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日本企業におけるサクセッションプランニングと次世代経営人材確保の課題を象徴する役員会議室

​日本におけるサクセッションプランニング | Cレベル人材を継続的に確保するために

日本企業におけるサクセッションプランニング(後継者育成計画)は、もはや人事部門だけの課題ではありません。現在では、経営陣や取締役会が責任をもって取り組むべき重要な経営課題となっています。その背景には、経営層の世代交代が進む一方で、次世代の経営を担う人材として十分な経験や能力を備えた後継候補が限られているという、構造的な課題があります。

サクセッションプランニングは、将来に備えるための長期的なテーマではなく、すでに多くの企業が直面している現実の課題です。

日本のエグゼクティブ人材市場は、人材の流動性が低いことが特徴です。多くの経営人材は一つの企業でキャリアを積み重ねるため、組織の継続性や企業文化を維持しやすい一方で、経営経験を持つ外部人材を採用できる機会は限られます。そのため、日本で事業を展開する企業では、経営トップや経営幹部の円滑な世代交代が難しくなるケースも少なくありません。

こうした市場環境を踏まえると、サクセッションプランニングは単なる社内の人材育成ではなく、企業の持続的な成長や経営の安定、さらには投資家からの信頼獲得にも関わる重要なガバナンス上の課題といえます。経営陣には、国内の組織運営への深い理解に加え、グローバルな事業環境でも成果を創出できる人材を見極め、将来の経営を担うリーダーを継続的に確保できる仕組みを構築することが求められています。

なぜ従来型の経営人材育成だけでは十分ではないのか

これまで日本企業では、勤続年数や社内経験、組織内で段階的にキャリアを積み重ねることが、経営人材育成の中心とされてきました。こうした要素は現在でも重要ですが、グローバルに事業を展開し、ガバナンス改革を進める企業が求める経営リーダー像の要件を満たすには、それだけでは十分とはいえません。

現在の経営幹部には、社内で培った経験に加え、グローバルなステークホルダーとの関係構築や国際的な情報開示基準への対応、透明性の高い経営体制のもとで成果を創出する能力が求められています。

こうした変化に伴い、日本企業が求める経営リーダー像も大きく変化しています。

  • 年功序列型から能力に基づくリーダーシップへ

  • 内向きの調整型から外部基準を意識した経営へ

  • 合意形成重視から説明責任のある意思決定へ

従来の人材育成の仕組みに依存し続ける企業では、日本で求められる経営幹部像との間にギャップが生じる可能性があります。

​日本企業の次世代経営幹部に求められるコアスキル

​グローバル視点を備えたバイリンガル・リーダーシップ

日本で経営人材として活躍するためには、バイリンガル能力が欠かせません。ただし、重要なのは語学力そのものではなく、日本法人と海外本社の橋渡し役として、グローバル経営戦略を正しく理解し、日本市場における実行へ落とし込める力です。

こうした役割を担う経営人材には、海外本社の戦略意図を日本市場の実情に合わせて展開し、組織全体の方向性を一致させる力が求められます。一方で、この連携が不十分である場合、戦略認識のずれが生じ、業績やガバナンスにも影響を及ぼす可能性があります。

コーポレートガバナンスと取締役会に対する説明責任

日本ではコーポレートガバナンス改革が進み、経営幹部にはこれまで以上に高い説明責任が求められています。各種法令や規制を遵守するだけでなく、取締役会による適切な監督のもとで経営を推進する能力が不可欠です。

採用においても、ガバナンスへの理解は重要な評価項目です。コンプライアンスや情報開示に関する責任を理解し、株主をはじめとする多様なステークホルダーの期待に応えながら企業価値の向上を実現できる人材が求められています。

グローバル環境で意思決定を行う能力

日本企業では合意形成を重視する文化が根付いている一方で、グローバル市場では迅速な意思決定と実行力が求められます。そのため、社内の合意形成を図りながらも、適切なタイミングで意思決定を行い、着実に実行へ移せる能力が重要です。

この資質は、Cレベル人材の採用においても重要な評価項目です。日本企業特有の組織運営を理解しながら、グローバル企業に求められるスピードや成果にも対応できる経営人材が求められています。

こうした能力は、もはや「あれば望ましい」ものではなく、経営幹部に不可欠な要件となっています。

変革を実現するリーダーシップ

日本企業は、DXやESGへの対応、競争環境の変化などを背景に大きな変革を求められています。

一方で、既存の組織や業務基盤を維持しながら変革を推進するには、慎重かつ的確な舵取りが欠かせません。経営人材には、組織の一体感や事業運営の安定性を損なうことなく、経営戦略と整合した変革を実行することが求められます。

こうした能力は、サクセッションプランニングを成功へ導き、企業の持続的な成長を支える重要な要件となっています。

日本における経営人材パイプラインの課題

日本の経営人材市場の大きな特徴は、ガバナンスへの理解、グローバルな経験、そして組織変革を推進する力を兼ね備えた人材が限られていることです。

社内で育成された人材は、自社の組織や企業文化への理解に優れている一方で、多様な経営経験やグローバルな視点が不足しがちな傾向があります。

一方、日本では人材の流動性が低く、優秀な経営人材の多くは積極的に転職活動を行っていません。そのため、外部から採用する場合も選択肢が限られています。

その結果、日本の経営人材市場では候補者数が限られており、企業は優秀な経営人材を獲得するために競争を強いられています。特に、CEOの後継者育成や経営幹部の交代など、重要なリーダーシップポジションの採用では、この人材不足が大きな課題となっています。

サクセッションプランニングが機能しない場合に取締役会が直面するリスク

サクセッションプランニングの問題は、ある日突然発生するものではありません。後継者育成や選定の遅れは徐々に蓄積し、経営戦略やガバナンスとの整合性に影響を及ぼした時点で、大きな経営課題として顕在化します。

取締役会が特に留意すべきリスクには、以下が挙げられます。

  • 日本法人の経営とグローバル戦略との整合性が失われる

  • ガバナンスやコンプライアンス上のリスクが高まる

  • 重要な経営判断の意思決定が遅れる

  • 十分な準備がないまま、経営トップの交代を迫られる

​Apexアソシエイトディレクター ジェイフェス・ワーズィーの見解:

「私の経験では、日本におけるサクセッションプランニングの課題は、経営やガバナンスへの影響として表面化するまで過小評価されるケースが少なくありません。多くの企業では、サクセッションプランニングを長期的な取り組みとして捉えています。しかし、人材の流動性が低く、グローバルで活躍できる経営人材が限られている日本市場では、準備不足そのものが構造的なリスクになります。実際には、十分な準備がないまま短期間で経営トップの交代を迫られ、戦略との整合性を欠いた場当たり的な採用に陥るケースを数多く見てきました。年功序列型のリーダー育成から、能力を重視した経営人材の登用へ移行するには、社内育成だけでは十分ではありません。市場全体を見据えた計画的な人材マッピングと、将来を見据えた経営人材を継続的に発掘・評価する仕組みが不可欠です。こうした取り組みがなければ、日本法人の経営とグローバル本社の戦略との間に大きなギャップが生じるリスクがあります。」

こうしたリスクは、特に日本で事業を展開するグローバル企業や上場企業において、投資家からも重要な経営課題として注視されています。

エイペックスコンサルタントジェイフェス・ワーズィーの写真

ジェイフェス・ワーズィー
エイペックス株式会社 アソシエイトディレクター
外資系医療機器企業におけるマーケティング領域のリーダーシップポジションの採用を専門とするリクルーター

医療機器チームのアソシエイトディレクター兼チームマネージャーとして、プロダクトマネージャー、マーケティングマネージャー、マーケティングディレクター、バイスプレジデントなど、外資系医療機器企業における幅広いポジションの採用を担当。

企業が求める人材を的確に見極める粘り強いサーチを強みとし、最適な人材とのマッチングを通じて採用成功を支援している。

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​企業の成り立ち・経営体制がサクセッションプランニングに与える影響

日本企業で求められる経営人材の要件は、企業の成り立ちや経営体制によって大きく異なります。外資系企業の日本法人では、本社や地域統括拠点との連携を前提とした組織運営のもと、日本市場での事業成長とグローバル戦略の実行を両立できるリーダーが求められます。

一方、日系企業では、組織の継続性や社内での人材育成を重視する傾向が強く、経営幹部に期待される役割も異なります。また、ジョイントベンチャーでは、複数の出資企業や関係者との調整が必要となるため、より高度なステークホルダーマネジメントが求められます。

このように、日本における経営幹部採用では、企業ごとの事業環境や組織体制を踏まえて、求める人材像を明確にすることが重要です。経営幹部には、事業を成長させる力だけでなく、社内外の関係者と連携しながら、自社のガバナンス体制や意思決定の仕組みに適応し、成果を発揮する能力も求められます。特にエグゼクティブ採用では、企業ごとに異なる役割や期待される責任を正しく理解したうえで、その環境で最大限の成果を発揮できる人材を見極めることが欠かせません。

東京は、特に外資系企業を中心としたエグゼクティブ採用の中核市場です。しかし、優秀な経営人材へのアクセスを左右するのは所在地ではありません。幅広いネットワークと市場に対する深い知見を持ち、転職市場に顕在化していない潜在候補者にもアプローチできるかどうかが、採用成功の鍵となります。

​なぜサクセッションプランニングにエグゼクティブサーチが効果的なのか

​日本市場における経営人材の供給が限られていることから、多くの企業が経営幹部採用において外部のエージェントを活用するようになっています。エグゼクティブサーチは、従来の採用手法では出会うことが難しい、転職市場に顕在化していない優秀な経営人材へアプローチする有効な手段となっています。

サクセッションプランニングにエグゼクティブサーチを活用することで、企業は次のようなメリットを得られます。

  • 転職市場に出ていない経営人材へアプローチできる

  • 機密性を確保しながら候補者とのコンタクトを進められる

  • 取締役会やステークホルダーが求める要件に照らしてリーダーシップを評価できる

  • 市場全体を踏まえて候補者を客観的に比較・評価できる

このアプローチにより、候補者の選択肢を広げるだけでなく、十分な比較・評価に基づいた、より適切な採用判断が可能になります。

経営の持続性を支える戦略的手段:エグゼクティブサーチ

日本におけるエグゼクティブサーチは、単に経営幹部を採用するための手段ではなく、将来を見据えた経営人材パイプラインを構築するための重要な取り組みです。目先の採用ニーズに対応するだけでなく、将来の経営を担う人材を継続的に発掘・評価することで、場当たり的な採用への依存を減らすことができます。

経営幹部の後継者候補不足に直面する企業にとっては、社内外を含む幅広い候補者市場から、最適な人材を見極め、将来を見据えたリーダーシップパイプラインを形成するうえで重要な役割を果たします。

サクセッションプランニングにエグゼクティブサーチを組み込むことで、経営戦略と連動した後継者育成・採用を一体的に進めることが可能になります。特に、経営幹部や取締役クラスの採用では、経営の継続性とガバナンスの両立が重要であり、こうした戦略的なアプローチが企業の持続的な成長を支える基盤となります。

Apexの経営人材採用・サクセッションプランニング支援

Apexは、日本市場に特化したエグゼクティブサーチ会社として、外資系企業・日系企業双方の経営幹部・エグゼクティブ人材の採用を支援しています。

東京を拠点に、体系的なアプローチと、日本特有の経営人材市場やサクセッションプランニングへの深い知見を組み合わせ、企業の持続的なリーダーシップ体制の構築をサポートしています。

エイペックスの主なサポート内容は以下のとおりです。

  • CEOをはじめとする経営幹部の採用

  • CEOサクセッションプランニング

  • 経営層のサクセッションプランニング

  • 取締役・ボードメンバーの採用支援

また、Apexは世界的なエグゼクティブサーチネットワークであるKestriaのメンバーファームとして、日本法人と海外本社の双方の要件を踏まえたクロスボーダー採用にも対応しています。

日本企業の持続的な成長を支えるリーダーシップの確立に向けて

日本企業は今、組織の継続性を維持しながら変革を推進することが求められています。その両立を実現するうえで、サクセッションプランニングは重要な経営課題の一つです。

社内での人材育成と外部市場からの人材獲得を戦略的に組み合わせる企業ほど、ガバナンスへの対応力とグローバルな視点を備えた経営リーダー像を確保しやすくなります。

経営人材が限られる日本市場では、次世代の経営を担う人材をどのように継続的に育成・獲得していくかが、取締役会にとって重要なテーマとなっています。そのためには、社内育成だけでなく、エグゼクティブサーチを活用した外部人材への計画的なアプローチを組み合わせることが、長期的な経営の安定につながります。

将来を見据えたサクセッションプランニングと戦略的なエグゼクティブサーチを一体的に推進することは、経営の継続性を確保し、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支える経営基盤となります。

​Apexコンサルタントとの採用戦略ミーティング

経営幹部やハイクラス人材の採用を成功させるためには、採用活動を開始する前の戦略設計が重要です。

Apexでは、経営幹部採用やサクセッションプランニングを通じて、将来の経営を担う人材の確保をご検討中の企業様向けに、採用戦略に関する個別相談を実施しています。

採用戦略ミーティングでは、以下のようなテーマについてご相談いただけます。

  • 採用背景や事業課題の整理

  • 求めるリーダーシップ要件や候補者像の明確化

  • 現在の採用市場や競合動向の共有

  • 採用スケジュールおよびサーチ戦略の検討

ご相談内容はすべて厳格な守秘義務のもと管理いたします。

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