「MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)」は、製薬会社と医療従事者の架け橋として重要な役割を果たしながら、最前線で疾患領域の成長に貢献できるやりがいのある専門職です。
高度な医学知識と優れたコミュニケーション能力を活かし、最新の医療情報を医師とディスカッションしながら薬剤価値の最大化に貢献できるこの職種は、メディカル分野でのキャリアアップを目指す方々にとって魅力的な選択肢のひとつであり、求人募集も増加傾向です。
ここでは、エイペックスの製薬チームのプリンシパルコンサルタントで、MSLをはじめ多岐にわたる製薬ポジションを担当する我妻 澪さんに、2026年に向けたMSLの市場動向を中心に、今企業から求められる経験やスキル、キャリア形成のポイント、転職成功のコツなどについて話を聞きました。
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目次
MSLとは?
MSLの最新求人動向
今、企業が求めるMSL人材とは?
MSLにキャリアチェンジするには
現役MSLの転職成功のポイント
MSLのキャリアパス・キャリアアップのポイント
MSLの転職のご相談はエイペックスへ
1. MSLとは?
Q. 製薬業界でのMSLの役割について教えてください
MSLとは「Medical Science Liaison」の略で、医学・科学の専門知識を活かして、医療現場と製薬企業をつなぐ橋渡し役を担う職種です。
ほとんどの場合、MSLは担当領域ごとに分かれており、メインとなる業務内容はKOL(Key Opinion Leader)とのコミュニケーションとなります。担当のKOLを直接訪問し、関係を構築しながら疾患領域の最新論文やデータ等の医学情報を提供すると同時に、現場の意見の収集に努めます。
医師から収集したメディカルインサイトは、アンメットメディカルニーズやエビデンスギャップの特定に役立てられ、メディカルアフェアーズや研究開発、臨床開発部門などと共有することで、エビデンス創出やより質の高い医薬品開発・育薬等へのヒントとします。
Q. MSLの仕事内容や特徴について教えてください
MSLの業務は担当疾患領域の治療全体を視野に、KOLと科学的な意見交換を行うことが中心となります。同じく施設訪問を行うMR(Medical Representative)とは、自社製品のプロモーション活動に関わるか・関わらないかで大きく異なり、MSLはあくまで中立の立場であることが求められます。
MSLの仕事はKOLとの関係構築だけでなく、KOLの特定や育成も大切な任務となります。KOLマッピング等の作成を基にしたKOLの特定や、エンゲージメントプラン等を作成し、アドバイザリーボードへの参加や自社セミナー等のスピーカーとしてKOLを育成し、自社との科学的交流の促進に努めます。
MSLには高いレベルのサイエンス知識が不可欠であり、KOLとの科学的ディスカッションや文献・臨床データの解釈が可能であることはもちろん、新たな知見を提供する立場にあるため、常に最新の医学・薬学情報を学び続ける自己研鑽への意欲を持っていることも重要になります。
その他、疾患領域をリードするKOLと頻繁に議論し、長期的で強固な信頼関係を構築しなければならないMSLにとって、高度なコミュニケーション能力も必要不可欠です。社内の他部門や経営陣、規制当局、海外の担当者との協業に必要な調整力・交渉力も欠かせないスキルとなり、非常に専門性の高い職種といえるでしょう。
Q. MSLの働き方について教えてください
MSLは一般的に出張の多い職種で、オフィスワークだけでなく医療機関への訪問や学会への出席が多くあります。担当エリアが広域であれば、月のほとんどが出張というケースもある一方で、MSL部門が大所帯で担当エリアが狭ければ、訪問は都内の病院だけということもあります。希少疾患が担当であれば対応するKOLの人数も少ないため、アポイントメントの数もプライマリー領域などと比べるとおのずと少なくなるでしょう。
どの職種にもいえることですが、ローンチ前など製品のライフサイクルによっては活動が活発になるため、外勤で多忙になることが多くあります。現在、多くの企業でリモートワークが可能ですが、出社の頻度については企業のポリシーにより異なります。数は多くありませんが、全国どこからでもフルリモートワークが可能という企業もあり、自宅と出張先の直行直帰のスタイルで仕事を行えるケースもあります。
Q. MSLの魅力・やりがいは何ですか?
MSLのやりがいは、日進月歩の医療分野で常に最新知識に触れられること、それにより自身の専門性を高められることでしょう。また、サイエンスの学歴・知識を十分に活かし、売上を上げることに縛られずに医師と最新の医学についてディスカッションができることも魅力のひとつといえます。
実際に医師から患者さんの治療エピソードや症例について話を聞くことができるため、間接的であっても患者さんの治療に貢献できている実感を持てることもやりがいを感じられる点でしょう。
2. MSLの最新求人動向

Q. MSLの最近の求人動向について教えてください
MSLのポジションは、外資系製薬企業が先行して設置をはじめましたが、現在は内資系製薬企業でも多くの募集があります。新製品上市前などのタイミングで増員募集があったり、これまでメディカルアフェアーズ部門がなかった比較的小規模な内資系企業が新しくMSLを設置したりと市場は活況です。メインは製薬企業もしくはCRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)ですが、数は少ないものの医療機器企業でもMSLを募集していることがあります。
領域別に見てみると、求人募集が多いのはオンコロジーや遺伝子治療、希少疾患、免疫(皮膚・炎症系など)領域などです。プライマリー領域からスペシャリティ領域、希少疾患へと企業のフォーカスがシフトされてきたことが背景にあり、候補者からも人気の領域です。
一方で、糖尿病や呼吸器疾患などのプライマリー領域は募集が少ない傾向です。候補者側から見てもプライマリーの経験のみの場合は転職が難しいことが多く、応募要件を満たせる求人をしっかりと見極めていくことが必要になります。
Q. MSLの求人が増えていますが、それはなぜですか?
近年、個別化医療の進展や意思決定者の複雑化などの要因により、エビデンスに基づいた情報を求める医師が増えてきたことが、MSLの求人増加の背景と考えられます。単なるプロモーションではなく、客観的でより信頼性の高いエビデンスの提供を医師から強く求められるようになり、その提供者としてMSLの重要性が増したといえます。
また、MSL活動を通じて新たなクリニカルクエスチョンを収集し自社研究に役立てるなど、企業側にとっても自社製品の価値を最大化させる機会となっており、業界における科学的リーダーとしてのプレゼンスを高めることにもつながっています。
MSLの募集は現在常に市場にあり、どの製薬企業も優秀なMSLを求めている状態です。製薬業界が希少疾患などの専門性の高い製品の開発にシフトしているなか、今後はより高度なサイエンスの知識を有する専門性の高い人材が求められるようになるかもしれません。経験豊富な方にとっては、転職で年収アップやキャリアアップを狙えるチャンスが広がっているといえるでしょう。
Q. 未経験OKの求人はありますか?
MSL未経験で応募可能な求人は珍しく、通常はおよそ3年、少なくとも1年のMSL経験が求められます。MSLとしての実務経験のほかには理系の学士号がよく求められますが、なかには関連学位の修士号もしくは博士号の取得が求められることもあります。
MSL未経験可の求人は非常に稀といえますが、疾患領域の経験については未経験OKで挑戦できる求人もあります。
3. 今、企業が求めるMSL人材とは?
Q. MSLに求められる経験やスキルについて教えてください
基本的に理系の学歴があることが前提となり、さらに修士号や博士号、もしくは研究や臨床開発の経験があると尚良とされています。資格は特に必要ありませんが、薬剤師資格や医師免許などは採用の際にプラスになることが多くあります。
また、MSLのメイン業務は疾患領域の医学情報を医師とディスカッションすることであるため、論文の読解力も重要です。コミュニケーション能力も特に重要で、多忙な医師に対応するための調整能力や柔軟性も求められます。
プレイヤーとしてのMSLの場合、フットワークの軽い若手が好まれる傾向にあり、年代としては30代~40代前半までが企業が求めるメインターゲットです。スペシャリティ領域のMSLを3年前後以上経験してきた方も、選考通過が高いといえます。40代後半以降でメディカル戦略ではなくMSLのみの経験者の場合、転職では疾患領域での豊富な経験をアピールしていく必要があるでしょう。
外資系製薬企業であれば、ビジネスレベルの英語力を有する人材が好ましく、英語力は入社後のキャリアアップにもつながります。今後キャリアアップを目指していくのであれば、英語力を磨いておくことは非常に重要となります。
Q. 英語力はどの程度必要ですか?
英語力はもちろん必要ですが、話すことに自信がない場合は読み書きレベルでも十分で、かつ学習意欲を示すことができればMSLとして採用される可能性は十分にあります。
ただ、今後のキャリアとして外資系企業でMSLグループのマネージャーやメディカルアドバイザーなどを目指す場合は、グローバルとの協働機会が多く発生してくるため会話を含めたビジネスレベルの英語力が必要になってきます。
Q. 疾患領域の経験は必須でしょうか?
KOLとのディスカッションには担当疾患領域への深い理解が欠かせません。とはいえ、求人への応募の段階で疾患領域経験を求められるかどうかはポジションにより異なります。
オンコロジー領域であれば疾患経験は非常に重要です(ただし、同時に複数名募集といった場合未経験者でも応募可能なこともあります)。希少疾患の場合、該当する個別の疾患の経験者に絞ってしまうと候補者の人数に限りが出てしまうため、希少疾患領域の経験さえあれば担当疾患の経験がなくても応募が可能ということがよくあります。他にも、循環器系、代謝系、スペシャリティ領域など、大きなくくりでの経験があれば選考を通過できることもあります。
大切なのは、入社後に情報をキャッチアップできる素養と意欲があるかであり、疾患領域未経験者であればその点を面接で積極的にアピールする必要があるでしょう。
4. MSLにキャリアチェンジするには
Q. どのようなキャリアを経ればMSLになれますか?
新卒で製薬企業に入社し、いきなりMSLとして配属されることは非常に稀です。臨床開発や研究職、学術といった職種を経験してからMSLになるケースが多いでしょう。
数は多くありませんが、理系のバックグラウンドがあるMRの方であれば、社内異動でMRからMSLにキャリアチェンジすることも可能です(下の章の成功事例でご覧ください)。
Q. 文系出身のMRがMSLにキャリアチェンジするのは難しいですか?
文系出身など、理系のバックグラウンドがないMRの方で社内異動が叶わない場合、CROにコントラクトMSLとして転職する方法があります。
CROでは未経験者のMSLを受け付けていることもあるため、まずはCROのコントラクトMSLを目指し、CROでMSLとして実績を積んだ後に、製薬企業のMSLに正社員として登用されるというキャリアが狙えます。
ただし、正社員であっても製薬企業のMRからCROのコントラクトMSLへの転職は年収が下がる可能性が高いため、その点は転職の際によく検討したほうが良いでしょう。
Q. MRからMSLへの転職成功事例があれば教えてください
ここで、MRからMSLへの転職成功事例をご紹介します。
《転職者のプロファイル》
40代前半男性
転職先:小規模の外資系バイオテクノロジー企業のMSL
経歴:MRを約15年以上経験したのち(オンコロジー領域含む)、大手製薬企業のMSLに転職
転職の理由:エビデンスジェネレーションに携わりたい
《担当コンサルタントが考える転職成功の理由》
前職の転職は、MRからMSLという稀なケースでした。理系学位でオンコロジー領域のMR経験があったこと、大学病院を担当しKOLとのコミュニケーション力に長けていたことのほかに、応募先企業がMRを受け付けていたという好条件が重なったことでMRからMSLへの転職に成功されています。
このような求人は稀であり、転職エージェントと密に連絡を取り情報をキャッチしていたことも成功の要因として挙げられます。MRからMSLに転職された際は決して高いレベルではなかった英語力についてもしっかりと勉強され、今回の転職時にはビジネスレベルにまでなりました。小規模企業のため幅広い業務を経験する機会があり、現在は少しずつメディカル戦略にも携わっていらっしゃいます。
5. 現役MSLの転職成功のポイント
Q. 現役MSLの場合、どんな転職先が考えられますか?
現在MSLとして働いている30代~40代前半の方であれば、シニアMSLなどに転職し、MSLグループマネージャーなどを目指すキャリアがあります。
戦略系のポジションを目指す場合、MSLから直接メディカルアドバイザーへ転職することは難しいことが多いため、社内で戦略に関われる機会があればなるべく関与して、キャリアチェンジを目指すのが良いでしょう。キャリアの志向によっては、医療機器・診断薬業界のMSLなどへのシフトや臨床開発へのキャリアチェンジという道もあります。
40代後半の方の場合は、マネジメント経験の有無でキャリアの選択肢が分かれます。マネジメント経験があれば、転職でMSLのマネージャー職を目指すのが良いでしょう。専門性が高い方であれば、他社の同じ疾患領域のMSLポジションで、年収や役職アップを目指されることをおすすめします。
50歳以降の方は疾患領域未経験での転職はかなり厳しいため、これまでの専門性を活かしたポジションを選び、かつ「定年がない・定年が伸びる企業」への転職を目指してみるのがおすすめです。ベンチャー・スタートアップ企業や、少数精鋭の組織が経験豊富なベテランMSLを求めていることが多いため、50歳以降でもチャンスは十分にあります。
Q. 現役MSLが転職を考える理由で多いものは何ですか?
よく聞かれる転職理由としては、「成果が正しく評価されない」「貢献が見えにくい」といった評価に対するものです。「営業ポジションのようになっている(面談件数で評価される)」といった声も聞かれ、評価基準に不満を持つ方もいらっしゃいます。
他には「戦略的な業務に関われない(学会などのイベント対応が中心)」「仕事のマンネリ化」など、仕事内容そのものに対する不満や、「成長機会がない(教育・キャリアパスが不透明)」といったMSLが比較的新しい職種であるがゆえの悩みを挙げる方が多い印象です。
Q. なぜ「成果が認められない」「成果が正しく評価されない」と感じる方が多いのですか?
これは非常に多い不満で、MSLのように「売上目標を持たない職種」では特に顕著です。MSLの成果は“定量評価”が難しく、医師との面談件数や資料作成数など、"量"で評価されてしまいがちです。"質"(医師との信頼関係構築、社内戦略への貢献など)が見えにくいため、もっとサイエンティフィックなディスカッションを丁寧に行いたいというMSLの方にとって、"量"が評価基準であることはストレスを感じやすいのでしょう。
Q. MSLが「やりがい」「正当な評価」を重視する背景に、目標・評価軸の曖昧さはありますか?
実際にMSLという職種は、目標が抽象的であったり評価の基準が曖昧だったりすることが多い職種です。「KOLとの関係構築」といっても、その深さや質の定義が不明瞭であり、チーム全体のKPI達成に埋もれてしまい、個人の貢献が見えづらくなってしまいがちです。
また、開発やマーケティングと協働する業務に参加しても評価に反映されず、その結果「何のために頑張っているのか」がわからなくなり、やりがいの喪失から転職検討という流れになりがちです。
Q. 転職によってこれらの不満や悩みは解消できますか?
現在の評価に不満がある場合は、「環境次第で解決可能」なケースが多いでしょう。「評価制度が明確な外資系企業」「戦略立案やグローバル連携のある企業」「少数精鋭のチームで一人ひとりの貢献が可視化されやすい企業」では、本人の努力が成果として評価されやすく、満足度が高まる傾向があります。
ただし、転職先の制度・文化を見極めずに転職した場合は、同じ悩みを繰り返すこともあるため注意が必要です。「なぜ転職したいのか」を再確認したうえで、それが実現できるのか、KPIや評価の仕方について面接で質問し、それらが言語化されている会社を選ぶことが大切です。特に欧米系企業では「360度評価」や「KOLフィードバック」などを導入している企業もありますので、面接でしっかりと確認しましょう。
また、一次面接は直属の上司になる方が面接官であることが多いので、上司との相性も含めて確認しておくと良いでしょう。「営業ポジションのようになっている」点については、面接で上司になる予定の方に「メディカル部門の方向性」や「コマーシャルチームとどのように協業・分担しているか」などを確認してみましょう。方針に賛同できるかをあらかじめ確認しておくことで、理想の環境への転職が叶いやすくなります。
Q. 希望を叶える転職を成功させるためのポイントはありますか?
まず、求人票や企業のホームページだけでは見えない「評価制度」や「裁量度」を確認することです。面接や事前説明で、「MSLの評価基準は何ですか」「KOL対応以外の貢献(例:戦略提案、社内教育など)はどのように評価されますか」「個人の裁量範囲はどの程度ですか」といったことを質問しましょう。
二つ目に、「規模」や「チーム体制」も見極めのポイントです。大手製薬企業は制度が整っているものの個人の裁量が小さいことがあり、一方で裁量は大きいものの、サポート体制は限定的というのが中小の製薬企業や外資ベンチャー企業になります。ご自身の「働き方の好み」によって企業を選択することが大切です。
三つ目は、「転職エージェントを上手に使うこと」です。実際に社内で働いている人のフィードバックや評価制度の運用実態を把握している転職エージェントを活用することで、よりリアルな情報を得ることができます。また、「やりがい・貢献が見える仕事がしたい」という希望を明確に伝えることで、転職エージェントからの求人紹介の質も上がります。長期的なキャリアビジョンを描き、それに近づくための求人を転職エージェントとともに見つけていきましょう。
また、応募の際にはご自身の優先事項が何なのかを今一度整理します。業務内容、年収、開発パイプラインを含めた安定性、キャリアアップ、働き方など、どの点が妥協できるのか・できないのかをしっかりと再確認し、優先すべきことは面接でも必ず尋ねるようにしましょう。面接でしっかりと確認しなかったばかりに、入社後「思っていたのと違う」となってしまうと、早期でのモチベーション低下につながってしまいます。
Q. 転職したほうが良いケースとは、どんな場合ですか?
キャリアアップを目指しているにも関わらず、現職で昇進する機会がなさそうであれば、社外の機会を探ってみるのは良いことだと考えています。
面接のなかで他社の話を聞くことで、現職の良いところ、または足りないところが発見できることもあります。良い案件に出会えれば転職しても良いですし、他社を知ることで現職の環境が恵まれていると気づくことになれば、現職で頑張るモチベーションにもつながります。
普段はあまり関わることのできない他社のシニア層と意見交換することで、MSLの意義や課題を新しく見つけることもできます。転職活動は、実際には転職をしなくてもご自身のキャリアについて考える良い機会となるでしょう。
Q. 転職エージェントを利用するメリットを教えてください
転職エージェントを利用するメリットはたくさんあります。
一般の転職サイトにはない非公開求人の紹介が受けられる
自分では思ってもみなかった新しい求人や企業に出会える
個人ではアクセスできない企業情報や面接の傾向、チーム構成等の情報を得ることができ、面接を有利に進められる
応募先企業にアピールとなる応募書類の作成や面接対策が受けられる
複数企業に応募して面接が重複してきた際に、面接日程の管理もサポートしてもらえる
年収や入社時期などのセンシティブな交渉も、エージェントが仲介することでスムーズに行える
実際には転職をしない場合にも現在の市場について理解を深めることができ、業界動向にも詳しくなります。転職に少しでも興味のある方は、ぜひ一度エイペックスの製薬業界専門のコンサルタントご相談ください。
6. MSLのキャリアパス・キャリアアップのポイント

Q. MSLのキャリアパスについて教えてください
MSLとしてスキルを積んだ後のキャリアパスとして、MSLチームを率いるMSLグループマネージャー職などの管理職を目指す道が挙げられます。
専門性を活かしたいという方には、メディカル戦略やエビデンスジェネレーションに取り組むメディカルアドバイザーへの道もあります。RWE(リアルワールドエビデンス)専任のポジションを設置している企業もあり、特定の分野に特化したキャリアを目指す選択肢も考えられます。
どういったキャリアパスを描くかというのは、個人の志向によるところが大きいでしょう。現場を好む方の場合は、MSLとしてのさらなるスキルアップを目指すというケースがあったり、MSLのマネジメントや育成を行うグループマネージャーを目指す方も多くいらっしゃいます。一方で、臨床開発からMSLになったものの、再度臨床開発にキャリアチェンジされる方もいらっしゃいます。
Q. MSLとしてのキャリアを築くために必要な経験やスキルを教えてください
MSLグループマネージャーなど、MSLとして昇進していくことを目指す場合には、MSLとしての経験の他にリーダーシップや部下育成スキル、コミュニケーション力などが必要になります。後輩の育成などに日頃から関わり、周りからリーダーとして認められる実績を作っておきましょう。また、日頃からマネジメント志望であることを上司に伝えておくことも重要なポイントです。
一方、メディカルアドバイザーなどの専門性を活かすキャリアへ進む場合は、論文やデータを読み解く力、分析力、論文執筆能力、メディカル戦略の立案スキル、開発の知識、問題解決力などを磨くことが挙げられます。メディカル戦略に携わりたい場合、外資系の企業であれば英語力の向上も必要でしょう。社内でプロジェクトの発足などがあれば積極的に手を挙げ、日頃から上司に自身のキャリア志向や希望を伝えておくことも大切です。
Q. MSLのキャリア形成のポイントについて、年代別で教えてください
◆20代後半〜30代前半【MSLとしてのスタート時期】
MSLとしてのキャリアの基盤を固めることに集中しましょう。論文読解を含めた医学・薬学スキルやKOLとの初期対応を学び、できるだけ幅広い領域・疾患経験を積むことが大切です。それに加え、英語や統計解析など、将来の専門性強化のためのスキル習得を同時に進めると良いでしょう。
◆30代後半〜40代前半【中堅MSL~リードMSL】
今後のキャリアパスを見据え、マネジメント志向(シニアMSL/リードMSL)または専門特化志向(戦略立案/メディカルプランにも関与)へと選択肢が分かれ始める頃です。
どちらの志向の場合も「専門領域において信頼される“顔”」となることが求められますので、KOLマネジメントの中心的役割を担えるようにしましょう。また、後輩育成や社内の他部署との橋渡し役としての役割も期待されるため、日頃からこの点も意識して業務に取り組んでいくと良いでしょう。
◆40代後半以降(マネージャー/戦略・企画系/スペシャリスト)
MSLマネージャーなど、部門リーダーやチームマネジメント職などマネジメント志向の方であれば、人材育成、KPI管理、プロジェクト管理に加え、経営層と現場との橋渡し役となり中長期的な成長を意識したマネジメントが必要です。外資系企業であれば、グローバルとの連携スキルを意識的に磨く必要があります。
メディカル戦略志向の方は、メディカルアフェアーズ部門のメディカルストラテジストやメディカルアドバイザーとして、製品ライフサイクル戦略やエビデンスジェネレーション戦略等の立案をリードできること、開発部門との連携強化や新薬ローンチ支援・社内研修などに関与してサイエンティフィックな支援を行えるようにしましょう。経験を積んでMAマネージャーからシニアマネージャー、部門ヘッドなどを目指すキャリアもあります。
スペシャリスト志向の方はRWE職やトレーナー、パブリケーションプランニング、シニアMSLなど、高い専門性を活かしてスペシャリストとして活躍することもできます。
Q. MSLのキャリア形成のポイントについて、領域別で教えてください
◆オンコロジー領域
医療ニーズが高く、治療法や診断法が急速に進歩しているため専門性が重視されます。キャリアの汎用性が高く、各企業が最も注力している領域であるためグローバルポジションを目指すことも可能です。将来性が非常に高く、候補者からも人気の領域となります。
◆希少疾患領域
KOL数が限られるぶん、KOLとの信頼関係構築が非常に重要です。患者団体や行政対応などの周辺業務の経験を積めることが多く、創薬において患者が真に求めるニーズを把握し、開発のプロセスに活かすことができます。
◆免疫領域
領域横断的に知識を広げられる余地が大きい領域です。製品数も多く、成長中の企業が多いこともポイントでしょう。活躍の場が多いことがメリットとして挙げられます。
◆CNS・循環器領域
長期的なKOLとの関係構築に向いています。MSLとして地道な関係維持スキルが鍛えられる領域でしょう。
これまでの経験はもちろん、ご自身の志向に合わせて疾患領域を意識することも今後のキャリアを考える上で非常に重要なポイントとなります。
7. MSLの転職のご相談はエイペックスへ
MSLは、高度な専門知識と優れたコミュニケーション能力を活かし、医療の最前線で活躍できる非常にやりがいのある職種です。KOLとの科学的交流を通じてエビデンスを補強し、製品開発や育薬の支援ができるMSLは、製薬企業にとって事業戦略上不可欠な存在であることは間違いありません。
この分野でのキャリアの成功を目指される場合、重要なのが転職エージェントに在籍する人材コンサルタントとの提携です。
40名以上の専門コンサルタントが常駐するエイペックスの製薬チームをキャリアパートナーとすることで、
製薬業界全体の最新の市場動向と洞察の提供
非公開求人を含めた最新のMSL・メディカルアフェアーズ求人の案内
転職成功のためのキャリアプランの提示
今後補強すべき課題や長期的な成功のためのセルフブランディングの構築
内定獲得に向けた包括的な支援
などについて担当コンサルタントがサポートしてくれます。
MSLやメディカルアフェアーズでのキャリアを充実させたい方は、この分野に多くの実績と強みを持つエイペックスのサービスがマッチしているでしょう。
「今すぐの転職は考えていない」という場合でも、ご安心ください。登録だけしておけば、忙しいあなたの代わりに担当コンサルタントが最新の求人情報を定期的にお届けします。どんな企業が今ホットなのか、給与の相場はどれくらいなのか、同時に自分の市場価値もわかるようになり、いざ転職しようと思ったときにチャンスを逃さず、すぐに行動に移すことができます。
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