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スーツを着た男性がSTARメソッドを象徴する透明なスクリーンに触れている画像

面接をワンランクアップさせるSTARメソッド 成功のポイントと回答例

​転職市場はまだまだWEB面接が主流ですが、対面と比べて人柄が伝わりずらい分あなたの面接力をワンランクアップさせる必要があります。その方法の一つがSTARメソッド。特に、多くの外資系企業の採用担当者はこの手法で候補者の適性を見極めています。是非使い方をマスターして、面接官の印象に残る魅力的な回答でライバルと差をつけましょう。

STARメソッド(行動面接)とは?

面接が行われる理由はひとえに、あなたが入社後に活躍してくれるかどうかを見極めるためです。それを最も効率的に推し量るために面接官が使うテクニックが、STARメソッド(行動面接)Situation(状況)、Task(任務)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取った言葉です。あなたの過去の実績や行動をこの手法で掘り下げて質問することで、面接官はあなたの思考・行動の特性を分析し将来の仕事ぶりを推測します。逆にこのテクニックを知ってそれを面接で用いることができれば、面接官が期待する回答をすることが可能なのです。

STARメソッドを使った質問とは?

では、STARメソッドを用いた質問を具体的に見てみましょう。面接官はあなたの過去の実績や行動について、下記のように具体的に掘り下げて質問をしてきます。

S- シチュエーション(状況):そのときの状況や背景は?どんな困難に直面したのか?

T- タスク(任務):(いつ、どこで、誰と)その状況を解決するためにどんなタスク(任務)があったのか?

A- アクション(行動):具体的にどんな行動をとったのか?どんな特徴があったのか?どのようなスキルを使ったのか?

R- リザルト(結果):具体的な成果(数値)は?何をもたらしたのか?そこから何を学んだか? 

では、その答え方を見てみましょう。例えば、「仕事で一番プレッシャーを感じたときのことを教えてください。それをどう乗り越えましたか?」という質問がきたとします。それをSTARメソッドで答える場合、以下のようになります。

S- シチュエーション(状況)「〇〇会社で営業所長として〇〇営業所へ配属された際、過去10年間売上目標に対し-50%以上の未達成、営業人数も不足している状況での業績立て直しを命じられたときが、一番プレッシャーを感じたときです。」→そのときの状況を説明します。必要のない情報は入れないように、但し困難を強調することを忘れずに。マネージャーだった、チームリーダーだったなど、役回りについても言及してください。

T- タスク(任務)「営業人数を増やすことができないため、現状の人数でいかに最大限の効果を出せるかという課題がありました。」→どんな課題が与えられたのかを説明します。自ら見出した課題であればそれをアピールしましょう。

A- アクション(行動)「まず全営業と1on1ミーティングを行い現状の課題を共有し、解決のための意見交換を行いました。リソースの最大化が課題であると考え、業務の効率化と経費削減を目指し、リモート商談、オンライン営業会議を推進しました。また、売上に対するリソースの配分を見直した結果、2つの製品にリソースを集約させることを決断し効率化を図ることに成功しました。」→問題解決のためにどんなステップを踏んだのか、どんな行動を取ったのかをアピールします。頑張りました、など曖昧な表現は避け、できるだけ具体的に説明してください。また、謙遜して「チームが」などと言う必要はありません。あなた自身が行動したと伝えてください。

R- リザルト(結果)「その結果、着任1年で営業所の年間売上目標達成に成功し、3年目には関東地区において年間売上1位を獲得しました。また、担当地区における〇〇製品の市場シェアを2年で35%から70%に上げることにも成功しました。同時に、リモート商談からの顧客獲得の成功例として全国の営業会議でも発表し、全社でのオンライン活用推進にも貢献しました。」→その結果、成果は何だったのか、何をもたらしたのか、会社にどう貢献できたのか、具体的な数値を入れて説明します。例え上手くいかずとも、失敗から学んだことやその後改善のために努力したことなどをアピールすることもできます。

面接官は、あなたが「何をしたか」に興味はないのです。「なぜしたのか」「どのようにしたのか」を知ることによって、その先にあるあなたの「可能性」「資質」を知り、あなたが応募しているポジションにフィットするかを見極めています。あなたはその意図を理解して回答しなければなりません。面接官が知りたいこととは、あなたのコミットメント力、自発性、リーダーシップ力マネジメント力、問題解決能力、対人能力、協調性、柔軟性、プレッシャーへの対応力などです。

つまり、上記の「知りたいこと」それぞれに対し、自身の能力をアピールできるような引き出しを事前に用意しておかなければなりません。面倒でも、面接で成功するためには必要な過程です。

下記は、採用面接でよく聞かれる質問の一部です。面接官があなたのどんな資質を知るための質問なのかを考えながら、STARメソッドを使って回答を考えてみてください。

Q. あなたの仕事での最大の成果を教えてください。

Q. あなたの強みは何ですか?それを仕事で活かせたときのことを教えてください。

Q. 自らイニシアチブを取って行ったタスクやプロジェクトについて教えてください。

Q. 仕事で一番プレッシャーを感じたときのことを教えてください。どうやって乗り越えましたか?

Q. 経験のない仕事を与えられたとき、それをどのようにやり遂げましたか?

Q. タイトスケジュールで行わなければならなかったタスクについて教えてください。

Q. 仕事でした失敗について教えてください。その後どのように改善に努めましたか?

Q. 今の仕事で苦労している(していた)ことを教えてください。

Q. チームをマネジメントする際に大変なこと(だったこと)について教えてください。

Q. 部下のモチベーションを高めるために工夫している(した)ことを教えてください。

Q. 一緒に仕事をするのが難しい人がいる場合、どのように対処しますか?

STARメソッドを用いた回答を成功させる5つのポイント

せっかくSTARメソッドで面接官が期待する回答を準備するのですから、最大限にアピールできるよう以下の5つのポイントを踏まえて作成してみましょう。

①具体的に 面接官がそのときの状況を思い浮かべられるように、具体的な例を挙げて説明しましょう。但し、前職の守秘義務がある場合は注意してください。特にリザルト(結果)は、具体的な数値で成果をアピールできるようにしましょう。

②幅広い分野から 特定のポジションや分野の話ばかりでは、あなたの可能性に限界を感じられてしまう恐れがあります。前途にある面接官が「知りたいこと」、例えば「チームワーク」など、あなたの特性をアピールできるストーリーを最低2つ以上は用意しておきましょう。

➂簡潔に 余計な情報は入れないように、約2分以内くらいに端的にまとめられるように準備します。そうすることで、あなたの回答がより理解しやすくパワフルな印象を与えます。

④正直に アピールできるストーリーがないからといって、決して事実を歪曲しないでください。面接官はあなたのストーリーを掘り下げて質問してきますので、事実でないことはいずれ判明します。それよりも成功例がないのならば、なぜ成功しなかったのか分析ができていること、そこからどう改善しようとしたのかなど、ポジティブな話に繋げられるように準備しておきましょう。

⑤練習を積む 想定される質問に対し回答を準備できたら、あとは練習です。ご家族や友人に面接官役をお願いしても良いですね。話の内容はもちろん大切ですが、それと同時に非言語的コミュニケーションも重要です。明るく、エネルギッシュに、ネガティブな言葉を避け、アイコンタクトを取りながら、熱意を持って回答しましょう。また、どんな質問がきたらどのストーリーを話すのか事前に決めていると思いますが、それが質問の意図と合っているか、あなたの資質を十分アピールできるストーリーなのか確認してください。

最後に

コロナ禍などにより不確定要素が多い昨今の転職市場ですが、特定の分野やポジション以外は買い手市場が見込まれ、通常よりもライバルが多いことが想定されます。書類選考を通過したのであればあなたの経歴は応募企業に認められたと考え、あとはいかに自身をアピールできるかに重きを置けば良いのです。もしあなたが転職時の面接の流れに不安がある場合は、最大限力を発揮できるように面接前に確認しておきましょう。そして是非STARメソッドを使って、戦略的で自信に満ちた回答ができるように準備しましょう。

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