外資系企業の経理職は、単なる「経理業務」にとどまらず、キャリアの選択肢や成長スピードという点で日系企業とは大きく異なります。
特に、日系企業から外資系企業への転職を考えている人にとって、
成果主義の環境とはどのようなものか
グローバル本社とどれくらい協働があるのか
どんなキャリアの選択肢があるのか
など、わかりづらいことが多いと感じるかもしれません。外資系企業は選択肢が多いぶん、戦略的なキャリア形成を意識することが重要になります。
そこで本記事では、外資系経理のキャリアパスについて、日系と何が違うのか、代表的なポジションや年収相場、求人動向、求められるスキル、転職成功のためのポイントなど、外資系でのキャリアを成功させるための包括的なアドバイスをわかりやすく解説していきます。
目次
外資系経理と日系経理の違いとは
外資系企業の経理の代表的な業務内容
外資系企業の経理の代表的な職種
外資系経理の代表的な3つのキャリアパス
外資系経理のキャリアパスのメリットと注意点
外資系経理のキャリアパスで求められるスキル
外資系経理の最新転職市場動向
外資系経理のキャリアアップに有利な資格
外資系経理の求人例と年収相場
【転職成功事例】31歳で外資系財務コントローラーに抜擢
外資系経理のキャリアパス・転職成功のポイント
外資系経理のキャリアパス・転職でよくある質問
外資系経理のキャリアパスはエイペックスの専門チームへご相談を
外資系経理と日系経理の違いとは
外資系経理は「グローバルレベルでの対応力」が求められる
外資系経理と日系経理では、基本的な業務の種類は共通点が多い一方、求められる役割や職務範囲、業務を進める前提条件などに大きな違いがあります。
特に外資系経理で特徴的なのが、「グローバルレベルでの対応力」です。グローバルの基準に合ったスピード感や自律性、英語力、会計基準、本社へのレポーティングなどが求められるため、同じ業務であっても日系とは別物のように感じる可能性があります。
本社レポーティング・英語力
成果主義・自律性重視
社内調整役
チームワーク
US GAAP / IFRS
日本基準(J-GAAP)
※一部IFRSあり
監査法人・グローバル対応
監査法人との協働含め一貫して関与
本社主導の意思決定
国内本社での慎重な意思決定
外資系と日系の業務範囲・評価基準・働き方の違い
日系企業の経理は、決算・税務・為替・内部統制など幅広い実務を担うケースが多く、結果としてゼネラリスト志向の働き方になりやすい傾向です。事業部との距離も近く、現場の状況を踏まえながら数値調整や説明を行うなど、社内調整役として動く場面が多い点も特徴です。
また、社内向けの報告資料や経営会議用の資料作成を担当することも多く、数値をわかりやすく説明する資料作成能力が重視されます。日系企業では、経理としての安定したチーム運営が優先されるため、スピードよりも正確性や調整力、ルール遵守が求められる傾向です。
一方、外資系企業では担当業務が明確に分かれる「ジョブ型雇用」が特徴であるため、特定領域の専門性がより重視されます。場合によっては、業務の一部をシェアードサービスセンター(SSC)に委託しているケースもあり、財務とのやり取り、本社への対応・レポーティングが業務のなかで大きな比重を占めます。
そのため、グローバル基準で求められる「正確性」と「スピード」、担当領域に対する「成果」が明確な評価軸となります。自律的に業務を管理し、数字の背景や影響を英語で説明できる人ほど評価されやすく、個人のアウトプットが成果として可視化されやすい点が外資系経理の特徴といえるでしょう。
外資系と日系の決算業務・会計基準の違い
外資系経理と日系経理の最大の違いは、採用される会計基準にあります。外資系企業の日本法人では、US GAAP(米国会計基準)またはIFRS(国際会計基準)に基づく決算が一般的であり、グローバル本社への英語での月次・四半期・年次レポーティングが前提となります。日本での税務申告や法定開示に対応するため、J-GAAP(日本会計基準)への組替調整が発生するケースもありますが、あくまでグローバル基準が実務の軸足となります。
また、外資系経理では決算スケジュールが非常にタイトであることも大きな特徴です。グローバル連結決算に組み込まれるため、短期間で正確な数値を提出することが強く求められます。業務は役割分担が明確に定義されており、結果として決算全体を広くカバーするというよりも、担当領域を正確かつ迅速に完了する力が重視される傾向があります。
一方、日系企業の経理では、J-GAAPに基づく決算業務が主流です。近年はIFRSを導入する大手企業も増えていますが、多くの企業では月次・四半期・年次決算を経理部門が一貫して担い、仕訳調整や部門調整などにも深く関与します。決算プロセス全体を把握しながら幅広い実務を担う点が日系経理の特徴であり、外資系経理と比較すると職責の広さが際立つといえるでしょう。
外資系と日系の内部統制(SOX)・監査対応の違い
日系企業の経理では、J-SOX(内部統制報告制度)への対応が重要な業務のひとつとなっており、業務プロセスの整備やフローチャート・規程類の作成、統制の運用・評価、監査法人対応まで、経理部門が一貫して関与するケースが多くあります。国内会計基準や社内ルールを前提に、関係部門と調整しながら統制を安定的に運用することが求められ、正確性や継続性、ルール遵守の姿勢が重視される点が特徴です。
一方、外資系企業の経理では、US-SOXなどのグローバル基準に基づいた内部統制・監査対応が前提となります。統制フレームワークや評価手法は本社主導で標準化されていることが多く、日本法人の経理はその運用・報告を担う立場になります。監査対応においては、海外本社やグローバル監査チームとの連携、英語での資料作成や説明対応が発生する点が日系企業との大きな違いといえるでしょう。
外資系と日系の為替リスク管理・外貨建取引への関わり方の違い
日系企業の経理は、外貨建取引の換算や為替差損益の把握・分析に加え、実務上の調整や社内説明まで担うケースが多く、為替影響を含めた数値管理に幅広く関与します。取引内容や事業特性を踏まえながら数値を整理し、必要に応じて財務部門や事業部と連携するなど、経理でありながら財務的な視点を持って業務に関わる場面も少なくありません。
一方、外資系企業では、為替リスク管理の方針やヘッジ戦略はグローバル本社やTreasury部門が主導します。そのため、日本法人の経理は、外貨建取引の会計処理や為替影響額の算定、グローバル本社へのレポーティングが中心となります。為替を主体的に管理する立場ではなく、正確に処理し、その影響を説明する役割が求められる点が、日系経理との大きな違いといえるでしょう。
外資系企業の経理の代表的な業務内容

外資系企業の経理業務は、日系企業と異なり、グローバル標準(US GAAP/IFRS)に基づく月次・四半期・年次決算に加え、FP&A(財務分析)や内部統制(SOX)への対応など専門性が極めて高いのが特徴です。
ここでは、外資系経理が具体的に担う代表的な業務内容について解説します。
月次・四半期・年次決算業務
US GAAPやIFRSをベースとした会計処理を行い、グローバル本社へのレポーティングが必須となります。タイトなスケジュールのなかで正確な数値をまとめることが求められ、英語での報告資料作成が必要となります。
予算管理・財務分析(FP&A)
部門別の予算策定や実績分析を担当し、予実差異の要因分析や改善提案を経営層へレポートします。単なる数値管理にとどまらず、事業判断を支える経営サポートの役割を担う点が特徴です。
税務申告・移転価格対応
法人税や消費税などの申告業務に加え、グローバルグループ間取引に関わる移転価格対応など、国際税務に関与するケースもあります。専門性の高い分野であり、税務チームや外部アドバイザーと連携しながら進めることが一般的です。
ERPシステムを活用した業務効率化
SAPやOracleなどのERP(Enterprise Resource Planning)システムを用いて日々の経理処理を行います。業務プロセスの標準化や効率化が進んでおり、システムを活用したデータ管理・分析スキルも重要となります。
内部統制・SOX対応
米国上場企業の場合、SOX法に基づく内部統制の整備・運用が求められます。グローバル基準に沿った統制フレームワークへの対応や、監査チームとの連携、英語での説明対応なども業務の一部となります。
外資系企業の経理の代表的な職種
外資系企業の経理には、多種多様な職種が存在します。企業規模によりポジションの定義や職務範囲は異なりますが、ここで外資系経理にある代表的な職種をご紹介しましょう。
Accountant / Accounting Manager
Accounts Payable / Accounts Receivable
Consolidation
Treasury
FP&A(Financial Planning & Analysis)
Tax Specialist / Tax Manager
Finance Business Partner
Financial Controller
Finance Manager / Finance Director
CFO
Accountant / Accounting Manager
高い英語力と会計知識(IFRS/US GAAP等)を駆使し、財務諸表作成・リスク管理・本社レポート・チームマネジメント・戦略的財務分析まで担う、グローバルビジネスの財務の要となるポジションです。日々の会計業務から月次・四半期・年次の決算業務まで幅広く対応し、正確な財務情報を本社や経営陣に提供します。
会計基準への深い理解はもちろん、ビジネスの実態を数字で表現する力が求められます。マネージャークラスになると、チームの育成や業務プロセスの改善、内部統制の強化などより戦略的な役割を担うようになります。
Accounts Payable / Accounts Receivable
買掛金(AP)と売掛金(AR)の管理を専門とするポジションです。Accounts Payableは仕入先への支払処理や請求書管理を担当し、適切なキャッシュフロー管理と良好な取引先関係の維持に貢献します。
一方、Accounts Receivableは顧客からの入金管理や債権回収を行い、企業の資金繰りを健全に保つ重要な役割を果たします。これらのポジションは、正確性とスピードが求められる実務的な職種であり、ERPシステムの活用スキルも不可欠です。
Consolidation
グループ全体の連結決算を担当する専門職です。世界各地の子会社から提出される財務データを集約し、グループ全体の財務諸表を作成します。異なる会計基準や通貨を統一し、内部取引を相殺消去するなど、高度な会計知識と分析力が必要です。
本社とのコミュニケーションも頻繁にあり、英語力とグローバルな視点が特に重視されるポジションです。
Treasury
企業の資金管理、為替リスク管理、資金調達を担う財務部門の専門職です。日々のキャッシュポジションの管理から、長期的な資金計画の策定、銀行との折衝まで幅広い業務を担います。
グローバル展開する外資系企業では、複数通貨の管理や国際的な資金移動が発生するため、為替リスクヘッジの知識や金融商品への理解も求められます。
FP&A(Financial Planning & Analysis)
企業の未来を数字で描き、経営判断を支える「財務の攻め手」としての役割を担います。予算策定・業績予測・差異分析・経営シミュレーションなど、将来志向の財務分析を通じて経営層の意思決定をサポートします。
過去の取引を記録するアカウンティング(経理)が「財務の守り手」であるのに対し、FP&Aは戦略的なビジネスパートナーとして機能します。データ分析力、ビジネス理解力、経営陣へのプレゼンテーション能力が特に重要です。
Tax Specialist / Tax Manager
法人税・消費税・国際税務など、複雑な税務業務を専門に扱うポジションです。Tax Specialistは税務申告書の作成や税務調査対応を担当し、Tax Managerはタックスプランニングや移転価格税制への対応など、より戦略的な税務業務を統括します。
外資系企業では国際間取引が多いため、租税条約や移転価格の知識も重要です。
Finance Business Partner
財務の専門知識を活かして事業部門に寄り添い、ビジネスの成長を支援する戦略的パートナーです。営業部門やマーケティング部門などと協働し、事業計画の策定・投資判断・業績管理をサポートします。
数字を読み解くだけでなく、ビジネスの現場を理解し、財務的な視点から価値ある提言を行うことが求められる、コミュニケーション能力の高い財務プロフェッショナルです。
Financial Controller
企業の「舵取り役」として、財務報告の正確性を確保し、経営陣の意思決定をサポートする重要な役割を担うポジションです。
会計チーム全体を統括し、決算プロセスの管理・内部統制の構築・監査対応・コンプライアンス確保など、財務面での責任を一手に引き受けます。経理のプロフェッショナルとしての専門性に加え、リーダーシップとマネジメント能力が求められる上級ポジションです。
Finance Manager / Finance Director
グローバルな視点で財務データを分析し、資金調達やリスク管理を通じて経営層の戦略的意思決定を数字で支援する、企業の「心臓部」とも言える戦略的ポジションです。
財務戦略の立案・M&Aのサポート・投資案件の評価など、企業の成長に直結する重要な意思決定に関与します。財務の専門知識だけでなく、ビジネス全体を俯瞰する能力と経営陣との対話力が求められます。
CFO
経営戦略の立案実行に深く関与し、財務面から企業価値最大化を目指す経営幹部です。経営会議のメンバーとして、CEO(最高経営責任者)を財務面から支え、企業全体の方向性を決定する重要な役割を担います。
財務・経理部門全体の統括はもちろん、投資家との対話、資本政策の決定、M&A戦略の立案など、企業経営の中核を担うポジションです。
このように、外資系企業の経理職は国際的な環境で高度な専門性を発揮できる魅力的なキャリアが数多くあります。自身の興味やスキルに合わせて、これらの多様なポジションからキャリアを選択できるのが外資系経理の大きな魅力でしょう。
外資系経理の代表的な3つのキャリアパス
外資系企業の経理職では、年功序列に縛られず、成果と専門性によって柔軟なキャリアパスを描くことが可能です。具体的には、マネジメント職を目指すルートと、専門性を深めるスペシャリストルート、さらには国際的なキャリアを目指すルートなど選択肢は多岐にわたります。
ここでは、外資系経理職の代表的なキャリアパスを3つの方向からご紹介します。
① 経理管理職を目指す
外資系経理の最も一般的な年収アップ・キャリアアップのルートは、マネジメント職への昇進を目指す道です。外資系企業では、日系と違い成果やスキル次第で早期に昇進を目指せる点が魅力であり、早くにマネジメント職を目指したい人にとっては外資系経理が向いているといえます。
《上位ポジションを目指す代表的なキャリアパス》
Accountant(1〜3年目)
Senior Accountant(3〜5年目)
Assistant Accounting Manager(5〜7年目)
Accounting Manager(7〜10年目)
Senior Accounting Manager / Finance Manager(10年目~)
Financial Controller / Finance Director
CFO(Chief Financial Officer)
特に、Accounting Managerとして複数部門の財務を統括した経験がある場合、スタートアップや中堅外資企業ではCFOやファイナンスディレクターとして転職可能なケースもあります。40代でCFOに就任する事例もあり、外資系企業では実力と実績次第で早期のキャリアゴールへの到達も現実的となるでしょう。
② FP&Aなどスペシャリストを目指す
外資系経理では、マネジメント職に就かずとも、専門性を深めることで年収アップやキャリアアップを実現することも可能です。専門性に特化してスキルを磨くことで、より上位の企業や高待遇の企業へ転職することも可能であり、特に女性の場合は「ワークライフバランス最優先」でスペシャリストとしての転職を目指す人も多くいます。
経理分野でスペシャリストを目指す場合、特に以下のようなポジションで経験を積むと自身の市場価値が高まります。
FP&A(財務企画及び分析):予算策定、実績分析、経営層へのレポート
Consolidation(連結会計):グループ全体の財務統合、外貨換算
Tax Specialist(税務スペシャリスト):移転価格、国際税務対応
Treasury(資金管理):キャッシュフロー管理、資金調達
ESG・サステナビリティ会計:非財務情報の開示、統合報告対応
特にFP&Aは需要が高く、最も求人募集が多い職種のひとつです。経営層との距離が近いため、戦略的な視点を持つ人材が強く求められます。
③ 国際的なキャリアを目指す
外資系経理職は、グローバル本社やAPACなどの海外拠点とのコミュニケーションが多く発生するため、海外赴任を含めて国際的なキャリアを築くチャンスが多いポジションです。
外資系経理では、以下のような業務を通じてグローバル人材としてのキャリアを築くことができます。
欧米本社への出張・駐在
世界各国での事業立ち上げ支援
グローバルERP導入プロジェクトへの参画
M&AやPMI(Post Merger Integration)における財務統合支援
海外駐在ポジション(Controller、Finance Managerなど)
企業やポジションにより、どの業務にどこまで携わることができるのかは異なるため、専門の転職エージェントに登録して自分の希望を達成しやすい企業はどこなのか、リサーチしてから転職先を定めることが必要です。
また、現職で実績を築くことで、特に大手企業では海外駐在の可能性が巡ってくることがあります。ただし、そのようなポジションに転職を希望する場合常に募集があるわけではないのと、ひとたび求人が出ると人気ですぐに募集が埋まってしまうことがあります。転職エージェントから常に最新情報を入手し、チャンスを逃さないようにすることが転職成功の鍵となります。
このように、外資系経理のキャリアパスにおいては「成果を求められるものの、働き方やキャリアの選択は柔軟」という点が特徴で、自分らしいキャリアを選択しやすい環境といえます。
「マネジメント職を目指すのか」、「スペシャリストとして専門性を磨くのか」、「グローバルなキャリアに興味があるのか」いずれにしても、外資系企業では明確な目標とスキルを持って取り組めば、着実にステップアップが可能でしょう。
関連記事:外資系企業のキャリアパス完全ガイド|日系との違い・キャリアアップまでの成功戦略
外資系経理のキャリアパスのメリットと注意点
外資系経理のキャリアパスは、日系企業と比べ、グローバルな環境で専門性を高めながら自身の市場価値を大きく高めることができ、早期の年収アップやキャリアアップのチャンスが多くある点が魅力です。
ここで、外資系経理のキャリアパスを選択する4つのメリットと、「転職後につまずきやすいポイント」として注意点をいくつかご紹介しましょう。
① 早期の年収アップ・キャリアアップのチャンスが多い
外資系企業の給与は、日系よりも1~2割程度高く設定されていることが多くあります。これは、退職金や年金支給が日系よりも手薄であるぶん、それを給与に反映させる傾向があるためです。
また、日系に見られるような年功序列ではなく、実績・組織への貢献度で給与が決まる成果主義が徹底されています。個人やチームの成績がボーナスやインセンティブとして反映され、基本給に対する比率が高いケースも多く、高い成果を上げたぶんだけ年収が大きく伸びやすいのが特徴です。
実力主義であるため若い世代でも裁量が大きく、結果を残せば早期に高収入が実現できます。20代後半〜30代前半でもマネジメント職に就けるチャンスもあり、管理職以上であれば年収1,000万円以上のオファーも一般的です。日系企業では部長職に就くまで15〜20年を要するケースが多いのに対し、外資系であれば7〜10年程度でそのステージに到達することも可能でしょう。
② キャリアパスが広く小規模企業ならCFOも射程圏内
外資系経理のキャリアパスは、日系企業と比べて選択肢が広く「キャリアの可能性を広げたい」と考える人にとっては有効な選択肢です。専門性に特化しているため、スキルの向上と成果次第でマネジメント層へのスピーディな昇進や、専門性を磨いてさらに上位ポジションを目指していくことも可能です。
少人数体制の日本法人やスタートアップ企業では、少数精鋭の組織体制のため経験豊富な経理人材を採用する傾向にあります。その場合、経理・財務の責任者としての裁量が非常に大きく、CFO候補としての転職も現実的です。 経理からFP&A、財務までを兼務することで経営視点が養われ、 経営陣の意思決定を支える戦略的役割を担うことができます。
特に、M&AやERP導入プロジェクトに携わった経験があれば、次期CFOの有力候補者となり、早ければ30代後半~40代で成功を収めるケースもあります。
③ 専門性を磨いて市場価値を高めることができる
外資系企業の経理職では、特定分野に深く関わりながら経験を積むことで、自身の強みや専門性を確立していくキャリアが一般的です。専門領域での実績を積み重ねることで市場価値が高まり、年収アップやキャリアアップを目的とした転職もしやすくなります。経験を重ねるほど選択肢が広がる好循環を生み出しやすい点は、外資系経理ならではの大きな魅力といえるでしょう。
特に、US GAAPやIFRSといったグローバル会計基準への対応経験や、英語でのレポーティング・監査対応スキルは、転職市場でも高く評価されます。日系企業では幅広く浅く担当するケースが多いのに対し、外資系では専門領域での成果がそのまま評価や報酬に反映されやすいため、スキルを磨くほどキャリアアップや年収アップにつながりやすい環境が整っています。
④ グローバルな就業環境で成長できる
外資系経理の魅力は、国籍も価値観も異なる多様なプロフェッショナルと対等に渡り合える環境で、自身の成長を実感しやすい点です。
下記のような業務を通じ、英語をツールとして使いこなしながら国際的なビジネス感覚を肌で感じ、グローバル人材として市場価値を大きく高める経験ができるでしょう。ダイバーシティを重視する企業も多く、性別や国籍に関係なく能力を発揮できる土壌にも恵まれます。
IFRS、US GAAPへの精通: 本社レポーティングを通じ、世界標準の会計基準を実務レベルで体得できます。
広域的なファイナンス視点: 海外チームとの連携により、単なる記帳に留まらない経営的な視座が養われます。
国際プロジェクトへの参画: 実力次第で、海外出張やクロスボーダーな案件に関わる機会もあり、国際的なビジネス慣行やダイナミズムに触れることができます。
こうした経験を積み重ねることにより、将来的にCFOやファイナンスディレクターへの可能性も見えてくるでしょう。
外資系経理でつまずきやすいポイント
このように、外資系経理には多くの魅力的なキャリアの可能性がありますが、働き方や業務の進め方が日系企業とは大きく異なるため、転職後に戸惑いを感じる人も少なくありません。
事前に違いを理解しておくことで、ミスマッチを防ぎスムーズに新しい環境へ適応しやすくなります。ここで、日系経理から外資系経理へ転職した際に困惑が生じやすい代表的なケースを見ておきましょう。
英語力が“読み書きだけ”で止まっている:メール対応は問題なくこなせても、会議でのディスカッションや突発的な質問への即時対応が求められ、スピーキング力不足に苦労するケースがあります。
決算スピードについていけない:外資系では月次決算を3〜5営業日程度で締めるのが一般的なため、日系企業の比較的余裕のあるスケジュールに慣れていると、最初は大きな負担に感じやすいでしょう。
SSCとのコミュニケーションが難しい:海外SSCは日本のように細かなフォローが入らないことも多く、曖昧な依頼では業務が進まないため、目的・期限・優先順位を明確に伝えるスキルが必要になります。
本国の意向を理解せず、日本式で業務を進めてしまう:外資系企業では「本国ルール」やグローバル基準が最優先されるため、日本的な根回しや合意形成プロセスが通用せず、スピード重視の判断に戸惑うこともあります。
関連記事:外資系企業のキャリアパス完全ガイド|日系との違い・キャリアアップまでの成功戦略
外資系経理のキャリアパスで求められるスキル
外資系企業の経理職では、実務経験・英語力・ITツールのスキルがあること、自ら考えて提案できる自律性があることなどが重視されるため、転職においてもこれらのスキルセットがアピールポイントになります。以下で詳しく見てみましょう。
経理の実務経験と国際会計基準の知識
外資系経理のキャリアにおいては専門性が重視されるため、実務経験をどれだけ積んできたかが重要です。特に、IFRSやUS GAAPに基づいた決算業務の経験をはじめ、以下のような業務経験があると高く評価されます。
月次、四半期、年次決算の実務経験(IFRS/US GAAPベース)
グローバル本社へのレポーティング経験
連結決算、外貨換算、移転価格対応などの国際業務経験
内部統制(SOX法)や監査対応の経験
特に、日系企業で日本基準の経理業務を経験したのち外資系に転職し、国際基準に対応した実績がある人材は即戦力として高く評価されます。
英語力
外資系企業では、グローバル本社のスピードに合わせた対応力・レポーティング力が重要であり、英語での業務遂行能力が日常的に求められます。
英語でのメール、チャット、会議対応(TOEIC800点以上が目安)
英語での財務レポート作成、プレゼンテーション
海外本社や海外拠点との連携業務
英語での監査対応及び資料作成
特に、Accounting Manager以上のポジションでは、英語での意思疎通が可能になるビジネスレベルの英語力が必須です。TOEICであれば800点以上が評価の目安となりますが、あくまで「実務で使えるか」が重視されるため、英語での実務経験や実績を示せるようにしておきましょう。
ITツール・システムの活用スキル
外資系企業では、経理業務において高度なITスキルが求められます。単なる仕訳処理にとどまらず、システムを活用して業務を効率化し、経営に役立つデータを提供する役割が重視される点が特徴です。
以下のようなツールの使用経験があると、転職市場でも評価が高くなるでしょう。
ERPシステム: SAP、Oracle、NetSuiteなどによる会計・業務プロセス管理
Excel操作の高度スキル: VLOOKUP、IF関数、ピボットテーブル、マクロによるデータ集計・自動化
財務分析ツール: SAP Analysis for Office、Hyperion、Essbaseを用いた予実管理や分析
BIツール: Tableau、Power BIなどによるデータ可視化・経営レポート作成
RPAツール: UiPath、Automation Anywhereなどによる定型業務の自動化
これらのツールを活用して業務効率化やデータ分析、改善提案まで行える人材は、単なるオペレーターではなく戦略的な経理・財務人材として評価されやすくなります。その結果、年収アップや上位ポジションへのキャリアアップにつながりやすく、キャリアの選択肢が大きく広がる点も外資系経理ならではのメリットといえるでしょう。
自律性とプロジェクト推進力・ビジネスパートナーとしての役割
外資系企業では、指示を待つ姿勢ではなく、自ら考えて行動できる「自律性」が重視されます。単なる報告業務にとどまらず、課題を自ら発見し、改善策の提案・実行までを主体的に推進できるプロジェクトマネジメント力を発揮することで、マネージャー職やその先の上位ポジションへのキャリアパスも見えてくるでしょう。
また、外資系企業の経理職は、社内外の多様なステークホルダーと連携する機会が多く、数字を処理するだけでなく「ビジネスパートナー」として経営を支える役割が求められます。経営に近い立場で意思決定をサポートするために、以下のようなスキルや経験を磨いていくことが重要です。
部門横断的な連携能力: 営業、マーケティング、人事など他部門と密に連携し、予算策定やコスト管理、業績改善を円滑にサポートできる
経営層への提案能力: 財務分析結果をもとに、経営会議でのレポーティングや意思決定を支援する提案力がある
プロジェクト推進能力: ERP導入、業務改善、M&A対応などのプロジェクトで、経理視点からリード役を担える
多国籍チームとの協働能力: 海外拠点や外国籍メンバーと協働し、文化や言語の違いを乗り越えて成果を出す異文化コミュニケーション力が必要となる
外資系経理の最新転職市場動向
近年、外資系経理の転職市場は活況を呈しており、特に専門性の高いポジションでは売り手市場が続いています。日系企業と比較しても、キャリアの広がりや成果主義の評価制度は魅力であり、転職によって年収アップやキャリアアップを成功させている経理人材が多くなっています。
そこで、エイペックスの財務・会計業界専門の人材コンサルタントであるシリクル・シリピヤワタナが、外資系経理の転職市場の現状と、各業界で求められるスキルや採用動向について詳しく解説します。
.jpg?locale=ja)
シリクル・シリピヤワタナ
2023年から財務・会計チームに所属するシニアコンサルタント。製薬、IT、エネルギー、リーガル、金融、コンシューマーなど、多岐にわたる業界の経理・財務ポジションの紹介を得意とする。世界的有名企業から日本市場進出間もないスタートアップまで、幅広い外資系企業のハイクラスポジションの紹介に豊富な実績を持ち、最優秀シニアコンサルタントも受賞している。
外資系企業経理の転職は売り手市場
外資系経理は、近年売り手市場が続いています。日本法人の設立や事業拡大・組織再編など需要増加の要因は各企業により異なりますが、即戦力の経理人材をスピーディに採用したいというニーズは共通しています。
人手不足である一方で、外資系は専門性重視のため新卒採用やポテンシャル採用がほとんどなく、即戦力人材を前提とした中途採用が中心です。しかし、英語でのレポーティングやグローバル基準の会計実務を担える人材は限られており、経験者には複数社からオファーが集まりやすくなっています。
転職を成功させるためには、現職において月次決算・監査対応・予算管理などの実務経験が最低でも3年以上あることが必須条件となっており、上場企業や監査法人、コンサルティング会社などでの勤務経験が歓迎されます。同時に、ビジネスレベルの英語力、中級以上のPCスキル・Excel活用スキルを必須条件としている企業も多くあります。
一方、スタートアップでは幅広い業務をこなせる柔軟性やスピード感が求められています。少数精鋭のため1人で複数領域をこなすことが求められるため、幅広い業務経験と柔軟性・対応力があることを具体的な事例を使ってアピールすることが必要です。
特に募集が多いのはFP&A・Finance・Accountant
近年の外資系企業の採用市場では、FP&A、Finance Business Partner、Accountantのポジションで特に求人募集が活発な傾向です。事業拡大や日本法人の成長に伴い、単なる会計処理を担う人材だけでなく、経営判断を支える財務パートナーとしての役割が強く求められていることが背景にあります。
FP&AやFinance Business Partnerは、予算策定や業績分析、KPI管理を通じて経営層に戦略的な意思決定材料を提供するポジションです。売上成長やコスト構造の改善を数値面から支える存在として、外資系企業では中核的な役割を担っています。そのため、分析力やビジネス理解に加え、経営層と対話できるコミュニケーション力が重視されます。
一方、Accountantについても需要は非常に高く、専門性の高い業務を担える即戦力人材が各業界で求められています。特に、ERP導入や業務改善プロジェクトの経験を持つ人材は、多くの企業で高く評価されています。
これらのポジションは人員増強による新規採用が中心となっているケースが多く、企業の成長フェーズに直接関わるチャンスが豊富です。外資系経理でキャリアアップを目指す方にとって、これらのポジションは今後も高い需要が続く注目領域といえるでしょう。
専門性・ITスキル・英語力を持つ人材は高評価
売り手市場が続く外資系経理職ですが、そのなかでも特に採用ニーズが高くなっているのは以下のような経験者になります。
IFRS対応経験者
英語での会議・レポーティングが可能な人材
RPA(Robotic Process Automation)やAIツールの活用経験者
BIツールやExcel等を使用したデータ分析、業務改善提案スキル
ESG(Environment・Social・Governance)、サステナビリティ報告対応経験者
ERP(Enterprise Resource Planning)導入および運用経験(SAP、Oracleなど)
RPAの導入により定型業務が自動化されつつありますが、代わって経理職に求められているのが、データを読み解き経営判断につなげる分析力や提案力です。単なる仕訳処理や帳簿管理だけでなく、数値の背景を理解し、課題を可視化して改善策を提案できる人材が特に評価される傾向にあります。
また、グローバル本社や海外拠点とのやり取りが日常的に発生するため、ビジネスレベルの英語力を必須条件とする企業も多くあります。会議やレポーティングなどで、自身の分析結果や意見を英語で論理的に伝えられるスキルに長けていると、マネージャー候補やファイナンスリーダーとして早期に昇進できるケースも少なくありません。
また、大手企業や事業成長中の企業では海外赴任のポジションも出てくるため、チャンスを見極めつつ英語力を磨いておくと良いでしょう。
また、IFRSの動向やグローバル開示基準(ISSBなど)に沿ったESG・サステナビリティ報告への対応が進んでおり、日本法人の経理もその実務に関与するケースが増えています。ESGはもはや広報部門だけの取り組みではなく、企業価値や投資判断に直結する重要な経営指標として位置づけられています。経理職には、財務データに加えてこうした非財務データを正確に管理・分析し、グローバル基準に沿って開示できる専門性が求められます。
【業界別】転職市場動向と求められる経理・財務人材
外資系経理の求人が特に活況になりやすい業界は、成長スピードが速く事業拡大に対応するための人材が必要な業界や、グローバル連携が活発であるため高度な経理人材が必要とされる業界です。
近年は、特に「IT・テクノロジー」「製薬・ヘルスケア」の業界を中心に、外資系経理の求人募集が活況といえるでしょう。業界によってビジネスモデルや収益構造が違うため、経理の関わり方や転職者に求められるスキルも大きく異なってきます。
下記で、2つの業界に求められるスキルとともに転職市場動向を解説しましょう。
【IT・SaaS・テクノロジー業界】
IT・SaaS・テクノロジー業界は外資系企業のなかでも特に成長スピードが速く、日本法人の立ち上げや事業拡大に伴い、即戦力となる経理・財務人材の採用が非常に活発です。
業務の中心は月次・年次決算に加え、売上認識(Revenue Recognition)やプロジェクト別収益管理、KPI分析など、FP&A寄りの業務が多くを占める点が特徴です。スピーディな事業成長に対応した予算管理力や、ERP導入・データ分析スキルを持つ人材が特に高く評価されています。
また、SaaSビジネス特有の指標であるARR(年間経常収益)、MRR(月次経常収益)、チャーン率などを日常的に扱いながら、事業の健全性を数値で可視化する役割も重要となります。加えて、IFRS15をはじめとする収益認識基準への理解が必須であり、サブスクリプションモデルならではの複雑な収益管理に対応できる専門性が求められる業界といえるでしょう。
【製薬・ヘルスケア業界】
製薬・ヘルスケア業界でも、経理・財務人材の求人募集が好調です。グローバル本社との連携が強い業界であり、IFRSやUS GAAPに基づく決算対応や内部統制・監査対応など、高度な専門性を求める求人が多いのが特徴です。
業務面では、R&D費用の管理や臨床試験費用の計上など、複雑な会計処理に対応するスキルが求められます。さらに、各国のルールに沿ったグローバル規制対応が多い業界であるため、正確性とコンプライアンス意識の高い人材が評価されやすい傾向にあります。
英語でのレポーティングやERP活用スキルに加え、こうした専門性を備えた即戦力人材は引き続き高い需要があり、キャリアアップを狙いやすい市場といえるでしょう。
このように、外資系経理への転職を検討する際は、「外資系かどうか」だけでなく、業界ごとのビジネスモデルや会計の特徴、求められるスキルまで踏まえて考えることが重要です。自身の経験や強みがどの業界で最も活かせるのかを見極めることで、転職成功の可能性は大きく高まるでしょう。
あわせて、英語力やITスキルといった共通して評価されやすい要素を磨いておくことで、選択肢を広げながらより良い条件でのキャリアアップを目指すことができます。
外資系経理のキャリアアップに有利な資格
外資系経理への転職では、実務経験と英語力が重視される一方で、資格の有無が選択肢を広げたり好条件での内定獲得につながるケースもあります。特にマネージャー以上のポジションや、将来的にファイナンス部門でのキャリアを目指す場合には、資格は専門性を証明できる大きな武器となります。
そこで、以下に外資系経理のキャリアアップに有利とされる代表的な資格をご紹介します。
USCPA(米国公認会計士)
USCPAは、外資系企業で最も評価される国際資格のひとつです。
試験は英語で行われ、米国基準に基づく会計知識を体系的に習得できるため、以下のような場面で強みを発揮します。
グローバル本社への英文レポーティング・対応
海外子会社との連携業務
IFRSやUS GAAP対応業務
FP&Aや経営企画へのキャリアチェンジ
USCPAは、日本の公認会計士試験よりも合格しやすく、社会人でも働きながら取得できる点が魅力です。特に外資系企業では、資格保有者を「即戦力人材」として評価する傾向があり、転職活動を有利に進めることができるでしょう。
公認会計士(日本)
日本の公認会計士資格は、会計・監査・税務に関する高度な専門知識と実務能力を証明する国家資格であり、外資系企業においても専門性の高さから非常に高く評価されます。グローバル基準での財務管理が求められる環境において、複雑な会計論点に対応できる人材として信頼を得やすい点が大きな強みです。
特に、以下のような場面で大きなアドバンテージとなります。
監査対応(Big4監査法人との折衝)
税務申告、引当金処理などの高度な会計判断
内部統制(SOX法)対応
公認会計士資格は、経理・財務分野でのキャリアの幅を広げるだけでなく、マネジメント層やCFOなど経営に近いポジションを目指すうえでも強力な武器となるため、専門性を軸に長期的なキャリアアップを目指す人にとって非常に有効な武器となるでしょう。
MBA(経営学修士)
MBAは、経営戦略・財務・マーケティング・組織マネジメントなど経営全般を体系的に学ぶことができる学位であり、外資系企業では特にFP&Aや経営企画、財務戦略といった経営に近いポジションで高く評価されます。単なる会計知識にとどまらず、ビジネス全体を俯瞰して意思決定を支える力が身につく点が大きな強みです。
特に、以下のような場面で大きなアドバンテージとなります。
経営陣との議論に必要な戦略的思考力や課題解決力の習得
財務分析だけでなく、事業モデルや市場動向を踏まえた全体視点での理解
海外拠点との連携やグローバルプロジェクトへの参画
外資系企業では、FP&A部門や経営管理部門にMBAホルダーが多く在籍しているケースも珍しくありません。経理出身者がMBAを取得することで、専門性に経営視点が加わり、財務戦略や経営企画など上流ポジションへのキャリアアップにつながるなど、キャリアの選択肢が大きく広がる可能性があります。
簿記2級以上
日商簿記2級は、商業簿記・工業簿記の基礎から応用までを網羅する資格であり、経理職として必要な会計知識の土台を身につけていることを証明する資格です。取得によって即戦力人材として評価されるものではありませんが、経理への適性や基礎理解を示す指標として一定の評価が得られる可能性があります。
特に、以下のようなケースで有効といえるでしょう。
経理未経験から外資系経理への転職を目指す場合の基礎スキル証明
実務経験が浅いものの、会計知識を体系的に習得していることをアピールしたい場合
英語力やグローバル業務経験はあるが、日本基準の会計知識を補完したい場合
日商簿記2級は、経理キャリアのスタートラインとしては非常に有効です。実務経験や英語力と組み合わせることで、外資系企業への転職における信頼性を高める土台となるでしょう。
外資系経理の求人例と年収相場
外資系経理の年収相場は、役職や経験、企業規模によって幅がありますが、日系経理よりも高い水準であることが一般的です。そのため、日系経理から外資系経理に転職した場合、年収アップでの転職となることが多いでしょう。
以下は、エイペックスで取り扱っている最近の求人例と想定年収額になります。
(外資系ヘルスケアカンパニー)
中級以上のExcelスキル
(外資系大手製薬会社)
(米系バイオテクノロジー企業)
(欧州系ライフサイエンス企業)
(欧州系化粧品メーカー)
(外資系自動車メーカー)
(外資系製薬会社)
(欧州系医療機器企業)
(外資系ヘルスケアカンパニー)
管理職以上のハイクラスポジションは、エイペックスのような転職エージェントを通してのみアクセスできる非公開求人であることがあります。非公開求人情報を含めた詳細な転職市場動向は、エイペックスの専門コンサルタントによるキャリア面談へお越しください。
【転職成功事例】31歳で外資系財務コントローラーに抜擢
ではここで、エイペックスを利用して日系経理から外資系経理への転職を成功された事例をご紹介しましょう。
【転職成功事例】
・新しい環境でキャリアアップを目指したかったため
本ポジションは将来的に1,000万円以上も視野に入るキャリアパスであり、今回の転職は外資系経理でのキャリアの第一歩となりました。
.jpg?locale=ja)
シリクル・シリピヤワタナ(財務・会計チーム シニアコンサルタント)が考える転職成功のポイント:
「外資系企業では、自身のキャリアを主体的に考える姿勢が重要です。この方の場合、現在の仕事に高い意欲と情熱を持って取り組んでおり、将来のビジョンや目標もしっかりと持ち合わせ、それらを採用面接で明確に示せたことが良かったと思います。もちろん、海外での勤務経験を通じて培った高い英語力も採用に至った要因です。」
外資系経理のキャリアパス・転職成功のポイント
外資系経理職への転職はキャリアアップや年収アップのチャンスが多い一方、転職に向けた戦略的なキャリア形成とアピールが欠かせません。以下で、外資系経理の転職を成功させるための具体的なポイントをご紹介します。
意識的にキャリアを前進させる意識を持つ
外資系企業で成長し続けるためには、意識的にキャリアを前進させる姿勢を持つことが欠かせません。外資系はキャリアの選択肢が豊富な一方で、受け身の姿勢ではスキルやポジションが停滞してしまうケースも少なくありません。自ら目標を設定し、計画的に経験を積み重ねる意識を持ちましょう。
そのためには、定期的なスキルの棚卸しを習慣にすることが大切です。外資系では、「3年ごとにステップアップする」ことが理想の成長スピードとされています。業務内容や裁量に変化がない場合は、社内異動や転職を視野に入れるのも現実的な選択です。キャリアの成長が理想的なスピードになっているかを確認し、現職以外の選択肢を考慮しながらキャリアを停滞させないようにしましょう。
また、FP&A業務に徐々に関わることもキャリアアップに大きく貢献します。経理業務だけでは将来的にキャリアアップの限界がきてしまうことがあるため、予算管理や業績分析などの分析業務に触れることで、経営に近いポジションにステップアップしやすくなります。
さらに、英語力は「読み書き」だけでなく「会議で発言できるレベル」まで高めることが理想です。メール対応や資料作成ができるだけでも評価されますが、会議で自分の意見を伝え、議論に参加できるようになると一気に存在感と評価が高まります。
加えて、プロジェクト経験を積極的に積むことも重要です。ERP導入、業務プロセス改善、M&AやPMIなどは、外資系企業で特に評価されやすい経験です。通常業務に加えてこうしたプロジェクトに関与することで、スキルの幅と市場価値が大きく向上するでしょう。
このように、外資系では受け身ではなく計画的に経験を積み、スキルを広げていくことで長期的でレベルの高いキャリアを築くことができます。
専門領域を明確にする
外資系企業で評価されるためには、自身の強みとなる専門領域を明確に打ち出すことが重要です。単に「経理経験があります」と伝えるのではなく、「どの分野でどのような成果を出してきたのか」を具体的に示すことで、即戦力人材としての評価が高まります。
例えば、IFRS対応や連結決算、FP&A、税務、資金管理といった専門分野のなかでも、どの領域を強みとしているのかを整理して伝えましょう。加えて、ERP導入や業務プロセス改善などのプロジェクトに関わった経験があれば、担当範囲や成果を具体的に説明することで高い評価を得ることができるでしょう。
さらに、製薬業界の原価計算やSaaS企業の収益認識など、業界に特化した知識や経験を持っている場合は大きな差別化ポイントになります。自身の専門性を明確にし、「企業の課題解決にどのように貢献できるか」を示すことが、外資系経理への転職を成功させる鍵となるでしょう。
履歴書の成果は必ず数値で書く
英文履歴書や職務経歴書では、担当業務を羅列するのではなく「成果を数値で示す」ことが重要です。
「月次決算を5営業日以内に短縮した」「予算精度を90%以上に改善した」
「ERP導入により経理業務の工数を30%削減した」
「FP&Aとして年間予算1億円規模の策定及び分析を担当した」
などのように、担当した業務を数字で語ることで説得力が増します。
さらに、成果における具体的なエピソード(プロジェクトの規模や自身の立場・役割、プロセス、結果から学んだことなど)を語ることで再現性が高まり、応募先企業での活躍のイメージがつきやすくなります。開示できない情報の漏洩に気をつけながら、「自身がどのように関わり、どのようなことを学び、それを応募先での業務にどのように活かしたか」を簡潔にまとめておきましょう。
戦略立案経験をアピールする
外資系企業では、経理職に対して単なる「記帳や決算業務」だけでなく、「経営判断を支えるパートナー」としての役割が期待されます。日々のオペレーションにとどまらず、数字をもとに課題を可視化し、改善策や複数の選択肢を提示できる人材ほど高く評価される傾向があります。
具体的には、以下のような経験を整理して伝えると効果的です。
財務分析を通じて課題を発見し、改善提案につなげた経験
予算策定やコスト削減プロジェクトを主導、または中心となって推進した実績
経営層向けレポーティングや意思決定を支援した経験
部門横断でKPIを設計し、業績管理の仕組みを構築・改善した取り組み
例えば、「営業利益率の低下要因を分析し、販管費構造の見直しを提案した」「在庫回転率向上を目的とした管理プロセスを構築し、キャッシュフロー改善につなげた」など、数字を起点に戦略的に行動した具体例を示すことで、即戦力人材としての価値がより伝わりやすくなります。
英語力・コミュニケーション能力をアピールする
英語コミュニケーション能力をアピールすることは、外資系企業への転職において大きな強みとなります。外資系では語学スキルそのものだけでなく、異なる文化や価値観を持つ関係者と円滑に連携し、成果につなげられるかが重視されます。
具体的には、以下のような経験を交えて伝えると説得力が高まります。
英語での会議への参加やファシリテーション、資料作成、日常的なメール対応の実績
グローバル本社や海外拠点チームと連携しながら業務を進めた経験
多国籍メンバーが関わるプロジェクトを推進した経験
単に「英語が話せる」と伝えるのではなく、「英語を使ってどのような課題を解決し、どんな成果を上げたのか」を具体例とともに説明することで、即戦力としての評価につながりやすくなります。
転職理由はポジティブな動機を
転職理由はできるだけポジティブな動機で伝えることが重要です。外資系企業では、成長意欲やキャリア志向であることが評価されるため、転職理由は「環境への不満」よりも「次のステージで何を実現したいか」に焦点を当てましょう。
具体的には、以下のような前向きな理由が効果的です。
「グローバルな環境で専門性をさらに高めたい」
「IFRSや管理会計に軸足を移し、経営に近い立場で価値を発揮したい」
「英語力を活かして海外本社との連携業務に積極的に挑戦したい」
また、応募先企業のカルチャーや事業フェーズ、募集背景と結びつけて志望動機が説明できると、志望度の高さやマッチ度が伝わりやすくなります。単なる転職理由ではなく、「その企業だからこそ実現したいキャリア」を意識して表現することがポイントです。
外資系に強い転職エージェントを利用する
外資系企業への転職を成功させるためには、外資系に特化した転職エージェントを活用することも大きなポイントです。外資系の採用は、日系とは評価基準や選考プロセスが大きく異なるため、業界や各企業の採用プロセスに精通したエージェントのサポートを受けることで成功確率が高まります。
特に経理・財務分野の転職の場合、企業にとって重要なポジションの採用になるため、求人票だけでは把握できない採用ニーズを正しく見極めることが非常に大切です。転職エージェントに頼ることで、企業ごとに求められるスキルや経験、面接の傾向や面接官情報、英語面接の内容などについて把握できるため、的を得た転職活動が可能となります。英文履歴書の作成や成果の伝え方についても具体的なアドバイスを受けられるため、自身の強みをより効果的にアピールできることもメリットです。
また、今後のキャリアの方向性に悩んでいる場合でも、転職動向を踏まえた中長期的なキャリアプランの提案を受けられる点も魅力です。情報力と交渉力を持つ転職エージェントをうまく活用することで、条件面・ポジション面ともに納得のいく転職を実現しやすくなります。
関連記事:【面接から内定まで】外資系企業の採用プロセスと対策方法をまとめてご紹介
外資系経理のキャリアパス・転職でよくある質問
ここからは、外資系経理のキャリアパスや転職でよくある質問について答えていきましょう。
Q. 外資系経理に向いているのはどんな人ですか?
A. 外資系企業の経理職に向いているのは、専門性・スピード・自律性を重視でき、成果主義の環境でキャリアアップを目指したい人、専門性を突き詰めたい人、英語力を活かしたい人です。
外資系では、成果主義でスピード感のあるビジネス環境に順応でき、指示待ちではなく自分の担当領域に責任を持って主体的に業務を進められる姿勢が評価されます。決算やレポーティングもスピード感が求められ、正確性と迅速さの両立が重要です。
また、IFRS、FP&A、税務、SOX対応など特定分野での専門性を磨き続けられる人は市場価値が高まりやすく、早期のキャリアアップや好条件での転職も視野に入ってきます。加えて、本社とのやり取りが可能な実務レベルの英語力や、数字をもとに経営を支えられるビジネス視点がある人も外資系経理に向いています。
Q. 外資系経理では年収はどこまで目指せますか?
A. 外資系経理の年収は、日系企業よりも高い水準に設定されていることが多く、実力と成果次第で早期の年収アップが可能です。特に専門性の高さや英語力、グローバル本社との連携経験などは評価に直結しやすい傾向があります。
年収は企業規模が大きいほど高い傾向にありますが、マネージャークラスで年収約1,000万円〜1,500万円、財務コントローラーで年収約1,000万円〜2,000万円、CFOやファイナンスヘッドといった経営幹部層では年収約1,000万円~3,000万円も現実的に目指すことができるでしょう。外資系企業では成果連動型のボーナスやインセンティブ制度が導入されているケースが多く、実績次第で非常に高い報酬水準になることもあります。
Q. キャリアアップを目指すには具体的にどんなスキルが必要ですか?
A. 外資系経理でキャリアアップを目指すには、IFRSやUS GAAPといった国際会計基準への対応力に加え、英語力・ITスキル・ビジネス視点をバランスよく高めていくことが重要です。
特に、ERPの運用経験やデータ分析ツールを活用した業務効率化の経験は高く評価されやすいポイントです。さらに、FP&Aスキルを身につけ、数字をもとに経営層へ提案できるビジネスパートナーとしての役割を担えるようになることで、マネージャーや財務コントローラーなど上位ポジションへの昇進が現実的になります。
外資系企業ではグローバル本社や海外拠点との連携も欠かせないため、専門性を磨きながら、部門横断的な連携能力や経営層への提案能力、戦略的な思考力を伸ばしていくことがキャリアアップの近道といえるでしょう。
Q. 外資系経理のキャリアパスでは、CFOやファイナンスディレクターは現実的ですか?
A. 外資系企業で戦略的にキャリアを積んでいけば、CFOやファイナンスディレクターも十分に現実的なキャリアパスといえます。外資系では成果や専門性が評価されやすいため、Accounting ManagerやFinance Managerとして決算・FP&A・本社レポーティングなどで実績を積んだ後、スタートアップ企業や中堅規模の外資系企業でCFOやファイナンスディレクターに転職可能なケースも珍しくありません。
特に、会計の専門知識に加えて事業理解や財務戦略の立案、経営層とのコミュニケーションができる人材は高く評価されます。数字を管理するだけでなく、経営判断を支えるパートナーとしての役割を担えるようになることで、経理から経営幹部へとステップアップが可能となるでしょう。
Q. 外資系経理の採用面接で気をつけるべきことは何ですか?
A. 外資系の面接では、「何ができるのか」「組織にどんな貢献ができるのか」を具体的な裏付けとともに伝えることが重要です。単なる業務内容の説明ではなく、決算スピードの改善やコスト削減、業務効率化など、数値を交えた実績や具体例を示せるよう準備しておきましょう。「課題に対してどのように考え、どのような行動を取り、どんな結果につなげたのか」を説明できると、応募先企業でも即戦力人材として評価されやすくなります。
また、外資系では面接過程のどこかで英語面接があるケースがほとんどです。自己紹介や担当業務の説明だけでなく、本社とのやり取りやレポーティング経験について英語で説明できることが求められます。成果を具体的に示しつつ、グローバル環境で働けるコミュニケーション力を伝えることが外資系経理の面接成功のポイントです。
Q. 外資系経理の面接でよく聞かれる質問は何ですか?
A. 外資系経理の面接では、実務経験とグローバルへの対応力、プロジェクトへの関わり方を中心に質問が深掘りされます。以下は、採用面接でよく聞かれる質問の例です。
「月次決算を短縮した経験はありますか?」→ 改善前後の数字(例:7日→4日)を、苦労した点を交えながら具体的なコメントで示すと評価が高くなります。
「英語でのレポーティング経験はありますか?」→ 英語で作成した資料の種類や、会議での役割を説明すると効果的です。
「本国と意見が食い違った場合はどう調整しますか?」→ 外資系では“論理的な説明”が重視されますので、データを用いた説得の経験があると高評価です。
「ERP導入でどんな役割を担いましたか?」→ 外資系はシステム導入経験を高く評価するため、具体的な担当範囲を説明しましょう。
「FP&Aとどのように連携していましたか?」→ 経理とFP&Aの橋渡しができる人材は非常に重宝されますので、積極的にアピールしましょう。
Q. 外資系経理のキャリアアップで有利になる資格はありますか?
A. USCPA、IFRS検定、MBA、日商簿記1級などは、外資系企業の経理・財務分野で特に評価されやすい資格です。これらは国際会計基準への理解や高度な専門性、経営視点を備えていることを客観的に証明できるため、昇進や転職時の大きな強みとなります。
なかでもUSCPAは外資系企業での認知度が非常に高く、US GAAPやグローバル会計実務に直結する資格として高評価を受けやすい傾向があります。Accounting Managerや財務コントローラー、将来的にCFOやファイナンスディレクターを目指す場合にも有利に働くケースが多く、専門性を武器にキャリアアップを図りたい方にとって有効な資格といえるでしょう。
外資系経理のキャリアパスはエイペックスの専門チームへご相談を
外資系企業の経理職は、専門性や成果が正当に評価されやすく、マネージャー職や経営に近い上位ポジションへのキャリアアップも現実的に目指せる魅力的なキャリアです。一方で、企業ごとに求められるスキルや人物像は大きく異なり、「どの経験をアピールすれば評価されるのか」「次のキャリアステップとしてどの分野を選ぶべきか」を一人で判断するのは簡単ではありません。
エイペックスには、外資系企業の経理・財務領域に特化した専門チームがあり、業界動向や最新の採用ニーズを踏まえたキャリア支援を行っています。スタッフレベルからCFOレベルまで紹介可能な求人の職位も幅広く、世界的有名企業から成長中のスタートアップまで多岐にわたる規模の企業から理想の求人を選んでいただけます。
外資系の採用面接では、より積極的でやる気があり、リーダーの資質があることを強調しなければ次の選考には進めません。外資系企業特有の面接対策や具体的なアドバイスの提供、英語での模擬面接も行っていますので、ぜひ積極的にサービスを活用しましょう。今すぐの転職を考えていない場合でも、今後のキャリアパスについてのご相談や、現在の転職市場の動向についても洞察を提供させていただきます。
外資系経理に転職することでキャリアアップを目指したい方は、ぜひエイペックスの専門チームへご相談ください。市場価値を最大限に高めながら、理想のキャリア実現を全力でサポートいたします。