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パラリーガルとはどんな仕事?弁護士をアシストする高度な専門職

以前は海外の法律ドラマくらいでしか耳にしなかったパラリーガルという仕事。最近は日本でも知名度が上がり、採用を行う法律事務所や企業も増えたように見受けられます。そこで今回は、パラリーガルの仕事内容や求められるスキル、キャリアパスについて専門家が概説します!

パラリーガルとは

「para」には「補助的な」という意味があります。「paralegal」とは、弁護士の指示のもと弁護士の業務を法律面でサポートする専門職を表す造語で、近年では広く使われるようになりました。法律の知識や法律事務に関する経験を持つパラリーガルは、弁護士にとって円滑な業務に欠かせない存在です。

弁護士とパラリーガルの関係は、医師と看護師の関係によく例えられます。弁護士の指示のもとで法律事務を進める点で確かに類似していますが、国家資格が求められる看護師とは異なり、パラリーガルになるための資格は特にありません。
また、看護師と医療事務の職務内容は重複しませんが、パラリーガルと弁護士秘書の職務は必ずしも明確に線引きができず、両方の職務をこなすことを求められることもあります。

このように、パラリーガルの地位や職務はやや曖昧であるのが実情です。自身の専門知識や経験の習得が事務所でのポジションに大きく影響するため努力が報われやすいと言えますが、反面仕事内容や待遇は所属する法律事務所や企業の体制に左右されます。

パラリーガルの仕事内容と待遇

法律事務所の場合:

大手渉外事務所では、パラリーガルは弁護士秘書と明確に区別され、いわゆる “fee earner”(クライアントにタイムチャージする専門家)として仕事をすることが多いです。
事務所にとっては稼ぎ手であるため、トレーニングプログラムやキャリアサポートが受けられるのが魅力です。その反面、ターゲットを設定した上で人事評価がされるため、目標達成のためにモチベーションを維持することが重要となります。

業務内容は所属するプラクティスグループによりますが、大手渉外事務所の場合、主な仕事として英日翻訳、案件で生じるファイリング書類の準備と手続き(法務局での登記、アポスティーユのための公証人認証など)、クロージング準備などが挙げられます。
大手事務所では秘書やマーケティングチームなどのサポートスタッフが充実していますし、稼ぎ手であるパラリーガルが事務作業を求められることはほとんどありません。反面、渉外事務所では仕事の分量として翻訳が求められることが比較的多く、それだけに忙殺されないためには意識的に案件に食い込み、専門的な経験を積む努力が必要となるでしょう。
小規模な事務所においては、パラリーガルと秘書の区切りが曖昧になるのが実情です。大手では秘書が行うような電話取り次ぎや来客対応、マーケティングチームが行う事務所のHP更新や記事作成なども、人手が不足していればパラリーガルが担うケースもあります。ただ、上記に伴い弁護士からの依頼も増えるため、案件に深く関与できることが小規模事務所で働くメリットと言えるでしょう。

企業(インハウス)の場合:

企業でも大手を中心にパラリーガル職を採用することが多くなりました。法律事務所とは異なり、企業のパラリーガルは単に弁護士資格を保有していない法務部員という位置づけが多い印象です。

企業の法務部では、取引相手との契約書レビュー、ビジネスユニットへの法的アドバイス、ビジネスに影響する法令リサーチ、社内セミナーの準備、株主総会・取締役会対応、コンプライアンス対応など、与えられる可能性のある職務は多岐に渡ります。企業内でより深く案件に関与し、業界に特化した専門知識を積めることが魅力です。

事務作業については、所属するグループ内のメンバー構成や担当分けに左右されることが多いでしょう。例えば、リーガルチームの他のメンバーが全て弁護士で自身のみがパラリーガルの場合、メンバーのスケジューリングや契約書の保管など庶務を担うことを求められるかもしれません。
企業では契約書などの翻訳が必要となる場合、法務部に翻訳が持ち込まれることは滅多になく、各ビジネスユニットで対応するのが一般的です。専門の翻訳グループがいることもあります。翻訳に忙殺されることが少ない点で、法律事務所よりも本来の業務に専念できる可能性が高いと言えるかもしれません。

パラリーガルのキャリアパス

前述のようにパラリーガルに公的な資格はありませんが、最近は日本でもパラリーガル養成講座が多く見受けられるようになりました。一般社団法人日本リーガルアシスタント協会が、民間資格としてパラリーガル認定資格試験を実施しています。ただ、パラリーガルはあくまで法学部出身など基礎的な法律知識を有していることが前提であり、日々の業務から得られる専門知識と経験を積むことで自らを専門家に育てる職業であると言えるでしょう。

法律事務所の場合:

法律事務所のパラリーガル職では、弁護士資格、特に海外の法曹資格の取得を目指している人が入所するケースが多く見られます。この場合のパラリーガルは、入所前に留学しており受験資格を満たしている人です。
法律事務所に勤務しながら海外の弁護士資格を目指す大きなメリットの一つは、試験合格後の研修期間にあります。試験合格後の実務研修が弁護士資格の要件になっている国(イギリスなど)では、研修先の確保に苦労するものです。その点、勤めている東京の外資系事務所の海外オフィスへ研修に出してもらうことができれば、研修先確保の心配がなくなります。
また、パラリーガルとして勤務しながら法曹資格を取得すれば、事務所でアソシエイトとして採用してもらい、弁護士としてのキャリアをスタートさせることができるかもしれません。これは以後のキャリアパスに大きなメリットとなります。
仮にパラリーガルに留まった場合でも、シニアパラリーガルを目指すキャリアパスもあります。ただ、待遇面についてはシニアパラリーガルでほぼ頭打ちになる可能性が高いため、他事務所、企業など他の選択肢も考えていくと良いでしょう。

企業(インハウス)の場合:

企業の場合でも、海外の法曹資格を目指すほうが活躍できるフィールドは広がります。日本法人を置く外資系企業や海外に進出している国内のグローバル企業ではクロスボーダー案件を数多く扱いますので、国際的な法律知識があり、高度な英語力を有する弁護士の存在は極めて重要になります。当然必要とするのは大手有名企業が多いため、報酬や待遇面でも魅力的なオファーも多く今後の選択肢が広がります。

ただ、必ずしもすべての企業が弁護士資格を有するリーガルカウンセルを求めているわけではなく、それよりも実務経験やその業界の知識に長けている人材を求めることもよくあります。その場合でも正社員として雇用されますので、実力次第で早い段階での昇給・昇格が望めることも多いでしょう。この点で、法律事務所のパラリーガルよりも企業のほうが理想のリーガルキャリアを歩める可能性が高いかもしれません。

まとめ

パラリーガルは資格がなくとも、専門性や経験を積むことで自身の価値を高め、法律の専門家として企業や顧客に貢献できることが魅力の職業です。反面、待遇や職務はどこでも一定ではなく、所属の事務所や企業に左右されるのが実情です。

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