製薬企業のメディカルアフェアーズ職とは、どんな仕事なのでしょうか?
メディカルアフェアーズは専門性が高く、経験を積んでいくと自身の市場価値も高まり、高年収やキャリアアップが狙いやすい職種です。
そこで、エイペックスの製薬業界専門コンサルタントである我妻 澪さんに、メディカルアフェアーズの仕事内容やMSL / 臨床開発職との違い、市場トレンドや転職事情、年収、求められるスキルとともに、メディカルアフェアーズでよくある質問にも答えてもらいました。メディカルアフェアーズへの転職に興味のある方、市場動向を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
メディカルアフェアーズとは
MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)との違い
臨床開発職との違い
メディカルアフェアーズのトレンドと将来性
メディカルアフェアーズの仕事内容
メディカルアフェアーズの転職で求められるスキル
メディカルアフェアーズの年収と働き方
メディカルアフェアーズの転職事情
メディカルアフェアーズの転職希望者のプロファイル
メディカルアフェアーズ職に就くにはどうしたら良い?
メディカルアフェアーズの転職成功事例
メディカルアフェアーズの転職でよくある質問
メディカルアフェアーズの転職成功のために
メディカルアフェアーズとは
メディカルアフェアーズ(MA)とは、営業部門から独立した組織として、製薬企業のサイエンティフィックな顔となり企業と医療現場の架け橋となる部隊です。医師であるKOL(Key Opinion Leader)と科学的な意見交換や情報発信を行いながら、育薬の推進や薬剤の価値最大化を目指す部門として、外資系企業を中心に2010年頃から急速に発展してきた部門です。
具体的な活動としては、解決すべき医療ニーズはないか、KOLや学会からインサイトを収集したり、論文研究を行ったりしてアンメットメディカルニーズを特定し、課題充足のための具体的な活動計画となるメディカルプランを作成します。それらの活動内容をもとに、自社の臨床研究やアカデミアとの共同研究を企画・推進したり、医療ビッグデータからリアルワールドエビデンス(RWE)を構築し、論文投稿や学会発表を行ったりします。医薬品の適正使用推進や疾患の認知度向上のため、医療従事者を対象とした医学教育活動や、患者さんへの疾患啓発活動を行うことも求められ、幅広い職責があります。
製薬企業としてこうした活動を通じ、新たなエビデンスの創出など自社製品の価値を最大化することで医療の質向上に貢献すると同時に、業界における科学的リーダーとしてのプレゼンスを高める狙いもあります。 メディカルアフェアーズは、製薬企業の製品戦略や事業戦略を、医学的・科学的視点から支える企業にとってなくてはならない存在となっています。
MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)との違い
製薬企業のなかには、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)というKOLとのコミュニケーションを担当する職種を、メディカルアフェアーズ部門に設置する企業が多くあります。
MSLは、特定したKOLを直接訪問し、疾患領域の最新論文やデータ等の医学情報を提供し、自社製品の適正使用を推進すると同時に、医療現場の意見・洞察の収集に努めるなどフィールドプレイヤー(フィールドメディカル)として活躍する職種です。
一方フィールドメディカルであるMSLに対し、メディカルアフェアーズ部内にはオフィスメディカルと呼ばれる職種があります。
一般的には、メディカルマネージャーやメディカルアドバイザーと呼ばれるポジションがそれに該当し、メディカル戦略の立案やメディカルプランの企画等ストラテジー面を担います。MSLが収集したインサイトを分析し、アンメットメディカルニーズやエビデンスギャップの特定、新たなエビデンスの創出などに役立てることで、研究開発への支援や育薬のヒントとします。
つまり、オフィスメディカルが立てた戦略をMSLが現場で実行し、そのフィードバックをオフィスメディカルが分析し戦略のヒントとするなど、相互が協働しながら自社製品の科学的価値を高める役割を担っています。
臨床開発職との違い
臨床開発は、薬が発売されるかどうかの最終試験となるフェーズで、基礎研究・非臨床試験を経て行われるおよそ5年のプロジェクトです。フェーズ1~3に分けてヒトに対して臨床試験(治験)を行い、有効性・安全性を評価して、最終的に厚生労働省に製造販売の承認申請を行います。
臨床開発が、薬剤の早期申請・承認取得を目的としているのに対し、メディカルアフェアーズは市販後製品の価値を最大化させることを大きな目的としながら、実臨床現場での情報収集や臨床研究データの分析によるエビデンスの生成により、研究活動をサポートする役割が求められます。
メディカルアフェアーズのトレンドと将来性

欧米ではかなり以前から製薬会社に設置されていたメディカルアフェアーズですが、日本では企業の臨床研究に関する不正事件の反省から、研究活動と販売活動の明確な線引きとして2010年台から多くの製薬企業で誕生するようになりました。
MAが発展してきた背景には、近年は医師がエビデンスに基づいた情報を求める傾向が高まってきたことが挙げられます。個別化医療の進展と患者ベネフィットへのニーズの高まりから、医療従事者には医学・科学的価値の高い情報に基づく診断・治療がより求められるようになってきたことが理由としてあります。
近年の傾向としては、外資系企業を中心に、MAを多様な機能を統合する組織に移行する動きが見られます。メディカル関連・MSLといった職種だけでなく、ペイシェントアドボカシーやRWE、HEOR(医療経済・アウトカムリサーチ)といった専門部隊をMA部門に置くことで連携を強化し、組織の俊敏性の向上やビジネス環境の変化への迅速な対応を目指しています。今後は、MA機能の細分化と各分野のスペシャリストの採用がますます進んでいくことが予想されます。
また大手外資系企業を中心に、日本国内中心の組織体制から、グローバルとの連携を強化した組織作りを目指す企業も増えています。MA機能をグローバルで標準化することで、主要マーケットで統一化された戦略策定や情報発信が可能になり、競争力の強化につながると考えられています。
製薬業界は、開発費の高騰や規制強化など国内外で厳しいビジネス環境に置かれています。MAは市販後の適切な育薬だけでなく、研究開発の早期から関わることでエビデンス補強や試験の効率化をサポートするなど、製品のライフサイクル全般にわたり求められる役割が増えています。MAには、より中長期的・包括的な製品の成長戦略を支え、患者ベネフィットの高い医療の提供に貢献するとともに、企業の競争力向上につながる活動を行うことがより一層求められていくでしょう。
メディカルアフェアーズの仕事内容
メディカルアフェアーズは、製品のライフサイクル全般にわたって関わる組織ですが、下記のように特に臨床開発後期から市販後に多くの職責を担います。

企業の規模にもよりますが、大手ではMA部門に多くの職種が存在し、それぞれ細分化された業務を担当します。
企業により呼称が異なったり、複数の職責を兼任していたりとさまざまなケースがありますが、下記で代表的なMAの職種とその仕事内容を見てみましょう。
メディカルストラテジー / メディカルアドバイザー / メディカルリード / メディカルマネージャー:製品価値最大化のためのメディカル戦略の立案と推進を担当。企業により職責はさまざまで、発売準備や製品ライフサイクル戦略、エビデンス生成戦略の立案、臨床開発チームの支援など、広範な職責を担う場合がある。臨床開発や安全性、コマーシャル・マーケティングチームなど多岐にわたる部門との協働が多く発生する
メディカルサイエンスリエゾン(MSL):KOLの育成や関係構築、KOLが実施する研究に対する意見交換をメイン業務とするフィールドポジションで、コミュニケーションスキルが非常に重要視される。最新の学術情報を医師に発信すると同時に、臨床現場でのアンメットメディカルニーズやクリニカルクエスチョン等を収集・情報を精査し、社内関係者への共有やメディカル戦略の構築に役立てる。企業により、その他のメディカル活動を広範に担当する場合もあり
メディカルオペレーション / メディカルエクセレンス:MA部門内でオペレーション業務を担当する職種。企業により業務内容は異なるが、MA部門内のDX推進や、研究・研修プロジェクト等のサポート、部門の業務・運営の改善や強化に向けたイニシアチブの実行、営業などが使用する資材のガバナンスレビューなどがある
メディカルエデュケーション:疾患に対する理解促進を目的とした情報提供活動を担当。講演会やセミナー・学会等での医療従事者向けのメディカルイベントや、市民公開講座等の一般向け疾患啓発活動の企画・運営、製品の適正使用に向けた社内向けの医学教育を提供する
メディカルインフォメーション(MI) / ドラッグインフォメーション(DI):医薬品情報管理とも呼ばれ、医療従事者やMRからの医薬品・医療関連情報に関する問い合わせの対応・分析を担当。非プロモーション資材(くすりのしおりなど)の作成やプロモーション資材のレビューを担当することもある。添付文書や国内外の論文等から、自社製品の有害事象や医薬品情報を日々調査・分析することも求められるが、近年はコールセンター業務をCRO(開発業務受託機関)など外部に委託する企業が多い
エビデンスジェネレーション / データジェネレーション:エビデンスの生成を目的とした職種。臨床研究やPMSの企画・運営、データ解析など、開発から市販後まで幅広いエビデンスニーズの評価やデータジェネレーションを担当する。MA関連もしくは臨床開発経験者が就きやすく、統計解析や疫学研究の知識が求められることが多い
RWD / RWE:エビデンスジェネレーションのなかでも、特にRWD(リアルワールドデータ) / RWEに特化したポジション。RWDの設計・分析からデータの構築、エビデンスニーズにもとづくデータ活用戦略の提案などを行う。統計学、コンピューターサイエンス、公衆衛生学などのバックグラウンドが求められる
パブリケーションプランニング / パブリケーションリード:構築したエビデンスに基づいてパブリケーション(論文化)のプランニングや準備、国内外での学会発表を行うポジション。臨床試験をはじめ、PMS、疫学、RWE、PRO(患者報告アウトカム)等の結果をもとに、出版の要件と目的を明確化し、著者グループの特定や対象学術誌・学会の絞り込み等を含む出版活動の実施を主導する
メディカルアフェアーズの転職で求められるスキル
上記のように、メディカルアフェアーズにはさまざまな職種があり、担当する業務によって求められるスキルや経験も異なります。
各ポジションが求める要件については、転職エージェントに相談するのがもっとも確実ですが、採用担当者が重視するスキルには傾向があります。以下に、MA職で特に重要となるスキルを挙げましたので、自身の強みと合致するか見てみましょう。
理系学位
MSLを例にとってみると、一番多い転職者の学歴は理学士(BSc)で、全体の52%です(下記図:エイペックス調べ)。次に、理系修士(MSc)が30%、文学士(BA)が12%となります。メディカルアフェアーズは、KOLやヘルスケア専門家とディスカッションする機会が多いため理系の学位が重要視され、MD、PharmaD、関連学位のPhDはどの求人募集でも歓迎される職種です。
また、必須ではないものの、メディカルサイエンスリエゾン認定資格(JAPhMed)を歓迎するポジションもあります。
疾患領域における医学・科学的専門知識
メディカルアフェアーズは通常疾患領域別に活動するため、担当する領域の医学的・科学的・薬学的な深い専門知識は欠かせません。KOLとの科学的交流や、文献・臨床データの解釈が可能であること、新たな知見を提供する立場にあるため常に最新の医学・薬学情報を学び続ける自己研鑽への意欲を持っていることが不可欠です。
ポジションにより領域知識・経験が重視されない場合もありますが、特にオンコロジーやヘマトロジー領域などでは領域経験が重視されます。また医学的見識だけでなく、臨床開発を含む医薬品の開発・規制・商業化プロセスなどについても理解が必要です。
コミュニケーション能力
業界の最前線に立つ研究者や臨床医と頻繁に議論する立場にあるメディカルアフェアーズにとって、高度なコミュニケーション能力は必要不可欠な要素です。特にMSLの場合、KOLを定期的に訪問し自社との関係性を深める役割を担うため、相手の興味・関心や潜在的なニーズを察知する洞察力、的確な質問力、傾聴力、高い情報収集能力、そして複雑な医学・科学情報の説明能力などが重視されます。
また、MAは社内のさまざまな部門や経営陣、規制当局、海外の担当者との協業が必要な部門であるため、ファシリテーションや交渉力といったスキルも欠かせないでしょう。
英語力
メディカルアフェアーズに転職する場合、英語力は欠かせないスキルです。
最新の医学研究のほとんどは英語で発表されるため、専門的な英語論文を読解できるレベルの語学力は最低限求められます。さらに海外の担当者とのプレゼンテーションや議論の機会も多いため、読解力だけでなく、話す・聞くなどの総合的な英語力を身につけているとより評価が高くなります。ビジネス環境での英語使用経験や、TOEIC等の語学試験のスコアで能力を証明しましょう。
以下は製薬企業がMSLに求める英語力のレベルですが、外資系企業などグローバル担当者とのコミュニケーションがどれくらい必要かによって、ビジネスレベルが必要なのか、日常会話レベル(文献読解レベル)で良いのかが変わる傾向にあります。
メディカルアフェアーズの年収と働き方
年収1,000万円~1,500万円のオファーが多い
製薬会社のメディカルアフェアーズの平均年収は、経験やスキル・資格等によって大きく異なりますが、プレイヤー(部下なしポジション)であれば年収1,000万円~1,500万円のオファーが一般的です。部門長やディレクターレベルになると、年収2,000万円~4,000万円程度のオファーも可能性があります。
下記は、製薬会社が募集するMSLの平均年収ですが、その他のメディカルアフェアーズの職種もほぼ同じ傾向にあります。
フレキシブルな働き方が可能
製薬会社は、社員の働き方改革や福利厚生の充実、多様性の推進などに力を入れている企業が多い業界です。リモートワークやフルリモートワーク、フレックスタイム制度などが導入されており、比較的ホワイトな働き方が可能でしょう。
リモートワークが可能な企業の出社頻度については企業ポリシーによりますが、平均して週2~3日の出社を求めるところが多いです。 数は多くありませんが、全国どこからでもフルリモートワークが可能という企業もあり、自宅と出張先の直行直帰のスタイルで仕事を行えることもあります。
メディカルアフェアーズのなかではMSLがもっとも出張が多い職種で、医療機関への訪問や学会への出席が多くあります。どの職種でもいえることですが、ローンチ前など製品のライフサイクルによって活動が活発になる時期があるため、外勤で多忙になることも多くあります。
メディカルアフェアーズの転職事情
比較的新しいポジションであるメディカルアフェアーズですが、まだ新卒や医療従事者の間でも十分に認知されている職種というわけではありません。
一方で、外資系・内資系企業、メーカー・CRO問わずMA部門は急速に拡大しており、求人募集も多く企業は常に優秀なMA人材を求めている状態です。
MA部門でもっとも求人募集が多いのはMSLで、求人数も増加傾向です。企業によっては、一度に複数名の募集を行うこともあります。募集背景は様々ですが、現職のMSLが社内移動でオフィスメディカルに異動した場合の欠員補充や、新薬上市を控えた新チーム立ち上げのタイミングで募集が開始されることが多くあります。
募集が多い疾患領域はスペシャリティ領域、特にオンコロジーや免疫系、希少疾患です。企業が注力する領域であることが多く、疾患領域における高い専門知識はもちろん、優れたコミュニケーションスキルや英語力も必須であり選考のハードルは高いといえます。
メーカーだけでなく、CROでもMSL、メディカルインフォメーションを中心にMA職の求人募集があります。メーカーと比べると年収は低めですが、若手や経験の浅い候補者を求める傾向にありますので、MA職を目指す際にはCROからキャリアをスタートさせるのも選択肢のひとつです。
メディカルアフェアーズの転職希望者のプロファイル
以下は、エイペックスの調べによる「メディカルアフェアーズの転職希望者のプロファイル」です。
男性:82%、女性:18%
平均年齢:46歳
ディレクターレベル以上の転職希望者:18%
平均年収:1,340万円
40代後半以上でも、多くの方が次の転職先のために動いていることがわかり、約5人に1人はディレクターレベル以上です。
メディカルアフェアーズ職に就くにはどうしたら良い?
メディカルアフェアーズ職を目指す場合には、下記のように比較的採用のハードルが低めのポジションへの転職を目指すのが良いでしょう。
メディカルインフォメーション:薬剤師や獣医師、看護師等の医療資格、英語力、コミュニケションスキルが最重要なことが多く、ポテンシャル採用もあり。多くのCROで求人募集がある
メディカルエデュケーション:マーケティングやトレーナー経験、英語力、プレゼンテーションスキルが最重要なことが多く、ポテンシャル採用もあり
MSL:臨床開発や研究職、学術、稀だがMRからMSLになるケースもあり、ポテンシャル採用の可能性がある。CROのコントラクトMSLがメーカーよりも採用の難易度が低い
現在医療機関やアカデミアなど製薬業界以外に従事されている方であれば、まずはCROからキャリアをスタートしてみてはいかがでしょうか。MA職は臨床開発職と親和性が高く、CROのCRA(臨床開発モニター)であれば未経験者でも積極的に採用を行っています。そこから製薬会社のMSLに正社員登用され経験を積んだあと、実績次第でリーダー職や管理職、メディカル戦略やメディカルアドバイザーにステップアップすることも可能です。
メディカルアフェアーズの転職成功事例
ではここで、エイペックスで実際にメディカルアフェアーズ職に転職した成功事例を2つご紹介しておきましょう。
MSLへの転職成功事例
転職者:40代前半男性
転職先:小規模の外資系バイオテクノロジー企業のMSL
年収:1,150万円(インセンティブ含む)
経歴:MRを約15年以上経験したのち(オンコロジー領域含む)、大手製薬企業のMSLに転職
転職の理由:エビデンスジェネレーションに携わりたい
転職成功の理由:前職の転職は、MRからMSLという稀な転職でした。理系学位で、MRとしてオンコロジー領域の経験があったこと、大学病院を担当しKOLとのコミュニケーション力に長けていたことのほかに、応募先企業がMRを受け付けていたという好条件であったことが要因です。このような求人は稀であり、成功の要因として転職エージェントと密に連絡を取っていたことも考えられます。戦略ポジションでは英語力も必要になってきますが、前回の転職では決して高いレベルではありませんでした。その後しっかりと勉強され、今回の転職時ではビジネスレベルにまでなり、少しずつメディカル戦略にも携わっていらっしゃいます。
メディカルオペレーションへの転職成功事例
転職者:40代前半男性
転職先:外資系バイオ医薬品企業のメディカルオペレーション(メディカルエクセレンス)
年収: 1,136万円
経歴:内資系製薬企業の研究職から外資系企業のMSLへ転職後、メディカルインフォメーションに転職
転職の理由:効率的なメディカル活動を支え、部門の運営に携わることができるメディカルオペレーション職に就きたい
転職成功の理由:MA内に設置されているメディカルエクセレンスは、ポジション数が少ないため一年中転職市場に出ている職種ではありません。そのため、転職を長期的な視点で考え、エイペックスのような転職エージェントから常に情報を入手し、タイミングを待って応募できたのが成功の要因です。メディカルエクセレンスは未経験であったため、担当コンサルタントと事前に入念に面接対策を行い、想定される質問にもしっかりと回答を準備できたことも評価が高かった理由です。
メディカルアフェアーズの転職でよくある質問

Q. メディカルアフェアーズは未経験でも転職可能ですか?
A. メディカルアフェアーズのなかでも、戦略に携わる職種(メディカルストラテジーやメディカルアドバイザーなど)や、エビデンス生成と論文作成に関わる職種(データジェネレーションやRWE、パブリケーションリードなど)、管理職(マネージャー以上)は、実務経験がない場合には採用はかなり厳しいでしょう。
一方、MSL、メディカルエデュケーション、メディカルインフォメーションなどは、転職者のバックグラウンドによって実務未経験でも採用される可能性があります。応募要件は企業やポジションにより異なることが多いため、転職エージェントに詳細を尋ねることをおすすめします。
Q. 採用面接でよく聞かれる質問は何ですか?
A. メディカルアフェアーズには、医学情報の収集や学術論文の解釈、治験データ・実臨床データの分析能力等が求められます。採用面接ではこの点が確認されるため、自身が行ってきた研究や経験に紐づけて能力を証明しましょう。
また、志望動機も重要です。なぜ応募先企業のMA職に転職したいのか、漠然とした理由では採用に至りません。自身の経験や強みがベースとなる具体的なストーリーを交えて説明できるようにしましょう。
上記のほかにも、下記のような質問が出されます:
メディカルアフェアーズ部門として患者さんにより貢献していくために、どのようなことを行いたいですか?
(疾患領域未経験の場合)どのようにキャッチアップしますか?
MRとMSLの違いは何だと思いますか?
コマーシャルチームとどのように協業したら良いと思いますか?
Q. 英語力はどの程度必要ですか?
A. メディカルアフェアーズ職にとって、英語力は必須です。ただ、大手企業では業務が細分化されていることもあり、スタッフレベルの転職では英語論文の読解が問題なくできるレベルであれば、十分採用の可能性があります。
ただし、そこから昇進を目指したり、戦略やエビデンスジェネレーションのポジションを目指すとなると、海外の担当者と協働ができる英語力が必要になってきます。現在日常会話レベルの英語力であっても、面接では今後学習を継続していきたいという高い意欲を見せることが重要です。定期的にTOEICを受験するなどして、英語力を磨く習慣をつけるようにしましょう。
Q. メディカルアフェアーズ職に転職するメリットは何ですか?
A. メディカルアフェアーズは専門性の高い職種です。早期退職の募集など厳しいビジネス環境にある製薬業界では、MAのキャリアは強みになります。しっかりと経験を積んでいけば市場価値が上がるため、早期のキャリアアップや好条件での転職も叶いやすいでしょう。
また、さまざまな部門やグローバルとも連携し、医療の質向上やより良い治療法を患者さんに届けられる達成感を味わえる仕事がMAです。医療従事者や患者さんへの情報提供活動や啓発活動を通じて、社会へのインパクトを感じることもでき、やりがいを感じやすいでしょう。
メディカルアフェアーズの転職成功のために
転職成功の第一歩として、具体的な転職活動の前にまず自己分析を行いましょう。メディカルアフェアーズとして自身が何を叶えたいのか、携わりたい領域などを見極めてから長期的なキャリアビジョンを描き、それに近づくための求人を見つけることが大切です。
また、応募の際には自身の優先事項が何なのかを今一度整理しておきましょう。どの企業を選んだとしても完璧な職場はありません。業務内容、年収、開発パイプラインを含めた安定性、キャリアアップ、働き方など、どの点が妥協できるのか/できないのかをしっかりと再確認し、優先すべきことは面接でも必ず尋ねるようにしましょう。
採用面接となると、質問への回答準備ばかりに意識が奪われがちですが、あなた自身にとっても働きたい企業なのかを見極める機会となるのが面接です。特に上司との相性は重要で、メディカルヘッドが目指す方向性に共感できるかどうか、MAとしての考え方が合致するかどうか、良い刺激をお互いに共有することができるかどうかなど、しっかりと面接で確認しミスマッチを防ぎましょう。
製薬業界もメディカルアフェアーズの機能も、日々進化しています。自身の目標に合致した企業やポジションを見つけ、効果的に自身の強みを面接官にアピールするには、専門性の高い転職エージェントの存在が欠かせません。
エイペックスには、40名を超える人材コンサルタントが在籍する製薬チームがあり、MAをはじめとする最新の求人情報からキャリア相談、履歴書の作成支援や添削、面接対策など、あなたの製薬業界への転職を全面的にサポートしています。特に外資系企業への転職では、英文履歴書や英語面接のサポートをバイリンガルコンサルタントが親身に寄り添ってサポートしています。
メディカルアフェアーズをはじめ製薬業界への転職を考えている方は、ぜひエイペックスにご相談ください。 ぜひ一緒に、充実したキャリア形成について考えましょう。