監修:公認会計士で監査・財務経理・IPO支援で豊富な経験を持つ元CFO
「経理・財務の実務経験は積んできたものの、この先本当にCFOを目指せるのか分からない」と感じていませんか?
CFO(最高財務責任者)は、一部の限られた人だけが就ける特別なポジションではありません。実際には、経理・財務、FP&A、経営企画、コンサル、投資銀行など、さまざまなキャリアから転職を成功させているケースがあります。
本記事では、公認会計士かつ日系企業でCFO経験を持つ監修者の知見をもとに、CFOの仕事内容、求められるスキル、キャリアパス、到達年齢・年収の現実、最短で近づくためのキャリア戦略までを体系的に解説します。
特に、経理・財務、FP&A、経営企画、コンサル、投資銀行などからCFOを目指したいと考える人は、自身のキャリアと照らし合わせながら読むことで、次に積むべき経験が整理しやすくなります。
要点サマリー(30秒)
CFOを目指す場合は、まず管理会計やFP&Aを通じて「事業の数字」を理解し、その後、事業PL責任や資金調達・投資判断など「数字に責任を持つ経験」へ広げていくことが重要
CFOに必要な代表的スキルは、財務・会計、経営分析・戦略立案、IR・コミュニケーション、資金調達・M&A、英語力・グローバル対応力
CFOに必須資格はないが、公認会計士、USCPA、MBAなどは専門性や経営視点を示す強みになりやすい
CFOへのキャリアパスは、経理・財務、経営企画・FP&A、コンサル・監査法人・投資銀行、スタートアップなど複数存在する
比較的王道で再現性が高いルートは、「経理 → 財務 → FP&A → 経営企画 → CFO」
CFOに就任する年齢は、上場企業や大手企業では40代〜50代が一般的
CFOの年収レンジは、一般的に1,200万円〜2,000万円以上が目安で、外資系や上場企業ではさらに高額になるケースもある
目次
CFO(最高財務責任者)とは?役割と他役職との違い
CFOの仕事内容とは?主要業務を解説
CFOになるために必要なスキルとは?
CFOになるために資格は必要?特に評価される資格
CFOになるためのキャリアパス|経理・財務・経営企画・コンサルからのルート
CFOになる平均年齢と年収のリアル
CFOになるために今から取るべき行動とキャリア戦略
CFO転職の成功事例|CFO候補として評価されたポイントとは?
CFOになるには|よくある質問(FAQ)
CFOになるにはエイペックスの転職サービスが有効
CFO(最高財務責任者)とは?役割と他役職との違い
CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)とは、企業の財務戦略や資本政策を担うだけでなく、経営判断を数字の面から支える経営幹部です。経理責任者とは違い、資金調達、業績管理、投資判断、IR(投資家向け広報)、M&Aまで含めて企業価値向上に責任を持つ点が大きな特徴です。
CFOの主な役割と責任範囲
CFOの役割を一言でいえば、「会社の数字を管理する人」ではなく、「数字を使って経営を前に進める人」です。
CFOは、財務戦略の立案、資金調達、予算統制、投資判断、IR対応などを通じて、CEOの経営上の意思決定を支えるのが重要な任務です。特にスタートアップでは、資金繰りや資本政策が経営そのものに直結するため、CFOの影響力は非常に大きくなります。
また、企業フェーズによってもCFOに求められる役割は変わります。上場企業ではIR、ガバナンス(企業統治)、グループ経営、M&A、株主対応の知見が重要となりますが、成長中の企業では資金調達やIPO準備、管理体制の整備といった役割が大きな比重を占めます。
そのため転職の際には、「CFO」という肩書きだけでなく、「どのフェーズの企業であれば何を求められるか」まで落とし込んで経験を積んでいくことが重要です。
CFO・CEO・COOの違い
CFO・CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)・COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)は、いずれも経営層に属する企業の上位ポジションですが、担う役割は大きく異なります。大まかには、CFOは財務戦略、CEOは経営全体、COOは事業運営を主に担当します。
CFOと経理部長の違い
CFOと経理部長はどちらも財務・会計領域を担うポジションですが、経理部長が「会計実務の責任者」であるのに対し、CFOは「経営戦略に関わりながら企業価値向上を担う経営幹部」という違いがあります。
視点
全社・資本市場・経営戦略
会計・決算実務
企業によっては、経理部長の延長線上にCFOが存在するケースもありますが、経理部長とは「経営視点」「投資家・金融機関対応」「事業の意思決定への参画」といった点に大きな違いがあります。
経理部長からCFOを目指す場合には、決算業務の正確性だけでなく日頃からCFOと密に連携し、財務戦略や経営判断の視点を意識して業務に関わることで、CFOに求められる視座を身につけやすくなるでしょう。
CFOの仕事内容とは?主要業務を解説
CFOの役割は、単に経理・財務部門を管理することではありません。資本政策、予実管理、投資判断、IRなどを通じて、企業価値向上を財務面から支えることが本質です。
特に上場企業や成長企業では、CEOの経営パートナーとして、経営戦略や重要な意思決定に深く関与することが求められます。ここでは、CFOが担う代表的な仕事内容を解説します。
財務戦略・経営管理(FP&A)
CFOは、企業価値を最大化するために、利益計画、成長投資、資本コスト、株主還元などを総合的に設計する役割を担います。単に資金を管理するのではなく、「どこに投資すれば企業価値を最も高められるか」を経営視点で判断することが重要です。
また、FP&A(Financial Planning & Analysis:財務企画・分析)も重要な領域です。予算策定や予実管理を通じて事業課題を分析し、新規投資、人員増強、事業撤退、資金配分などの経営判断を支援します。
CFOに求められるのは、数字を集計する力ではなく、数字から経営アクションを導く力です。そのため、市場環境や事業状況などの定性的な要素も踏まえながら、中長期的な成長戦略を経営陣へ提示することが求められます。
資金調達・資本政策
CFOは、企業成長に必要な資金を確保するために、最適な資金調達方法を設計・実行する役割も担います。代表的な調達手法には、銀行借入、社債、ベンチャーデット、第三者割当増資などがあります。
また、「株式による調達(エクイティ)」と「借入による調達(デット)」のバランスを最適化することも重要な役割です。特にスタートアップや成長企業では、資金調達の成否が事業成長スピードを大きく左右します。
さらに、上場企業やIPO準備企業では、投資家や株主へ成長戦略や業績見通しを説明するIR業務も重要になります。会計・財務知識だけでなく、経営方針や財務戦略を論理的かつ分かりやすく伝えるコミュニケーション力が、CFO候補には求められます。
M&A・投資判断
上場企業や成長企業では、CFOがM&Aや投資判断に関与するケースも少なくありません。M&Aでは、DD(デューデリジェンス:買収前調査)を踏まえ、「買収すべきか」「いくらで買収するべきか」「買収後にどのように統合するか」を検討します。
CFOは、会計・財務・税務の論点を整理するだけでなく、その投資が事業成長や企業価値向上につながるかを経営視点で判断する必要があります。
また、投資によって営業利益や企業価値にどの程度の効果が期待できるのかを、中長期視点で説明できることも重要です。単なる財務分析ではなく、経営戦略として投資効果を判断する力が求められます。
管理部門の統括・組織マネジメント
企業によっては、CFOが経理・財務だけでなく、管理部門全体を統括するケースもあります。特にスタートアップや成長企業では、限られた経営メンバーで組織運営を行うため、法務、人事、総務、情報システムなどを含めて、バックオフィス全体を統括することも珍しくありません。
そのため、CFOを目指す場合は財務知識だけでなく、経営者視点で組織全体を横断的にマネジメントする力も重要になります。
CFOになるために必要なスキルとは?
CFOは、資金調達、経営戦略、投資判断、IRなど経営に直結する領域を担うため、財務・会計の専門知識に加えて経営判断力やコミュニケーション力、資本市場への理解、英語力など幅広いスキルが必要になります。
ここでは、CFOを目指すうえで特に重要となる代表的なスキルを解説します。
財務・会計スキル(管理会計・財務会計)
CFOとしての土台になるのは、財務会計と管理会計の知識です。決算を正確に締める力、財務諸表を読み解く力、予算と実績の差異を分析する力がなければ、適切な経営判断を支えることはできません。
特にCFO候補として評価されるのは、会計情報をいかに経営判断につなげられるかです。数字を集計・管理するだけでなく、「その数字が事業にどのような意味を持つのか」を説明できる力が重要になります。
経営分析・戦略立案スキル
CFOには、事業モデル、収益構造、業界動向などを踏まえながら、どの施策が企業価値向上につながるのかを考える力が求められます。CEOやCOOなど他の経営メンバーと密接に連携し、経営全体を俯瞰するバランス感覚も強く求められます。
特に、大企業の経理・財務部門で経験を積んだ人がCFOのキャリアに進む際は、過去実績を管理する立場から、将来の成長戦略を描く立場へ視点を広げることが重要です。数字を分析するだけでなく、「どこに投資すべきか」「どの事業を伸ばすべきか」を経営視点で判断する力が必要となります。
IR・コミュニケーションスキル
CFOは、投資家、金融機関、監査法人、取締役会、事業責任者など、立場の異なる相手に対して財務情報を分かりやすく説明する力も求められます。そのため、プレゼンテーション力や調整力、経営陣の意図を整理して伝えるコミュニケーション能力も市場価値を高める重要な要素です。
特に上場企業や外資系企業では、経営陣の説明責任を支える立場として、高い対話力や論理的説明力が重視されます。
資金調達・M&Aスキル
上場企業、IPO準備企業、スタートアップ、PEファンド投資先などでは、銀行との交渉、投資家対応、エクイティ調達、M&Aにおける投資判断なども、CFO候補として差がつきやすい重要領域になります。
特にスタートアップやPEファンド投資先では、資金調達やM&A経験を持つ人材は希少性が高く、資金調達や投資判断に実際に関与し、「どの案件で、どの立場で、何を意思決定したか」を説明できる実務経験があると、転職市場でも高い評価が獲得できます。
英語力・グローバル対応力
外資系企業やグローバル企業では、英語力はプラスアルファのスキルではなく、応募の際の必須要件となることがほとんどです。例えば、グローバル本社へのレポーティング、オンライン会議でのコミュニケーション、海外子会社との連携、海外投資家への対応など、英語を使う場面が非常に多くあるためです。
特に、APAC統括やRegional Finance Headなどのポジションを目指す場合は、会計・財務論点について英語で議論できるレベルの英語力が求められるため、TOEICの高スコアよりも実務レベルの英語力を磨いておく必要があります。
優秀なCFO候補として評価される人に共通する特徴
エイペックスが実際の採用現場で見る”優秀なCFO候補”には、いくつかの共通点があります。特に企業側は、財務スキルだけではなく「経営幹部としての思考特性」があるかを強く見ています。
エイペックスのオペレーションディレクターであるデイビット・スペンスによると、特に優秀なCFOに共通する特徴は以下の通りです。
細部まで数字を確認する「Detail Oriented」な姿勢:会計・予測・分析における小さなミスひとつで、意思決定が誤った方向へ進む可能性があるため、驚くほど細部まで注意を払います。
数字や損益構造を瞬時に理解する数学的思考力:多くの人がスプレッドシートで20分かけるような分析を、数秒で整理・判断してしまうことも珍しくありません。
数字の背景を深掘りする強い探究心:「いくらか」「何件か」「いつまでか」といった問いを繰り返しながら、投資対効果や事業価値を常に多角的に検証しています。
リスクを先回りして捉える慎重さ:「これは損失につながらないか」「不正リスクはないか」「資産をより効率的に活用できないか」といった観点から、常にリスクとリターンを冷静に見極めています。
数字を経営判断につなげるストーリーテリング力:数字を経営陣や投資家にとって意味のある“ストーリー”として伝える力が不可欠です。
細部を見ながらも全体最適で考える視点:細かな数値に強い一方で、常に企業価値、利益、キャッシュフロー、成長戦略など全体最適を考えています。
特にCFOは、単に財務数値を管理するだけではなく、「数字を使って経営判断を前に進める役割」であるため、分析力と経営視点の両立が重要になります。
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洞察提供者
デイビッド・スペンス
エイペックス株式会社 オペレーションディレクター
ファイナンス、HR、IT、マーケティングチームなどすべてのオペレーションチームを統括し、P&L責任を担う
過去には航空業界で、Regional Director of Finance、Director of International Financeなどを務め、CFOとの協働実績も豊富
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CFOになるために資格は必要?特に評価される資格
CFOになるために必須の資格はありません。実際に重視されるのは、資金調達、FP&A、IR、M&A、経営会議での意思決定支援など、「経営に近い実務経験」です。
一方で、資格は「どの領域に強みがあるCFO候補なのか」を示す材料になります。特に、外資系企業やIPO準備企業では専門性や経営理解を客観的に示せるため、転職や昇進で有利に働くことがあります。
【CFO候補として評価されやすい代表的な資格】
特に、日本の公認会計士資格は、上場企業(特にグロース市場・スタンダード市場)やIPO準備企業で高く評価されやすく、CFOへの転職・昇進でも強みになりやすい資格です。
USCPAの場合、日本の公認会計士と比べて取得しやすく、働きながら目指しやすい点が特徴です。外資系企業やグローバル企業で強みを発揮しやすい一方、USCPA単体での評価は限定的であり、英語での実務経験やグローバルプロジェクト経験と組み合わさることで市場価値につながります。
CFOになるためのキャリアパス|経理・財務・経営企画・コンサルからのルート
CFOになるためのキャリアパスは、ひとつではありません。経理・財務からの昇進が王道ですが、近年では経営企画、FP&A、コンサル、監査法人、投資銀行、スタートアップなど、多岐にわたるルートからCFOに転身するケースが増えています。
下記で、CFOになるためのキャリアパスについて詳しく見ていきましょう。
→ 事業会社Finance
→ CFO
→ IPO準備
→ CFO
1. 経理・財務からCFOを目指す王道ルート
CFOに就くキャリアで最も一般的なのは、経理・財務で実務経験を積み、管理職を経てCFOへ進む王道ルートです。決算、資金繰り、金融機関対応、予算管理などを土台に、徐々に経営会議や投資判断へ関与していく形が一般的です。社内昇進でCFOを目指す場合も、このキャリアパスが基本になります。
このルートの強みは、着実に経験を積みながらCFOを目指せる安定性にあります。一方で、制度会計や決算業務だけにキャリアが偏ると、CFO候補としては評価されにくくなる点には注意が必要です。
そのため、早い段階からFP&Aや事業計画、経営管理などに関わり、「会計実務」から「経営判断支援」へ役割を広げていくことが重要です。転職の場合も、単なる経理職ではなく、経営管理に踏み込めるポジションを選ぶことがCFOへの近道になります。
外資系経理のキャリアパスについては、外資系経理のキャリアパス完全ガイド|日系との違い・年収・職種・転職成功のポイントまで解説を参照ください。
2. 経営企画・FP&Aからの経営寄りルート
経営企画やFP&Aは、CFOに非常に近いポジションのひとつです。予算策定、業績予測、事業分析、KPI管理、経営会議資料の作成などを通じて、経営者視点を身につけやすいためです。
特に、大企業で「経理部長止まり」に不安を感じる人にとっては、経理から経営企画やFP&Aへキャリアを広げることで、CFO候補に近づきやすくなります。
ただし注意点は、「分析専門」で終わらないことです。CFO候補として評価されるには、分析結果をもとに、どのような経営判断や意思決定を支援したかまで説明できる必要があります。そのため転職では、「予実分析担当」止まりではなく、経営管理や事業管理まで踏み込めるポジションを選ぶことが重要です。
3. コンサル・監査法人・投資銀行からの外部転身ルート
コンサル・監査法人・投資銀行・FAS出身者は、分析力・財務知識・プロジェクト推進力に強みがあるためCFOへの転身も十分可能です。特にM&Aや投資判断、経営層向け提案などの経験は、CFO候補としても高く評価されやすい領域です。
一方で、事業会社における継続的な予算責任や組織マネジメント経験が不足しているため、そのギャップを埋めることがCFO転身には重要になります。
そのため、いきなりCFOを目指すよりも、事業会社のFinance Manager、経営企画責任者、事業管理責任者などを経由するほうが現実的です。特に、コンサル出身者であれば事業会社でのPL責任へ、監査法人出身者であれば資本政策やIRへと、次に積むべき経験を意識的に選ぶことが重要になります。
4. スタートアップでCFOを目指すスピード昇進型ルート
スタートアップは、最短でCFOを目指しやすいキャリアルートのひとつです。少人数組織では、資金繰り、資金調達、管理体制整備、IR、IPO準備まで幅広く担当するケースが多く、若いうちから経営に近い経験を積みやすいためです。
特に、CEOの近くで経営判断や資本政策へ関与できる機会も多く、短期間で経営視点や資本市場への理解を身につけやすい点が特徴です。また、IPO準備や上場達成まで関与した経験は、CFO候補として転職市場でも高く評価される実務経験となります。
一方で、スタートアップは実力差が成果に直結しやすく、求められる裁量や責任も大きくなります。転職時には、実際の権限範囲、CEOとの役割分担、資金調達への関与度、IPO準備の進捗、ストックオプション条件などを事前に確認することが重要です。加えて、役割を限定せず、必要なことを幅広く担う姿勢も求められます。
CFOになる平均年齢と年収のリアル
CFOは、企業規模や成長フェーズによって、求められる役割やキャリア背景が大きく異なるポジションです。ここでは、CFOに就く年齢感や年収レンジのリアルを解説します。
CFOになる平均年齢とキャリアタイミング
上場企業・大手企業:40代〜50代が中心
スタートアップ・IPO準備企業:30代前半〜後半も増加
外資系・成長企業:年齢より「経営への貢献実績」が重視されやすい
特にスタートアップでは、資金調達、IPO準備、管理体制整備などを担える人材であれば、若くてもCFOとして採用されるケースがあります。
また、50代以降であっても、Finance Director、経営企画責任者、IPO責任者、PMI責任者などの経験があれば、CFO転職は十分可能です。
CFOの年収のリアル

近年は特に、PEファンド投資先企業やIPO準備企業において、CFO人材の需要が高まっています。資金調達やIPOを成功させた人材は転職市場で引く手あまたであり、通常よりも高い年収オファーが出されるケースも多くあります。
CFOになるために今から取るべき行動とキャリア戦略
CFO候補として差がつく人に共通するのは、30代のうちから経営に近い役割へ踏み込めていることです。
つまり、「どのスキルを増やすか」よりも、30代後半〜40代前半の時点で、経営管理や事業責任へ役割を広げられているかが、その後のキャリアを大きく左右します。
基本的には、
管理会計やFP&Aの経験 ↓ 事業PL責任、資金調達・投資判断 ↓ 経営会議やIRへの参画 |
という流れで、徐々に経営視点を広げていく形が一般的です。
そのため、現在の職種によって、次に取るべき経験も変わります。
経理・財務からCFOを目指す場合:決算業務だけでなく、予算策定、事業分析、FP&Aなどへ役割を広げることが重要です。
経営企画からCFOを目指す場合:分析専門で終わらず、事業KPI管理やPL責任など、実際の経営判断へ近づくことが重要です。
コンサル・投資銀行からCFOを目指す場合:事業会社へ移り、予算や組織に責任を持つ経験を積めるかが大きな分岐点になります。
スタートアップでCFOを目指す場合:若いうちから幅広い経験を積みやすい一方で、実際にどこまで経営へ関与できるかを見極めることが重要です。
CFO転職の成功事例|CFO候補として評価されたポイントとは?
ここで、外資系企業でファイナンス経験を積んだ40代男性が、大手外資系医療機器企業のCFOへ転職した事例をご紹介します。実際にどのような経験が評価され、どのようなキャリア判断が成功につながったのかを担当コンサルタントの視点から解説します。
洞察提供者
シリクル・シリピヤワタナ
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シリクル・シリピヤワタナ
2023年から財務・会計チームに所属するシニアコンサルタント。製薬、IT、エネルギー、リーガル、金融、コンシューマーなど、多岐にわたる業界の経理・財務ポジションの紹介を得意とする。世界的有名企業から日本市場進出間もないスタートアップまで、幅広い外資系企業のハイクラスポジション、CFOの紹介に豊富な実績を持ち、最優秀シニアコンサルタントも受賞している。
この成功事例のポイント
外資系×類似業界経験が高評価につながった
年収ダウンよりも長期的なCFOキャリアを優先した
転職エージェントとの密な連携が面接対策や意思決定の質を高めた
Q. CFO転職が成功した要因は何ですか?
A. CFOの転職ではこれまでの実務経験はもちろん重要ですが、応募先の経営メンバーとして、自身の経験や強み、志向が企業とどれだけマッチするかを見極めることも転職成功の大きなポイントとなります。この方の場合、外資系企業での豊富なファイナンス経験に加え、転職先と親和性の高い業界経験があったことが高く評価されました。
また、ハイクラスポジションではより戦略的な転職活動が求められるため、転職エージェントとの連携も非常に重要です。
今回のケースでは、初期段階から転職活動を前に進めるためのレスポンスが早く、自身の希望や不安についても率直にコンサルタントに共有されていました。こうしたオープンなコミュニケーションでお互いに信頼関係を築くことができ、結果として面接対策や意思決定もスピーディに進み、短期間での転職成功につなげることができました。
Q. CFOを目指す方へのアドバイスはありますか?
A. 短期的な年収だけにとらわれすぎないことが重要です。今回のように、一時的に年収が下がったとしても、将来的により大きな裁量や高い報酬につながるポジションは多くあります。
特にCFOを目指す場合は、目先の条件だけでなく、経営陣との距離、責任範囲、資金調達や経営管理への関与など、「将来的にどれだけ経営に近づけるか」という視点でキャリアを選ぶことが重要です。
CFOになるには|よくある質問(FAQ)
ここで、CFOになるためのキャリアについてよくある質問に答えていきます。
Q. CFOになるにはどのような職種からスタートするのが一般的ですか?
A. 最も一般的なのは、経理・財務からキャリアをスタートする王道ルートです。決算、資金管理、予算管理などを経験しながら、管理会計や経営企画へ広げていくケースが多く見られます。
一方で、経営企画、FP&A、監査法人、コンサル、投資銀行などからCFOへ転身するケースもあります。どの職種からCFOを目指す場合でも共通して重要なのは、最終的に「事業の数字に責任を持つ経験」へ移れるかどうかです。
Q. CFOになるまでにどれくらいの年数がかかりますか?
A. 一般的には、10〜20年程度が一つの目安とされています。
例えば、経理・財務からの王道ルートでは15〜20年程度、経営企画やFP&Aでは10〜15年程度、コンサル・投資銀行出身者では12〜18年程度でCFOへ到達するケースがあります。
また、スタートアップでは5〜10年程度でCFOに就任する例もありますが、企業フェーズや本人の裁量によって差が大きくなります。実際には年数そのものよりも、どれだけ早く経営に近い経験を積めるかが重要です。
Q. CFOに必須の資格はありますか?
A. CFOになるための必須資格はありません。
ただし、公認会計士、USCPA、MBAなどは、会計・財務の専門性や経営視点を示す資格として転職で評価されやすい傾向があります。
一方で、実際の採用では資格そのものよりも実務経験が重視されます。資格はあくまで強みのひとつとしてとらえ、最終的には「経営にどう貢献してきたか」を強くアピールすることが重要です。
Q. CFOになるために最も重要な経験は何ですか?
A. 最も重要なのは、「数字を集計する経験」ではなく、「数字で意思決定する経験」です。
具体的には、予算策定、予実管理、資金調達、投資判断、PL責任、経営会議への参加などが代表的です。決算や会計実務は重要な土台ですが、それだけではCFO候補としては不十分です。数字を使って経営を前に進めた経験が、CFO候補としての評価につながります。
Q. CFOと経理部長の違いは何ですか?
A. 経理部長は会計実務の責任者である一方、CFOは経営判断を財務面から支える経営幹部です。
経理部長は、決算、会計統制、監査対応などを中心に担いますが、CFOは資金調達、資本政策、IR、投資判断などを通じて企業価値向上に責任を持つ立場です。そのため、経理部長からCFOを目指す場合は、制度会計だけでなく管理会計、経営管理、事業KPI、資金調達などへ経験を広げていくことが重要になります。
Q. CFOとCEOはどちらが上ですか?
A. CEOは企業全体の経営責任者、CFOは財務・経営管理を担う経営幹部です。
一般的にはCEOが最終意思決定者となりますが、CFOも経営戦略や資本政策に深く関与する重要ポジションです。
Q. 未経験からCFOを目指すことは可能ですか?
A. いきなり未経験からCFOへ就任するケースは現実的には稀ですが、キャリアとしてCFOを目指すこと自体は十分可能です。
実際には、経理・財務、FP&A、経営企画、事業管理などの経験を積みながら、徐々に経営に近いポジションへ広げていくケースが一般的です。重要なのは、「未経験からCFOになる方法」を探すことではなく、「CFOに必要な経験をどこで積むか」を逆算してキャリアを設計することです。
CFOになるにはエイペックスの転職サービスが有効
CFOは、企業価値向上を財務面から支える経営幹部であり、採用企業側も非常に慎重に選考を行います。CEOや取締役との複数回面接が行われることも多く、選考プロセスが長期化するケースも珍しくありません。
また、経営幹部であるCFOポジションは、求人票だけでは実態を判断しづらい点も特徴です。CEOとの役割分担、管理部門の管掌範囲、資本政策の難易度、IPO準備状況など、同じ「CFO候補」でも期待される役割や必要な経験は大きく変わるため、転職エージェントとの密な連携が不可欠なポジションといえます。
エイペックスは、ハイクラス・エグゼクティブ人材のキャリア支援を専門とする転職エージェントとして、財務・会計領域のキャリアサポートにも注力しています。CFOはもちろん、外資系企業・日系グローバル企業を中心に、Accounting Manager、FP&A、Finance Manager、Tax、Treasury、Finance Directorなど、将来的にCFOにつながるポジションの支援実績も豊富です。
特に、「CFOに到達するため次にどのポジションを選ぶべきか」「どの企業フェーズで経験を積むべきか」といった、中長期視点でのキャリア戦略まで含めて相談できる点が強みです。
CFOを本気で目指す場合は、短期的な年収や肩書きだけでなく戦略的にキャリアを選ぶことが大切です。ご興味のある方は、ぜひ下記のボタンからエイペックスのキャリア面談をご活用ください。