転職に悪い時期について、まず押さえておきたいポイント
転職市場に絶対的な「悪い月」はないものの、年末年始や長期休暇など、求人や選考の動きが鈍りやすい時期はあります
「転職活動を始める時期」「現職を退職する時期」「新しい会社へ入社する時期」は別の判断です。賞与やプロジェクト完了を待つ場合でも、情報収集や応募まで待つ必要があるとは限りません
待つのが合理的なのは、賞与・昇格・プロジェクト完了など、待つことで得られる具体的なメリットがあり、その期限が明確な場合です
外資系・ハイクラス転職では、時期よりも希望するポジションの採用状況と、良い求人が出たときにすぐ動ける準備ができているかが重要です
「転職に悪い時期はいつ?」「今は転職活動を始めないほうが良い?」と悩んでいる人も多いでしょう。転職には、求人数や選考スピードなどの面で不利になりやすい時期がある一方、「絶対に悪い月」があるわけではありません。良い求人やキャリアの機会があれば、時期にかかわらず動くことも選択肢となります。
本記事では、転職で不利になりやすい時期とその理由を整理したうえで、悪い時期でも転職活動を進めるメリットや、あえて待ったほうが良いケース、外資系・ハイクラス転職ならではの成功ポイントまで解説します。
転職に悪い時期は本当にある?新規求人数の月別推移
転職に悪い時期を考えるうえで、まず気になるのが「実際に求人が減る月はあるのか」という点ではないでしょうか。厚生労働省のデータによれば、新規求人数は月によって変動するものの、年間を通じて求人が発生しています。

5月、8月、11月~12月は若干求人数が減少する傾向はあるものの、求人は一年を通してあります。毎年特定の月に求人数が著しく減少するという傾向は見られないため、求人件数だけでなく、選考スピードや自身の状況なども含めてタイミングを判断することが重要といえます。
転職で不利になりやすい6つのタイミングとその理由
転職に絶対的な「悪い時期」はありません。ただし、求人数の傾向や選考スケジュール、現在の仕事や自身の状況によって、不利になりやすいタイミングはあります。
ここでは、転職活動を始める前に知っておきたい6つのタイミングと、不利になりやすい理由を紹介します。いずれも一律に避ける必要はなく、不利になりやすい理由を理解したうえで、自身の状況に合わせて判断することが大切です。
① 11〜12月・年末年始
11月~12月は求人数が若干落ち込む傾向があると同時に、12月後半から年末年始にかけては、企業側の休暇などにより選考スピードが落ちやすくなります。面接の日程が組みにくくなったり、合否連絡までに通常より時間がかかったりするケースもあります。
一方、年末だからといって採用活動が止まるわけではありません。外資系企業では年度に左右されない採用も多く、ポジションによっては年末でも採用活動が進みます。特に、ボーナス支給後の欠員補充など、早期の人員確保が必要なポジションでは年末でも選考が進み、チャンスとなることもあります。詳しくは、年末年始の転職活動ガイドもあわせてご覧ください。
② ゴールデンウィーク・お盆などの長期休暇期間
ゴールデンウィークやお盆などの大型連休を挟む時期は、採用担当者や面接官が休暇中のことが多いため、面接日程の調整や合否連絡に時間がかかることがあります。この時期に転職活動を進める場合は、選考が通常より長引くことを前提に、スケジュールに余裕を持たせておきましょう。
また、求人数についても5月は3~4月と比べて減少しやすく、8月も減少傾向にあります。夏に転職活動を進める場合には、夏の転職活動ガイドも参考にしてください。
③ 入社1年未満
入社してから1年未満での転職は、在籍期間が短いことから、採用担当者に早期離職の懸念を持たれる場合があります。
ただ、「在籍期間が短いこと」そのものが不利になるのではなく、なぜ短期間で転職するのかを、採用担当者が納得できる形で説明できるかが重要です。
例えば、「入社前に聞いていた職務内容と実際が異なり、◯◯の専門性を伸ばせる環境を選び直したい」といったように、「事実」と「今後実現したいこと」をセットで説明できれば、転職理由への理解を得られる可能性が高まります。
「1年になるまで待つ」こと自体を目的にするのではなく、待つことで得られる経験や実績があるか、今動く必要性があるかを比較して判断しましょう。
④ 業界・職場の繁忙期や大型プロジェクトの進行中
現職の繁忙期や大型プロジェクトの進行中に退職すると、引き継ぎの負担が大きくなり、円満退職が難しくなる場合があります。特に重要な業務やプロジェクトを担当している場合は、途中で離れることで社内への影響が大きくなるだけでなく、プロジェクトを完遂した実績として転職活動でアピールするチャンスを逃す可能性もあります。
どうしてもこのタイミングで転職する場合は、早めに引き継ぎ内容を整理し、後任がスムーズに業務を引き継げる状態を整えておきましょう。
⑤ ボーナス支給/昇給・昇格の直前
賞与の支給前や昇給・昇格の直前に退職すると、本来受け取れたはずの賞与や昇給後の給与を受け取れない可能性があります。特に賞与は、企業によって支給日在籍要件などの支給条件が異なるため、転職活動を始める前に就業規則や賞与規程を確認しておくと安心です。
ただし、賞与を受け取るために転職のタイミングを無理に先延ばしすることが、必ずしも得策とは限りません。受け取れる金額と、転職を先延ばしすることで逃す可能性のあるキャリア機会を比較して判断することが重要です。賞与と転職のタイミングについては、ボーナスをもらってから転職するには?の記事で詳しく解説しています。
⑥ ライフイベントや私生活に大きな変化がある時期
結婚や出産、家族の介護など、ライフイベントや私生活に大きな変化がある時期は、転職活動を急がないほうが良い場合があります。勤務地や働き方、勤務時間など、今後の生活に合わせて転職の条件が変わる可能性があるためです。
ただし、ライフイベントがあるからといって、必ずしも転職を先延ばしする必要はありません。今後の生活で何を優先したいのか、条件を整理したうえでキャリアの可能性も含めて転職先を選ぶことが大切です。
逆に、前向きに動くべき良い転職時期については、転職活動に最適な時期を見極めるポイント!季節ごとのメリットとデメリットもご紹介をご覧ください。
転職活動を始める時期・退職する時期・入社する時期は分けて考える
「転職の時期」をひとつの出来事として考えると、「今は悪い時期だから何も始めないほうが良い」と判断しやすくなります。しかし実際には、転職活動の開始、現職の退職、新しい会社への入社はそれぞれ別のタイミングです。
つまり、「退職を待ったほうが良いケース」と「転職活動そのものを始めないほうが良いケース」は同じではありません。ボーナスやプロジェクト完了など、退職を少し待つ理由がある場合でも、その間に情報収集や応募を進めておけば、待つことによる機会損失を抑えやすくなります。
今動くべき?待つべき?判断するための基準
転職に不利になりやすい時期こそあるものの、時期を理由に活動を先延ばしすると、かえって機会を逃す可能性もあります。判断のポイントは、「なんとなく時期が悪いから待つ」のではなく、待つことで得られる具体的なメリットがあり、その期限が明確かどうかです。
中途採用の求人は通年ある
中途採用は、欠員補充などを理由に一年を通じて行われています。求人数の増減はあっても、募集が完全になくなる月はありません。とくに欠員が出れば、時期を問わず採用が始まります。
「今は時期が悪い」と決めつけて活動を止めるのではなく、自分に合う求人が出ていないかを求人サイトなどで継続的に確認することが大切です。
応募者が減る時期は、相対的に有利になりやすい
多くの人が転職活動を控える時期は、裏を返せばライバルが減る時期でもあります。求人数だけでなく応募者数も減るため、求人によっては競争が緩和され、相対的に有利になるケースもあります。周囲が足踏みしている時期こそ、準備を整えて動くことで有利に進められることがあります。
「待つこと」自体にもリスクがある
良い時期を待つあいだにも、転職市場は動いています。条件の良い求人はいつまでも募集されているとは限らず、待っている間に応募多数で募集が終了することも多々あります。
特に、ハイクラス求人は募集枠が1名のみなど限られており、採用ニーズが発生するタイミングも予測しにくいという特徴があります。ベストな時期を待ち続けた結果、動くタイミングそのものを逃してしまうこともあるため、良い求人を見つけたときにすぐ動ける状態にしておくことが大切です。
逆に転職を「待つ」ほうが合理的なケース
悪い時期でも転職活動を進めるメリットを紹介しましたが、一方で、一定期間待つことでキャリアや経済面でメリットが得られるケースもあります。共通するのは、「なんとなく時期が悪いから」ではなく、待つ理由が具体的かつ期間が決まっていることです。
賞与支給日まで3カ月以内のとき
賞与の金額が大きい場合は、支給日まで退職を待つことで経済的なメリットを得られる可能性があります。ただし、待っている間も応募書類の作成や求人情報の収集は進めておきましょう。
転職活動には一定の期間がかかるため、ボーナス支給日から逆算して情報収集や応募を進め、退職の申し出を支給日以降にする方法もあります。
担当案件が実績として完成間近のとき
進行中のプロジェクトが完了間近であれば、終了まで待つことで、職務経歴書に記載できる成果を増やせる可能性があります。
特に大型案件やマネジメント経験などは、完了後に担当範囲や成果を具体的に示せるため、転職先での評価につながることがあります。
昇格・重要な資格取得が数カ月以内に確定しているとき
近い将来の昇格や、転職先でも評価される資格の取得が確定している場合は、取得後まで待つことも選択肢です。
特にハイクラス転職では、役職や専門資格が応募先のポジションに対する評価に影響することがあります。数カ月待つことで市場価値を高められる見込みがあるなら、取得後の転職を検討しても良いでしょう。
悪い時期でも転職活動を進めるための準備
悪い時期に転職活動を進める場合は、準備の質が結果を左右します。ここでは、不利になりやすい状況でも転職活動を成功させるために、押さえておきたいポイントを紹介します。
応募書類の完成度を高める
悪い時期こそ、自身の強みが何なのかを一目で理解してもらえるよう、応募書類のブラッシュアップに時間を費やしましょう。職務経歴書は担当業務を並べるだけでなく、実績を可能な限り数値で示し、採用担当者が入社後の活躍や組織への貢献をイメージできる内容にすることが重要です。
また、どの企業にも同じ書類を使い回すのではなく、応募先の求人内容に合わせて強調する経験やスキルを調整することも大切です。
転職理由を整理する
転職理由は、「なぜ今、転職するのか」まで含めて自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。特に、入社から間もない時期やプロジェクト進行中など、転職のタイミングについて理由を問われやすい場合は、面接で「なぜ今なのか」を説明できるようにしておきます。
会社への不満を並べるのではなく、自身の成長やキャリア目標を軸に伝えることで、転職理由に説得力を持たせられます。面接での転職理由の答え方は、【例文付】 退職理由(転職理由)を面接で聞かれた際の回答のポイントをご紹介!をご覧ください。
退職・入社スケジュールを逆算しておく
入社希望時期から逆算し、選考期間だけでなく、退職の申し出、引き継ぎ、有休消化まで含めた転職スケジュールをあらかじめ立てておきましょう。
特に長期休暇などで選考が長引く時期は、余裕を持ったスケジュールを組むことが入社時期のずれを防ぐポイントになります。詳しい転職スケジュールの立て方は、希望通りの転職に向けたスケジュールの立て方で解説しています。

西田 史(製薬チーム コーディネーター)のワンポイントアドバイス:
転職活動をスタートしてから、内定・入社までにはおおよそ3か月かかるのが一般的です。転職を希望する時期が決まっている場合は、現職での引き継ぎや退職に関するルールも確認したうえで、入社希望時期から逆算してエントリーのタイミングを考えることが大切です。
外資系・ハイクラス転職では「悪い月」だけで判断しない
外資系・ハイクラス転職では、一般的に「転職に悪い時期」とされるタイミングでも、活動を止める必要はありません。カレンダー上の「良い時期・悪い時期」よりも、希望する企業やポジションの採用状況を見極めることが重要だからです。
悪い時期でも転職活動を進めたほうが良い理由は、次の3つです。
外資系企業は「時期」よりも「ポジション起点」で採用が動く
ハイクラス求人は非公開求人も多く、募集が始まる時期を予測しにくい
選考に時間がかかるため、早めの準備が成功につながる
1. 外資系企業は「時期」よりも「ポジション起点」で採用が動く
外資系企業では年度に合わせた一括採用よりも、欠員が出たタイミングや、事業計画に基いて部門ごとに承認された採用枠(ヘッドカウント)に紐づいて採用が進むことが一般的です。期の途中で欠員が出れば新たな募集が始まる一方、決算期などに採用予算が見直され、求人が一時的に取り下げられることもあります。
そのため外資系への転職では、「転職に良い時期・悪い時期」という一般論だけで判断するのではなく、希望に合うポジションが出たときにすぐ動けるかどうかが重要です。求人が公開されるのを待つだけでなく、転職エージェントから最新の採用状況を確認することも、募集のタイミングを逃さないための方法のひとつです。
2. ハイクラス求人は非公開求人も多く、募集が始まる時期を予測しにくい
管理職・専門職などのハイクラス求人では、一般に公開されていない非公開求人や、転職エージェント経由で限られた候補者に案内されるポジションもあります。そのため、一般的な求人市場の繁閑とは異なるタイミングで募集が始まることもあり、あらかじめ予想するのは困難です。
また、ハイクラス求人は募集人数が限られているため、条件に合う候補者が見つかれば早期に募集が終了することがあります。「求人が増える時期」を待つのではなく、良いポジションが出たときにすぐ応募できる状態を整えておくことが重要です。

西田 史(製薬チーム コーディネーター)のワンポイントアドバイス:
人気の求人は、募集開始から数日のうちに応募多数で募集が締め切られることがあります。職務経歴書を更新している間に応募受付が終了してしまうケースもあるため、希望するポジションが出たときにすぐ応募できるよう、職務経歴書は常に最新の状態にしておくことをおすすめします。
3. 選考に時間がかかるため、早めの準備が成功につながる
外資系・ハイクラスの採用では、複数回の面接に加え、本国やリージョン本部の承認が必要になる場合もあり、選考開始からオファー提示まで数週間から数カ月かかることがあります。
そのため、転職を希望する時期が決まっている場合は、入社希望時期から逆算して職務経歴書の準備や面接対策などを早めに進めておくことが重要です。応募書類や面接の準備が整っていれば、希望に合うポジションが出たタイミングですぐに選考へ進むことができます。
外資系企業の選考の流れや準備については、外資系企業の採用プロセスと対策方法の記事をご覧ください。
転職の悪い時期に関するよくある質問(FAQ)
ここで、転職時期についてよくある質問にお答えします。
Q. 転職に一番悪い時期は何月ですか?
A.「絶対に転職してはいけない月」はありません。ただし、年末年始やお盆などは企業の休暇で選考が進みにくくなることがあります。月別の求人件数だけでなく、選考スピードや自分の退職・入社スケジュールまで含めて判断しましょう。
Q. 悪い時期に転職すると不利になりますか?
A. 必ずしも不利になるとは限りません。求人数が少ない時期は応募者も減るため、求人によっては競争が緩和されるケースもあります。時期だけでなく、希望する職種の求人動向や自身の準備状況を踏まえて判断しましょう。
Q. 年末年始は転職活動を止めたほうが良いですか?
A. 必ずしも止める必要はありません。選考が進みにくい場合もありますが、応募書類の準備や情報収集を進める期間として活用できます。年明けに採用が動き出した際、すぐ応募できる状態を整えておきましょう。
Q. 入社1年未満で転職するのは不利ですか?
A. 在籍期間が短いと早期離職を懸念される場合があります。ただし、転職理由と今後のキャリアで実現したいことを一貫して説明できれば、評価につながるケースもあります。「なぜ今、転職するのか」を明確に整理しておくことが重要です。
Q. ボーナス前に転職するのは損ですか?
A. 支給前に退職すると、賞与を受け取れない場合があります。企業によって支給条件や退職予定者に対する取り扱いが異なるため、退職を申し出る前に就業規則などで確認しましょう。ただし、賞与を待って転職を先延ばしすることで、逃す可能性のあるキャリア機会もあります。賞与を受け取るメリットと、転職のタイミングを比較して判断することが重要です。
Q. 悪い時期なら転職活動を始めるのも待つべきですか?
A. 月や季節が悪いという理由だけで、転職活動そのものを待つ必要はありません。待つことで得られる具体的なメリットがあり、期限が明確な場合は退職時期を調整し、それ以外は情報収集や応募を進めながら判断するのが現実的です。
転職に悪い時期でも、今動くべきかを見極める|エイペックスのサービス
一般的に、「転職に不利な時期」だからといって、必ずしも転職活動を待つ必要はありません。特に、外資系企業を目指す場合やハイクラスの転職では、カレンダー上の時期よりも、希望するポジションの採用状況や自身のキャリアのタイミングを踏まえて判断することが重要です。
「今、自分が転職活動を始めても大丈夫なのか」「良い求人が出るまで待つべきなのか」と迷っている場合は、まず現在の転職市場や希望する企業・ポジションの採用動向を確認してみましょう。
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