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製薬業界の研究開発現場とDNA構造をモチーフにした、2026年製薬転職市場動向・採用ニーズ・人材トレンドを表現したビジュアル

【2026年最新】製薬転職の市場動向を解説|職種別ニーズ・採用トレンド・年収

要点サマリー(30秒)

  • 2026年の製薬転職市場は、スペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾患・バイオ医薬品など)を中心に求人が増加傾向です

  • 薬事・臨床開発・安全性・メディカルアフェアーズ・品質保証の採用ニーズが高まっています

  • RWD、AI・機械学習、デジタルヘルス、DX、データサイエンス領域の専門人材が非常に求められています

  • 本記事では、市場動向→採用トレンド→職種別の求人・年収→転職戦略の順に要点を整理しています

​目次

  • 製薬業界の市場動向と採用ニーズの変化

  • 【職種別】転職市場動向と注目ポイント

  • 製薬業界の最新求人情報

  • 製薬業界での転職成功とキャリア戦略のポイント5選

  • 製薬業界の転職市場動向に関するよくある質問

  • 製薬専門エージェントのエイペックスを活用して転職を成功させる

製薬業界の市場動向と採用ニーズの変化

コンサルタントの写真

監修:ニック・オレンズ
Apexの創業メンバーであり、2010年から製薬チームのディレクターとして在籍。製薬業界の経営トップレベルから部門長・ディレクター、マネージャーなどハイクラスポジションの紹介に豊富な実績を持つ。大手グローバルファーマだけでなく、日本市場開拓を目指すバイオベンチャーなどの重要ポジションの紹介でも多数の成功事例がある。業界で要職に就くプロフェッショナルとの強固なネットワークを活用し、最新の市場動向を踏まえた的確なマッチングを得意としている。

製薬業界は現在、複雑化・グローバル化する市場環境、AIなどの技術革新の波、DXの加速などにより、大きな変革期を迎えています。政府による創薬・再生医療への大規模な支援や、国内中堅の研究開発型・バイオベンチャーの躍進、欧米バイオファーマの日本市場への参入が顕著になるなど、市場は中長期的な成長が見込まれる一方で、企業が求める人材像は大きく変化しています。

ここでは、こうした市場動向を踏まえながら、企業の採用ニーズがどのように変化しているのかを整理します。

市場規模・成長率(日本 / グローバル)

まず日本の製薬市場の情勢ですが、世界的な潮流と同じく2026年以降も堅調に拡大(2025年公表)すると予測されています。

IMARC Groupの調べによると、日本の医薬品市場規模は2025年に844億米ドル(約12〜13兆円規模、為替レートを1ドル=150円前後で換算)に達し、2034年までに1,049億米ドル(約15〜16兆円規模)、2026年から2034年にかけて年平均成長率が2.45%を示すとされており、それに伴い採用ニーズは今後も中長期的に拡大すると予測されています。

政策・審査・薬価の変化

日本政府は、創薬・再生医療を国の成長戦略の重点分野として位置づけており、総合経済対策として「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」などに約3,500億円規模の国費を計上しています。

AMED(日本医療研究開発機構)による創薬ベンチャー支援制度では、非臨床から臨床試験段階にある創薬ベンチャーを対象に助成金を交付しており、開発資金不足の解消に向けた大規模な取り組みを行っています。この制度は日本国内だけでなく、海外市場での事業化についても支援の対象となっており、今後の創薬ベンチャーの持続的な成長が期待されています。

また、AIやバイオ・再生医療などの先端技術分野においては、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がスタートアップ・ベンチャー企業の技術開発や事業化のための支援を行っています。これにより、大学発スタートアップやディープテック企業の社会実装が進み、製薬業界全体の技術革新と競争力強化につながっています。

こうした政策的後押しを背景に、成長領域であるAI創薬・バイオ・再生医療領域に投資が集まっており、研究開発体制の強化や新規プロジェクトの立ち上げが相次いでいます。そのため、即戦力となる研究開発や臨床開発、事業開発、薬事、品質保証、データサイエンスなど、専門性の高いポジションを中心に採用ニーズが上昇傾向となっています。

参考:内閣府「医薬品産業の成長に向けたスタートアップ企業育成を含めた創薬エコシステムの構築に対する取組」

希少疾患・オンコロジーの新薬承認増で採用が拡大

厚生労働省は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を設置し、海外で承認済みにもかかわらず日本で未承認の必要性の高い医薬品を重点課題に挙げ、承認促進の検討を進めています。実際に、2024年度の承認品目153件のうち、NME(新規化合物)は63件と過去最高を更新し、NMEの承認は増加傾向にあります(2023年:30品目、2022年:52品目)。

特に、希少疾病用医薬品の承認数が過去最高となっており(41品目、NMEは18品目)、業界の注力領域が希少疾患やオンコロジー領域にシフトしていることが伺えます。小児適応に対する新薬の承認件数も2024年に大きく増加しており、医薬品の開発時に行う小児用医薬品の開発計画策定の義務化や、小児・希少疾病などに対する薬価加算適用などの新たな審査、薬価制度などによる効果が追い風となっていることが考えられます。

薬価収載のタイミングも、従来の年4回から年7回に増える見通しで、新薬をより早く市場に投入できる環境が整いつつあります。PMDA(医薬品医療機器総合機構)による審査迅速化や制度改革が進んでいることなどが起因となり、臨床開発や薬事などの承認申請業務関連の求人募集が増加しています。企業は迅速な承認申請・取得と、早期の市場投入に向けた戦略強化を図っており、特に即戦力となるベテラン層を求める動きが強くなっています

参入(外資・バイオ)と組織の変化(少人数・即戦力)

日本市場は世界有数の医薬品市場であることに加え、上記のように承認審査の迅速化や制度改革が進んだことで、海外、特に欧米のバイオファーマが日本に現地法人を設立し、自社主導で開発・承認・販売を行うケースが顕著に増えています

例えば、米国のモデルナやBioMarin、ウルトラジェニクス、ドイツのBioNTech、ベルギーのアルジェニクスなどがこれに該当し、日本市場を重要な戦略拠点と位置づける動きが明確になっています。民間レベルでも、伊藤忠商事傘下のエイツーヘルスケアが、「J-STEP」サービスと呼ばれる海外製薬企業の日本市場参入に際し、包括的支援の提供を開始しています。

こうした外資ベンチャーの日本市場での臨床試験・承認取得、販売体制の構築に伴い、臨床開発、薬事、マーケティング、MR(医薬情報担当者)、メディカルアフェアーズなど、多岐にわたる分野での求人募集が非常に活況です。特にこうした中小規模の企業では、少数精鋭の組織体制のため経験者・ベテラン層を求める声が強く、高年収・好待遇での採用チャンスとなっています。

国内バイオベンチャーの成長で採用ニーズが拡大

従来の大手製薬企業だけでなく、近年は中堅に位置する研究開発型のバイオ企業や、スタートアップ・バイオベンチャーも業界をけん引する存在として注目が集まっています

国内では、ペプチドリームが独自の創薬プラットフォームを強みに複数の大手製薬企業との大型提携を進めており、研究開発型バイオベンチャーの成功モデルとして評価されています。

また、ネクセラファーマ(旧そーせいグループ)はGPCR(Gタンパク共役型受容体)領域における優れた創薬技術を背景に、大手製薬企業やバイオ企業と複数の共同開発契約を結ぶなど存在感を示しています。

再生医療分野では、ヘリオスやサンバイオなどが中枢神経系疾患・細胞治療を中心に開発を進めており、早期の実用化が期待されています。JCRファーマも、再生医薬製品のCDMO(開発・製造受託)事業に本格参入するなど、市場が活性化しています。

これらの動きに連動するかたちで、転職市場においても研究開発力を強みとした創薬研究者や、トランスレーショナル領域の人材採用が活発です。研究開発職に加え、臨床開発、薬事、品質保証といった周辺領域の採用ニーズも拡大しています。

モデルナやBioNTechといった海外の新興バイオファーマが短期間で急成長を遂げた事例もあり、日本市場においても同様に「成長フェーズにある企業で裁量を持って働きたい」という転職希望者から注目が集まっています

デジタル化(RWD / AI / オムニチャネル)で増える職種

近年、製薬業界ではAI創薬やデジタル治療臨床・診断プロセスのデジタル化RWD(リアルワールドデータ)の活用が急速に進んでいます。こうした時代の波を受け、製薬企業は研究開発や事業モデルの高度化を目的として、ヘルステック分野への出資やM&Aを積極的に進めています

国内では、ロート製薬がヘルステックベンチャーであるFiNC Technologiesに出資し、戦略的パートナーシップを構築するなど医薬品事業とデジタル・AI技術を組み合わせた取り組みが進んでいます。海外においても、デジタルヘルス・ヘルステック領域への投資が拡大しており、各社とも製薬ビジネスのDXを加速させ、新たな価値創造を目指す動きが目立っています。

こうした変化は、転職希望者にとってキャリアの選択肢が広がる追い風となっています。研究開発職やMRなど従来から製薬企業が求める人材以外に、データサイエンス、AI・機械学習、デジタルヘルス、臨床データ解析、DX推進、プロジェクトマネジメントといった領域で専門性を持つ人材が非常に求められるようになっています

特に、「製薬×IT」「研究×データ」といった複合的なスキルを持つ人材が重宝される傾向にあり、近年は製薬以外の業界からの受け入れも積極的になってきています。デジタル・データに強みを持つIT企業やスタートアップコンサルティングファーム出身者が製薬業界へ転身するケースが増えており、製薬関連の経験によっては高年収での転職のチャンスとなっています。

以上のように、創薬、再生医療、バイオ、希少疾患、デジタルヘルスといった領域が製薬業界の成長の鍵となっており、採用ニーズも拡大しています。ビジネス環境の変化もスピードが速くなっており、製薬業界でキャリアを成功させるには、今後を見据えたキャリア戦略の構築が必須条件となってきています。転職エージェントなどを活用しながら市場の動向をよく注視し、どの分野であれば自身の強みが最大化され成長の機会があるのかを見極めていきましょう。

出典:医薬産業政策研究所「日米欧の新薬承認状況の比較(2024年)
参考:P05「Japan's Biotech and Pharma Industry in 2025: Market Overview and Key Players」、pwc「2025 mid-year outlook Global M&A trends in health industries

結局、求人が増えるのはどの職種か

臨床試験の需要増や審査の迅速化、制度改革などにより「臨床開発関連職」や、開発薬事などの「承認申請業務関連職」は、今後も求人数が増えることが予想されます。

また、データドリブンな意思決定の潮流などから、「PV/安全性・PMS」、「メディカルアフェアーズ・MSL」、「RWD/RWE・HEOR(医療経済・アウトカムリサーチ)」などの求人も継続的に活況です。

市場全体として、オンコロジー・希少疾患・バイオ医薬品などのスペシャリティ領域が成長を牽引しており、これらの分野で即戦力となるベテラン層の採用ニーズが非常に高まっています。特に、新しいモダリティへの対応や規制要件の高度化から、「CMC薬事」「品質保証・GMP関連」の職種も求人募集が活況です。

加えて、AI創薬やデジタル治療などの波を受け、「データサイエンス」「製薬×IT」といった複合的なスキルを持つ人材が、業界を問わず積極的に求められる傾向にあります。

関連記事:製薬企業ランキング2025 売上トップ企業と業界トレンド・転職情報まとめ

【職種別】転職市場動向と注目ポイント

それでは、製薬業界の代表的な職種について、現在の転職市場の動向と転職の際のポイントを解説していきましょう。

1. 薬事(RA)

《注目ポイント》

  • 開発薬事を中心に求人は堅調。特に外資系バイオベンチャーではシニア優位

  • 採用の鍵は「疾患領域経験×グローバル対応力」

  • キャリア・年収ともに伸ばしやすくキャリアチェンジも容易

  • 年収アップを目指すには外資系かつ小規模の企業が狙い目

◆求人募集の傾向

開発薬事は、年間を通じて比較的安定した求人募集があります。特に近年は、パイプラインが豊富な米系・欧州系のバイオベンチャーが日本市場への参入を活発化させている影響で、開発薬事の求人増加が特に顕著です。規制環境の複雑化により、オンコロジーやヘマトロジー・免疫領域での募集が目立ちますが、開発品の進捗に左右されるため転職時期の見極めには継続的な情報収集が必要です。

また、メーカーからの薬事業務の委託が増えているため、CRO(医薬品開発業務受託機関)でも薬事職の求人が増加しています。未経験者採用を行うケースもあり、薬剤師や臨床・品質経験者を持つ場合はポテンシャル採用の可能性があります。

また、より売り手市場となっているのがCMC薬事です。本来人材の流動性は低い職種ですが、慢性的な人手不足により求人数に対して応募者が少なく、候補者にとっては売り手市場が続いています。

一方、薬制薬事は市販後製品の維持管理が中心となるため求人数は限定的で、転職市場の動きも比較的穏やかです。こちらも、定期的に情報収集を行うことが重要になります。

◆転職で評価されるスキル・経験

中途採用の場合は薬事経験が必須であり、疾患領域の経験が最も重視されます。オンコロジーなど専門性の高い領域では、原則として同領域の経験が必須要件です。

領域経験がない場合でも、薬事戦略立案力、当局折衝力、承認取得実績といった点で強みがあれば、評価の対象となる可能性があります。近年はグローバル開発が増えており、FDAやEMAなど海外規制への理解や、英語でのコミュニケーション力、特にマネージャー以上の場合はグローバルとの折衝力があるかが非常に重要です。

外資系企業では、高い薬事専門性に英語力を兼ね備えた人材が高く評価され、バイオベンチャーなど成長フェーズにある企業では、シニアマネージャーやアソシエイトディレクターなど経験値の高いベテラン層を求める求人が中心です。

また、ほとんどの薬事人材が理系大卒であり、関連学位のMS(Master of Science)以上や薬剤師免許を持っていると特に歓迎されますので、少ない薬事経験であればそれらで補えたり、付加価値のある人材として転職の際に有利に働きます。

◆代表的なキャリアパスとキャリアアップの方法

薬事職のキャリアパスの代表例としては、スタッフレベルで経験値を高めたあと、シニアスタッフ→マネージャー→ディレクター、その先の部門ヘッドへと役職を上げていき、年収アップ・キャリアアップを狙う方法があります。管理職としてのキャリアを目指す場合には、なるべく早くピープルマネジメントの経験を積むことが大切です。

40代以降でマネジメント経験があれば、グループマネージャーやディレクターといった上位ポジションへの転職も現実的です。さらに、ディレクター経験と薬剤師資格があれば、総括製造販売責任者へのキャリアパスも考えられます。

昇進以外にも、再生医療・遺伝子治療・オンコロジー・希少疾患など難易度の高い領域を担当することで、市場価値を高める方法もキャリアアップに有効です。魅力的なパイプラインを持つ企業で経験を積むことが、薬事職としての成長につながるでしょう。

また、これは自身の志向によりますが、薬事と親和性の高いマーケットアクセスやプライシング、ガバメントアフェアーズなどのポジションや、薬制薬事であれば品質保証(QA)やコンプライアンス系のポジションにキャリアチェンジし、品質管理責任者に就くケースも考えられます。

◆年収相場

  • 部下なし管理職:年収上限1,300万円~1,400万円

  • 部下あり管理職(グループマネージャーなど):年収上限1,700万円~1,800万円

  • ディレクターレベル:年収上限2,200万円~2,500万円

  • 薬事ヘッド:年収上限3,000万円+α

年収アップを転職の軸にするのであれば、経験豊富な人材を採用する傾向にある外資系かつ小規模の企業が狙い目です。

関連記事:製薬業界の薬事職の転職事情~企業が求める薬事人材とキャリアアップのポイント

2. MSL / メディカルアフェアーズ

《注目ポイント》

  • 外資系・内資系ともに求人募集は堅調、オンコロジーや希少疾患・免疫系のニーズが高い

  • MSL未経験は製薬経験や研究・臨床経験、40代後半以降は疾患経験が重要

  • 外資系でキャリアアップを目指すなら英語力が必須

  • 年齢・キャリアフェーズに応じた戦略設計が重要

◆求人募集の傾向

MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)メディカルアフェアーズ(MA)の求人募集は、上市後のエビデンス創出の体制強化に伴い外資系・内資系企業ともに拡大傾向です。どの製薬企業も優秀な人材を求めている状態で、これまでMA部門がなかった比較的小規模な内資系企業が、新しくMA・MSLを設置しています。

領域ではオンコロジー・遺伝子治療・希少疾患・免疫領域の求人が多く、この領域で経験豊富な人材にとっては転職で年収アップやキャリアアップを狙えるチャンスが広がっています。一方、糖尿病や呼吸器などプライマリー領域の募集は限定的で、転職難易度は高い傾向です。

近年は外資系企業を中心に、MAを中核とした統合型組織への移行が進んでいます。MSLやメディカル機能に加え、RWEやHEOR、ペイシェントアドボカシーなどの専門機能をMAに集約する動きが顕著です。また、MA機能をグローバルで標準化し、日本とグローバルの連携を強化することで戦略の一貫性と競争力向上を図る企業も増えており、グローバル対応力がますます重要になっています。

◆転職で評価されるスキル・経験

MA・MSLは理系学歴が前提で、修士・博士号や薬剤師資格、研究・臨床開発経験があると評価されやすい職種です。KOLとの信頼関係を築くコミュニケーション力、臨床データや論文を読み解く分析力、戦略立案力も評価対象で、外資系企業でキャリアアップを目指す場合には英語力も重要です。

MSLの場合、未経験者でも書類選考を通過する可能性はありますが、その場合は製薬会社での就業経験(コマーシャル以外)や、アカデミア・民間企業での研究開発経験、薬剤師・看護師・獣医師・医師、もしくは関連分野のPhDなどが必要になってきます。

オンコロジー領域への転職では、疾患経験は非常に重要です。一方希少疾患の場合、疾患領域の経験がなくても希少疾患の経験だけあれば応募可能ということがよくあります。他にも、循環器系・代謝系・スペシャリティ領域など、大きなくくりでの経験があれば選考を通過できることもあります。

プレイヤーとしてのMSLを目指す場合、30代~40代前半が採用のメインターゲットです。40代後半以降でメディカル戦略ではなくMSLのみの経験者の場合、転職では疾患領域での豊富な経験をアピールしていく必要があるでしょう。

◆代表的なキャリアパスとキャリアアップの方法

MSLの場合、30代~40代前半でシニアMSLやMSLマネージャーを目指すキャリアが一般的です。メディカルアドバイザーなど戦略系ポジションを志向する場合は、社内でメディカル戦略に関与する経験を積むことが重要となります。

現在MA職に就いているのであれば、リーダーやマネージャーへの昇進を目指すキャリアか、志向やバックグラウンドによって臨床開発や研究開発、マーケティング、薬事、RWE、安全性管理など他部門への異動も見られます。

40代後半以降の場合、マネジメント経験があればマネージャー職、専門性が高ければ同領域でのポジションアップが現実的です。50代以降はこれまでの疾患領域の専門性を活かし、ベンチャーや小規模組織など定年制の柔軟な企業を選ぶことで、引き続き活躍の機会が期待できます。

◆年収相場

  • プレイヤー(部下なしポジション):年収1,000万円~1,500万円

  • マネージャーレベル(部下ありポジション):年収1,000万円~1,700万円

  • 部門長・ディレクターレベル:年収2,000万円~4,000万円程度

専門性が高いため高年収が狙える職種ですが、特に外資系企業やグローバルとの協働を必要とするポジションでは、さらに高い年収レンジとなる傾向があります。

◆MSLの転職成功のポイント

MSLで多い転職理由のひとつが、「成果が正しく評価されない」「貢献が見えにくい」といった評価基準の曖昧さによるものです。

現在の評価に不満がある場合は、

  • 評価制度が明確な外資系企業

  • 戦略立案やグローバル連携のある企業

  • 少数精鋭のチームで一人ひとりの貢献が可視化されやすい企業

では、本人の努力が成果として評価されやすく、満足度が高まる傾向があります。

関連記事:【製薬業界のMSL】最新転職事情~企業が求めるMSL人材と転職成功のポイント

3. 臨床開発(CRA / クリニカルオペレーション)

《注目ポイント》

  • 臨床試験の需要増加で求人は堅調、経験者が特に有利

  • オンコロジー・ヘマトロジー・免疫・希少疾患経験者が高ニーズ

  • 未経験者は30代前半まで、CROがキャリアの入り口に

  • 外資系バイオベンチャー・ファーマが高額オファーのチャンス

◆求人募集の傾向

CRA(臨床開発モニター)の求人募集は堅調に増加しており、特に大手CROでは東京・大阪・名古屋など大都市圏で常時求人募集が出ている状態です。ただし、未経験可のCRAは募集があるものの、経験者と比べると数は少なめです。未経験採用は概ね30代前半までがチャンスとなり、以降は採用ハードルが高くなります。

グローバル案件の増加などで、経験豊富な臨床開発職(クリニカルオペレーション、スタディマネージャー、プロジェクトマネージャー(PM)、コントラクト管理系のポジションなど)に関しては現在多くのオファーが出ており、給与も上昇傾向です。

特にオンコロジーやヘマトロジー・免疫・希少疾患などの領域では経験者のニーズが非常に高まっており、今後も新薬上市や適応追加が見込まれるため転職でキャリアアップ・年収アップのチャンスが大きい領域です。スタッフレベルであれば、メーカー未経験のCRO従事者でも製薬会社への転職が十分可能でしょう。

◆転職で評価されるスキル・経験

CROの場合、タイミングによりますがCRA未経験でも採用される可能性が高くあります。理系学士でも問題ないことが多く、文系であればMR経験者や、論理的思考力・コミュニケーション力・英語力などが十分にあることを履歴書などで証明できれば選考通過の可能性があります。

臨床開発職で基本的に求められるスキルは、臨床開発の実務経験、規制対応能力、プロジェクトマネジメント力、医師・医療スタッフ・社内関係部門との円滑な連携能力、コミュニケーション能力、論理的思考力などです。

近年、薬剤のトレンドは組み換えタンパク・抗体医薬などの新規モダリティへと移行しており、臨床開発業務が複雑化しています。特に、オンコロジーやヘマトロジー・免疫・希少疾患などの領域でそれらに対応できる専門知識を有する人材が非常に求められている状況です。デジタル化に伴うITツールへの理解や遠隔対応、データ管理経験なども評価対象です。

また、国際共同治験の増加に伴い、以前にもまして英語力を重視する企業が増えてきました。経験や専門スキルが重視されることには変わりありませんが、中級程度の英語力(TOEIC600~700点以上)や留学経験などが評価されることもあり、今後キャリアアップを目指す場合にはさらに高いレベルの英語力が必要となります。

◆代表的なキャリアパス

CRAを目指すのであれば、CROの方がメーカーよりも募集数が多く未経験者の採用枠もあるため、キャリアのスタートとしておすすめです。特に、前職が薬剤師や看護師・臨床検査技師などの医療系資格保有者、MR、病院やSMOに所属するCRCの場合、親和性が高く採用の可能性が高くなるでしょう。

スタッフとしてCRAに転職してからのキャリアパスは、シニアCRA→リードCRAなどにキャリアアップしたあと、CRAチームを管理するラインマネージャーや、治験プロジェクト全体をマネジメントするプロジェクトマネージャー、現場の進行管理を担当するクリニカルオペレーションマネージャー、スタディマネージャーなどにキャリアアップする方法があります。

また、各種法規制やデータ、プロジェクト運営を理解していることから、安全性情報管理・PVやデータマネジメント、MSLなど他職種へのキャリアチェンジも可能です。

◆年収相場

  • CRA(スタッフレベル):年収400万円~800万円

  • CRA(リーダー・経験者):年収600万円~1,100万円

  • クリニカルオペレーション(マネージャーレベル):年収800万円~1,600万円

  • クリニカルオペレーション(ディレクターレベル):年収~2,500万円

年収に関しては、相対的に内資よりも外資の方が高い傾向にあります。 特に欧米発の外資系ファーマやバイオベンチャーでは、経験やスキルによっては高額のオファーが出ることもありおすすめです。

4. マーケティング・コマーシャルエクセレンス

《注目ポイント》

  • スペシャリティ・バイオ・免疫領域の求人がスタッフ~ディレクターまで活況

  • デジタルマーケティング・コマーシャルエクセレンスは高需要で、他業界からの転職も可能

  • シニア層は他社と差別化できる戦略立案力、グローバル対応力が重要

  • 年収はマネージャーで1,000万円~1,600万円、関連職種へのキャリアチェンジも選択肢に

◆求人募集の傾向

特にスペシャリティ領域やバイオ・免疫領域などに注力する外資系製薬企業や、日本市場に進出したばかりのバイオテクノロジー企業からの求人募集が活況で、こうした分野で経験値の高いプロダクトマネージャー(PM)、ブランドマネージャーの募集が高年収で出ています。

数は少ないですが、ポートフォリオマネージャーや新薬上市のプランニングに特化したNew Product Planning、Launch Excellenceなどの職種も継続的に求人募集が出ており、どのマーケティング職であっても、スタッフからマネージャー、ディレクターレベルまで選択肢は幅広くあります。

また、デジタルマーケティング、デジタルコミュニケーション関連のコンサルタント、オムニチャネル/マルチチャネル戦略担当者も引き続き求人募集が活況ですが、応募要件を満たす人材が非常に少ないため、コンサルティングや広告・エージェント関連、その他の規制業界などの異業種からの転職を受け入れている企業もあります。

また、Marketo、Salesforce Marketing CloudなどのMA(マーケティングオートメーション)ツールを運用できるコマーシャルエクセレンス人材も需要が高く、ツールの活用スキルやデータ分析、そこからの課題提案・解決策の立案スキルが求められます。

◆転職で評価されるスキル・経験

オンコロジーやスペシャリティ領域の経験、新薬上市の経験、クロスファンクショナルチームで業務を行った経験などが歓迎されますが、近年は特にデジタルを含むマルチチャネルマーケティングのスキルや経験が非常に重視され、高年収での転職が可能になっています。

一部の企業では、デジタルマーケティング未経験でも高い学習意欲やその他の要件が揃えば、ポテンシャルで採用されるケースもあります。また、どの企業においてもビジネスレベルの英語力は必須となっています。

シニアレベルの採用の場合、マーケティング戦略の立案経験はもちろん重視されますが、そのなかでも「新しい取り組みを実行できる」、「戦略に強い」、「強いリーダーシップを備えている」、「グローバルとのコミュニケーションに長けている」といったこれら重要な要件を高いレベルで満たす候補者が求められる傾向にあります。担当製品の課題を想定し、どのような解決法が考えられるか、といったことを面接で積極的に伝えられることもポイントです。

◆代表的なキャリアパス

製薬会社のマーケティング職は、基本的に経験者に限定した即戦力採用であり、未経験の場合は社内公募で異動を目指すルートが考えられます。代表的なキャリアパスは、スタッフ→シニアスタッフ→マネージャー→ディレクターと職位を上げていくことですが、自身の志向や得意分野により、下記のような親和性の高い関連職にキャリアチェンジすることも可能です。

  • デジタルマーケティング、オムニチャネルマーケティングなど専門性の高いマーケティング職

  • SFE(Sales Force Effectiveness)などのコマーシャルエクセレンスや営業企画のポジション

  • コーポレートストラテジーなど経営企画や事業開発系のポジション

  • ライフサイエンスや医療機器など、他業界でのマーケティングポジション

◆年収相場

  • スタッフレベル:年収800万円~1,300万円

  • マネージャーレベル:年収1,000万円~1,600万円

  • シニアマネージャーレベル:年収1,200万円~2,000万円

  • ディレクターレベル:年収1,400万円~2,700万円

オンコロジー・希少疾患・スペシャリティ領域や、外資系企業では、同じ職位でも日系よりも年収レンジが高めになりやすいでしょう。バイオベンチャーや日本法人立ち上げフェーズでは、ディレクタークラスで高年収が提示される一方、職務範囲が広く責任も重い傾向があります。

関連記事:【製薬会社のマーケティング職】転職事情や仕事内容、転職成功のためのポイントを詳しく解説!

5. MR

《注目ポイント》

  • 免疫・オンコロジー・希少疾患領域を中心に求人が増加、未経験者にもチャンスあり

  • スペシャリティ領域や大学病院担当経験は将来の市場価値に直結

  • CSOは求人が活況、年齢や働き方の志向によっては有益なキャリア選択肢に

◆求人募集の傾向

MR数は長期的には減少傾向にある一方で、近年は大型の求人募集が相次ぐなど非常に活発な動きを見せる領域もあります。

MR白書によると、MRの中途採用を実施した企業数は2021年版以降、年々増加しています。特にここ数年は、外資系バイオベンチャーやバイオテクノロジー企業が相次いで日本事業を立ち上げており、数十名規模の大型募集が続いています。免疫・オンコロジー・希少疾患といったスペシャリティ領域の経験者が求められるケースが多く、該当領域の経験を持つMRにとっては年収アップを狙える好機といえるでしょう。

一方で、領域未経験者にも十分なチャンスがあります。大量採用のタイミングでは「領域未経験OK」とする企業も多く、今後も適応症拡大や新薬ローンチを背景に、未経験者向けの採用枠が継続的に生まれると考えられます。転職成功のためには、タイミングを見極め積極的にチャレンジする姿勢が重要です。

CSO(医薬品販売業務受託機関)についても、各社が引き続き積極的にMRを採用しています。メーカーを早期退職したMRの受け皿としての役割に加え、近年はオンコロジーや希少疾患など専門性の高いプロジェクトも増加しています。CSOでは、50代後半の方であっても正社員として入社できるチャンスが増加しており、年齢を理由にキャリアを断念する必要がない点も大きな特徴です。

◆転職で評価されるスキル・経験

MRは比較的若手が求められる傾向にあり、40歳前後が「未経験可/不可」のひとつの目安となるケースが多く見られます。この年代までであれば、大学病院や基幹病院の担当経験とMRとしての高いパフォーマンスが証明できれば、スペシャリティ領域の経験がなくてもメーカーへ転職できる可能性があります。

一方、40代中盤以降で領域未経験の場合、メーカーへの転職は難易度が高くなる傾向があります。その場合、CSOへの転職が現実的かつ前向きな選択肢となりますが、CSOではプロジェクト数や領域の幅が広く、50代後半まで正社員として採用されるケースも珍しくありません。勤務地についても、トップダウンで一方的に決定されることは少なく、できる限り希望を考慮してもらえる点も安心材料です。

また、外資系製薬企業を中心に女性MRへの採用ニーズは引き続き非常に高い状況です。

◆キャリア形成のポイント

MRとしての将来の市場価値を大きく左右するのが「疾患領域の選択」です。できるだけ若いうちに希少疾患・オンコロジー・CNSなどのスペシャリティ領域を経験し、大学病院や基幹病院を担当して実績を積むことが、将来的なキャリアの幅や年収アップに直結します。

そのため、キャリアの分岐点では勤務地や役職だけでなく、「担当疾患領域を優先する」という視点を持つことが重要です。異動や転勤に対して一定の柔軟性を示すことで、長期的な選択肢が大きく広がるでしょう。

また、その後の実績次第では社内公募を通じてMSL、マーケティング、メディカルアフェアーズ、KAM、営業トレーナーなどへのキャリアチェンジも可能です。MR以外のキャリアを視野に入れる場合は、専門性の深化や社内外との連携経験、外資系企業では英語力を磨いておくことが重要になります。

一方で、「早期退職のない環境で安定して働きたい」「勤務地を大きく変えたくない」という志向を持つ方にとって、CSOでのキャリア形成は有効な選択肢となります。働き方はメーカーMRと大きく変わらず、プロジェクトによってはオンコロジーや大学病院担当、新薬ローンチに携わる機会もあります。若手にとっても、比較的早い段階でスペシャリティ領域を経験できる点はCSOならではの魅力です。

◆年収相場

  • 大手CSO:年収~1,000万円程度

  • 日系製薬企業:年収~1,100万円程度

  • 外資系製薬企業:年収~1,300万円程度

  • 米系バイオベンチャー(オンコロジー経験者):年収~1,500万円程度

年収の高さは、外資系メーカー>内資系メーカー>CSOの順になりますが、目先の年収だけで判断するのではなく、将来どのような経験を積めるか、どのような選択肢を残せるかという視点でキャリアを考えることが大切です。

需要の高い領域を経験することや、CSOで腰を据えて経験を積むことが、結果として長く安心して働けるキャリアにつながるケースも少なくありません。

6. ファーマコビジランス(PV)・PMS

《注目ポイント》

  • スタッフレベルからグローバルポジションまで幅広い職位で堅調な求人募集

  • 未経験者にはCROがキャリアの入り口、その後は横断的キャリア形成が可能

  • 「英語力×データ活用スキル」が年収・キャリアを大きく左右

◆求人募集の傾向

ファーマコビジランス(PV)PMSなどの安全性関連の職種は、安定して求人募集が出ている状況です。バイオ・再生医療薬品の増加などでより厳格・長期的な安全性評価が必要になっていること、RWDや電子安全性報告システムへの対応などから、この分野の人材ニーズは今後も伸張していくことが予想されます。

求人は多岐にわたる職位で募集があり、PVスペシャリスト、安全性スペシャリスト、PMSスタッフといったスタッフレベルから、PV(シニア)マネージャーといったマネージャーレベル、PV部門ヘッド、安全管理責任者といった上位ポジション、安全性部門リージョナルディレクター、PVグローバルマネージャーなどのグローバルポジションまで幅広く出ています。特に、グローバル対応力や高いレベルの英語力を持つ人材にとっては、転職で年収アップやキャリアアップを狙えるチャンスとなっています。

また、PV・PMS業務をCROに委託する製薬企業・バイオファーマが増加傾向であるため、CROでの募集が活発です。製薬会社よりも募集枠が多く未経験者にも柔軟な採用姿勢を取るため、CROをPVとしてのキャリアの入り口にする人も増えています。また、製薬業界よりも数は少ないものの、医療機器業界でも安全性関連の職種の募集は安定して市場に出ています。

◆転職で評価されるスキル・経験

「薬剤師や看護師として実務経験があるが、企業での就業は未経験者」という人や、「MRやCRAだが専門的な論文が読める・海外担当者とやり取りができる英語スキルがある」という人であれば、未経験でもPVに異動することが十分可能です。

募集要件で提示されているTOEICの点数は600~750点以上が多く、TOEICの点数で給与が決まるところもあります。TOEIC700点相当が求められることが多いですが、マネージャー以上ではグローバルと協働できるレベルが必要となってきます。グローバル安全性データベースの運用や、海外当局対応が必要となる機会が増えており、グローバル対応力・英語力はますます評価される傾向です。

また、PV領域ではデータ活用スキルの重要性が高まっており、RWDの利活用やシグナル検出における統計・解析ツールの使用経験、MedDRAへの理解、RPA(Robotic Process Automation)ツールへの知見を持つ人材は、市場価値・年収ともに上がりやすい傾向にあります。

また、医薬品関連法規は改正が多いためフォーマットの入力方法が変わることも少なくありません。常に最新情報を確認し、自分の知識をアップデートして対応するスキルが求められます。基本的な業務はルーチンワークですが、改訂があると変化に応じた対応が必要です。

◆代表的なキャリアパス

新卒入社やPV未経験で異動した際には、安全性情報の分析やDSUR(治験安全性最新報告書)の作成、医療従事者やMRからの問い合わせ(メール・電話)に対応するコールセンター業務などのジュニアレベルのポジションからスタートすることが多いでしょう。また、CROでPV業務の経験を積んでから製薬会社に転職するキャリアパスも考えられ、キャリアの入り口としてCROを検討しても良いでしょう。

スタッフとしてキャリアをスタートさせたあと、シニアPV→セーフティリードと専門性を高めていきますが、RWD活用やグローバル案件、オンコロジー・希少疾患領域の経験があると市場価値が高まります。

その後、PVマネージャー/セーフティマネージャー → PVヘッド/安全管理責任者とマネジメント職でキャリアアップしていくか、専門性を活かして臨床開発やRWE、メディカルアフェアーズ/MSL、QA(GxP関連)などにキャリアチェンジするケースも多く見られます。

ただ、MSLなどPVよりもコミュニケーション能力が求められる職業への異動であれば、意欲の高さや適性などが求められます。異動したい部署で求められるスキルをしっかりとリサーチし、スキルを磨いておくようにしましょう。

◆年収相場

  • エントリーレベル:年収550万円~800万円

  • スタッフレベル(経験者):年収~1,200万円

  • マネージャーレベル(部下マネジメントなし):年収~1,500万円

  • マネージャーレベル(部下マネジメントあり):年収~1,800万円

  • ディレクターレベル(安全管理責任者など):年収~2,300万円

高年収が狙いやすいのは、欧米系の外資系メーカーやグローバル本社と直接連携するポジションです。中小企業やバイオベンチャーの上位ポジションも高年収オファーが出やすい一方、役割の範囲が広く責任も大きいのが特徴です。

7. 品質保証(QA)・品質管理(QC)・製造

《注目ポイント》

  • 品質保証(QA)・CMCを中心に慢性的な人手不足

  • 製品移管・工場移管プロジェクト推進、オペレーショナルエクセレンスも求人が活況

  • QAは幅広い業務経験・英語力がポイント、GMP関連経験があればQA未経験も評価対象

  • 専門性かマネジメントを早めに意識してキャリア設計を行う

◆求人募集の傾向

製薬会社の製造・品質関連職は、職種の専門性などから慢性的に人手不足であり、求人募集も安定的に市場に出ている状況です。

特にQAは、その広範な職種特性からどの企業も必要とする人材で、GMPの体制強化やグローバル監査対応の必要性から、特にマネージャー以上では求人募集が常に市場にある状態です。経験者・ベテラン層が優遇される一方、人手不足からQA未経験でも採用の可能性があり、QC・製造・生産技術・バリデーション・CMCなどGMP環境下での業務経験や、CAPA・逸脱・変更管理への関与経験があれば、「ポテンシャルQA」として評価される可能性があります。

QC・CMC関連についても継続してニーズがありますが、こちらも比較的定着率が高く欠員が出にくいため、良い求人は「募集が出たときがチャンス」という状態です。

製造・生産関連の職種も慢性的な人手不足であり、外資・内資の製薬会社からジェネリックメーカー、CMO/CDMOまで多岐にわたる企業が経験者を募集しています。特に、海外向けに生産体制を強化するメーカーや、バイオ・再生医療に特化したCMO/CDMOなどが需要が高く、今後も売り手市場が続くと考えられています。ただ、年収アップを考える場合はなるべく大手の製薬メーカーを狙うのが基本です。

また、製品移管・工場移管プロジェクトの推進担当、製造プロセスのスケールアップ、バリデーションなどを担当する上位ポジションや、業務プロセスの最適化を担うオペレーショナルエクセレンスの募集も多く出ています。

◆転職で評価されるスキル・経験

QA・QCの場合、薬剤師の資格や規制業界のGxP関連経験があれば、製薬業界未経験であっても応募が可能です。経験値に自信がない場合は、CROでQA業務の経験を積んでから製薬会社に転職するという方法もあります。

QAの仕事は、QMS(品質マネジメントシステム)の構築・運用経験、CMO管理経験、データや統計の活用力、グローバルと協業できる英語力などが大きなアピールポイントになります。 他部署との協働、クレーム対応や逸脱対応、査察・監査対応力(PMDA・FDA等)など高度な対話力も求められるでしょう。

ただし、担当する医薬品の剤型やモダリティの違いで製造方法などが異なるため、特定のスキルを求められるケースがあります。その際に幅広い経験を積んでいる、もしくは応募先企業との経験の親和性が高ければ高いほど評価が上昇するでしょう。

QCにおいては、原材料や製品の試験・分析スキル、HPLCなどの分析機器の運用経験、試験法のバリデーション経験、OOS(規格外れ)の調査対応力などが評価されます。

製造・生産関連職では、GMP、SOP運用、査察対応、CAPA対応の経験は必須であり、他にスケールアップ・技術移転、バリデーション、設備・プロセス改善(Lean/Six Sigma)の経験、品質部門との連携経験、英語力なども重宝されます。

◆代表的なキャリアパス

QA職の場合は、医薬品や医療機器の製造・生産関連、QC、GxP関連などで経験を積んだのち、QAに就くのが一般的です。工場勤務から本社勤務を目指す人が多く、その後はQAマネージャーからQAヘッド、最終的には品質管理責任者を目指すキャリアパスが王道です。企業によっては、QMS責任者や監査・コンプライアンスヘッド、グローバルQAなどにキャリアを広げることも可能です。

QC職であれば、原材料や製品の試験・分析担当からシニアQC/リードQCとなり、難易度の高い試験やトラブルシューティングを担当します。その後、監査対応やチームマネジメントを担当するQCマネージャーなどの管理職を目指すか、QAにキャリアチェンジするルートが一般的です。

製造オペレーターや生産技術担当の場合は、現場での製造プロセス、設備操作、GMP運用を理解するところから始まり、その後生産技術、工程改善、スケールアップ、技術移転、バリデーションなど、より専門性の高い業務を担うポジションへステップアップしていきます。さらにキャリアが進むと、製造ラインや工場全体を統括する製造リーダー、製造マネージャー、工場長などのマネジメント職を目指す道があります。

一方で、現場経験を活かしてQAやQC、CMC、オペレーショナルエクセレンス、生産企画などの関連部門へキャリアチェンジするケースも多く、専門性を深めるか、マネジメントや横断的な役割へ広げるかによって多様なキャリア形成が可能です。

◆年収相場

QA・QC部門

  • スタッフレベル:年収500万円~1,100万円

  • マネージャーレベル:年収1,000万円~1,500万円

  • 部門統括レベル:年収1,500万円~2,500万円

製造・生産部門

  • プラントエンジニア:年収~1,300万円

  • マネージャーレベル:年収~1,500万円

  • 部門統括レベル:年収~2,000万円

製薬会社の場合、経験者であれば基本的に1,000万円スタートの高い年収が期待できるでしょう。年収の水準は、製薬会社>ジェネリックメーカー>CMO/CDMOの順で高く、中小より大手企業、内資よりも外資の方が高い傾向にあります。

8. 創薬・研究(R&D)

《注目ポイント》

  • オンコロジー、細胞治療・遺伝子治療、免疫系、希少疾患領域で高需要

  • 国内中堅バイオベンチャーで即戦力人材の求人増加

  • 基礎研究からトランスレーショナル領域まで幅広いキャリア選択が可能

  • 一部企業で要件レベルを低く設定するも高学歴・先端技術の理解・専門スキルを重視

◆求人募集の傾向

製薬企業の研究職は採用ハードルが非常に高く、優秀な人材は引く手あまた、そうでない場合はますます狭き門となる二極化の状態が続いています。研究職は数年単位のプロジェクトを動かすため人材の流動性が低く、採用枠が他のポジションよりも少ないため常に転職市場にアンテナを張り、募集が出るタイミングを狙わなければなりません。

現在最も求人募集が活況なのは、中堅の研究開発型バイオベンチャーから出るポジションです。初期創薬から前臨床安全性・毒性評価、トランスレーショナルリサーチまで幅広いフェーズで研究者を募集しており、Principal Scientist(主任研究員)、Senior Scientist、Translational Research Leadといったポジションの求人募集が目立ちます。

新規モダリティへのシフトにより、オンコロジー、細胞治療・遺伝子治療、免疫系、希少疾患領域などで採用ニーズが高く、創薬・R&D関連の求人の多くを占めています。これらの最先端領域でプロジェクトを推進するために、即戦力となる専門性の高い研究者が求められています。

また近年では、AI・機械学習・データサイエンスの活用が創薬・R&D分野全体で急速に進んでいます。標的探索、候補化合物の最適化、毒性予測、バイオマーカー探索など、従来は実験中心だった領域にもデータ駆動型アプローチが導入されつつあり、創薬プロセス全体を俯瞰した研究開発体制への移行が進んでいます。

その結果、バイオインフォマティクス、計算創薬、統計解析、機械学習などの専門性を持つ人材に加え、実験研究のバックグラウンドを土台にデータサイエンティストと協働しながら研究を推進できる「研究×データ」のハイブリッド人材が、特に高く評価される傾向にあります。

研究職は狭き門であり、製薬会社には他にもメディカルや臨床開発職など研究畑で培った視点を活かして活躍できるポジションが数多くあり、研究職ではない選択肢を選ぶ人もいます。

◆転職で評価されるスキル・経験

製薬企業の研究職は、従来は博士号取得者など採用ハードルが非常に高い傾向にありましたが、要件レベルを満たす候補者が少ないことから一部の企業では要件を緩和する動きが見られます。

以下は、研究職の採用で特に評価されやすい人物像です。

  • 国内外トップレベルの大学の修士・博士(医学・理化学・薬学・生物学など)、論文発表実績

  • 薬剤師資格、危険物取扱者、動物実験関連資格

  • アカデミアでの勤務経験

  • 英語での論文読解力・ディベート力

  • AI創薬など最先端技術の研究への応用力、研究計画立案力

  • 分子生物学実験、タンパク質解析、細胞機能解析などの実務スキル

  • 他部門との協働経験、コミュニケーション能力・チームワーク

ただし、企業によってフォーカスしている研究分野はそれぞれであり、「入社して自分は何を達成したいのか」、「企業や社会にどんな貢献をしたいのか」など明確な目標を持って転職先を探すことが大切です。

◆代表的なキャリアパス

創薬・R&D分野のキャリアは、専門性を深める道と横断的に役割を広げる道の大きく2つに分かれます。

研究員として入社後、標的探索、薬効薬理、毒性・安全性、CMC、トランスレーショナルリサーチなど特定の専門領域で経験を積んだあと、シニアリサーチャーやプリンシパルサイエンティストなど研究の中核を担うキャリアに進み、技術的な第一人者を目指すのが王道のルートです。

一方で、研究経験を土台にプロジェクトリーダーや研究マネージャーとして、複数テーマやチームを統括するキャリアもあります。さらに経験を積むと、研究戦略の立案やポートフォリオ管理を担うR&Dマネジメント職へ進むケースもあります。

また、研究バックグラウンドを活かし、臨床開発、メディカルアフェアーズ、CMC、事業開発など、研究とビジネスや臨床をつなぐ関連職種へキャリアチェンジする人も少なくありません。特に近年は、基礎研究だけでなく「創薬を実用化につなげる経営的視点」を持つ人材が高く評価される傾向にあります。

◆年収相場

  • 初級研究員(20代):年収400万円~600万円程度

  • 研究員(30代):年収600万円~1,000万円程度

  • リーダー・シニア研究員(30代後半):年収800万円~1,500万円程度

  • マネージャー・プリンシパルサイエンティスト(30代後半~):1,200万円~2,000万円

  • 上級管理職:年収2,500万円~

研究職を募集しているのは国内の製薬企業やバイオベンチャーがほとんどですが、福利厚生が充実していることが多いのが特長です。年収が低いと感じても、住宅手当などで支出が抑えられ最終的に想定よりも年収がアップすることもあります。

◆転職の際の注意点

研究職は数年単位の長期間のプロジェクトが多く、成果が出るまでに長い年月がかかることや、途中で失敗や挫折も多いことがあります。10年以上の年月や数百億円単位の予算をかけても新薬の開発が成功する確率は低いのが現状であり、ともすればやってきたことがすべて無駄になる感覚を味わうかもしれません。

そのため、研究に対する信念や目標を持ち続けていないといけないのがこの仕事です。また、各製薬会社間の開発競争は近年ますます激しくなっており、研究者は常に最新の情報や技術を追いかけなければならず、自己研鑽やスキルアップに努めることを面倒だと感じる人には向いていない職業でしょう。

製薬業界の最新求人情報

製薬業界には、上記の代表的な職種の他にもさまざまなポジションがあり、ビジネス環境の変化にあわせて新設ポジションも誕生しています。

40名以上の専門コンサルタントを擁するエイペックスの製薬チームでは、上記の主要ポジションの他にも、

  • マーケットアクセス・プライシング・HEOR・HTA

  • ガバメントアフェアーズ

  • PR・コーポレートコミュニケーション

  • ペイシェントリレーションズ

  • メディカルライター

  • 臨床企画・クリニカルサイエンティスト

  • 生物統計解析・データマネジメント

  • RWD・RWE

  • ポートフォリオマネジメント

  • 事業開発・アライアンスマネジメント・ライセンシング

  • MD

といったさまざまな求人情報・転職情報を扱っています。

企業は大手外資系・日系企業からベンチャー・スタートアップまで多岐にわたり、年収1,000万円以上のハイクラスポジションを中心にご紹介しています。

未経験者を含むスタッフレベルの求人から、マネージャー、ディレクター、部門ヘッド、経営ボード/カントリーマネージャーまで職位も幅広く、自身に合った応募先を見つけることができます。

現在募集中の求人情報

製薬業界での転職成功とキャリア戦略のポイント5選

製薬業界における転職成功とキャリア戦略を象徴する、医療従事者とビジネスパーソンの握手シーン

では、製薬業界で充実したキャリアを築くためには、どのような点を押さえて転職活動を行えば良いのでしょうか?以下の5つのポイント別に解説します。

① バイオ・スペシャリティ領域など市場ニーズの高い領域を選ぶ

製薬業界でキャリアの成功や年収アップを目指すうえでは、市場ニーズの高い領域を選ぶことが非常に重要です。

現在、特に需要が高いのはオンコロジー、希少疾患、バイオ医薬品などのスペシャリティ領域で、これらは開発難易度が高く専門性が求められるため、経験者が慢性的に不足している状態です。結果、採用ニーズが高く高年収・高インセンティブ、高い職位といった好条件でのオファーが提示されるケースが増えています。

また、グローバル開発や国際対応が求められる職種も市場価値が高いといえます。国際共同治験やグローバルでの承認戦略に関わり、英語でのコミュニケーション力やFDA・EMAなどの海外規制への対応力を磨くことで、外資系・内資系問わず今後のキャリアの選択肢が広がるでしょう。

このように、キャリアアップや年収アップのうえでは、単にその職種で長く経験を積めば良いというわけではなく、「どんな領域で、どんなプロジェクトに関わり、どれだけ希少性の高い経験を積んだか」が重要となっています。

② 自身の専門性を明確化・言語化しておく

製薬業界での転職では、何よりもその「専門性」が基盤となります。企業は基本的に即戦力人材を求めているため、あなたが「どのようなスキルを持ち、何を実現できるのか」を具体的かつ説得力を持って伝えることが極めて重要です。

そのためには、単に職歴や経験したプロジェクトを羅列するだけでなく、自身の専門領域や強みを整理し、これまでの業務で得た成果を具体的な数値(KPI達成率やコスト削減額など)や明確な事例で言語化しておく必要があります。特に、担当した疾患領域やモダリティ、関与した開発フェーズやグローバルチームとの協働経験、改善・効率化を達成したプロセスや方法論、規制当局との交渉実績などを具体的に示すことで、即戦力人材としての価値が伝わりやすくなります。

自身の専門性を曖昧にせず、応募先企業が求めるスキルと自分の経験を結びつけて語れるかどうかが、希望する転職や年収アップを実現する分かれ目のひとつとなるでしょう。

③ 英語力・デジタルスキルが高評価のポイント

製薬業界では依然として専門性が最も重要であることに変わりはありませんが、近年は英語コミュニケーション力・デジタルスキルが、キャリアアップや年収アップを左右する重要な評価軸になっています。

国際共同治験やグローバル開発が主流となり、海外チームやグローバル当局との協働が日常業務の一部となっているため、文書対応だけでなく会議・交渉・合意形成までを対応できる実践的な英語力を持つ人材が、多くの職種で高く評価されています。

同時に、製薬業界で扱うデータが高度化・多様化していることを踏まえ、これらを業務や意思決定に活かせるスキルも重要視されています。Excelによるデータ整理・分析に加え、統計ツール、データベース、可視化ツール、eCTDや電子申請対応などのデジタルリテラシーをアピールできるよう準備しましょう。RWD分析やRPA・AIを活用した業務効率化・付加価値の創出に貢献できる人材であれば、さらに市場価値が上がる傾向にあります。

このように、現在の製薬業界では英語力とデジタルスキルは別々の能力ではなく、グローバルかつデータドリブンな環境で専門性を発揮するための「セットのスキル」として評価されるようになっています。これは一時的なトレンドではなく、業界構造の変化に伴う必然的な流れといえるでしょう。

④ 志望動機は個人の価値観・目標と企業との関連性を伝える

需要の高い領域を狙い、専門性と英語・デジタルスキルをアピールすることが転職成功の重要なポイントとなりますが、製薬業界では志望動機を明確に伝えられるかも評価の大きなポイントとなります。

採用面接においては、「なぜその職種(臨床開発、薬事、QAなど)を希望するのか?」は必ず聞かれる質問です。ここで、希望するポジションへの情熱を今までの経験やキャリアとからめて話せるかがポイントとなりますので、うわべだけでない、あなただけのストーリーは何かを考えましょう。

また、「なぜその企業なのか?」ということもあわせて問われます。そこで「成長中の企業だから」など大雑把な志望理由を説明しても、「その理由ならB社やC社にも当てはまりますよね」と突っ込まれてしまい、かえってマイナスの印象を与えかねません。

その企業が魅力的だと感じた点を自身の経験や強みと関連づけ、なぜ志望に至ったのかその根拠やプロセスを説明しましょう。あなたの思いに起因する具体的なエピソードや企業研究の成果を用いることで、「なぜその企業なのか」の裏づけとなり、志望動機に説得力が増します。そのため、「個人の価値観や目標」と、「会社の価値観やビジョン」が一致した答えであることが理想です。

⑤ 転職エージェントから常に転職市場動向を入手しておく

製薬業界は安定している側面があるとはいえ、活発なM&Aや組織再編など、不確実な要素も多いのが近年の傾向です。実際に、早期希望退職制度が導入されるタイミングで同じ企業・同じポジションの転職希望者が一気に市場にあふれるため、似た経歴のライバルとポジションを争わなければならなくなります。

そのため、たとえ今は転職するつもりはなくても、常日頃から転職エージェントと緊密にコンタクトを取り、最新の転職市場動向を入手しておくことが重要です。もし理想の求人が出た際には、「その日」を待たずに皆と時期をずらしてスムーズに転職活動を始めることができます。

また、最新の求人情報から現在の年収相場や求められるスキルを把握しておくことで、現職の年収の適性や今後伸ばすべきスキルを把握することもできます。それにより「やはり今の会社で頑張りたい」と感じられるのであれば、それによって現職への満足度が高まり結果としてプラスの作用になるはずです。

転職エージェントに最新の市場動向について話を聞く

製薬業界の転職市場動向に関するよくある質問

Q. 製薬業界は今後伸びますか?

A. 製薬業界は、規制強化や薬価抑制の動きなど「厳しい業界」と捉えられる傾向にありますが、高齢化や慢性疾患の増加、政府による生活習慣病対策など、中長期的に成長を後押しする要素も数多く存在します。

実際に、日本の医薬品市場は年平均成長率が2.45%(2026年~2034年)を示すと予想されており、市場が縮小することは当面ないと考えられます。ただ、成長領域はプライマリー領域からスペシャリティ、再生医療・細胞・遺伝子治療、デジタルバイオロジーにシフトしてきており、こうした需要の高い領域で経験を積んでいくことが今後のキャリアで重要になってくるでしょう。

Q. 現在の製薬業界の転職市場のトレンドは何ですか?

A. 現在の製薬業界の転職市場は、オンコロジー・免疫・希少疾患・バイオ領域を中心に、専門性の高い人材のニーズが引き続き強いのが特徴です。薬事、臨床開発、メディカルアフェアーズ、PV、QAなどは即戦力採用が中心で、経験者は売り手市場が続いています。また、英語でのコミュニケーション力や海外対応経験は、職種・職位を問わず高評価となっています。

加えて近年は、デジタル・データ活用スキルの重要性が急速に高まっている点が大きなトレンドです。デジタルを前提としたマーケティングやコマーシャルエクセレンス、業務・プロセス改善、プロジェクトマネジメントのスキルや、生物統計・データサイエンス・RWDなどの活用スキルを持つ人材は、市場価値が上昇しています。専門性に加え、「英語×デジタル」の強みを持つ人材が、年収・ポジションの両面で有利になっています。

Q. 製薬業界の給与水準はどのように変化していますか?

A. 製薬業界全体としては給与水準は上昇傾向にあるといえますが、職種や領域により差があるのが特徴です。需要の高いオンコロジーや希少疾患、バイオ分野、また海外対応やデジタル・データ分析のスキルが必要となる職種では、優秀人材の獲得競争が起きているため高い給与水準でのオファーが続いています。

特に、マネージャー以上やグローバルポジションでは、外資系企業の年収上限が高い傾向で、内資系と比べて年収差が大きくなることがあります。

Q. デジタル化が製薬業界の転職市場に与える影響は何ですか?

A. 製薬業界は、AIなどの技術革新やDXによる業務効率化・高度化など、あらゆる分野でデジタル化がビジネスのあり方を変革しています。従来は、特定分野での専門知識があれば良しとされてきましたが、現在はそれに加えてデジタル・データの活用スキルが評価対象になってきています。臨床開発でのeClinical、PVでのシグナル検出の自動化、データドリブンなマーケティング戦略の立案、RWDの活用などデジタルへの理解だけでなく、それらをいかに新しい価値創出や意思決定に活用することができるかで、年収やポジションに差が出るケースが増えています。

ただし、「製薬経験+デジタル・データ活用スキル」を持つ人材は現在非常に希少です。そのため、データ分析やシステム導入、プロジェクトマネジメントなどの経験があれば、製薬業界未経験でもDX推進やデータ関連ポジションで積極的に採用する企業が増えています。今後はどの職種であっても、「自分の専門分野をデジタルでどう進化させられるか」が、キャリアアップの鍵となってくるでしょう。

Q. MR職の転職市場動向はどう変わっていきますか?

A. 2026年のMR転職市場は、全体のMR数が長期的に減少している一方で、領域によって求人動向に明確な差が出る一年になると予想されます。2025年時点でも免疫・オンコロジー・希少疾患などのスペシャリティ領域では大型求人が継続して出ており、こうした領域のMR求人は引き続き需要が高い状況が続くと考えられます。スペシャリティの経験者は年収アップやキャリアアップの機会が増え、未経験者の場合でもタイミングによってはポテンシャル採用のチャンスもあるでしょう。

一方、CSOの求人募集は引き続き堅調であり、ある程度のエリア固定や多様なプロジェクト経験を積みたい若手・中堅層の選択肢として存在感が増すでしょう。近年はプロジェクトの受注数の増加から、ベテラン層でも正社員採用のチャンスが増えています。

※詳細なMRの転職事情動向については、こちらの記事をご覧ください。

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製薬業界は中長期的な拡大が見込まれる一方、すべての職種で採用ニーズが高いというよりも、オンコロジーや希少疾患、バイオ医薬品などのスペシャリティ領域、AI創薬やデジタルヘルスといった需要の高い分野で採用活動が活発な状況です。欧米系のバイオファーマや国内中堅バイオベンチャーの躍進も転職市場でのポイントとなっており、高度な専門性を持つ即戦力人材に高年収・好待遇での転職のチャンスが増えています。

製薬業界で転職成功・キャリアアップを目指していくには、自身の専門性を明確にし、英語力・デジタルスキルを磨くとともに、市場ニーズの高い領域に的を絞るなど戦略的なアプローチが不可欠です。相対的に年収が高い傾向にある外資系企業は、成果主義に基づく給与体系や裁量の大きさ、意思決定の速さ、柔軟な働き方、グローバルな経験を積める点などが特徴であり、早期のキャリアアップを目指す転職希望者にとって魅力的な選択肢となっています。

外資系・日系のハイクラス転職に特化したエイペックスには、約40名の製薬業界専門の人材コンサルタントが在籍しています。最新の転職市場動向や求人情報の提供はもちろん、今すぐの転職ではなくとも今後のキャリアの相談などカジュアルな面談も受け付けています

特に外資系企業を希望される場合、内資系とは違う採用プロセスや評価ポイントがあり、専門のコンサルタントとの事前対策で書類や面接の通過率を上げていくことが不可欠です。同時に、英文履歴書の作成や英語面接の対策もコンサルタントと二人三脚で行うことができるため、積極的に活用し転職成功の確率を高めていきましょう。

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