ブログ記事一覧に戻る
FP&A担当の女性が会議で財務データのグラフを使ってプレゼンしている様子

【FP&Aとはどんな仕事?】他職種との違いや重視する指標・必要なスキル・資格、求人動向を解説

​財務・会計の仕事をしていると、目の前にある数字の裏側や将来に興味が出てきませんか?

「もっと会社の役に立つ仕事がしたい」

「経営に関わる仕事に挑戦してみたい」

「会社の成長戦略そのものに直接関わって動かしたい」

という思いがあれば、キャリアアップとしてFP&A(Financial Planning and Analysis)を目指すという方法があります。

FP&Aは単なる財務分析の担当者ではありません。CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)の直轄部門として、企業の未来を数字の面からデザインし、CFOや経営陣が正しい経営判断ができるよう情報を提供する「戦略的リーダー」として活躍します。 そのFP&Aが今、外資系企業やグローバル展開する日本企業を中心に、需要が急拡大しています。

そこで本記事では、上場企業の元CFOが、FP&Aの具体的な業務や他職種との違い、重視する指標、求められるスキル・資格、向いている人、年収・求人動向やキャリア形成のヒントについて詳しく説明します。

FP&Aの本質と実務、そしてその知識があなたのキャリアをどう飛躍させるのかを解説しています。数字を武器に、企業の未来をデザインする「戦略的リーダー」への第一歩を一緒に踏み出しましょう。

目次

  • FP&Aとは?

  • FP&Aと財務会計(経理)の違いは?

  • FP&Aと管理会計の違いは?

  • FP&Aと経営企画の違いは?

  • FP&Aが注目される理由とは?

  • FP&Aの仕事内容

  • FP&Aが重視する指標

  • FP&Aに必要なスキル

  • FP&Aに向いている人とは?

  • FP&Aへの転職・昇進で役立つ資格

  • FP&Aの平均年収

  • FP&Aの求人例と転職事情

  • FP&Aをはじめ財務・会計のキャリア形成はエイペックスに相談を

FP&Aとは?

FP&Aとは、Financial Planning and Analysis(ファイナンシャル・プランニング&アナリシス)の略です。直訳すると「財務計画と分析」を行う職種となりますが、その本質は単なる分析業務にとどまりません。

財務分析や予測、計画の策定、業績報告を通じて、「経営や事業戦略の意思決定プロセスに直接貢献すること」こそが、FP&Aの真の役割といえます。

具体的には、企業が目指すビジョンや戦略を、売上・コスト・利益といった「数字の言語」に落とし込み、その実行を支援します。つまり、戦略を「絵に描いた餅」で終わらせず、実現可能な形に変えていく、言い換えれば「数字をデザインしていく」のが主な役割となります。

FP&Aと財務会計(経理)の違いは?

FP&Aと最も対比されるのが、財務会計(経理)です。財務会計は、過去の取引を正確に記録し、法規制(会社法、金融商品取引法)に基づき財務諸表を作成し、株主や債権者などの社外へ報告する「守りの機能」です。

一方、FP&Aはその財務実績データを出発点とし、「未来の予測」と「戦略の実現」に焦点を当てます。活動範囲は社外ではなく、経営層や各事業部門に対する「行動変革の提言」が中心です。

財務会計(経理)
FP&A
目的
・法規制遵守、社外への過去実績の報告(守り)
・財務的な実行支援、未来の業績予測、戦略に対する具体的な行動提言(推進)
時間軸
・過去志向(実績確定)
・未来志向(予測・計画)
活動範囲
・主に社外報告
・全社横断的かつ部門実行支援
情報の性質
・網羅的、外部報告準拠(画一的な基準)
・予測的、行動変数(計画値とドライバー分析)
成果物
・財務諸表、開示資料
・業績予測(フォーキャスト)、投資採算性モデリング、アクションプラン

FP&Aと管理会計の違いは?

管理会計は、社内での意思決定のためにコストや採算を部門別・ブランド(製品)別に明確にする「土台作り」を行う機能です。具体的には、原価計算や部門別損益計算などがこれにあたります。

管理会計は、主に実績(過去)を分解・分析しますが、FP&Aは管理会計が提供する詳細な実績データをインプットとして受け取ります。そして、この実績から「未来の計画にどう活かせるか」「戦略実行のボトルネックはどこか」などを予測的に分析し、具体的なアクションへつなげる役割を担います。

管理会計
FP&A
目的
・社内意思決定のためのコスト・採算の明確化(土台)
・財務的な実行支援、未来の業績予測、戦略に対する具体的な行動提言(推進)
時間軸
・現状〜過去(実績分析)
・未来志向(予測・計画)
活動範囲
・主に社内報告(部門別・ブランド別など)
・全社横断的かつ部門実行支援
情報の性質
・部門別、変動費別(社内ルールに基づく任意性)
・予測的、行動変数(計画値とドライバー分析)
成果物
・原価計算表、採算分析レポート
・業績予測(フォーキャスト)、投資採算性モデリング、アクションプラン

​※財務会計と管理会計の関係性や違いについては、こちらの記事をご覧ください。

FP&Aと経営企画の違いは?

経営企画は、中期経営計画書や事業戦略といった「地図作り」を担当します。企業がどこに向かうべきか、事業ポートフォリオをどう構築するかといった「定性的な戦略設計」が中心です。

FP&Aは、この「戦略地図」を受け取り、「この計画を達成するために、財務的に何が必要か」「実現性はどれくらいか」という実行レベルに落とし込みます。経営企画の戦略に財務的なリアリティを加え、その後の進捗を数値で管理・推進するのがFP&Aの役割です。

経営企画
FP&A
目的
・全社戦略の策定、事業ポートフォリオ設計(地図作り)
・財務的な実行支援、未来の業績予測、戦略に対する具体的な行動提言(推進)
時間軸
・未来志向(中期・長期計画)
・未来志向(予測・計画)
活動範囲
・全社横断的(戦略設計が中心)
・全社横断的かつ部門実行支援
情報の性質
・定性的情報、市場データ(非財務情報を含む)
・予測的、行動変数(計画値とドライバー分析)
成果物
・中期経営計画書、事業戦略
・業績予測(フォーキャスト)、投資採算性モデリング、アクションプラン

FP&Aが注目される理由とは?

近年、FP&Aは欧米企業だけでなく、日本企業においてもその重要性が飛躍的に高まっています。FP&Aは、従来の管理会計や経理部門の延長ではない「戦略的な機能」として注目が高まっていますが、背景には主に次の3つの理由が挙げられます。

1.経営環境の複雑化と意思決定のスピードアップ

FP&Aの活動範囲は「全社横断的かつ部門の実行支援」に広がっています。急速に変化し複雑化する経営環境のなかでは、単に全社の数値を集計するだけでは十分ではありません。市場変動や事業構造の変化に素早く対応するためには、戦略を実行に移すプロセスそのものを加速させる必要があり、その中心的な役割を担うのがFP&Aです。

FP&Aは、経営企画が策定した全社戦略を具体的な予算やKPIに落とし込み、営業・マーケティング・開発といった各部門と密に連携しながら、予実分析や業績予測を通じて各部門のアクションの実行を支援します。複雑な環境下で迅速な判断が求められる現代のビジネス環境で、FP&Aは「戦略と実行の間」に立つ財務のナビゲーターとして、組織全体の意思決定スピードを高める役割を期待されています。

2.データ駆動型経営(データドリブン)への移行

現代企業は、営業データ・顧客データ・マーケティングのトラッキングデータなど、複雑で膨大な非財務情報を抱えています。これらを財務データと統合し、「事業のどこに伸びしろがあるのか」「どこに課題があるのか」などを定量的に示す役割が、これまで以上にFP&Aに求められるようになっています。

FP&Aは事業ごとの収益性や成長に直結するKPIを可視化し、リアルタイムに近い形で事業の健康状態を把握します。そのうえで、限られた経営資源をどこに投じるべきか、どの施策が最もリターンを生むのかを示し、経営資源を最適に再配分します。

このアプローチの目的は単なるコスト削減ではなく、「戦略的な投資」と「成果につながらない支出」を見極め、企業価値を高める意思決定を支えることにあります。このように、データを軸にした経営判断が求められる現代において、FP&Aはまさに「データドリブン経営」を実現するハブとなりつつあります。

3.IPO・M&A・グローバル展開による財務機能の高度化

企業の成長フェーズが進み、グローバル化やIPO(新規株式公開)、M&Aなどの事業戦略が複雑化してくると、財務部門には「数字をまとめる役割」ではなく「経営戦略を財務面から支える役割」が求められるようになります。

その中心的存在となるのがFP&Aです。FP&Aは単なる分析担当ではなく、経営と現場、財務と事業部門をつなぐ「戦略的ファイナンス」として大きな役割を担っています。

【IPOと投資家対応におけるFP&Aの役割】

IPOにおいては、過去の実績ではなく「将来の成長が実現できるかどうか」が審査されます。FP&Aは、事業計画と連動した財務モデルを構築し、売上・利益・キャッシュフローなどの予測に整合性と根拠を持たせます。

また、主幹事証券会社・監査法人・取引所審査への説明責任もFP&Aが担います。中期経営計画を投資家に提示する際にも中心的な役割を果たすほか、上場後は四半期ごとの開示において予実管理の精度が投資家からの信頼を大きく左右するため、FP&Aが作成する数字が企業価値の“証明力”となります。

【M&AにおけるFP&Aの役割】

M&Aでは、買収候補企業の財務健全性や収益力を評価する財務デューデリジェンス、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)などを用いた企業価値評価、買収後のシナジー効果の試算、最適な資金調達計画の設計などをFP&Aが担います。

買収後も、PMI(M&A後統合プロセス)においてKPIや財務管理基盤の統合を主導し、シナジーが計画通りに実現しているかを継続的にモニタリングします。M&Aの成功確率は、FP&Aの分析力と判断力に大きく依存します。

【グローバル経営におけるFP&Aの役割】

複数国にまたがる事業を展開する企業では、FP&Aが「財務の共通言語」として機能します。各国の会計基準の差異調整、為替や税制リスクの反映、地域別ポートフォリオの最適化、グローバル予算編成・予実管理、海外本社への英語での財務報告など、多岐にわたる役割が求められます。

特に、各国のデータを統合し、経営判断に変換できる力はグローバル企業で高く評価されます。

このように、従来の経理が「過去を記録する仕事」であるのに対し、FP&Aは「未来を設計し、企業価値を高める仕事」である点から、近年各企業において非常にニーズが高まっています

FP&Aの仕事内容

FP&Aの業務の目的は、単なるデータ分析ではなく「企業の成長戦略を財務的に計画し、その実行をモニタリングし、軌道修正を提言すること」です。

以下で、戦略的リーダーの役割の核となる5つの業務内容を見てみましょう。

1.経営資源配分の要:予算編成(Budgeting)と年間計画の策定

予算編成は、単なる数字合わせではなく、経営戦略を具体的な財務計画として形にし、経営資源(ヒト・モノ・カネ)をどこに配分すべきかを判断するための「一年間の実行計画」です。

FP&Aは、CFOの意思決定をサポートしながらこのプロセスの中心となり、高度な財務モデリングと分析力、戦略の理解をもとに売上目標や投資額を設計し、各事業部と対話しながら妥当性を検証します。

各部門からの予算案を集約し、ビジネスドライバー(例:新製品の発売時期、採用計画、マーケティング投資など)を確認しつつ、全社最適となるよう調整するのも重要な仕事です。トップダウンの経営方針と、現場のボトムアップ計画の両方を踏まえつつ、現実的かつチャレンジングな予算に仕上げることで組織全体が同じ方向に進むための実行の土台を作ります。

FP&Aは、この予算策定を通じて「戦略が数字としてどう表現されるか」を明確にし、合意形成を主導しながら全社のコミットメントを引き出す役割を担っています。

2.未来予測の羅針盤:フォアキャスティング(Forecasting)の実施

予算が「決意」を示すものだとすれば、フォアキャスティング(業績予測)は、「現状の路線で進んだ場合、未来はどうなるか」という「リアリティチェック」を行う羅針盤です。

FP&Aは、市場環境や事業進捗の最新情報を織り交ぜながら、月次または四半期ごとにフォアキャスティングを行い、継続的に未来を見通して経営判断を支える役割を担います。

具体的には、過去の財務実績に加え、営業パイプラインや市場動向、競合情報などの非財務データを統合し、統計的手法や財務モデリングを用いて売上や利益を予測します。「市場が好転した場合」や「原材料コストが上昇した場合」といった複数のシナリオを設定し、それぞれの財務影響についてもシミュレーションを行います。さらに、予測と実績の差異を分析してモデルを改善し、予測精度を高めることで経営層からの信頼獲得を目指します。

フォアキャスティングにより、場合によっては手遅れになる前に戦略の軌道修正を提案することもあります。このように、FP&Aは業績予測を通じて企業がビジネス環境の変化に迅速に対応できるよう支えます。

3.事業の健全性を測る:予実分析(Variance Analysis)と行動提言

予実分析は、単に「予算と実績の差」を報告する業務ではありません。その本質は、「なぜ差が生じたのか(Why)」という原因を深掘りし、「これから何をすべきか(What’s Next)」という具体的なアクションを経営層や事業責任者に提言することにあります。

具体的には、月次や四半期決算のデータをもとに各部門のビジネスを分析します。そのために、売上高・売上原価・販管費など主要科目ごとに差異を分解し、問題の根源を特定します(例:差異は販売価格の変動によるものか、販売数量の変動によるものかなど)。営業・マーケティング・製造など各部門と連携し、差異の背景にある事業上の要因を定性的に把握することが必要で、数字の裏にある現場のリアルを理解しなければなりません。

そこから分析結果をもとに、経営層に実践的で建設的な提言を行っていきます。「この差異は一過性か構造的か」「どの部門のコストを削減し、どこに投資すべきか」といった意思決定を支援し、単なる報告者ではなく「ソリューションプロバイダー」としての役割を果たします。

この予実分析こそが、FP&Aが「CFOの右腕」として機能し、組織全体のパフォーマンス向上に最も貢献する瞬間のひとつといえるでしょう。

4.成長戦略への道筋:財務モデリング(Financial Modeling)と事業性評価

新規事業への参入、M&A、設備投資といった戦略的な意思決定において、FP&Aは財務モデリングを駆使して事業性を評価し、経営判断を支援します。ここでいう事業性とは、収益性とリスクの両面を指し、投資案件が企業価値を高めるかどうかを定量的に検証することです。

具体的には、新しいプロジェクトや買収案件ごとに、初期投資額・予想売上とコスト・投資回収期間(ペイバック期間)・正味現在価値(NPV)・内部収益率(IRR)などの指標を算出し、収益性を評価します。

また、「売上が計画より10%低下した場合」「原材料価格が20%上昇した場合」などのシナリオを設定し、財務結果への影響を定量的に分析することで、リスクを正しく理解したうえで意思決定ができるように支援します。さらに、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/F)の3つの財務諸表を連動させた統合モデルを構築し、戦略が企業の財務構造全体に与える影響を可視化します。

このように、財務モデリングは経営の意思決定に最も直接的に貢献できる場面のひとつであり、戦略的リーダーとして不可欠なスキルとなります。

5.経営ダッシュボードと業績報告(Management Reporting)

経営層が迅速かつ的確な意思決定を行えるよう、企業の業績全体と重要指標をわかりやすく可視化し、定期的に報告することもFP&Aの仕事です。単なる数値の集計にとどまらず、経営判断に直結する情報を整理・提供することが役割となります。

具体的には、売上高・利益率・キャッシュフロー・顧客獲得コスト(CAC)・顧客生涯価値(LTV)など、事業の健全性を示す主要KPIを選定し、リアルタイムで追跡できるダッシュボードを設計・運用します。

さらに、月次・四半期ごとの経営会議に向けて、業績推移や予実差異分析、今後の見通しを簡潔にまとめた資料を作成し、限られた時間で経営層が状況を把握し、素早く意思決定できるよう支援します。

上場企業ではIR(インベスター・リレーションズ)部門と連携し、投資家向けの決算説明資料や中期経営計画の作成にも貢献します。投資家が重視する指標を理解し、説得力のある情報を提供することもFP&Aの重要な仕事です。

FP&Aが重視する指標

ノートパソコンと資料を使い、グラフやチャートの財務データを分析しているビジネスパーソンの手元

FP&Aは、企業の財務健全性と成長可能性を評価するために、さまざまな財務指標を活用します。

ここでは、戦略的リーダーを目指すうえで必ず理解しておくべき5つの重要指標を解説します。

1.EBITDA:本業の収益力を測る

<定義と計算式>

EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)は、「利息・税金・減価償却費控除前利益」を意味し、企業の本業からのキャッシュ創出力を示す指標です。

計算式はいずれかになります:

  • EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 償却費

  • EBITDA = 当期純利益 + 支払利息 + 税金 + 減価償却費 + 償却費

<FP&AがEBITDAを重視する理由>

EBITDAは、企業の事業そのものが生み出すキャッシュフローに近い数字を示します。

  • 【事業の収益力を純粋に評価】減価償却費や支払利息といった会計上の処理や財務構造の違いを排除することで、異なる業界や資本構成の企業間でも比較可能な純粋な事業の収益力を測ることができます。

  • 【M&Aや投資判断の基準】買収対象企業の事業価値を評価する際、EBITDAの倍率(EV/EBITDA倍率)が使われることが多く、FP&Aは買収案件の妥当性を判断するうえでこの指標を重視します。

2.ROIC:投資効率の指標

<定義と計算式>

ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)は、企業が投下した資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示す指標です。

計算式はいずれかになります:

  • ROIC = 税引後営業利益(NOPAT) ÷ 投下資本 × 100(%)

  • 投下資本 = 株主資本 + 有利子負債

<FP&AがROICを重視する理由>

ROICは、企業が資本を効率的に使って成長しているかを測る重要な指標です。

  • 【資本コスト(WACC)との比較】ROIC > WACC(加重平均資本コスト)であれば、企業は投資家の期待を上回るリターンを生み出しており、企業価値を創造していると判断できます。逆に、ROIC < WACCであれば、資本を効率的に使えておらず、企業価値を毀損している可能性があります。

  • 【戦略的投資の評価】新規事業や設備投資を検討する際、FP&AはそのプロジェクトのROICを予測し、全社のROICを改善するかどうかを評価します。

3.フリーキャッシュフロー(FCF):真の稼ぐ力

<定義と計算式>

フリーキャッシュフロー(FCF:Free Cash Flow)は、企業が事業活動から生み出した現金のうち、設備投資などの必要な支出を差し引いた後に、自由に使える現金の量を示します。

計算式:

  • FCF = 営業キャッシュフロー - 設備投資(資本的支出)

<FP&AがFCFを重視する理由>

FCFは、企業が本当にキャッシュを稼ぐ力があるかを示す最も重要な指標のひとつです。

  • 【企業価値評価の基礎】株式市場では、企業価値は将来のFCFの現在価値の合計として評価されます(DCF法)。FP&AがM&Aや資金調達の際に企業価値を算定する場合、必ずFCFの予測を行います。

  • 【配当や自社株買いの原資】プラスのFCFがあれば、企業は株主に配当を分配したり、自社株買いを行ったり、新規事業に投資したりする余裕があります。逆に、FCFがマイナスであれば、事業の持続性に懸念が生じます。

4.キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC):運転資金効率

<定義と計算式>

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC:Cash Conversion Cycle)は、企業が仕入れから販売、そして現金回収までにかかる日数を示す指標で、運転資金の効率性を測ります。

計算式:

  • CCC = 在庫回転日数 + 売掛金回収日数 - 買掛金支払日数

<FP&AがCCCを重視する理由>

CCCは、「手元資金をいかに効率よく回し、無駄な資金拘束を防ぐか」という財務の安定性と成長を両立させるために不可欠な指標です。

  • 【キャッシュフローの予測】CCCが長期化すると、そのぶん運転資金が必要となり、キャッシュフローが悪化します。FP&Aは、CCCを短縮するための戦略(例:在庫管理の改善、売掛金回収の迅速化など)を提言し、予期せぬ資金不足を防ぎます。

  • 【成長と資金のバランス】事業が急成長している場合、売上が増える一方で在庫や売掛金も増え、一時的にCCCが悪化することがあります(黒字倒産リスク)。FP&Aは、成長率に見合った資金調達を計画し、このリスクを未然に防ぎます。

5.フォーキャスト・アキュラシー(予測精度):FP&Aの信頼性

<定義と計算式>

フォーキャスト・アキュラシー(Forecast Accuracy:予測精度)は、FP&Aが作成した業績予測(フォーキャスト)が、実際の実績に対してどれだけ正確だったかを測るFP&Aの業務品質そのものを評価する指標です。

計算式:

  • 予測精度 = 1 - |予測値 - 実績値| ÷ 実績値

<FP&Aがフォーキャスト・アキュラシーを重視する理由>

この指標は外部に開示されるものではありませんが、FP&Aが組織内で信頼を獲得し、その提言を実行させるために最も重要となる指標です。

  • 【経営層の信頼獲得】予測精度が高ければ、CFOやCEOはFP&Aの提言を信頼し、大きな戦略的意思決定(M&Aや投資)の根拠として採用します。逆に予測精度が低いFP&Aは、単なる「数字をまとめる部署」として軽視されかねません。

  • 【戦略のリアリティチェック】予測が外れた場合、FP&Aは「なぜ外れたか」を徹底的に分析し、予測モデルや事業ドライバーの理解度を改善します。これは、組織の学習能力を高め、より現実的で実行可能な戦略を立てるためのフィードバックとなります。

これらの指標を駆使することで、FP&Aは企業の過去と未来を数字で結びつけ、戦略的リーダーとして企業価値の最大化を推進することができます。

FP&Aに必要なスキル

FP&Aとして成功するためには、単に財務や会計の知識があるだけでは不十分です。経営者の視点を持ち、組織を動かし、変化に適応する総合的な能力が求められます。

下記で、FP&Aに特に必要とされる5つのスキルや素養を見てみましょう。

1.戦略的思考力と事業への理解

FP&Aの最も重要なスキルは、高度な財務分析能力そのものではなく、「その数字が事業の成功にどう結びつくか」という戦略的思考力と事業への深い理解です。経営層がどのような意思決定を行うかを先読みし、その意図やゴールを深く理解したうえで、意思決定に必要な情報を整理・分析し、ストーリーとして伝える能力が求められます。

また、FP&Aは売上やコストといった結果の数字だけを見るのではなく、それらを生み出す「事業のドライバー(推進要因)」を把握することが重要です。例えば、顧客獲得単価や市場動向、競合の価格戦略、生産効率といったビジネスの根本要因を理解しなければ、本質的な改善提案はできません。

さらに、数字の差異を説明するだけでなく、「なぜそうなったのか」「それは成長のための投資なのか」といった因果関係を探る姿勢が求められます。加えて、マクロ経済や業界トレンドなど外部環境を踏まえた分析も不可欠です。

このように、FP&Aは戦略的思考力と事業への深い洞察を駆使し、企業の未来を財務面から設計・支援する「攻めの財務」としての役割を担っているのです。

2.高度なデータハンドリングとテクノロジー活用力

FP&Aは、財務データと非財務データの両方を統合し、迅速に分析結果を導き出すため、最新のテクノロジーを駆使する能力が不可欠です。

具体的には、財務モデリングの専門スキルとして、ExcelやGoogleスプレッドシートを用いた高度な分析や、P/L・B/S・C/Fの3表を連動させた予測モデルの構築能力が求められます。また、TableauやPower BIといったBIツールを活用し、データを視覚的かつ直感的に伝える能力も重視されます。さらに、ERP(SAP、Oracleなど)やEPMシステムを理解し、信頼性の高いデータを抽出・加工するスキルも必要です。

近年はAIや機械学習の進展により、分析や予測の自動化が進んでいますが、FP&Aには単なるデータ処理にとどまらず、テクノロジーを駆使して得られた結果を戦略的に解釈し、経営意思決定へと昇華させる力が求められています。

3.ビジネスへの提言力とコミュニケーション能力

FP&Aは、分析結果を出すだけでは価値がありません。その分析が組織の行動を変え、企業の業績を向上させることではじめて価値が生まれます。そのためには、経営層や事業部門長に対して、複雑な分析結果を簡潔で説得力のあるストーリーとして伝える能力が不可欠です。

例えば、経営レポートでは単なるデータの羅列ではなく「現状はこうである、その原因はAとBだ、したがってCというアクションを推奨する」といった問題提起・分析・解決策の流れを明確に示す必要があります。ほかにも、予算編成や予実分析の場では、事業部門の目標と財務制約を理解したうえで、建設的な議論を通じて合意形成を図る能力も求められます。単にコスト削減を指示するのではなく、「市場シェア拡大のためこの戦略的投資は維持しつつ、他の費用で効率化を図る」といった提案が重要です。

さらに、経営陣の楽観的な予測や部門の過度な要求に対しても、財務のプロとして論理的根拠をもって異論を述べる勇気が求められます。FP&Aは単なる報告者ではなく、組織を動かす戦略的パートナーとして価値を発揮する存在です。

4.厳格な規律と専門知識

攻めの機能であるFP&Aですが、その提言が信頼されるためには会計・財務の専門知識と高い規律が不可欠です。IFRS・US GAAP・日本基準などの会計原則を正確に理解し、原価計算・収益認識・資産評価などの知識を持つことで、分析の出発点となるデータの信頼性を保証します。

さらに、内部統制や監査対応の経験を踏まえ、分析や計画プロセスが不正や誤りのリスクが最小化された体制で実施されていることを担保する「コンプライアンス意識」も重要です。加えて、財務モデリングやデータ収集の過程では、微細な誤差が意思決定に大きな影響を与えるため、緻密さと一貫性が求められます。

FP&Aは、戦略的な提言力と行動力を持つだけでなく、こうした厳格な規律と専門知識を土台に経営層からの信頼を得る存在です。

5.語学力・グローバルコミュニケーション能力

戦略的リーダーを目指すFP&Aにとって、英語をはじめとした語学力は不可欠です。グローバル企業では、海外本社との業績報告や戦略会議が英語で行われることが一般的であり、複雑な財務・戦略情報を正確に理解し、的確に説明できるグローバルコミュニケーション能力が求められます。

また、最新の財務モデルや分析手法の多くは英語圏で発信されるため、海外の専門情報を迅速に収集・理解し、自社の分析や戦略に反映させる力も重要です。FP&Aは、グローバルな視点で企業の成長を支えるために、語学力を駆使したコミュニケーション能力が求められるのです。

FP&Aに向いている人とは?

FP&A担当者が会議室でデータをもとに説明している様子

FP&Aは、企業の成長を財務の視点から支える「攻めの財務機能」です。そのため、高い専門性のみならず、経営をドライブするための「人」としての資質が求められます。

「数字の裏側」に潜むビジネスの因果を探る洞察力と論理的探究心がある人

FP&Aに向いている人は、表面的な数字で満足せず、「なぜその結果になったのか」を徹底的に探求できる洞察力と論理的思考力を持っています。単に過去の記録(経理)や未来の目標(経営企画)を並べるのではなく、それらを結びつける因果関係を明らかにすることが求められるのです。

例えば、損益計算書で売上が計画を下回った場合、単に営業部門に確認するだけでなく、「市場シェアの低下が原因か」「競合の価格戦略か」「製品の在庫切れか」といった数字の背後にある事業のドライバーを深く分析できる粘り強さが必要です。さらに、財務データと顧客満足度やウェブサイトのトラフィックといった非財務データを組み合わせ、「この事業行動が、この財務結果に結びついた」という明確な因果関係を構築できる能力も重要です。

経営陣や事業部長が希望的観測で示す予算案や予測に対しても、感情論に流されず、客観的データに基づいて建設的に異論を唱えられる批判精神も欠かせません。こうした洞察力と論理的探究心こそが、FP&Aとして価値ある分析と提言を生み出す源泉となります。

組織を巻き込み、戦略を実行できるリーダーシップのある人

FP&Aに向いている人は、組織を動かし戦略を現実にする実行力を持っています。

FP&Aの最も高い価値は、戦略と数字をつなぎ、組織全体を巻き込んで成果につなげられる点にあります。営業・生産・人事など部門ごとに異なる関心や専門用語を持つ担当者に対し、彼らの言葉で財務的メリットやリスクを伝え、納得させる外交力のある人が向いています。

さらに、経営層への提言力も欠かせません。CFOやCEOへの報告では、分析プロセスではなく「結論とそこから導かれるアクション」に絞ってそれを簡潔かつ力強く伝えられるプレゼンテーション能力が求められます。提言の採用可否は、FP&A担当者の信頼性と説得力にかかっているのです。

加えて、対立を乗り越える対人力も必要です。予算やリソース配分は部門間の利害対立を生むため、FP&Aは中立的な立場で全社最適を意識しつつ、対立を恐れず最適な結論に向けて調整を推進するリーダーシップが必要となります。

未知の領域を歓迎し、変化を楽しむ「学習意欲と適応力」のある人

FP&Aに向いている人は、変化を恐れず、未知の領域に積極的に挑戦する学習意欲と柔軟な適応力を持っています。FP&Aの領域はテクノロジーの進化や新しいビジネスモデルの登場により常に変化しており、その変化に積極的に対応できる姿勢が成功の鍵です。

たとえば、AIや機械学習を活用した予測技術や新しいBIツールなど、日々登場する最新技術を学び、自身の業務に取り入れる好奇心と自己変革の意欲が求められます。また、Web3・AI・ESGなどの新しい市場やビジネスモデルを理解し、財務面への影響を柔軟に予測・モデル化できる思考と適応力も重要です。

さらに、FP&Aは完璧な予測が不可能な「未来」を扱う仕事であるため、計画や予測が外れることもあるでしょう。その際に冷静に原因を分析し、修正を楽しむことができる不確実性への耐性も不可欠です。こうした姿勢が、変化の激しい環境でも価値ある提言と意思決定支援を可能にします。

戦略的リーダーとしてキャリアアップを目指す人

FP&Aは、CFOや事業部長といった経営層や上層部と協働する機会が多いため、業務を通じて自然と経営的視点とスキルを身につけられるポジションです。この機会を最大限に活かし、さらにキャリアアップを目指すことができるのがFP&Aです。

そのためには、職務において単に給与や待遇だけを重視するのではなく、「自分の分析と提言を通じて会社を成長させる」という経営への強いコミットメントを持ってキャリアを形成していくことが大切です。CFOや戦略的リーダーを最終目標に据え、現在のFP&A業務で不足しているスキルや経験を逆算して明確に把握し、次にどの部門で経験を積むべきかを意図的に選択する逆算思考ができる人が、大きなキャリアを築けるでしょう。

FP&Aはキャリアアップのチャンスが多い職種です。こうした姿勢を持ち続けることで単なる財務分析担当者にとどまらず、将来的な経営リーダーとしてのキャリアや自己成長を実現できるなど、満足度の高いキャリアを築くことができます。

エイペックスのコンサルタントに自身のキャリアの適性について話を聞く

FP&Aへの転職・昇進で役立つ資格

FP&Aは特定の資格がなくても実務に就くことは可能ですが、資格を取得することで国際的な基準に基づく知識体系を身につけられ、自己成長へのコミットメントを証明することができます。

以下で、FP&Aの業務で役立つ資格をご紹介しましょう。

1.USCPA(United States Certified Public Accountant:米国公認会計士)

USCPAは米国の公認会計士資格であり、その学習範囲は財務会計・監査・税法・ビジネス法など多岐にわたります。FP&Aにおいては、財務会計は過去の業績を正確に理解するための土台となり、取得することでFP&Aの実務においてさまざまなメリットを得ることができます。

  • 【取得メリット① データ信頼性の保証】予実分析やフォーキャストのインプットとなる財務データが、国際的な基準(USGAAPやIFRSなど)に則って正確に作成されているかを監査的な視点から理解でき、分析の信頼性が高まる

  • 【取得メリット② グローバルな視点】主に、外資系企業やグローバル展開する日系企業に設置されるFP&Aにとって、世界共通言語である米国会計基準を理解していることは、海外本社へのレポーティングやM&Aにおける買収対象企業の財務デューデリジェンスを行ううえで不可欠な武器となる

  • 【取得の注意点】USCPAは「会計」の専門家資格であり、FP&Aが核とする「戦略的な計画と分析」そのものを直接教えるものではない。そのため、資格取得後は「会計知識をどのように未来予測と意思決定支援に活用するか」という視点を磨くことが重要

※公認会計士のキャリアパスについては、こちらの記事をご覧ください。

2.CFA(Chartered Financial Analyst:米国証券アナリスト)

CFAは、世界的に認められている投資・資産運用分野の最高峰の資格です。学習範囲には、財務分析・ポートフォリオ管理・企業価値評価(バリュエーション)・経済学が含まれます。

FP&Aは「社内の戦略的アナリスト」であるのに対し、CFAは「社外(投資家)の戦略的アナリスト」としての視点を提供する点に違いがあります。

  • 【取得メリット① 企業価値最大化の理解】CFAの学習を通じて、企業がどのような戦略を取れば市場から高く評価されるか、資本コスト(WACC)をどのように抑えるべきかといった投資家が重視する財務戦略を深く理解できる

  • 【取得メリット② M&A・資金調達への貢献】M&Aや資金調達において、CFAの知識は買収対象企業の適正な企業価値評価や、資本構成の最適化に関する提言を行ううえで極めて強力な専門性を提供できる

  • 【取得メリット③ IR(投資家広報)への貢献】上場企業においては、FP&AはIR部門と連携し投資家向けの資料作成を支援する。そのため、CFAの知識があれば投資家の関心事項や彼らが使用する指標を理解したうえで、より説得力のあるメッセージを作成できる

3.CMA(Certified Management Accountant:米国公認管理会計士)

CMAは、IMA(米国管理会計人協会)が認定する資格です。学習範囲は財務計画と分析、パフォーマンス管理、内部統制、意思決定支援などFP&Aの職務に特化しており、最もFP&Aの中核業務に直結する資格といえます。

  • 【取得メリット① 計画と予測の体系化】予算編成、フォアキャスティング、予実分析といったFP&Aの日常業務に必要な最新の管理会計手法を体系的に学べる。特に、活動基準原価計算(ABC)やスループット会計など、事業の真の収益性を測る高度な手法を習得できる

  • 【取得メリット② リスクマネジメントの知識】意思決定を支援するうえで不可欠な内部統制とリスク管理に関する知識が深まる。これにより、FP&Aの提言が企業全体のリスク許容度を超えていないかを厳密にチェックできる

  • 【取得メリット③ 意思決定支援への特化】CMAは「情報をどう加工し、経営の意思決定に役立てるか」に焦点を当てており、FP&Aが目指す「戦略的パートナー」としての役割を強化するために最も実践的な知識を提供している

企業の戦略的リーダーを目指すFP&Aにとって、これらの資格はあくまで「高度な実務経験を裏付け、知識を体系化するためのツール」です。資格を持っていること自体がゴールではなく、資格で得た知識を事業理解やコミュニケーション、そして戦略的提言に活かすことこそがFP&Aの成功につながることを忘れてはなりません。

FP&Aの平均年収

財務・会計分野は、その専門性の高さから一般的な職種よりも高年収が狙えるポジションが数多くあります。特に、CFOの右腕として戦略的思考力や分析力、経営視点が必要となるFP&Aは、実績次第で早期のキャリアアップや年収アップが見込めます。

下記は、FP&Aの平均的な年収オファーの額です。

  • スタッフレベル:1,000万円~1,600万円

  • マネージャーレベル:~2,000万円

それよりも上位のキャリアであるCFOの場合、1,500万円~4,000万円程度の年収オファーが一般的です。

ただ、実務経験の年数や管理職経験、プロジェクト管理経験などによってもオファー金額は異なり、企業の規模や外資系・日系、業界によっても傾向は異なります。

年収を含め、今後のキャリアの方向性や自身の強み・志向に合った企業選びに悩んでいる場合、財務・会計専門のコンサルタントが在籍する転職エージェントに相談するのが最も効率的です。

エイペックスでは、豊富な業界知識を有する専任のコンサルタントが、キャリア相談や市場価値の判定から、日英での履歴書・職務経歴書作成のサポート、面接対策、条件交渉まで一貫したサポートを提供しています。 登録・相談は無料となっていますので、少しでも興味がある方は下記のボタンよりぜひお申し込みください。

エイペックスの無料キャリア相談会に申し込む

FP&Aの求人例と転職事情

お伝えしたように、FP&Aは主に外資系企業日系のグローバル企業から求人募集があるポジションです。需要は増加しており、ITやコンシューマー、ヘルスケア関連など多岐にわたる業界の一流企業が優秀なFP&A人材を求めてFいます。

多くの企業が従業員のワークライフバランスの充実を意識した施策を取り入れており、在宅日数に違いはあれどリモートワークが可能な案件がほとんどです。大手外資系企業が募集していることが多く、実績によって将来的に海外駐在のチャンスがあったり、日系グローバル企業の海外赴任案件もよく募集があります。

また、人材不足から成果次第で早期にキャリアアップを目指せるポジションも多く募集があります。将来的なCFO候補となるポジションが募集されることもよくあり、キャリアアップを目指す人にとってはチャンスの多い職種です。特に、マネージャーレベル以上の候補者不足が深刻であり、能力を証明できれば大幅な年収アップでの転職も可能となっています。

下記は、最近のFP&Aポジションの求人募集例です。企業により求める人物像や選考基準が異なってくるため、詳しくはエイペックスの財務・会計専任コンサルタントにお問い合わせください。

企業
特徴
年収
大手外資系製薬企業
・マネージャーレベル(日本CFO直属)
・主要事業部で、FP&Aと戦略の中心的な役割
・ハイブリッド勤務&フレックスタイム
・優れたワークライフバランス
・英語力を活かせる
1,000万円~1,600万円
大手外資系ヘルスケア企業
・シニアスタッフレベル
・幅広い製品ポートフォリオ
・リモートワーク可能
・海外赴任のチャンスあり
~1,100万円
大手外資系家電メーカー
・スタッフ~マネージャーレベル
・アクセス抜群の新オフィス
・成長中の日本事業を財務面から支える
・ハイブリッド勤務
~1,100万円
大手外資系ライフサイエンス企業
・スタッフレベル
・グローバルとの協働機会多数
・幅広い財務業務を担当
・ハイブリッド勤務
・優れたワークライフバランス
~1,200万円

エイペックスのホームページで最新の財務・会計求人情報を確認する

FP&Aをはじめ財務・会計のキャリア形成はエイペックスに相談を

これまでの解説を通じて、FP&Aが単なる経理・財務の延長線上にある職種ではなく、企業の未来を創造し、牽引するポジションであることが明確になったと思います。

もし、「現在のキャリアで行き詰まりを感じている」あるいは「もっと経営に近い立場で攻めの仕事をしたい」と考えているなら、ニーズが高騰しながらも人材が不足している今が行動を起こす最適なタイミングです。FP&Aのポジションは、自身が持つ専門的な経験(会計・IPO・M&Aなど)を「経営戦略」という新しい付加価値に昇華させる最高の機会を与えてくれるでしょう。

財務・会計分野のキャリアで一歩踏み出してみようと思う方は、まずはより確実で多くの情報にアクセスできる専門の転職エージェントに登録しましょう。FP&Aをはじめとした財務・会計分野のポジションはハイクラスといわれ、一般の転職サイトに掲載されている求人が他職種と比べて少ないのが特徴です。

一方、転職エージェントでは人材コンサルタントが企業の採用担当者と直接やり取りをしているため、多くの非公開求人を扱っておりぜひ利用したいサービスです。

エイペックスでは、財務・会計分野に特化した専門の人材コンサルタントが、最新の求人情報(非公開求人含む)の紹介から履歴書・職務経歴書の添削、面接対策・日程調整、給与交渉など転職活動全体のサポートのほか、今後のキャリアに関するアドバイスも提供してくれ効果的に転職活動を進められます。

財務・会計分野でのキャリアをより充実させたいとお考えの方は、ぜひ下記のボタンからキャリア相談会にお申し込みください。

エイペックスの財務・会計専任コンサルタントにキャリアを相談する

最新の転職市場の動向など、

転職・人材に関するブログ記事はこちら