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働く動機を知るのはなぜ大事なのか?

​働く動機や仕事に求める条件は、人によって大きく異なります。給料のために働いているという人もいれば、魅力的な企業文化、成長のチャンス、仕事の責任、またはそれ以外の要素がやる気の根源だと言う人もいるでしょう。それでは、働く動機をいくつか挙げた時、各要素の重要度はどうやって測ることができるのでしょうか?

弊社で作成した『日本のヘルスケア業界における仕事満足度調査』レポートでは、どのような要素が人に転職を決断させるのかについて分析しました。従業員がなぜ辞めたいと思うのか知ると同時に、なぜ今の職場に残りたいと思うのか、そして何が働き続ける動機になっているのかを知ることが重要です。

 

 2種類の動機タイプ:外発的動機づけと内発的動機づけ

外発的動機づけとは、外的要因が影響する従業員のモチベーションで、評価、賞罰、強制などの人為的な刺激が当てはまります。具体的に言うと、給与を得ることや仕事をクビになることが当てはまります。

対照的に、内発的動機づけは、行動要因が内面に湧き起こった興味・関心や意欲によるもので、目には見えません。コンピュータープログラマーが純粋にプログラミングを愛しているからやる気がある、プロダクトマネージャーが自社製品を世に出す事に情熱を持っているから頑張れる、などが内発的に動機づけられた人の例です。

目に見えない内発的動機づけに比べ、外発的動機づけは見たり感じたり、大きさを測ることが可能です。弊社のアンケート調査によると、転職を決める条件として一番多く選ばれた要素は「責任」で、2番目が「給与」でした。外発的動機づけである給与はたしかに上位にランクインしましたが、もし人が「給与は平均並みだが、情熱を持てる仕事」と「仕事に全く興味がないが、給料が高めな仕事」を選ぶことになった時、多くの人は前者を選ぶでしょう。なぜかというと、人は無意識に外発的動機づけと内発的動機づけを天秤にかけ、多くの人がよりパワーのある内発的動機を優先するからです。ただ、内発的動機より外発的動機の方が勝る境界線は誰にでもあるため、一概には言えません。

 

従業員の4種類の「やる気タイプ」

何が人のやる気を上げるのかについての研究によると、人のやる気は同じ要素が原因で上がったり下がったりするわけではなく、上がる要素と下がる要素は全く別物であることがわかりました。

やる気を上げる要素は、達成感、表彰、責任、やりがい、成長などです。そして、やる気を下げる要素には企業ポリシー、指揮管理、給与、安定性、上司との関係などが当てはまります。ここから言えることは、やる気を下げる要素は仕事パフォーマンスに悪影響か無の影響のみを与え、好影響を与えるのはやる気を上げる要素だけであるということです。そして、従業員はやる気によって4つの異なるタイプに分かれます:

  1. やる気があり、満足度の高い従業員。仕事生活の全てが上手くいっており、仕事にやりがいを感じているこのタイプは一番の理想形です。

  2. やる気はあるが、満足度の低い従業員。給与が低い、細かく管理されている、など仕事生活の何かが上手くいっていないタイプ。人事担当者はこのグループに着目するべきです。

  3. やる気はないが、満足度の高い従業員。仕事はお金を稼ぐ手段だと割り切っているため、長期的に企業に忠誠を尽くす気もあまりないタイプ。

  4. やる気もなく、満足度も低い従業員。このタイプはもしかすると、既に転職先を探しているかもしれません。

あなたの会社の従業員たちは、どのタイプに当てはまりますか?そして、あなた自身はどのタイプですか?この4つのタイプを知っておくことで、満足度の低い従業員にアンテナを張りやすくなり、また職場環境や条件の改善に役立てることもできます。

 

人事担当者へのヒント

人事担当者は特に、2番目のタイプ「やる気はあるが満足度の低い」従業員にフォーカスするべきです。このタイプの従業員は既に内発的に動機づけられており、それはトレーニングなどで身につけられるものではないので、会社が大切にするべき存在です。しかし、このタイプは社内の何かに不満を感じており、それが原因で離職してしまうリスクがあります。もしこのタイプの仕事満足度を上げられるように問題を解決すれば、彼らはきっと長期的に会社に貢献してくれる宝となるでしょう。

リストの3番目「やる気はないが満足度は高い」従業員にも着目すべきでしょう。一体何が彼らのやる気を失わせているのでしょう?人事担当者がやってしまいがちなミスは、このタイプの従業員に給与カットや解雇などの外発的動機づけをちらつかせることで、やる気を出させようとすることです。仕事に全く興味のない従業員にやる気を起させるのは難しいため、もし適切であれば、別の部署に異動させたり環境を変える機会を与えてみるのが良いかもしれません。人を採用し、トレーニングを与え、一人前に育てるには時間も労力もかかります。ですから、このタイプの従業員が辞めていかないように努力をすることが企業に良い結果をもたらすでしょう。

 

やる気のない社員へのヒント

あなた自身がどのタイプに当てはまるのか知っておくことはとても大切です。もしあなたが、やる気もなく満足度も低いタイプであれば、その不満要素が何なのか立ち止まって考えてみる必要があるでしょう。あなたの成長スピードがキャリア目標になかなか追いつかないからですか?それとも今担当しているプロジェクトに興味や情熱が持てないからですか?不満要素や解決策について上司や人事と相談してみることで、もしかすると変化が訪れ良い方向に進むかもしれません。

しかし、変化が起こるまでには時間がかかるかもしれないため、過度の期待はしてはいけません。もし問題が解決できそうもなく仕事満足度が下がり続けるのであれば、思い切って転職しても良いかもしれません。

あなたが満足できるキャリアを手に入れるためには、仕事に求める条件や働く動機をしっかりと理解し、それらが満たされないのであれば、新しい仕事を探すことも視野に入れて動いてみましょう。

 

まとめ

・内発的動機づけと外発的動機づけを理解することで、人事担当者は優秀な人材を会社にとどめることができ、また従業員に仕事で重視する要素をわかってもらうことができます。
・あなたがどのやる気/満足度タイプに当てはまるのかわかれば、なぜ仕事でやる気が出ないのか、なぜ不満に感じているのかを理解することができます。

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