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法律事務所におけるアソシエイト弁護士の1日|そのリアルな仕事内容

法律事務所での就職が決定した若手弁護士の方は、これからどのように生活が変わるのか緊張と期待が入り混じった心境かと思います。今回は大手渉外法律事務所を例に、若手アソシエイトのリアルな仕事内容として、とある1日を追ってみました。


法律事務所の組織構成

一般の会社で言うところの経営陣はパートナーですが、パートナーの中でもジュニアとシニアの区別があるのが一般的です。シニア・パートナーは事務所への出資義務を負い、成績に連動して報酬が決定します。マネージング・パートナーは事務所を代表して取材を受けるなど事務所の顔ですが、基本的に各パートナーは独立した存在として機能します。

パートナーの下には経営には関与しないオフカウンセル、アソシエイト、パラリーガルの専門家がいます。アソシエイトにはシニアとジュニアの区別があります。シニアアソシエイトになるには数年かかるのが普通で、案件をリードできるほどの力量が求められます。査定は各プラクティスグループのヘッドであるパートナーが行うのが一般的です。

その他、管理部門やサポート部門も重要な組織です。大手事務所ほど豊富なサポートが用意されていて、専門家がクライアントサービスに専念できる体制が整っています。サポート部門はリーガルスタッフの指示に従って仕事をしますが、レポート先はそれぞれの部門長です。


あるジュニアアソシエイトの1日

それではあくまで一例になりますが、大手渉外法律事務所に勤務するアソシエイト弁護士の一日を追ってみましょう。


10:00:法律事務所では夜が遅くなるため、翌日の朝も遅めの出勤となることが多いです。事務所に到着して自室のPCを立ち上げます。メールチェックはすでに自宅と移動中に行い、必要なレスポンスは済ませてあります。すぐにクライアントから電話で、現在進行中の案件についての質問を受けました。午後にメールで回答することにし、質問の回答をドラフトしてシニアアソシエイトに送っておきます。

11:00:昨晩送っておいた契約書ドラフトにクライアントから早速多数のコメントが来ました。指摘された点を修正し、シニアアソシエイトに送っておきます。シニアからの確認を待つ間、別件の資料を読み込んで法的スキームを考察し、午後からのミーティングに備えます。昼食の時間が取れなかったので、ビル内で弁当を買い、資料を読みながら食べました。

13:00:クライアントが来訪してのキックオフミーティングに出席しました。主にパートナーとシニアアソシエイトが発言するので、自分はメモを取ることに専念します。会議終了後、パートナーとアソシエイトと共に今後の進め方を確認しました。


15:00:午前中に受けた質問の回答に対してシニアから反応がないので、シニアの部屋にフォローアップに行きました。ディスカッションをして回答ドラフトをさらに修正し、シニアの確認がもらえたのでクライアントに送付しました。


16:00:翌日予定されている既存案件のクロージングの準備をします秘書やパラリーガルに指示してクロージングに必要な文書などが全て揃っているか確認します。


18:00:クロージングに向けて次々とメールが入ります。署名ページをPDF編集ファイルを使用して自ら編集します。秘書はすでに帰宅しており、ナイトセクレタリーの手も空いていないので自分で行いました。今夜は遅くなりそうなので昼食同様、外で夕食を買ってきました。


19:00:新規案件のドラフトを開始します。事務所のシステムを検索したら良い先例が見つかったので、それをベースにしてドラフトしていきます。夜は電話が減るので集中して作業することができます。


0:00:ドラフトをシニアに送りました。引き続き明日のクロージングに向けて最終確認し、クライアントと取引相手にアップデートしたクロージングリストを送付しました。


2:00:帰宅。案件対応なのでタクシーを利用できました。


業務量とやりがいのバランス

いかがでしたか?

法律事務所での勤務はやはり夜遅くまで及んでしまうのが実情です。特にクロージング前には、帰宅が深夜に及ぶことも多く発生します。この例のようにそこまで忙しくない時期もありますので、生活にメリハリが出やすいとは思いますが体力勝負の面があるのは否めません。

また上記の例からもわかるように、同時進行する複数の案件を捌いていかなくてはなりませんので、マルチタスクの能力が必要です。日中はクライアント対応や準備に追われることとなり、落ち着いてドラフトなどができるのは夜の時間になってしまうので、帰宅が遅くなることになります。

しかしながら、最前線でビジネスをサポートする充実感、クライアントからの感謝の言葉、メディアで報道されるような案件への関与、自身の知識や経験値が上がっていく実感など、激務ならではのやりがいを感じる瞬間も多数あります。ここでどれだけ伸びることができるかが、今後の弁護士としてのキャリアパスにも強く影響しますので、体を壊さないよう可能なときは力を抜いたり休んだりして、ここぞという場面に備えましょう。

エイペックスでも、多数の弁護士の方のキャリア形成を長年サポートしてきました。年々変化するリーガル業界において、忙しい毎日の中でも早い段階から弁護士としてどのようなキャリアを築いていくべきか意識しておくことはとても大切です。様々な選択肢を見据えながら何を目指していくのか明確にできる方ほど、有意義なアソシエイト時代を過ごすことができます。是非、エイペックスのリーガル専門コンサルタントとのキャリア相談会(リモート可)にお気軽にお越しください。

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