(胃酸の逆流)、胃痛、もたれ、むかつき オメプラール錠10
ランソプラゾール 繰り返しおこる胸やけ(食道への胃酸の逆流)、呑酸(喉や口の中まで胃酸がこみ上げ、酸味や苦い感じがすること)、胃もたれ、むかつき、胃の痛み タケプロンOD錠15

 

メロキシカム 関節痛、腰痛、肩こり痛 モービック錠5mg, 10mg
フルチカゾンプロピオン酸エステル 花粉による季節性アレルギーの次のような症状の緩和:鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ フルナーゼ点鼻液50 μg 28噴霧用、56噴霧用
ヨウ素、プリビニルアルコール 喉の殺菌・消毒・洗浄 PA・ヨード点眼・洗眼液
ラベプラゾール 胸やけ、胃痛、げっぷ、胃部不快感、はきけ、むかつき、もたれ、のどのつかえ、苦い水(胃液)が上がってくる パリエット錠10mg

片頭痛治療薬が圧倒的に多く、かねて医師などの反対が強い生活習慣病薬はなかったものの、消化性潰瘍治療薬のオメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールのプロトンポンプ阻害薬(PPI)3成分がスイッチ要望成分として挙がったことが注目されます。

検討会議では、まず、要望品目第1弾について、医療関係学会などの意見を踏まえ、スイッチOTCとして適当かどうか議論されますが、スイッチ拡大に向けた新スキームが有効に機能するかどうかに関心が集まっています。