転職が決まり、いよいよ初日を迎えようという方の中には「新しい環境でうまくやっていけるだろうか」「何を準備すればいいのか」「第一印象を良くするにはどうすればいいのか」など心配な方も多いのではないでしょうか。
特に外資系企業やグローバル企業への転職では、職場の雰囲気や求められる振る舞いが前職とは大きく異なることも多く、入社初日に向けて不安を抱えている方も少なくありません。
本記事では、転職初日を無事に乗り切るためのポイントを詳しく解説します。
初日の基本的な流れと心構え
事前に準備しておくべきこと
好印象を与える自己紹介のコツと例文
コンサルタントによる実践的なアドバイス
自信を持って転職初日を迎えられるよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
転職初日が重要な理由
転職初日のおおまかな流れ
転職初日に向けた準備
転職初日の挨拶で良い第一印象を与える方法
初日の挨拶で使える例文
中途入社の初日に気をつけるポイント
コンサルタントが語る転職初日の緊張を和らげるポイント
転職初日の動き方に関するQ&A
しっかりと準備して転職先での初日に備えましょう
転職初日が重要な理由

入社初日は、その後の業務とキャリアを円滑に進めていく上で重要な第一歩となります。業務の基本的な流れやスケジュールを把握するのはもちろん、同僚との関係を構築し、できる限り早く職場になじめるよう意識して過ごしましょう。
初日は第一印象が形成されやすいため、誠実な態度で、コミュニケーションには積極的な姿勢を示すことが大切です。
そんな大切な入社初日に向けて、事前の準備は欠かせません。必要書類や持ち物の確認はもちろんのこと、好印象を与えるための適切な身だしなみを整え、自分という人をなるべく理解してもらえる挨拶文を考えておきましょう。
転職初日のおおまかな流れ
転職初日の一般的な1日のスケジュールと、どのような点に留意するべきかをご紹介します。事前に流れを知っておくことで、落ち着いて次の行動を予測し動くことができます。
出社
初めての出社は時間に余裕を持って到着することをおすすめします。ただし、あまりに早すぎると建物に入れない可能性もありますので、事前に入館可能時間を確認しておきましょう。
コートを脱ぎ、雨などで髪型や服装が乱れていないかなど身だしなみを整え、必要書類が揃っていることを再確認してからオフィスビルや会社へ入ります。実際に訪問するのは、約束の時間の5〜10分前が理想です。
入社手続きと必要書類の提出
通常は、まず人事部門を訪れて各種手続きを行います。年金手帳や雇用保険関連書類、印鑑などが必要となることが多いため、事前にまとめておきましょう。社員証の発行や各種規定の説明なども行われるため、メモの準備もしておくと安心です。
オリエンテーションと必要事項の説明
企業の概要、社内制度やセキュリティポリシーなどの基本的な説明を受けます。企業規模によっては数日間の研修が設定される場合もあります。この段階で不明点があれば確認しておきましょう。
配属先へ移動・挨拶
人事担当者の案内で配属部署へ移動します。会社の規模により異なりますが、所属する部署、あるいは全社に向けて自己紹介を行います。簡潔かつ明確な自己紹介を心がけ、前職での経験や今後の意気込みなどを伝えましょう。
ウェルカムランチ
企業文化によって異なりますが、同僚や上司と一緒に昼食を取る機会が設けられることもあります。自然な会話を通じて職場の雰囲気を把握する良い機会となりますので、積極的に参加しましょう。
業務内容やPC周りの操作の説明、実務
メールアカウントの設定や社内システムへのアクセス権限の取得、基本的な業務フローの説明を受けます。前任者からの引き継ぎがある場合は、この時間帯に実施されることが多いでしょう。疑問点は必ずメモを取り、適切なタイミングで質問しましょう。
退社
多くの場合、初日は通常の退社時間に終了します。翌日以降の予定や持参物の確認を忘れずに行いましょう。上司や同僚への挨拶を忘れずに退社します。
転職初日に向けた準備

自信を持って新しい職場でのスタートを切るには、十分な事前準備が準備が欠かせません。具体的にどのような準備をすればいいのかを解説します。
転職初日の服装を準備する
職場の服装規定を事前に確認し、適切な服装を用意しましょう。男性・女性ともスーツ着用が基本ですが、オフィスカジュアルの場合でもジャケットは必須です。特に初日は清潔感を重視し、シワや汚れがないかしっかりチェックします。アイロンがけや靴磨きなども忘れずに行い、身だしなみを整えましょう。
初日に持っていくものをまとめておく
人事部から指示された必要書類や提出物を確認し、不足がないようにまとめます。筆記用具、メモ帳、クリアファイル、ハンカチ、携帯電話など基本的な持ち物も用意しましょう。派手な柄物や高級ブランド、キャラクターものは避け、シンプルなものを選びます。
会社や業界の情報を集めておく
会社の理念や組織体制、業界の基礎知識などを改めて確認しておきましょう。特に就業規則やセキュリティポリシーなどの重要事項は、事前に目を通しておくと初日からスムーズに対応できます。また、自身の担当業務に関連する知識の復習も行っておくと良いでしょう。
自己紹介や挨拶を考えておく
自己紹介は簡潔な1分バージョンと、より詳しい3分バージョンの2種類を準備しましょう。名前、前職での経験、今後の意気込みなど、重要なポイントを整理し、メモに残しておきます。特に管理職の場合は、チームへの抱負や目標なども含めると良いでしょう。
入社準備について不安な方は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントはキャリア相談や転職支援だけでなく、入社手続きや入社後の疑問なども相談いただけますので、不安を抱えている方はぜひ一度ご相談ください。
服装や持ち物だけでなく、業界・企業知識や挨拶などの目に見えない点についてもしっかり準備しておきましょう
転職初日の挨拶で良い第一印象を与える方法
転職先にはじめて出社した際には、部署または全社に向けて挨拶をする機会が与えられます。ここで良い印象を持ってもらえれば、その後の業務や人間関係構築もスムーズに進むことでしょう。挨拶にあたって心がけるべきポイントをご紹介します。
話を簡潔にまとめる
長々と話すと聞き手に負担をかけてしまうため、1分程度を目安に要点をまとめましょう。伝えたい内容を事前に整理し、必要な情報を過不足なく伝えられるよう準備しておくことが大切です。緊張で話が脱線しないよう、伝えるべきポイントを明確にしておきましょう。
声のトーンを上げてハキハキ話す
第一印象において、声の印象は大きな要素となります。緊張で声が小さくなりがちですが、明るくハキハキとした声で話すよう心がけましょう。早口にならないよう、適度なペースを保つことも重要です。
笑顔を忘れない
友好的で協調性のある印象を与えるため、自然な笑顔を心がけましょう。作り笑いにならないよう注意しつつ、表情が硬くなりすぎないよう意識的に口角を上げるなどの工夫をすると良いでしょう。
自己紹介に具体的な内容を盛り込む
単なる名前と所属の紹介だけでなく、前職での経験や新しい職場での目標など、具体的な内容を盛り込みましょう。ただし、過去の実績を強調しすぎず、新しい環境で学ぶ姿勢や貢献意欲を示すことが重要です。事前に会社の事業内容を理解し、自分がどのように貢献できるかを具体的に伝えられると、より好印象を与えることができます。
管理職の転職にあたっては、以下のような話題も興味関心を持たれます。
自身のキャリアで最も印象的と思われるエピソード
なぜ今のポジションに就いたのか、このチームでの目的、目標
それを達成させるための熱意(入社初日の印象、自身のことなども○)
▼さらに詳しい管理職転職の挨拶については、以下の記事もぜひご覧下さい。
初日の挨拶で使える例文

転職時の挨拶はどのような内容を盛り込んで話せばいいのか分からず困っている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、口頭(対面)での挨拶と、メールでの挨拶に分けて例文を紹介します。
口頭で挨拶する場合
【経験ある業界の挨拶例】
「おはようございます。本日から入社いたしました〇〇と申します。前職では△△業界で××職として5年間経験を積んでまいりました。これまでの経験を活かしながら、新しい環境でも精一杯貢献させていただきたいと思います。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」
【未経験の挨拶例】
「おはようございます。本日から入社いたしました〇〇と申します。これまでは△△業界で勤務してまいりましたが、この度ご縁があり、新しい分野にチャレンジさせていただくことになりました。不慣れな点も多いかと思いますが、一日でも早く戦力となれるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」
メールで挨拶する場合
「拝啓 本日より△△部に配属となりました〇〇と申します。
前職では××業界で●●の業務に携わっておりました。新しい環境で、一日も早く皆様のお力になれるよう、精一杯努めてまいります。
まだ不慣れな点も多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具」
メールの場合はより丁寧な言い回しを心がけ、適度な改行を入れて読みやすさに配慮します。また、署名には部署名や連絡先も記載しましょう。
中途入社の初日に気をつけるポイント

新卒とは異なり、中途入社では同期の社員がいなかったり、受け身ではなく即戦力として自分から仕事に取り組む姿勢が求められたりするのが特徴です。初日の行動や振る舞いで特に気をつけておきたいポイントは以下の5つです。
清潔感がある髪型や服装にする
第一印象は後々まで影響を与えるため、身だしなみには特に注意を払いましょう。スーツやシャツにシワがないか、髪型や爪は整っているか、靴は汚れていないか、持ち物は華美でないかなど、細部まで気を配ります。清潔感のある外見は、ビジネスパーソンとしての基本姿勢を示すことにもなります。
時間に余裕を持って行動する
社会人としては当然のことですが、なかでも初日は遅刻厳禁です。交通機関の遅延などにも対応できるよう、余裕を持って到着するように計画を立てましょう。早めの到着により落ち着いて準備ができ、また出社してくる上司や同僚にも自然な形で挨拶ができます。
会社では積極的にコミュニケーションをとる
同じ部署の上司や同僚はもちろん、社内で出会う人には積極的に挨拶をしましょう。また、業務に関する疑問点は後回しにせず、適切なタイミングで質問することが重要です。ただし、質問の頻度や時機は相手の状況を見極めて判断しましょう。
メモの準備をしておく
初日は覚えることが多いため、説明を受けた内容は必ずメモを取りましょう。特に業務の手順や社内ルール、同僚の名前など重要な情報は確実に記録します。メモを取る姿勢は、真摯に学ぼうとする態度の表れとして好印象を与えます。
部署のメンバーの名前をチェックする
できるだけ早く部署のメンバーの名前と顔を覚えるよう努めましょう。必要に応じて座席表を作成したり、名前をメモしたりして、確実に覚えられるよう工夫します。名前を覚えることは、スムーズなコミュニケーションの第一歩といえます。
初日といえど緊張しすぎず、社会人として基本的な行動をすれば大丈夫
コンサルタントが語る転職初日の緊張を和らげるポイント
転職初日を落ち着いた気持ちで迎えるコツ
澤 尚希(製薬チーム コンサルタント):
「外資系企業に転職した場合には、英語での自己紹介があることを想定しておきましょう。自分の一般的な情報(経歴や趣味など)のなかに、他の人とは違う自分だけの特別な事柄を入れておくと同僚に覚えてもらいやすく、その後の人間関係構築にも役立ちます。また、英語が得意でない人は初日にそれを率直に伝えておくと同僚からの配慮が期待でき、安心して仕事をスタートすることができます。 」
ステファニー・パドリーナ(コンシューマーチーム プリンシパルコンサルタント) :
「転職活動でも転職初日でも、成功の鍵は事前準備にあります。 初出勤の前夜には、選んでおいた服装一式と資料を含めた持ち物をすべて確認し1か所にまとめ、到着までの交通手段を確認しておきましょう。 誰しも転職初日は緊張したり不安になったりするものです。『緊張は誰でもするもの』と考え、あとは十分な睡眠をとり心を休めるよう努めれば大丈夫です! 」
その他転職初日に関するアドバイス
澤 尚希(製薬チーム コンサルタント) :
「初日はもちろん、転職した当初は莫大な量の情報をインプットしなければならず、情報処理が追い付かなくなります。それを避けるために、初日までにできるだけマニュアルを読み込んでおきましょう。トレーニングで伝えられる内容をあらかじめある程度把握し、情報をインプットした状態で研修に臨むことで、トレーニング期間でより深い知識を身につけることができます。 」
ステファニー・パドリーナ(コンシューマーチーム プリンシパルコンサルタント)
「前夜までに、もう一度転職先の会社についてリサーチしておくとより安心です。会社のウェブサイトを見たり、自分のチームメンバーになりそうな人や上司、CEOのLinkedinのプロフィールをチェックしたりするのも良いでしょう。あとは仕事内容を思い出し、上司や同僚に質問する内容を準備しておくことです。もちろん、自己紹介の練習も忘れずに! 」
転職初日の動き方に関するQ&A
Q. 転職初日は菓子折りを用意しておくべきですか?
A. 基本的に菓子折りの持参は不要です。社員数が把握できていない場合も多く、数が足りなかったり同じ日に他の入社者がいる可能性もあり、持参した人としない人のあいだでかえって気まずい状況を作ったりしかねません。どうしても持参したい場合は、事前に人数を確認し、常温保存可能な物を選びましょう。
Q. 昼休憩のタイミングはどうするべき?
A. 規則や指示がない場合、基本的には自分の業務のタイミングで取得して問題ありません。ただし、初日は上司や同僚から昼食に誘われることも多いため、その際は積極的に参加することをお勧めします。自然な形でコミュニケーションが取れる貴重な機会となります。自分から確認する場合は、周囲の人に「皆さんはお昼はどのように過ごされていますか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
Q. 転職初日から残業はありますか?
A. 状況によっては初日でも残業が発生することはあり得ます。特に、欠員補充での採用の場合は早期戦力化を目指し、初日から残業で業務引継ぎなどが行われるかもしれません。ただし残業が必要な場合は上司から事前に説明があるのが一般的です。
また、歓迎会が予定されている場合もあるため、初日は多少余裕を持った予定を組んでおくことをお勧めします。
しっかりと準備して転職先での初日に備えましょう

転職先へ初めて出社する際は、誰しも緊張したり不安になったりしてしまうものですが、十分に準備を整えて臨めばさほど心配はいりません。 服装や髪型などの身だしなみ、必要な持ち物、業界や会社に対する知識の向上、挨拶など必要なことに備えができたら、自信を持って元気に出社しましょう!
まだ転職しておらず、転職初日のアドバイスなども受けたい方は転職エージェント経由で企業に応募するのも一つの手です。キャリ相談から給与交渉、入社手続きのアドバイスまで幅広く行なっているため、もし転職をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。