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法律事務所に就職!各プラクティスグループの特徴とキャリアパスを解説

大手法律事務所に就職が決まった方、または転職をお考えの若手弁護士の方を対象に、主なプラクティスグループ(業務分野、以下「PG」とします)の特徴、またどのようなキャリアパスが考えられるのかを解説します。

一般的には下記のPGが存在しますが、大手事務所ではさらに細分化されることもよくあります。

  • コーポレート・M&A:ニュースになるような大規模な買収案件に関与できるホットなPGであり、最も人気な分野の一つです。一般的な企業法務は全て扱うことになり(例:設立や資金調達等)、様々な相談が持ち込まれるため専門PGと協働することも多い分野です。比較的多忙なPGであり、特に大規模買収案件が進行中のときは激務となりがちです。企業法務の基礎をカバーでき、クライアント先に出向して実務経験を得る機会も多いことから、企業法務のキャリアパスを考える弁護士にとっては第一希望のPGとして間違いないでしょう。

    ◼️キャリアパス:一般企業のリーガルカウンセル

  • 金融・キャピタルマーケット:銀行の融資やファンド運用などに関する案件を扱うPGです。融資案件は資金回収のために複雑なストラクチャーを講じることが多く、また担保設定者など当事者が多いため、案件の全体図と回収の流れの把握にかなりの慣れが必要です。ペーパーワークも大量に発生します。また、この分野は規制業種であるためリサーチも重要な業務です。グリーンエネルギーや輸出信用などの政府系融資など、社会的意義が高い融資に関与できるのも魅力の一つと言っていいでしょう。

    ◼️キャリアパス:金融機関のリーガルカウンセル

  • 紛争解決:渉外事務所の紛争解決PGでは、企業の仲裁案件や裁判を扱います。近年契約において仲裁を選択する傾向が強まっており、仲裁案件での代理が多くなっています。製品事故などの重大事案も担当することがあります。契約書の仲裁条項は仲裁所や仲裁地の定めに従い有効に規定する必要があるため、契約段階で各PGから相談を受けることもよくあります。仲裁人候補者の登録を受けるなど、専門家としての道が極めやすいことが魅力です。

    ◼️キャリアパス:仲裁人、大学講師、紛争担当のカウンセル

  • 知的財産権(IP)・テクノロジー:あらゆる知的財産権に対応するPGですが、主には特許や商標の出願・異議申立、紛争などを扱います。IT企業の開発契約やライセンス契約支援も重要な業務です。テクノロジーに強みがある専門家集団であり、IT企業に限らずメーカーやメディカルなど広範なキャリアパスが選択肢として考えられることが魅力です。期限前などでない限り、比較的ワークライフバランスの取りやすいPGと言えるでしょう。

    ◼️キャリアパス:IT企業、メーカー、ヘルスケア企業のリーガルカウンセル

  • 税務:税理士登録をしている弁護士を含む税理士のPGです。主に、他PGの大型案件に関与する形で税務のアドバイスを行います。クロスボーダー案件では取引に何らかの課税があるかどうか事前にチェックする必要もあるため、PGが単独で事前調査を依頼してくることもあります。専門家集団であり、期限などに左右される要素が比較的少ないため、IP同様ワークライフバランスが取りやすい点が魅力です。

    ◼️キャリアパス:会計事務所、独立

  • その他、エネルギー、競争法、危機管理、事業再生など:事務所によって他にどんなPGがあるかは異なりますが、このような比較的小規模なPGが設置されている場合もあります。興味のある分野であれば専門性を身につけられることが魅力ですが、反面、経験が専門分野に限られると企業法務のキャリアパスは少し難しくなることもあります。将来の選択肢を増やしておくためにも、他のPGも担当したり幅広く経験を積むことを併せて考えるのも良いかもしれません。

    ◼️キャリアパス:一般企業のリーガルカウンセル、大学講師

新卒で就職する場合には最初から所属は決まっておらず、研修中のジョブローテーション後に決定されることが一般的です。本人の希望は出せますが各PGの需要が大きく働きますので、第一希望のPGに所属できないことももちろんあります。しかしながら、希望したPGと協働のプロジェクトに関与したり、その後異動の可能性もありますので日々の業務に邁進していくことが大切です。

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