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製薬企業の研究職としてはたらく薬剤師の女性たち

【製薬会社の薬剤師の仕事内容とは?】年収やキャリアパスについても徹底解説!

薬剤師には、病院や薬局で調剤や服薬指導をする仕事のほかに、製薬会社で働くという選択肢もあります。

一般的に製薬企業は高収入といわれており、近年は病院や薬局勤めから製薬メーカーに転職したいという薬剤師の方が相談にくるケースが増えています。

しかし、転職を考えてはいるものの、具体的にどんな職種に就きどんな仕事ができるのか、ワークライフバランスなど働き方のイメージや希望する年収など、製薬会社で働くイメージがわからないという声をよく耳にします。

そこで、製薬会社への転職を目指す薬剤師の方に向け、薬剤師として7年以上の医療業界経験をもつエイペックスの製薬チーム・岡本 支保さんが、製薬企業での職種とそれぞれの仕事内容、製薬企業で働くメリット・デメリット、年収や求められるスキルとともに、製薬企業に転職する方法と転職成功のポイントについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  • 製薬会社で働く薬剤師とは?

  • 製薬会社の薬剤師の仕事内容

  • 医薬品開発プロセスにおける薬剤師の役割

  • 薬剤師が製薬会社で働くメリット・デメリット

  • 製薬会社の薬剤師の年収は高い

  • 製薬会社の薬剤師に求められるスキル

  • 薬剤師が製薬会社に転職する方法

  • 薬剤師の製薬業界への転職成功のポイント

製薬会社で働く薬剤師とは?

製薬会社を背景に立つ白衣を着た薬剤師の男性

製薬会社で働く薬剤師は、医薬品の研究開発や製造販売許可取得のための承認申請業務、製造や生産・品質管理、医療従事者への情報提供活動など、その資格と知識でさまざまな分野で活躍することができます。

また、医薬品の製造工場や倉庫で品質管理や在庫管理を行うポジションや、総括製造販売責任者など上級のポジションでは、薬剤師免許が必要になることがあります。

製薬会社で薬剤師に求められる役割は非常に幅広く、計画的にキャリアを積んでいけば将来的にかなりの高年収やキャリアアップが見込めます。もちろん、薬剤師免許があるというだけでキャリアアップが可能というわけではなく、求められる役割を理解しチームの目標や事業の成長に貢献できなければなりません。

製薬会社の薬剤師の仕事内容

製薬会社には多岐にわたる職種がありますが、薬剤師はあらゆる部門で歓迎される資格です。

下記で、特に薬剤師としての知識を活かせる仕事を見ていきましょう。

創薬(研究開発)

創薬に関わる研究開発職は、新しい医薬品の候補となる化合物や抗体を探索・設計し、有効性・安全性を評価して、ヒトに対する試験(臨床試験)に進むための研究を行う仕事です。基礎研究2~3年、非臨床研究3~5年という長いスパンのプロジェクトに関わります。

研究職と一口に言っても、化学合成部門、製剤部門、薬理部門、安全性部門、薬物動態部門など様々な部門に分かれ職種も多岐にわたっており、各自が専門領域を持ってそれぞれの部門で仕事を行うことになります。研究には非常に高いレベルの技術力と専門知識が必要で、どんな分野に貢献し何を達成したいのか、目的意識を持つことも非常に大切です。

臨床開発

臨床開発は、ヒトを対象とする臨床試験(治験)を行い、試験結果から薬剤の有効性・安全性を立証して厚生労働省から製造販売のための承認を得る仕事です。治験の立案や進行管理、試験成績のデータ収集や解析、承認申請のための資料の作成など、さまざまな部署が協働で行い携わる職種も多岐にわたります。

臨床試験はフェーズ1~3に分けられ、終了まで約5年という製薬会社にとっての一大プロジェクトです。製薬会社のメンバーだけでなく、治験業務を委託するCRO(医薬品開発業務受託機構)や実際に治験を行う医療機関の協力なくしては成り立たず、薬剤の知識だけでなくチームワークやコミュニケーションスキルも重視されます。

メディカルライティング

メディカルライターは、医学や薬学に関する文書を執筆する職種で、治験のあらゆるフェーズで必要となる各種専門文書や、製品発売後の再審査のための関連文書の作成、医学論文の執筆や学会発表用の資料作成などに関わります。

医療従事者向けのみならず、患者さんへの説明資料や疾患啓発資材、Web媒体向けの記事など、さまざまな資材の作成やレビューに携わることがあります。医学・薬学の知識はもちろんですが、厳格な法規制やガイドラインを遵守して執筆できるスキルや、読み手や目的をふまえたわかりやすい文章を作成できるライティングスキルが必要な職種です。

薬事

薬事は、臨床開発において薬機法などの法令や、PMDA(医薬品医療機器総合機構)など規制当局との折衝をふまえ、臨床開発戦略・治験計画等の立案に際し薬事面からのサポートを提供し、新薬の早期申請・承認をミッションとする職種です。

新薬の申請対応だけでなく、添付文書や包装資材の作成、薬事法の観点からの品質管理業務、社内の薬事教育、規制変更の対応など、開発から販売終了まで製品のライフサイクル全般を薬事面から支えるのも仕事です。製薬会社の薬事面の代表という位置づけもあり、高度な科学的・薬学的専門知識が必要とされます。

品質保証・品質管理

QA(Quality Assurance)と呼ばれる品質保証は、自社製品が既定の品質を常に保っているかを確認する仕事です。業務範囲は非常に幅広く、医薬品の開発段階から製造所などの生産現場、発売後のトラブル対応や変更管理、社内外の監査まで、開発から予防・是正措置まで一気通貫で製剤の品質を保証します。

QAが監督するQC(Quality Control)と呼ばれる品質管理は、出荷前の医薬品が品質基準を満たしているかを確認する役割を担い、原材料の入庫~製造~出荷までの工程において各種試験・分析を行い、安全で安定した製品の供給を支えます。国内外の関連業者や多くの関連部署と協働できる能力、試験法や分析機器についての知識、リスク分析やトラブルの原因究明のためのデータ分析力や論理的思考力が求められます。

安全性監視・調査

医薬品が発売されたあとも、薬が適正に使用されているか、副作用がないか、なぜ副作用が発生したのかなど、安全性を監視する役割を担うPV(Pharmacovigilance)と呼ばれる部門があります。医療機関等から副作用や有害事象の情報を入手し、原因や重篤性を医学的・薬学的に分析・評価したあと、問題があれば安全性対策を講じるとともに、厚生労働省に報告したり医療機関に共有したりします。

また、市販された医薬品は発売後も一定期間日常の診療において安全性・有効性をモニタリングし、データを収集することが義務付けられていますが、こうした調査を担当するPMSという職種もあります。このうち、実際に病院と連携して調査を行う職種をPMSモニターと呼んでいます。

メディカルアフェアーズ・MSL

メディカルアフェアーズは、医学・科学的な専門知識をもとに、製薬企業のサイエンティフィックな顔として企業と医療現場の架け橋となる職種です。具体的には、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる医師との科学的な意見交換を行いながら、担当領域のメディカルストラテジーの立案、製品ライフサイクル計画の策定、実臨床データの創出やエビデンスの構築などを行い、自社の研究開発や育薬に役立てます。

MSL(Medical Science Liaison)と呼ばれる職種は、インサイト収集と情報発信のため定期的にKOLを訪問し、面談を通じて建設的・長期的な関係構築を目指します。製薬会社は、常に優秀なMSLを求めている一方採用のハードルは高く、疾患領域への深い理解はもちろん、医師とも良好な関係を構築できる優れたコミュニケーションスキルや英語力も必須となっています。

医薬品情報管理(メディカルインフォメーション(MI) / ドラッグインフォメーション(DI))

医師や薬剤師・MRからの医薬品・医療関連情報に関する問い合わせに対応する仕事です。添付文書や論文、海外の規制情報などから国内外のさまざまな医薬品情報を日々調査・分析してアップデートするとともに、自社製品の有害事象やクレームを収集・特定、それらを報告し、適切な医療情報コンテンツの提供に貢献します。

コールセンター業務をCROなど外部に委託する企業も多くあり、製薬会社で働く場合はそのマネジメントやトレーニングを担当することが多くあります。

マーケティング

マーケティングは製品のプロモーションを担当する職種ですが、製薬会社の場合は医療従事者や市場に製品や治療法の価値を示すことで、処方拡大と売上向上を目指す仕事です。市場の分析や製品戦略の立案、プロモーションプランの作成、一般向けの疾患啓発活動の立案、営業活動の支援など幅広いマーケティング活動を担当します。

訴求対象が医療従事者であることや、科学的エビデンスを基盤とした情報提供活動の義務、厳しいプロモーションコードや自主規範の遵守など限定的なプロモーション活動が要求されますが、デジタルマーケティングなど新しいマーケティング手法への関心も求められます。MBAなどビジネス系のバックグラウンドが歓迎される傾向ですが、薬剤師としての知識も医薬品の価値訴求においては大きなアドバンテージになります。

営業(MR:医薬品情報担当者)

製薬会社の営業職はMR(Medical Representative)と呼ばれ、医師や薬剤師などに対し医薬品の情報を提供し、最終的に自社製品の処方拡大につなげるのがミッションとなります。基本的には担当施設を訪問して医師との関係構築を図りますが、近年はオンラインでの面談や説明会を実施することもあります。

MRとしての市場価値を上げるためには、オンコロジーやヘマトロジー、希少疾患などの専門領域の知識と経験を持つこと、KOLの医師が多い大学病院や基幹病院を担当することですが、文系出身者でも活躍できる職種です。MR職に就くには、社内研修を経てMR認定資格を取得する必要があります。

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医薬品開発プロセスにおける薬剤師の役割

医薬品の開発は、一般的には下記の表のようなプロセスを経て行われますが、薬剤師はそのすべてのプロセスで重要な役割を担います。

一般的な医薬品の開発プロセス

薬の開発は、薬の元となる物質の探索や合成を行う基礎研究からスタートします。その後、動物を使って行う非臨床研究で安全性と有効性、ヒトに投与する臨床試験での投与量などの検討を行います。

その後、臨床試験で治験薬の安全性や有効性が認められた場合は、厚生労働省へ製造販売の承認を申請するという流れです。無事に承認されれば医薬品として発売され、販売後も安全性や有効性の調査などを引き続き行っていきます。

このように、医薬品開発は基礎研究・非臨床研究・臨床研究・承認申請・発売後の大きく5つのフェーズに分けられます。特に研究開発臨床開発においては、作用機序や薬物動態などの専門的な知識や理解が不可欠であり、薬剤師であれば基本的な知識があるため、データや実験結果を見るだけですぐに理解でき、その後の業務もスムーズに行えるでしょう。特に薬事申請の業務では、薬剤師のスキルは非常に役に立ちます。

そのほかにも、品質保証・品質管理の分野やリスクマネジメント・安全性管理、医薬品情報の提供など安全性の分野でも活躍の機会が多く、まさに薬剤師は薬の品質と安全の番人といえます。

特に近年はバイオ医薬品の開発が活況であり、創薬のなかでも業界を牽引する成長市場になっています。従来の医薬品よりも付加価値の高い治療を実現できるバイオ医薬品ですが、複雑な研究工程や製造工程を伴うためより高いレベルの薬学知識が要求されることもあり、薬剤師が活躍できる場はますます広がっていくでしょう。

薬剤師が製薬会社で働くメリット・デメリット

メリット① 職種が多岐にわたりやりたい分野に携われる

製薬会社の職種は多岐にわたり、創薬から営業までさまざまな分野で活躍される薬剤師の方が数多くいらっしゃいます。薬の開発に携わりたいのか、患者さん寄りの仕事がしたいのか、ライフステージに合わせて柔軟に働きたいのかなど、自身のやりたい分野や優先事項に合わせてさまざまな可能性が用意されています。

メリット② スキルアップが可能で成長の機会が多い

医薬品開発の最前線で活躍できる製薬会社では、新薬の臨床開発、安全性情報の管理や品質管理、規制当局との折衝など、非常に専門性の高いスキルが身につく機会が数多くあります。

さらに、多くの職種との連携やグローバルな環境で働くことも多いため、英語力やコミュニケーションスキル、マネジメントスキルが磨かれたり、ビジネスマインドも身につきます。

近年はデジタル技術やデータ解析の重要性が増しているため、ITリテラシーや統計分析の知識も習得する機会が広がっており、研修制度も充実していることから自らの積極性で成長の機会が多いのが特徴です。

メリット③ 給与水準が高くキャリアアップの機会も多い

製薬会社は、ほとんどの職種で水準よりも高い年収が見込める業界であり、特に外資系企業ではそれが顕著です。創薬・臨床開発・安全性・品質・薬事・メディカルアフェアーズなど、より専門性の高い職種で経験を積んでいくとさらなる高年収・キャリアアップが狙える機会も多く、ディレクターレベルになると2,000万円以上の年収での求人募集も数多くあります。

加えて、薬剤師免許があると転職や昇進で有利になることも多く、その知識が直接役立てられる場面が多いため、自身のやる気次第で高い評価につながりやすい業界です。

メリット④ 手厚い福利厚生でワークライフバランスが充実している

製薬企業は、一般的に社員に手厚い福利厚生を提供する企業が多い業界です。福利厚生の内容は企業によりさまざまですが、育休制度や子育て支援制度が充実しているなど、育児とキャリアを両立しやすい業界で女性社員も多く活躍しています。

基本的には土日休みであり、ハイブリッド勤務(オフィスと在宅などのリモートワーク)やフレックスタイム制度を導入している企業も多く、比較的ワークライフバランスを重視した働き方ができる業界です。

メリット⑤ グローバルな環境でも活躍できる

医薬品は国内だけで販売されることはほぼないため、外資系・内資系問わずグローバルと連携して仕事をする機会の多い業界です。外資系であれば臨床開発から承認・発売後まですべてのフェーズでグローバル本社や地域のチームと常に協働しますが、内資系企業であっても海外の開発拠点や提携先、製造所やサプライヤー、規制当局との連携が必要で、グローバル人材として活躍できる可能性の多い仕事です。

メリット⑥ 社会貢献性の高い仕事でやりがいを感じやすい

製薬会社は利益の追及だけでなく、患者さんの生命やQOL向上に直接結びつく事業であり、ダイナミックな仕事に携われるやりがいを感じやすいでしょう。薬剤師としての知識が直接役立てられる場面も非常に多くあり、使命感と誇りを持てる仕事です。

デメリット① 職種によっては転勤がある

本社勤務であればほぼ転勤はなく、本社の多い東京もしくは大阪勤務であることがほとんどです。最も転勤が多いのはMR(営業職)で、CRA(臨床開発モニター)や製造所に勤務する職種の場合も、キャリアアップを目指していく過程で転勤が伴うことがあります。

また、医療機関に訪問する機会の多いMR、CRA、MSL、PMSモニターなどは出張が多く、その他提携先や規制当局との協議のため出張がよく発生する職種もあります。転勤のない地域限定での採用もありますが、その場合は昇進の可能性が狭くなります。

デメリット② 仕事の成果を求められる

病院や薬局で働くのとは異なり、製薬会社は事業会社であるため従業員に明確な仕事の成果を求め、それに基づいて給与や昇進について評価します。

営業職でなくとも、例えばリスク管理や問題解決力、正確性やスピードなど、会社の成長に貢献したと見なされる結果を出さなければならず、薬剤の専門家というほかにビジネスパーソンとしての視点が求められる仕事です。外資系企業では特に成果主義が顕著であるため、自身の努力が評価に直結する環境を好む人に向いています。

デメリット③ 業界が不安定

製薬業界は安定した側面もありますが、高額な薬価への厳しい目や政策、開発費の高騰、ジェネリック医薬品の台頭、グローバル競争の激化など、経営を圧迫する懸念事項が多いのも特徴です。外資系・内資系を問わず早期希望退職者を募ることも多く、専門性や経験を身につけて自身の市場価値を高める努力が求められる業界です。

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製薬会社の薬剤師の年収は高い

お伝えしたとおり、製薬会社は年収が高い職種が多く、年収1,000万円以上での求人募集も数多くあります。そこから成果を出していけば、さらにキャリアアップ・年収アップが見込めるチャンスの多い業界です。

職種により年収はざまざまですが、ここで未経験者でも比較的就職・転職しやすいCRAの平均年収をご紹介しましょう。内資系・外資系、中小・大手で異なり、製薬企業とCROでも年収は違いますが、おおよその年収としてとらえてください。

  • CRO:400万円~800万円(リーダー以上の場合は600万円~1,000万円)

  • 製薬企業:600万円~900万円(リーダー以上の場合600万円~1,000万円+)

製薬会社の薬剤師の年収についてさらに詳しい話を聞く

製薬会社の薬剤師に求められるスキル

製薬会社に入社するには、一流大学の学歴が必要といわれることもありますが、決してそんなことはありません。薬剤師免許を保有していることで、転職活動で書類選考が通過しやすくなったり、特定のポジションでは薬剤師を優遇したりしています。

製薬会社で働く際には社内外の多くの関係者と協働し、チームの目標だけでなく、企業としての利益やプレゼンスの向上にも貢献していかなければなりません。 そのため、薬剤師としての知識のほかに、以下のようなスキルを自身が持っていることを職務経歴書や採用面接で証明していく必要があります。

  • 論理的思考力:製薬会社で働くと、医療従事者や研究者とコミュニケーションを取る機会が多く発生します。医学・薬学のプロフェッショナルとのディスカッションでは、データや分析結果をもとに根拠を論理的に説明できる思考力が求められます。常に、エビデンスとロジックに基づく判断が重視されるため、冷静に複数の要素を比較・検討し、最適解を導く力が問われるでしょう。

  • コミュニケーションスキル:上記のように医療従事者や研究者だけでなく、製薬会社で働くと社内外問わずさまざまな関係者との協働が求められます。コミュニケーションとは楽しく話すことではなく、相手の意図することを理解し、自分の意見も正確に伝えられるスキルです。高いコミュニケーションスキルによって相手との信頼関係を築くことで、円滑なプロジェクト進行や新たなビジネス機会の創出にもつながるため、非常に重要なスキルといえます。

  • 英語力:近年では国際共同治験も多く、グローバル本社や多国籍チームとの協働が求められる機会も珍しくありません。非常に流暢である必要はありませんが、海外との会議やメールでのやり取りなど、抵抗なく業務が遂行できる程度の英語力は必要となるでしょう。転職においては、英語を使用した具体的な業務経験か、TOEICで英語力を証明できるように準備しておきましょう(目安:TOEIC600~730点以上)。

管理職ポジションを目指す場合には、マネジメントスキルも合わせて問われます。部下マネジメントの経験がない場合には、これまでの業務でリーダーシップを発揮して成果を挙げた経験を、具体的な状況を交えて説明できるようにしておきましょう。

製薬会社での自分の適性について人材コンサルタントに話を聞く

薬剤師が製薬会社に転職する方法

白衣を着た薬剤師と転職エージェントのコンサルタントが握手をする様子

製薬業界専門の転職エージェントを利用する

製薬会社といっても職種はさまざまであり、どんな職種がどれくらいの難易度で、求人募集は盛んなのか、どんな企業が募集しているのかなど、転職成功には情報収集が欠かせません。ただ、一人で転職サイトをすべてチェックするのには限界があり、ハイクラスの求人であれば非公開にしている企業も多くあります。

転職成功の第一歩は、製薬業界に精通した転職エージェントのサポートを利用することです。特に外資系企業の場合、国内企業とは異なる選考方法に注意が必要で、英文履歴書の準備や英語面接への対策も必要になってきます。

エイペックスでは、製薬業界の転職に豊富な実績を持つ専門の人材コンサルタントが、最新の求人トレンドからキャリア形成の相談、日英での履歴書作成や採用面接のサポート、内定交渉まで、製薬会社への転職を全面サポートしています。まずは、製薬業界専門のキャリア相談会にお越しいただくことをおすすめしています。

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難易度の低いポジションに応募する

製薬会社は、中途採用の場合基本的には経験を重視した即戦力人材を採用します。病院や薬局勤務から製薬企業へ転職する場合、専門性の高い職種は選考通過の可能性が低いため、比較的難易度の低いポジションからキャリアをスタートさせるのがおすすめです(ただし、企業により選考基準が異なるため、転職エージェントからのアドバイスが必要です)。

例:

  • ファーマコヴィジランス(PV)職:安全性情報を担当

  • PMS職:製造販売後の調査を担当

  • 医薬品情報管理職:医薬品情報の問い合わせ窓口

  • CRA職:治験のモニタリングを担当

  • 品質管理職:製造所などでの品質管理(試験や分析)を担当

  • MR職:医療従事者への医薬品情報の提供を担当

特に、医薬品情報の問い合わせ窓口となる医薬情報管理職(Medical Information(MI))は、多くの製薬企業が業務の一部または全部をCROに委託しています。そのためCROでのMI職の場合は、企業未経験の薬剤師の方にとっても転職しやすい職種となっています。コールセンターは問い合わせ営業時間が固定のため残業が少ないことから、企業への転職を目指す薬剤師の方々に人気の高いポジションです。

自分のスキルに合った職種を選ぶ

薬剤師が製薬会社に転職を希望する場合、薬剤師免許のほかにアピールできる実績やスキルが必要となってきます。

例えばMRやCRAであれば、医療従事者と良好な関係を保てるコミュニケーションスキルが重要ですし、安全性情報や医薬品情報管理を担当するのであれば海外文献の読解力が必要になってきます。薬剤師としてどんな実績を作ってきたか、自分が得意とする、もしくは興味がある分野は何なのかをしっかりと見極め、自分の適性や志向に合ったポジションを選ぶようにしましょう。

薬剤師の製薬業界への転職成功のポイント

薬剤師としてのスキルを活かして創薬や臨床開発にチャレンジしたい場合、一般的には製薬企業もしくはCROへの転職が選択肢として考えられます。ただし、製薬企業は募集人数も少なく狭き門であり、新卒採用も一部の企業や職種に偏っており限定的です。

一方、CROは受注業務の増大により成長業界となっており、求人募集も製薬メーカーよりも数として圧倒的に多くなっています。常に人手不足であるため、特に薬剤師資格を有する方は重宝される人材として採用の可能性も高くなっています。

CROではCRAの求人募集・採用が最も多く、CRA未経験であっても薬剤師としての勤務経験があれば採用されることも少なくありません。CRAは薬剤について医師や看護師とディスカッションする場面も多くあるため、薬剤師として薬局や病院で勤務していた際の患者さんの生の声が活きる場面もあるかもしれません。

CRAとして数年間経験を積んだあとは、プロジェクトマネージャー / ラインマネージャー、臨床試験マネージャーなどに昇進したり、社内異動で薬事やメディカルライティング、品質保証などさまざまなキャリアにチャレンジすることも可能です。より多くの薬剤に携わりたい、創薬や臨床開発にチャレンジしたいが未経験なので迷っているという方は、ぜひCROを選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

ただし、未経験での入社・転職を検討する場合は、ポテンシャル採用を検討してもらえる可能性が高い若手のうちに早めに動くことも一つの鍵となります。

エイペックスでは、製薬企業やCROをはじめとした製薬業界での転職サポートに大きな強みを持っており、最新の業界情報の提供から求人のご紹介、履歴書・職務経歴書作成や採用面接のサポート、条件交渉まで一貫したサポートを提供しています。

気になる方は、ぜひエイペックスの製薬業界専門の人材コンサルタントとのキャリア相談会にお越しください。実績豊富なコンサルタントが、あなたの適性や希望条件をふまえ理想的なキャリアプランをご案内します。今すぐの転職ではなくても、自身の市場価値の把握や今後のための情報収集でも大歓迎です! ご興味のある方は、下記のボタンよりお申し込みください。

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