「イソジン®」にみる医薬品のブランド、キャラクター問題とは

Nick 2017/07/31 製薬

ここがポイント

日本では1961年から発売されている消毒剤「イソジン®」について、日本発売の当初から事業を手がけてきたMeiji Seikaファルマとオランダのムンディファーマが、提携関係の解消を2015年11月に発表したことは、社会的にも大きな反響を呼ぶニュースとなりました。

 

ムンディファーマの日本事業の本格展開にあたり、一般向けのうがい薬だけでなく、医療用消毒薬としても高いブランド力を誇るイソジンは象徴的な治療薬です。

 

2016年4月からは、イソジン®ブランドをムンディファーマへ変換、新たな提携先としてシオノギヘルスケアが一般用医薬品の販売を、シオノギ製薬が医療用医薬品を販売。一方、明治は「明治うがい薬」を一般用医薬品として販売しています。

 

同年2月には、ムンディが発売予定の製品パッケージなどに表示するキャラクターが、明治の「カバくん」に類似しているとして、明治側がムンディを提訴し、ムンディ側が反訴するといった動きがありましたが、両社は2016年3月に和解しました。

同年7月にはイソジン®ブランドのキャラクターを「イソママ、イソパパ、イソ君の三匹のワンちゃんファミリー」に変更し、現在に至っています。

 

詳細解説

イソジン®は1961年から明治製菓(現在は明治)が製造販売を手がけてきました。一方で世界各地では、「ベタダイン」の名称でオランダのムンディファーマB.V.が販売しています。

 

2015年12月にはMeiji SeikaファルマとムンディファーマB.V.は、消毒剤「イソジン®」の提携関係を解消した上で、医療用医薬品を含むイソジン®ブランド製品の製造販売承認をMeiji Seikaファルマから日本法人のムンディファーマに移管することで合意しました。

 

これを受けてムンディファーマは、シオノギ製薬との間で、イソジン®ブランドの一般用医薬品および医療用医薬品について、国内での独占的な販売提携契約を締結しました。

一般用医薬品については2016年4月からシオノギ製薬子会社の「シオノギヘルスケア」が販売・流通を開始、医療用医薬品は同年8月からシオノギ製薬を通じて販売しています。

 

販売提携移管にあたっては、明治が長年培ってきた「カバくん」をめぐる係争も起きました。2016年2月には、明治が商標登録している「カバくん」の類似キャラクターを、変換後のイソジン®のパッケージに使用しないよう求める仮処分命令を東京地裁に申し立てました。イソジン®の顔として親しまれてきた「カバくん」やパッケージデザインは明治が商標登録しています。

 

明治としては「明治うがい薬」などのポピドンヨード製剤16品目を投入し、そのパッケージに「カバくん」を使うと決めていました。明治はムンディファーマに対し、類似キャラクターをパッケージに使用しないように、2015年12月と2016年1月の2度にわたって書面で申し入れましたが、両社のやりとりでは「申し入れ内容が実現しない」と判断され、東京地裁への申し立てに踏み切りました。

 

こうした明治の対応を受けて、ムンディファーマは2016年2月、明治とMeiji Seikaファルマに対する不正競争行為等差止仮処分命令の申立を東京地裁に行いました。申し立ては不正競争防止法や商標権などに基づく差止請求でした。

 

ただ、翌3月には両社との間で和解が成立しました。明治が「カバくん」を使ったパッケージで「明治うがい薬」をはじめとするポピドンヨード製剤16品目を4月から販売開始。ムンディファーマもイソジン®ブランドで販売するために準備してきたキャラクターデザインのまま販売を始めましたが、同年9月の新製品発売に合わせ、キャラクターを「犬」に順次切り替えると発表しました。新キャラクターは3匹の犬の家族の設定で、番犬のように、バイ菌から人を守る意味を込めたとされています。

 

参考URL

「イソジン」が、カバくんに別れを告げた理由

「イソジン」のキャラ、カバから犬に ムンディファーマ