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先輩社員に求められる【新人教育で大切にしたい3つの姿勢】

4月~5月には、数多くの新入社員が職場に入りチームに合流してきます。「新人が早く馴染めるよう頑張って指導しよう」と意気込んでいる先輩社員も多いと思いますが、新人が職場に求めるものも時代とともに変わってきています。新入社員を指導するうえで大切にしたい3つの姿勢について、このブログでぜひおさらいしておきましょう!

今の新入社員が求めるのは「互いにフォローし合える職場」

「新入社員がどのような職場を求めるか」は、時代とともに移り変わってきています。ここ10年では特に、「フォローし合える職場」「互いを尊重し合える職場」が求められるようになりました。まずはこのことを意識しておきましょう。

「どのような職場で働きたいか」を聞いたときの設問で、2022年に1位になっているのは「お互いに助け合える職場」であり、10年前と比較して20.6ポイントも増えています。また、「互いの個性を尊重できる職場」の伸び率も著しく、10年前と比べて12.4ポイントも上がっています。
反対に、「活気のある職場」「互いに切磋琢磨し合う職場」を求める声は11.6ポイントもマイナスと、大きく下落しています。

このため現在の新入社員は、意識あるなしに関わらず「心理的安全性」を重視していると言えるでしょう。これはエドモンドソンが1999年に提唱した概念であり、「ほかのメンバーによって、自分の発言や提案を無理解に拒絶されることのない状態」を指す言葉です。
新入社員であっても恐れることなく自らの考えを発言できる職場であったり、自らのマイナス点をフォローしてもられる職場であったりすることが、現在の職場には強く求められています。
なおこの心理的安全性が確保された職場の場合は、個々のモチベーションもアップしやすいと考えられています。

傾聴のスキルが何よりも大切

「傾聴のスキル」を持つこともまた、先輩社員に求められるスキルです。

「先輩が自分の話や質問を聞いてくれる」という感覚が、新入社員には非常に大切です。先輩社員やリーダーにとって最も必要とされるのは、個人としての能力ではなく、不安な状態にある新入社員や同僚の言葉を聞き、その意見や質問を取り上げることにあります。
新入社員からの質問や投げかけには、極力耳を傾けるようにしましょう。また、「何度聞いても構わない」「分からないところは、分かるようになるまで教える」という姿勢を取ることで、新人はより安心して仕事に臨めるものです。

ただ、「今はどうしても仕事が忙しくて話を聞く余裕がない」ということもあるでしょう。そんなときは、「あと1時間ほどで手が空くから、それまでは待っていてほしい」などと具体的な時間を告げたうえで、後で先輩社員の方から「手が空いたよ。さっきの話を聞くよ」などのように話しかけるようにします。

また、聞かれたことに対しては明確に分かりやすく答えることが基本ですが、「先輩」の方でも答えに窮する質問があるかもしれません。そんなときは口先だけでごまかそうとせず、「即答できないので、ちょっと調べてみる」などのように返し、実際に自分で調べて回答を導き出してから新入社員に教えるようにしましょう。

また、失敗の報告に対しては、まずはきちんと報告できたことを認めたうえで、「なぜ失敗したのか」「再び同じ失敗をしないためにはどうすればいいのか」を一緒に考えていくスタイルを取るようにします。過剰な詰問や人格攻撃は、新入社員の育成を妨げこそすれ良い影響をもたらすことはありません。新人を指導するというのは、自分自身にとっても業務の仕方やコミュニケーションの取り方を改められるチャンスでもあります。ぜひ、そのような前向きな気持ちで双方にとってWin-Winの環境を作りましょう。


新入社員一人ひとりに「自らのキャリア」を考えさせる

かつて会社員のキャリアは、個人よりも会社に所属したものでした。キャリアは自分で考えるものではなく、同じ会社に所属し続けることで、会社が昇進や異動、成長の機会を与えてくれるという考え方が一般的だった時代です。しかし、個人の充実感などがキャリアの成功の指標とする概念に代表されるように、「一人ひとりが、自分の意志で、自分のキャリアを構築する時代」になっています。

これは新入社員にとっても同じことです。

当然のことですが、新入社員にはそれぞれ得意・不得意な分野があります。またそれぞれに目指したいと考えている方向性も異なります。会社員である以上、「得意なことだけをして、不得意なことは行わない」ということは不可能ですが、それぞれの得意・不得意を見抜いたうえで適性に合った仕事を多く担当してもらうことを考えましょう。それが、彼らのモチベーションアップにもつながります。また、早い段階から彼ら自身に対しても、「自らのキャリアプラン」について考えるよう提案してみてください。これは、新入社員自身の成長に繋がるだけでなく、「モチベーションを高く維持したまま仕事ができる状態」を作り出すことで、結果的に会社にとっても利益をもたらすことなるからです。

もっとも、新入社員が自分で「自分自身のキャリア」を正確に見定めるのは難しいこともあります。それであれば、指導に当たる先輩社員が率先して「自分が考える理想のキャリア「自分のキャリア形成の指標」などについて新入社員に伝えて、新入社員の規範となるよう心掛けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 現在の新入社員が求めている職場は、「互いにフォローし合える職場」「心理的安全性が担保されている職場」であることを意識しておく

  • 傾聴のスキルを身に着ける。何度質問されてもきちんと明確に答えること、失敗の報告には「きちんと報告できたという事実」を認めるようにすること

  • 新入社員に自らのキャリアについて考えさせ、自分自身が規範となるように動く


「教えられる側」であった時代と、「教える側」になった今では、コミュニケーションの取り方が大きく異なってきています。そのことを意識して、新入社員はもとより自分自身にも向き合いましょう。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ「【調査発表】新入社員意識調査2022」
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000377/

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