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違いを知って賢く決断!パート2 日系企業からヨーロッパ系企業への転職

前回の記事では、日系企業からアメリカ系企業へ転職する上でのメリットとデメリットをお話ししました。もしそれを読んで「アメリカ系企業はハードルが高すぎる。でも、日系企業からは離れたい…」とお考えの方、ヨーロッパ系企業はいかがでしょうか?

簡単にまとめると、ヨーロッパ系の企業はアグレッシブでペースの早いアメリカ系企業と、堅実でトップダウン形式の日系企業のちょうど中間に位置していると言えます。もしあなたがヨーロッパ系企業を転職先としてお考えであれば、ぜひこちらの記事をヒントにしてみてください。

 

ワークライフバランス

ヨーロッパ系企業とアメリカ系企業、または日系企業の大きな違いは、ワークライフバランスの重要度です。例えばフランスでは、職場にいない時には仕事用Eメールを開かなくても良いという法律があります。ヨーロッパ系企業の日本支店の場合、ルールは本国とは違うかもしれませんが、それでも考え方や文化は少なからず引き継がれています。例え日本支店だとしても、企業カルチャーがラフだったり、上司より先に退社する事を問題視されなかったり、一日の就労時間が8時間~9時間と短かったりと、日本企業とは違う点を多く目にすることでしょう。

もう一つの違いは有給休暇の日数です。西ヨーロッパ諸国では、平均で年4週間の有給休暇が認められています。もちろん、ヨーロッパ系企業の日本支店で同じ日数をもらえることは稀でしょうが、それでもヨーロッパ本社の企業カルチャーや方針が影響しているため、日本企業(またはアメリカ企業)よりも多めの有休が与えられる会社が多いです。日本企業では法的な最低有給休暇日数が与えられることが多く、さらに従業員は有休を使うことをためらい、取らない人も多くいます。ヨーロッパ系の企業ではそういった事例が少なく、従業員は何もためらわずに有休を完全消化することもできます。

 

給与

一般的に、ヨーロッパ系企業の給料は日系企業より高く、アメリカ系企業より低いというのが相場です。もしあなたの目標が高給取りのトップエグゼクティブになることであれば、きっと米系企業の方が向いているでしょう。なんと言っても、S&P 500企業のCEOは、その他の国の2.6倍の給料をもらっているのですから。しかし、スイス、イギリス、オランダの企業はその次に並んでいて、 グローバルCEOペイ・インデックスでは全てトップ5に入っています。ちなみに日系企業の給料はというと、その中の小さなリストに世界20位であることが載せられています。もちろん給料が全てではありませんが、転職を考える上では頭の片隅に情報をインプットしておいても良いかもしれません。

 

企業環境

前回の記事で、アメリカ系企業は意思決定が早く、日系企業は社内の同意を先に得るために決定に時間がかかる事をお伝えしました。ヨーロッパ系企業はというと、多くの企業がちょうどその間という感じです。

その他のアメリカ、日本、ヨーロッパ企業の違いは昇進です。アメリカ企業では昇進は利益と業績が反映され、社員同士がアグレッシブな環境の中でお互いに競い合って昇進を狙います。そして日本企業では、社歴や年齢が重要視されます。ヨーロッパ企業は、これもやはり、ちょうど中間に位置しています。

 

クオリティ

ドイツ製の製品はクオリティが高いと世界でも有名です。そして、他のヨーロッパ諸国も高品質の製品を多く生産しています。スイスは高級装飾品が有名で、イタリアはデザイン力が高いことで世界に知られています。もしあなたが、高品質な何かを生産する企業に転職したいのであれば、これらの国の企業を候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 

その他のメリット

多くの外資系企業同様、海外本社とのオンライン会議が頻繁に発生するかもしれません。ヨーロッパ企業の日本支店で働く場合、日本とヨーロッパの時差はアメリカに比べると少ないため、オンラインや電話ミーティングのスケジュールが立てやすいでしょう。ニューヨークの午前9時は東京の午後10時なので、夕食後や真夜中に電話会議を行う必要があるかもしれません。しかし、ロンドンの午前9時は東京の午後5時なので、ヨーロッパ本社とだと明るい時間帯にスケジュールする事が可能になります。

しかし、海外本社と連絡を取り合う場合、多くの本社社員は日本語を話しません。これはヨーロッパ企業でもアメリカ企業でも同じことですが、母国語以外でのコミュニケーションは誤解を招く可能性もあるため、注意が必要です。

 

まとめ

  • ヨーロッパ系企業は、アメリカ系企業や日系企業よりもワークライフバランスを重視している

  • ヨーロッパ系企業は意思決定する際、日系企業のように社内の同意を先に求める必要もなければ、アメリカ企業のようにアグレッシブなスピードも必要もなく、決定スピードはちょうど中間くらい

  • ヨーロッパ系企業の給料は高いが、アメリカ系企業よりは低い場合が多い

最後に、転職先を決めるのに大事なのは、あなたが何を重視するかです。あなたは社内で早く昇格して高いポジションに就きたいですか?それであれば、アメリカ系企業がお勧めです。もし意思決定をする際に社内の同意を得ることが大切だとお考えであれば、日系企業が落ち着くでしょう。もし仕事よりもプライベートライフを重視したければ、ヨーロッパ系企業が良いかもしれません。

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