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転職で年収アップを成功させ満足な表情を浮かべる日本人ビジネスマン

転職で年収アップは難しい?成功する人の特徴と年収交渉のコツも解説

​近年、日本の転職市場はかつてないほど活発で、「転職によって年収アップを実現したい」と考える方も多くみられます。しかし、実際には転職で年収が上がる人の割合は38.6%程度であり、逆に年収ダウンで転職する人も約3人に1人いるのが現状です。

では、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

そこで本記事では、エイペックスに在籍するベテランコンサルタントのホルヘ・エスコベドに、転職者の年収事情から希望通りの年収アップが難しい理由、年収アップを実現している人の特徴、年収アップを実現するステップ、交渉の注意点などについて詳しく語ってもらいました。ぜひ、今後の転職活動の参考にしてみてください。

目次

  • 転職者の年収事情~転職で年収アップする人は約3人に1人

  • 転職で年収アップが難しい理由とは?

  • 転職で年収アップを実現している人の特徴

  • 転職で年収ダウンになってしまう人の特徴

  • 年収アップを実現する7つのステップ

  • 転職で年収アップを目指す際の注意点

  • 転職で年収アップに成功するためのヒント

  • 正しい評価に基づいた年収交渉が大切

転職者の年収事情~転職で年収アップする人は約3人に1人

下記の厚生労働省の調査では、転職で年収アップを実現する人は転職者全体の38.6%で、約3人に1人です。

転職前後で年収がどう変わったかの図

さらに同調査によると、前職から1割以上賃金が増加した人は27.2%と、約4人に1人は転職で1割以上の年収アップを実現しています。

年齢別では、20代~30代前半の47%が転職で年収アップを叶えていますが、もともとの年収が低いのと、若手で需要が高いことから年収アップでの転職が比較的容易なことがわかります。40代前半も43.9%が年収アップを実現しており、管理職への挑戦や即戦力人材としての登用などの要因から年収アップが実現しやすい傾向です。

では、転職で年収がアップした人の平均的な増加率はどれくらいなのでしょうか?

エイペックスの調べによると、転職した人の年収の増加率は、現在の年収の5%~10%が一般的です。つまり、現年収が1,000万円であれば、1,050万円~1,100万円での転職が通常となります。これは、日本の企業が現年収を考慮してオファーを出す傾向にあるためだと考えられます。

転職で年収アップが難しい理由とは?

転職市場が活発であるにもかかわらず、上記の調査にあるように3人に1人は転職によって年収がダウンしています(全体の33.3%)。

では、転職で年収がダウンしてしまう理由は何でしょうか?転職で年収アップするのが当たり前ではないのには、下記の5つの要因が考えられます。

①勤続年数が給与査定に関連しているから

「年功序列制度はもはや崩壊した」といわれて久しい現在ですが、それでも給料査定の一要因として、「勤続年数」は依然として存在し続けています。

企業によって多少の差はありますが、一般的に給料の査定基準は主に下記の5つによって求められます。

  • 歩合やインセンティブなどの成果基準

  • 個々人の能力に対する評価基準

  • 管理職に対する職務基準

  • 勤続年数

  • 年齢基準

「長く勤めている人に対しては、相応の金額を支払う」という企業の姿勢はまだ一般的であり、転職したばかりの人に対しては給料の支払いを抑える会社もあります。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働党系2022」内「労働稼働に伴う賃金・所得変動」

②日本の労働市場の停滞が関係しているから

いまだに終身雇用や年功序列の文化が根強い日本では、転職市場の流動性が他国よりも低く転職による大幅な年収アップが難しいとされています。

また、長期に渡る経済成長の鈍化により企業も賃上げに消極的で、物価高に対応したコスト削減や利益の内部留保を優先していることも、転職者に対する高額な年収の支給を難しくしている要因のひとつとされています。

③企業が求める人材と応募者の属性がマッチしていないから

中途採用者に対しては、企業側は即戦力として活躍してもらえるスペシャリストを求める傾向にあります。

しかしながら日本の企業においては、同企業内において配置転換のしやすいゼネラリストを育成する慣習が長年根付いており、これがスペシャリストを求める企業の要望となかなかマッチしない要因のひとつとなっています。即戦力でない場合は年収アップでの転職は難しく、未経験からのスタートという位置づけになります。

④企業が若手を求める傾向にあるから

給料査定基準のうちのひとつに「年齢」があるため、若手よりも中堅以降の社員の方が多くの給料を受け取りやすいと考える人もいるでしょう。しかしこれは、「年齢が高ければその分知識もあるだろう」「培ってきた技術があるだろう」という判断から来るもので、「年齢が高ければ必ず良い年収になる」といえるものではありません。

加えて、企業は人件費削減の観点から若手を求める傾向にあり、同じレベルの候補者であれば若手を選びます。即戦力でない限りは、年齢を重ねた候補者の場合は年収アップでの採用は難しく、実際に厚生労働省の調査でも「転職して年収が下がった」という人の割合は、1位から「60歳~64歳」「65歳以上」「55~59歳」と、年齢が高くなるにつれ年収がダウンしやすくなっています。

中高年以降の転職で年収アップを目指す場合は、スキルや資格を持っていることがほぼ必須となります。また、転職はいつでもできるものですが、年収アップを目指すのであれば、40歳以下のときに踏み切った方が希望をかなえられやすくなります。

出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」

⑤転職者が市場価値を把握していないから

転職を志すうえで、「自分の市場価値を把握しておくこと」はとても重要です。

スキルアップ研究所のアンケートによれば、「転職するうえでもっとも重要なことは何か」の問いに対して、全体の35%の人が「自分の市場価値を理解すること」と答え、1位になっています。ただその一方で、別の統計では「転職をするにあたって自分の市場価値を調べた」と答えた人はわずか22%であり、78%の人は自分の市場価値を調べずに転職活動をしているわけです。

つまり、自身の市場価値を把握せずに気に入った求人に応募している人が多く、結果スキル不足で年収ダウンになったり、逆に今までの経験が活かせないポジションに転職して年収アップが実現しないことが伺えます。

ちなみに別のデータでは、転職に成功した人のうちの半数以上が「自分の市場価値は高いと感じている」と答え、「前職での評価も高かった」と答えている人は実に75%近くにも上っています。転職活動においては「市場価値が高いと感じる人は転職に成功しやすく、転職成功で自己肯定感が上がった結果、さらなるステップアップを目指す転職もしやすくなる」といえるでしょう。

出典:スキルアップ研究所「転職活動の年代別の実態の変化に関する調査」 / PRTIMES(Biz Hits)「【自分の市場価値を調べた方法ランキング】男女500人アンケート調査自分の市場価値に関する意識調査」 / マイナビキャリアリサーチLab「転職して幸せになれるのか?年収アップだけじゃない転職者の変化」

転職で年収アップを実現している人の特徴

転職で年収アップを実現した清々しい表情の日本人ビジネスウーマン

上記のように、転職が必ずしも年収アップの実現に結びつくわけではなく、特に日本の転職市場では大幅な年収アップがなかなか叶わない要因が多く存在します。

では、転職によって年収アップを実現している人には、どんな特徴があるのでしょうか?

①自身の強みを理解して、スキルにマッチしたポジションに応募している

自分自身の経験やスキル、強みをしっかりと分析し把握できていると、転職時において非常に有利に働きます。 自身の特性が何なのかを把握していれば、企業が求める要件にマッチしたポジションに応募することができ、即戦力人材として転職成功の可能性が高くなります。

加えて、下記のようなスキルや資格をアピールすることで、付加価値のある人材として市場価値が高まり、大幅な年収アップの可能性が高まります。

  • 国家資格や独占業務資格、希少資格

  • 関連分野の上級学位

  • ピープルマネジメントの経験・能力

  • ビジネスレベルの英語力

  • 具体的な数字で示せる前職での実績

②希望条件にこだわりすぎず、幅広い視野を持っている

上記のリサーチでも、転職において重要なこととして「自分の市場価値を知る」の次に「ひとつの企業に囚われない」が挙げられています。

少し範囲を広げて応募を検討してみると、自分では思いもしなかった選択肢があったり、実際に面接を受けてみると企業に対し好印象を抱いたりすることもあります。広い視野を持って転職活動をした方が多くの魅力的なポジションに出会え、結果年収アップの確率が高まります。

③平均年収が高い業界や会社を選んでいる

たとえば、全国で一番平均年収が高いM&Aキャビタルパートナーズは、平均年収が2,688万円だとされています。転職エージェントなどを利用して、平均年収が高いとされる企業への転職を目指すことも検討してみましょう。

また、一般的には内資系よりも外資系企業のほうが年収は高い傾向にあります。企業規模も年収を左右する要因のひとつであり、通常は中小によりも大企業のほうが高い年収を支給します。

平均年収が高い業界も存在し、一般的には金融、IT、ヘルスケア、インフラ、コンサルティング、総合商社などは高い傾向にありますので、自身の資質が当てはまるのであればこれらの業界を検討するのも良いでしょう。

出典: 東洋経済ONLINE「平均年収が高い会社」ランキング全国トップ500 / doda「年収の高い業種(業界)は? 平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」

④明確な成果報酬制度がある企業を選んでいる

いわゆる年功序列型の給与体系で働いていた場合、実力が反映されるインセンティブ報酬や歩合制を採用している企業に転職すると、成績優秀な人にとっては年収アップの大きなチャンスとなります。成果がそのまま給与に反映されるため仕事のモチベーションアップにもつながり、仕事を通した自己実現や自己肯定感の向上にもつながります。

ただし、インセンティブ報酬や歩合制では基本給が抑えられていることがよくあるため、売り上げが成果に直結しないポジション(サポート型など)の場合は、年収減につながる可能性があります。

⑤年収交渉ができている

年収アップをともなう転職成功には、きちんと年収交渉ができているかどうかも欠かせない要因となります。ただ、年収交渉は場合によっては企業側にネガティブな印象を抱かせてしまいかねないため、注意が必要です。

年収交渉するときには、下記を意識しましょう:

  • 前職での役職名と給与額を正確に伝える(「スーパーバイザーとして、基本給が約800万円、インセンティブが約200万円で合計年収が約1,000万円でした」など)

  • 前職での実績や保有資格など、年収交渉の根拠となるものを具体的な数字で示す(「1億円のプロジェクトのリーダーをしていました」「関東No.1の売り上げを、3期連続で達成しました」など)

  • 自分の市場価値を理解したうえで、適切な金額を提示する(高すぎても低すぎてもNG)

  • 転職エージェントを利用している場合は、彼らを通じて交渉を行う

転職で年収ダウンになってしまう人の特徴

現在まで数多くの求職者の方とお会いしてきましたが、残念ながら年収ダウンで転職を経験されている方には、下記のような特徴があると考えられます。

①自己分析ができておらず、適切なポジションに応募していない

自身の能力や専門性、強みを理解していないと、求められていない企業に応募してしまい、ミスマッチが起こる可能性が非常に高くなります。

平均年収が高い企業や業界は、当然求める人材のレベルも高くなります。提示されている年収だけを見て応募してしまうと書類選考を通過できなかったり、内定獲得までたどり着いても年収ダウンでの採用に甘んじることも多くあります。

逆に能力が高いにもかかわらず、きちんと自己分析せず専門性が活かせない仕事に応募してしまうと、前職よりも低いオファーでの採用になってしまうこともあります。

②自分にとって不利な給与形態を選んでいる

たとえば、サポート型の仕事内容にも関わらず、インセンティブ(あるいは歩合)+固定給の企業を選んだり、高い営業力で成績を残していたにも関わらず固定給のみの企業を選んだりした場合、年収が下がる可能性があります。内定獲得時には、十分に給与パッケージを確認することが必要です。

③年収の交渉ができていない

希望の年収があるにも関わらず年収交渉ができないということであれば、企業側から提示された年収をそのまま飲み込むことになります。自分でできないと感じるときは、転職エージェントなど専門家の力を借りることが大切です。

コンサルタントの写真

ただし、転職エージェントに任せれば必ず年収がアップするというわけではありません。それぞれのポジションには予算があり、また同じようなポジションに就く他の従業員の給与についても考慮しなければならず、企業が提示できる給与額には制限があります。こうした企業側の事情については転職エージェントが理解していますので、やみくもに交渉せず担当コンサルタントに相談すると良いでしょう。

④年収以外の条件を優先している

例えば「残業がほとんどない」、「勤務地は名古屋限定」など、仕事内容以外の部分でこだわりが強いとおのずと選択できるポジションも狭まり、結果年収も選ぶことができなくなります。希望条件には必ず優先順位をつけて、「譲れる条件」「譲れない条件」で分けましょう。

⑤未経験の業界・職種へのキャリアチェンジ

中高年以上の転職の場合、「前の企業での知識や実績が活かせること」が前提となります。そのため、未経験の業界や職種へのキャリアチェンンジを行う場合は、原則として年収が下がると考えておきましょう。ただし、国家資格など高い付加価値があればある程度の交渉は可能です。

⑥キャリアにブランクがある

一度会社を辞めてしまうと現在の年収は「0円」と見なされますので、給与や待遇交渉は企業有利になります。働きながら転職活動をすれば、市場価値が維持でき交渉の余地が生まれ、結果的に年収アップで内定をもらえる可能性が高まります。

ただし、前述のように付加価値の高い国家資格などを有している場合は、大幅な年収ダウンは避けられる可能性が高いといえます。

年収アップを実現する7つのステップ

転職で年収アップを実現するために自己分析を徹底的に行う日本人女性

転職で年収アップを実現するには、戦略的な転職活動が不可欠です。

上記のポイントを踏まえたうえで、転職によって年収アップを目指すための具体的な7つのステップについて解説していきましょう。

ステップ① 職種・業界別の市場相場を把握する

まず、求人サイトや業界のデータベースを利用して、

  • その職種の平均年収相場

  • その業界の平均年収相場

を把握しましょう。

その際、あまりにも高すぎる年収相場が出てくる職種・業界であるならば、「なぜその数字になっているのか」まで考えるとより効果的です。

たとえば、

  • 一部の優秀な人が平均年収を引き上げている

  • インセンティブ(歩合)の割合が大きい

  • そもそも求めている人材のレベルが高度である

などです。これによって、そこを受けようとするときどんな戦略を練ればよいかわかります。

また、エイペックスのような各業界に特化した転職エージェントとのキャリア面談に申込み、業界相場を教えてもらうのも効率的です。

エイペックスとのキャリア面談で業界相場を聞く

ステップ② 自己分析を徹底し、自身の市場価値を把握する

自身を客観的に分析し、市場価値を把握することは転職活動において不可欠です。以下の2つのポイントから自己分析を行ってみましょう:

  • 自身のキャリアの棚卸し:今まで行ってきた仕事の内容・実績・経験・保有資格や学歴、身につけてきたソフトスキル(コミュニケーション能力などの数値化するには難しいが仕事上で大切になる能力)を棚卸ししてみましょう。棚卸しの際は、単純に「職務内容」を書き出すのではなく、「ビジネス上の課題を解決した」のであれば、課題の背景・取り組んだ施策・得られた結果という流れで実績を整理します。(特に面接では、STARメソッドでの回答が効果的です)

  • 具体的な数字を用いて、実績を言語化する:「離職率を30%減らした」「5億円のプロジェクトを成功に導いた」「新規事業を立ち上げ、目標売上額の2倍の実績をたたき出した」などのように、自分の実績を言語化してみます。客観的事実として伝えるために、数値によって示せる自身の強みが明らかになるように書き出してみましょう。

なお、自分自身の持っている能力を客観的に評価することは意外と難しいものです。自分一人で洗い出すことが難しい場合は、転職エージェントなどプロの力を借りましょう。

エイペックスに登録し、自己分析をサポートしてもらう

ステップ③ 高年収が期待できる業界・職種を選ぶ

自己分析を踏まえた次のステップは、転職が可能な業界と職種を選びます。スキルや経験が十分にあり、かつ年収アップを目的とするのであれば、「今現在高年収を得られる会社・これから先も伸び続けていくであろう業界」を選び、「どの業界・どの企業で最も価値を発揮できるか」を見極めることが重要です。

年収アップを実現できる業界・企業の見極め方:

  • 成長産業である: AI、データサイエンス、X-Tech(ヘルステック、フィンテック、フェムテック、クリーンテックなど)などの成長産業は需要が高いとされています。

  • 大手企業である:同じ業界であれば、大手企業を選ぶほうが相対的に年収が高くなる傾向にあります。

  • 上流工程に位置する企業である:例外はあるものの、製品開発の上流工程に位置する企業(下請けではなくメーカーなど)のほうが相対的に年収が高いとされています。

  • 実力に応じた報酬が得られる: IT業界など実力主義の業界・企業では、年齢に関わらず成果に応じた報酬を得られるチャンスがあるとされています。また、内資よりも外資系企業のほうが、相対的に実力主義の報酬体系を採用している企業が多いとされています。

  • 福利厚生が手厚い:年収は基本給やボーナスのほかに、住宅手当の金額など福利厚生の手厚さでも変わってくるため、伝統的に福利厚生が手厚いとされる業界を選択するのもひとつの手です。

  • ベンチャー企業は狙い目: 成長著しいベンチャー企業ではポジションの創出速度が速く、大企業よりも早く上位職に就ける可能性があります(はじめはスタッフレベルでもチームメンバーが増える速度が速く、すぐにマネージャーになれる可能性があるなど)。特にヘルステックなど急成長中の業界では、高い専門性とニーズが相まって、非常に好条件の求人募集も行われています。

転職によって高い年収が得られやすい業界は、以下のようになるでしょう:

  • コンサルティング業界

  • IT・テクノロジー業界

  • ヘルスケア・医療機器・ヘルステック・バイオテクノロジー業界

  • 金融・保険業界

  • 再生可能エネルギー業界 など

また、高年収が期待できる職種としては、以下が挙げられます:

  • プロダクトマーケティング職

  • デジタルマーケティング・SFE(Sales Force Effectiveness)職

  • カスタマーサクセス職

  • 事業開発・事業戦略職

  • コンサルティング職

  • データアナリスト・データサイエンティスト・ビジネスアナリティクス職

  • 開発エンジニア

  • サイバーセキュリティ関連職

  • M&A・資金調達関連職

  • 資産運用・投資信託等のアセットマネジメント職

  • 臨床開発職

  • メディカル職

  • 英語など他言語でのコミュニケーションが必要となる職種 など

ステップ④ 転職エージェントなどを活用して高年収ポジションにアクセスする

年収1,000万円以上のハイクラスポジションの場合、求人サイトや企業サイトに掲載されていないことが多くあります。こうした求人は秘匿性が高いことが多く、一般には公開せず紹介や転職エージェントを通じて候補者を集めるからです。

自身の能力を最大限発揮できる非公開求人にアクセスするためにも、以下のキャリアサポートを上手に活用して転職活動に臨みましょう:

  • LinkedInなどのオンラインプロフィールを充実させる :LinkedInはビジネス特化型のSNSで、人脈ネットワークの構築やキャリア開発を支援するプラットフォームです。履歴書の代わりとして活用でき、企業や転職エージェントからのスカウトがくることがありますので、プロフィールを登録もしくは更新しておきましょう。

  • 業界特化型の専門エージェントを活用する:希望する業界や職種に特化した転職エージェントに登録して、最新の求人情報を入手しましょう。在籍する人材コンサルタントは各業界の市場動向に精通し、年収相場も把握しているためあなたの市場価値についても判定してくれます。一度登録すれば、非公開求人も含めて定期的に最新の求人情報を送ってきてくれ、内定が決まった際には年収交渉もしてくれます。ぜひ登録しておきましょう。

  • 業界や大学ネットワークを活用する:オンライン・オフラインのネットワークイベントに参加して、紹介案件がないかリサーチするのもひとつの方法です。職種やテーマ別のセミナーやフォーラム、コミュニティに参加したり、MBAや大学院の卒業生ネットワークを活用することで、思わぬところから紹介の話が舞い込むことも考えられます。特に企業内で良好な評価を得ている紹介者であれば、あなたを「推薦枠」として重視した選考ができ、結果内定獲得の可能性も高まります。

業界専門のコンサルタントに相談することで、自身のスキルが最も評価される業界や会社のポジションを紹介してくれる可能性が高まります。自分では思いもしなかった新しい提案をしてくれたり、特に転職回数が少ない方にとってはキャリア形成のアドバイザーになってくれたりします。特に日系企業と外資系企業では評価基準や年収の決定方法が大きく異なるため、各企業文化に精通したエージェントのサポートは価値があります。

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ステップ⑤ 応募書類・面接対策を徹底する

高年収を目指すのであれば、採用担当者にあなたの価値を認めてもらわなければなりません。そのためには、応募書類となる履歴書・職務経歴書および面接にて、あなたの市場価値が高いことを戦略的にアピールしましょう。

自己PRでは、自身の市場価値を主観ではなく客観的なデータや事実で示すことが重要です:

  • 数値化された実績:「売上30%増加」「コスト削減率20%」など、過去の実績を可能な限り定量化し、応募先企業への貢献度をアピールしましょう。

  • 専門スキルや保有資格: 業界での特定技術や資格などがあれば、人材としての希少性をアピールできるチャンスです。

  • クロスボーダーや異文化環境での経験:グローバルプロジェクトや海外拠点との連携経験、異文化環境での就業経験、英語を使って多国籍のチームを主導した経験など、具体的な成果をともなう英語での就業経験はぜひアピールしましょう。

  • マネジメント経験:ピープルマネジメントの経験があれば、具体的に何人をどのようにマネジメントしてきたかをアピールします。マネージャー以上でなくとも、プロジェクトリーダーとしての成功経験も人材としての価値を高めます。

  • 事業変革や業務改善などの経験:レガシービジネスのデジタル化や新規事業の収益化、業務プロセス改善などの経験は大きなアピールとなります。

  • 専門性と経営視点の両立:技術的な専門知識とマネジメント経験の両方がある、エンジニアでありながら事業戦略の立案も可能など、ビジネスの視点を持つ専門人材は非常に希少です。

転職エージェントを利用して”相手”となる企業を知る:

特に面接では、相手を知って臨むことが非常に重要です。転職エージェントを利用すれば、面接官や所属チーム・組織の情報、その企業特有の質問傾向・評価基準、想定質問の洗い出しなど、面接で適切な回答をするための情報を最大限提示してくれ、面接通過の確率が上がります。

また、この募集が退職する人の後継としての採用なのか、新規事業の立ち上げのためなのか、業務改善のための採用なのかなど、募集の背景についても詳しく説明してくれますので、面接の際に「なぜ自分がこの企業にとって価値のある人材なのか」を説明する基盤となります。ぜひ、下記のボタンから登録しておきましょう。

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ステップ⑥ 同時に複数社に応募する

「複数社に応募すること」は、自身の可能性を最大限高めるだけでなく、条件交渉のカードになることもあります。

たとえば内定交渉の際に、「他社からすでに内定をいただいていて、そちらは御社よりも年収が100万円高い。しかし私は御社で働きたい」という意思を示すことで、年収をアップしてくれる可能性があるのです。

なおこのときには相手の心証を悪くしないように、

  • 事実と違うことを言わない(交渉のためにウソはつかない)

  • 交渉の余地を作る(希望年収を3段階で準備する)

  • 金額だけが目的ではなく、企業そのものに魅力を感じていると伝える

ことが大切です。

ステップ⑦ 年収交渉をする

厚生労働省の調査では、「求職者が入職後に不都合な齟齬を感じた割合は61.2%」という統計が出ています。これは年収に限った話ではありませんが、それでも「年収交渉をせずに転職したときには、齟齬を感じやすくなる」といえるでしょう。そのため、転職前には年収交渉を行うことも重要になります。

年収交渉のポイント:

  • 最適なタイミングを見極める一次面接など面接のはじめの段階では年収の詳細には触れず、あなたが転職に前向きで、同時に企業からの手ごたえも感じた段階で交渉を始める(最終面接か、その前くらい)

  • 希望年収を3段階で準備する:自分のなかで「最低限必要な年収」「希望する年収」「理想的な年収」の3段階を事前に設定し、交渉の余地を残しておく

  • 総合的な報酬額を交渉する:基本給のみではなく、賞与・インセンティブ(歩合)・手当て(住宅手当など)、ストックオプションなど、総報酬額での交渉を視野に入れる

コンサルタントの写真

年収だけを交渉すると、予算のある企業との間で良い結果が得られないことがあります。エイペックスでは、企業にとっても求職者にとっても満足のいく結果を得ることを目指しており、基本給だけでなく双方にとって魅力的となる包括的なオファーパッケージを見つけるよう努めています。

  • 自分を採用するメリットを会社への貢献度で強調する:たとえば「御社の事業課題と私のキャリア目標が合致する点に魅力を感じています。私は○○の分野で培った経験を活かし、具体的には▲▲といった課題解決に貢献できると考えています」など、企業価値と自己価値の接点を強調する表現を使う

交渉の最終段階では、金額だけでなく、入社後のキャリアパスや評価制度についても明確にしておくことが重要です。年収アップに成功した転職者の多くは、初年度の報酬だけでなく、昇進を含めた3〜5年後のキャリア展望や評価基準についても確認しています。「どのような成果を上げれば次のステップに進めるのか」「評価サイクルはどのようになっているのか」といった点を明確にすることで、入社後のミスマッチを防ぎ、着実な年収アップを目指せるようになるでしょう。

出典:厚生労働省「職場に関する情報を発信し、よりよい採用活動の参考に「手引」をご活用ください~「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定しました~」

エイペックスに登録して希望年収についてコンサルタントに相談する

転職で年収アップを目指す際の注意点

転職による年収アップを考える場合、つい短期的な視点で物を見てしまいがちです。しかし、「今」提示されている給料以外にも、下記の点に注意する必要があります。

一時的な年収アップにならないか

初年度に年収がアップしても、今後ずっと横這いでは目標達成とはなりません。長期的な目線で年収をとらえる必要があります。

  • 今提示されている給料は高いが、今後も上がる見込みはあるか

  • 将来的なキャリアアップ・ランクアップについて、明確な評価基準や育成プランがあるか

  • インセンティブや歩合の割合が大きく、年収がそれありきの金額になっていないか

などについて、慎重に判断しましょう。

福利厚生はしっかりしているか

給料の総額は、基本給でのみ構成されるものではありません。ここに、住宅手当や残業手当、家族手当などの福利厚生が含まれてきます。正確な給与額を知るためには、このような部分にも目を向けなければなりません。

また福利厚生が手厚い企業は、単純に月収の総額が増えるだけではなく、けがや妊娠~出産、レジャー、資格取得などにおいても支援制度が整っているところが多いものです。そのため、福利厚生が手厚い企業Aとそうではない企業Bを比べた場合、「たしかに額面的にはBの方が高いが、総合的に受けられる恩恵を加味すればAの方がより働きやすい企業である」ということはよくあります。

年収以外の条件は検討したか

年収はたしかに就職・転職において、非常に重要な要素です。

しかし、福利厚生の手厚さ、家から会社までの距離、製品パイプラインの豊富さ、資格取得やキャリアアップのための支援があるかどうか、多様な働き方に理解があるかどうかなども、転職先を決める要素となります。転職の際は、「年収以外の条件」も考慮して選ぶようにしましょう。

コンサルタントの写真

年収アップが、転職を目指す唯一の理由なのか考えましょう。もしそうであれば、早い段階でそれを転職エージェントと共有し、それに合わせたアプローチ方法を取るようにしましょう。もし年収以外の要素も同様に重要だと考える場合には、どんな選択肢があるのか担当コンサルタントに聞きましょう。いずれにしてもコンサルタントに率直に希望を伝え、あなたの考えを共有してもらうことが大切です。

転職で年収アップに成功するためのヒント

転職による年収アップを実現するためには、中長期的なキャリア構築の視点が欠かせません。今後の転職に備えて、今実践しておきたい年収アップのヒントをご紹介します。

①自己投資を考える

年収アップを実現するには、自身の市場価値を高める必要があります。そのためには、

  • 自身の弱みを克服する

  • 資格取得を目指す

  • 希少性や重要度の高い分野のスキルを身につける

などの取り組みが必要です。自分の弱みを克服すればそれだけ働ける場所が増えますし、有用な資格や希少性の高いスキルを身につけておけば市場での需要が高まり、希望する転職が容易になります。

②現実的な目標を設定する

転職による年収アップを効果的に実現するには、目標設定が肝心です。

目標設定における重要な視点は、「現在地点」と「目標地点」の間にある「現実的なステップ」を明確化することです。

たとえば、「30代前半で年収600万円、30代後半で800万円、40代前半で1,000万円」といった具体的なステップと、各段階で必要となる資格・技術の取得計画を併せて計画することが必要です。

③セルフブランディングを強化する

「自分という人間の有益さ」を知ってもらうためには、自身の情報の発信や、人との交流も効果的です。

たとえば、LinkedIn(ビジネス特化型のSNS)でプロジェクト経験やスキルを積極的に共有したり、業界および業界外の人と自発的に関わったりすることで、セルフブランディングを行っていけます。このような取り組みの結果、思わぬところから好条件の求人が舞い込むこともあるでしょう。

正しい評価に基づいた年収交渉が大切

年収交渉は非常にセンシティブなものであり、プロである転職エージェントに任せる方が正しい評価に基づいた結果を得られる可能性が高まり、理想的です。

エイペックスのような転職エージェントは、その企業の人事や採用担当者と長く関わっていることが多いため、

  • この企業やポジションは、報酬に関してどれくらい柔軟か

  • それぞれの面接官や採用担当者の重要視する項目は何か

  • このポジションは緊急の採用なのか、時間をかけても良いのか

  • 他社の同様の募集と比べてどうか

  • 客観的に見てこの候補者のどの部分が価値が高いのか、希少性はどうか

などについて深い知見や知識を有しており、年収交渉の際に正しい基準や評価に基づいて交渉してくれますので、悔いのない転職ができる可能性が高まります。

そして、転職において年収は大きな要因のひとつですが、仕事内容や職場環境、成長性など、年収以外の部分においても理想的なのかよく検討しましょう。

エイペックスでは、これまで数多くの方の転職を支援してきた実績を持ち、年収アップを含めた理想のキャリアの実現に必要な市場洞察の提供や、あなたの市場価値を最大化させる方法を熟知しています。

経験豊富な私たちの専門チームが、あなたの転職を成功に導きます。ぜひ、無料相談からスタートしてみませんか?

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