10月入社の求人募集は、1月や4月入社などとともに、一年のなかでも最も多い時期のひとつです。
これは、多くの企業が下半期のスタートに合わせて中途採用を強化するためであり、転職希望者にとっては魅力的な求人が多く市場に出る大きなチャンスとなっています。
ここでは、10月入社を検討している方や転職活動の開始時期に迷っている方に向けて、実際のケーススタディを交えながら、10月入社の転職活動スケジュールや注意点、おすすめの転職時期、そして確認しておくべきポイントについて具体的に解説します。
目次
10月入社は本当にベストのタイミングなのか?
10月入社を目指す場合、いつから転職活動を始めるべきか?
10月入社の転職活動スケジュール
10月入社の転職メリット
10月入社の転職デメリット
10月入社の転職活動における注意点
業界別|おすすめの転職時期
外資系企業へ10月入社を目指す場合の転職活動のポイント
転職時期を決める前に確認しておきたいこと
転職エージェントを活用するメリット
10月入社の転職についてよくある質問 (FAQ)
転職を考えているならまずはエージェントと話そう
10月入社は本当にベストのタイミングなのか?
転職や入社の時期というと4月が真っ先に思い浮かべられますが、10月も下半期の事業計画や組織改編に合わせて、多くの業界で採用ニーズが高まる時期です。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」のデータを見ると、新規求人数については10月は1月と合わせて年間でピークの時期であり、3月・4月を超えています。また、同データの「就職」の件数を見ても、3月・4月・6月に続く順位となっていて、しかも6月とはほぼ同数です(※パートを除く)。
このため、10月に転職活動~入社を目指す人は決して少なくなく、また企業側からも多くの求人募集が出されているため、転職・入社を考える人には最適な時期のひとつといえるでしょう。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(参考統計表2)」「一般職業紹介状況[実数](除パート)
10月入社を目指す場合、いつから転職活動を始めるべきか?
10月入社を目指す場合には、「いつからどのように動けば良いのか」をしっかりと計画しておくことが重要です。まずは、この点から見ていきましょう。
転職活動にかかる期間はどれくらい?
希望条件や職位、長期休暇などにもよりますが、転職活動の期間は3か月~6か月が一般的だといわれています。応募から面接までの期間、選考結果を待つ期間、引き継ぎや有給消化にどれくらいかかるのかでも違いますが、転職活動の大まかな流れは下記のようになっています。
事前準備(スケジュール作成・自己分析・情報収集):約1.5週間
履歴書・職務経歴書の作成・求人応募:約2週間
面接・選考(面接は2回~6回程度):4〜5週間
内定・退社・入社:4〜6週間
厚生労働省が行った「転職までにどれだけの期間が必要だったか」のアンケートでは、「1か月未満」と答えた人が54.5%、「1か月以上2か月未満」が15.5%、「2か月以上4か月未満」が11.9%、それ以上が14.0%となっていますが、管理職や専門職などハイクラスといわれる転職では、求人の少なさや面接回数の多さ、条件交渉・引継ぎ等が長引く理由から、3か月~6か月の期間を要することが一般的です。
出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況―表19性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間階級別転職者割合」
転職スケジュールは逆算して立てる
転職では、いつまでに転職するか(10月入社)を明確にし、逆算してスケジュールを立てることが重要になります。逆算してスケジュールを立てる理由は、進捗具合を自分で管理できるからで、転職活動が順調に進んでいるかを都度確認することができます。
つまり、逆算すると10月入社の場合「6月~7月頃」に転職活動をスタートさせるのが理想です。ただし、転職活動にかけられる時間は人それぞれです。
【急いでいる人・無職の人は8月開始でもOK】
仕事を辞めた人や、急いで転職する必要がある人は8月の転職活動開始でも良いでしょう。
この場合はかなりスピーディーに進める必要があるため、仕事をしながらの転職活動では10月入社に間に合わない可能性もあります。転職エージェントの助けを借りながら、キャリアの棚卸しや情報収集、応募書類の作成は終業後に自宅などで行い、有給休暇を使って面接を行う、というような段取りが必要です。
なお、法律上は退職届は「2週間前」までの提出と定められていますが、会社の就業規則も確認が必要です。9月中旬をデッドラインとしながらも、会社に迷惑をかけないようスピード感のある活動を心掛けましょう。【じっくり進めたい人は4月開始でもOK】
管理職など、現在重要なポジションに就いており引継ぎに時間がかかる人などは、半年前の4月頃から転職活動を開始しても良いでしょう。新しい年度が始まり、新規求人数が落ちついた4月から転職先の情報収集を始め、信頼できる人材コンサルタントを選んで相談し、スキルの棚卸しや今後のキャリアプランをしっかり考えます。
それぞれの企業にあったアピール方法を考えながら5月~6月に応募を始め、7月~8月に新しい就職先を決められると理想的です。この場合は、条件交渉なども余裕を持って進められるでしょう。
10月入社の転職活動スケジュール
ではここで、10月入社を目指す場合の具体的な転職活動のスケジュールと、各段階でのやるべき内容をご紹介します。※ここでは、一般的な転職活動期間である「3か月」を目安としています。
6月:キャリアの棚卸し・自己分析・応募書類の準備
まず、これまでの職務経験を時系列で振り返り、具体的な成果や得られたスキルなどを書き出し、キャリアを可視化しましょう。自身の人材としての価値を客観的に把握することで、どの業界・ポジションが最適か判断しやすくなります。
また、この段階で「なぜ転職するのか」を含めた自己分析も行います。自身の性格や価値観、モチベーションの源、強みと弱み、ライフプランや理想の働き方など、転職の軸を明確に言語化しておくと企業選びのときにぶれが少なくなります。そこから、これからのキャリアで優先したいことに順位をつけておきましょう。
自己分析で転職の軸が決まったら、応募書類の作成に移ります。具体的な実績とともに、組織に与えたインパクトや学んだこと、今後の活かし方とともに、どの業界でも活かせる汎用スキルもアピールしましょう。グローバル案件や外資系企業を志望する場合は、英文履歴書の準備も必要です。ポートフォリオ等補足資料が必要であれば、合わせて準備しておきましょう。
なお、履歴書の志望動機欄は応募先企業ごとに書き分けなければなりませんが、学歴や職歴、所持資格などの「変わることのない部分」はこの段階のときにテンプレートを用意しておくとスムーズです。
7月:情報収集・求人応募・面接対策の本格始動
7月は、目標企業や業界に対するリサーチを行う時期です。各社の特徴やポートフォリオ、中長期的な経営計画はもちろん、業界のトレンドも合わせて収集しましょう。これらの情報収集は、面接での質疑応答で非常に役に立ちます。
同時に、前述の「転職の軸」「優先順位」を意識した求人選定も重要です。早期にキャリアアップが実現できそうか、成果がきちんと評価に結びつく環境かにも注目しましょう。複数社へ同時に応募することで面接の精度を上げられたり、面接の進捗を揃えられ最終的に比較検討して入社を決断できるため、効率的です。
また、この段階から少しずつ面接対策をしていきましょう。想定される質問(退職理由、志望動機、職務経歴、自己PRなど)に対する回答を用意すると同時に、「質問はありますか」と聞かれたときの内容も、ある程度用意しておくと良いでしょう。※質問への回答には、STARメソッドが有効です。
家族や親しい友人、転職エージェントなどにお願いをして、可能な限り「模擬面接」を行っておくことも面接対策では重要です。近年はオンライン面接が主流であるため、Web上でも構いません。話す内容はもちろんですが、自分では気づかなかった話し方やアイコンタクト、笑顔、ボディランゲージなどに対し、客観的な意見をもらえ効果的です。外資系企業に応募する場合には、英語面接への対策も必須です。
8月~9月:面接・内定・退職交渉・有給消化
8月~9月は、実際に面接を受け、内定獲得を目指す時期です。複数社に応募しているため、面接調整が大変ではありますが、有給休暇などを利用して上手にやりくりしましょう。
ただ、この時期は企業の採用担当者が夏期休暇を取得するため、面接日程の確定やレスポンスに時間がかかることがあります。「A社の担当者が休みに入っている間に、面接可能なB社の面接を入れる」などのようなスケジュール調整を行うのが理想的です。また、近年暑さが厳しくなっているため、体調管理や暑さ対策もしっかりと行い、「体調不良によるドタキャン」や「具合が悪く面接に集中できなかった」などの事態が起きないよう注意しましょう。
無事に内定を得た後は、オファー内容の確認・交渉を行い、オファーレターにサインします。その後は、現職との退職交渉や引き継ぎ計画を立てますが、シルバーウィークやチームの繁忙期を見越し円滑な引き継ぎを目指しましょう。また、有給消化まで逆算した計画を立てることが理想的です。
10月入社の転職メリット

10月入社には、どんなメリットがあるのでしょうか?それぞれ解説していきます。
業務が区切りを迎える時期で、組織に馴染みやすい
特に、内資系企業や会計年度が4月や10月からスタートする外資系企業では、10月は年度や半期の区切りとなる時期です。
業務が区切りを迎え、チーム目標などの見直しが行われるこのタイミングで入社することで、既存社員と同じスタートラインに立ちやすくなります。多くの中途社員が同時に入社する可能性もあるため、安心して入社できる側面もあるでしょう。業務プロセスや組織改編に伴う新しい役割や責任が担える可能性も高くなり、転職で成長を目指す人にとってチャンスの多い入社時期といえます。
ボーナスをもらってから辞められる
多くの企業は「夏のボーナス」を支給するため、転職時期を決定するかなり大きな判断材料となります。
10月入社を前提として転職活動をした場合、退職交渉は8月(遅い場合には9月)になるため、夏のボーナスをしっかり取得したあとに余裕を持って交渉ができます。内定先企業との入社日の交渉でも、「ボーナスをもらってから辞めたい」という心理的負担がなく、スムーズに話を進められます。
さらに、新しい職場での賞与の査定期間にもはじめから参加できる可能性が高いため、成果がダイレクトに次のボーナスや昇給へ反映さやすいメリットがあります。
良質かつ豊富な求人が出回る時期である
大手企業を中心に、10月1日入社の求人募集が多く出回ることもメリットのひとつです。求人数が多いため、より自分にマッチしたポジションに出会うチャンスも多くなるでしょう。
加えて、年度後半の事業計画や新規プロジェクトの始動に伴い、企業がより有能な人材を求めて奔走する時期にも合わせられます。これまでにない役割や条件の良い求人が増えることが期待でき、ハイクラス転職やキャリアアップを意識する人にとって、通常期には出会えない価値あるポジションに挑戦できる可能性が高まります。
10月入社の転職デメリット
一方、10月入社にはデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を知ることで、より正しい判断ができるようになりますので、下記で詳しく見てみましょう。
入社決定までに時間がかかる場合がある
10月入社を目指す場合、7月~8月に面接が組まれることが多くありますが、企業の夏期休暇で面接の日程がなかなか決まらないことがあります。特に、外国人が意思決定者である場合長期不在であることも多く、面接結果の連絡や内定通知がなかなか来ないということもあり得ます。
希望する入社時期に合わせて複数企業とやり取りする場合、各社の進捗が大きくずれることで、「第一希望の会社からの返信を待って動くつもりだったのに、返信が来ないため他の企業への返答期限に間に合わなかった」「第一希望の会社の返答を待つ間に他社の面接日程を待ってもらっていたら、熱意に疑問を持たれてしまった」などのリスクが考えられます。
競争率が高く、選考通過が難しくなる
多くの求職者が動く時期であるということは、競争率も高いということです。面接希望者が多いため選考基準が高くなったり、他の候補者の面接まで合否を待たされたりと、選考通過が難しくなる可能性があります。
また、多くの企業は10月をひとつの目安として、プロジェクトや人材配置を見直します。「従来の募集要件とは異なる人材を求める」という企業も出てくるため、面接や履歴書の対策が変わってくることもあるので注意が必要です。即戦力として通じる力や実績を持っている人でも、なかなか採用にいたらない可能性もあるでしょう。
働きながらの転職活動で負担が増えることがある
10月入社を目標に据えると、働きながらの転職活動の場合、現職での仕事のピークと転職活動のピークが重なる可能性があります。
現職では、
体制変更による調整
新しいプロジェクトの計画
目標管理の見直し
引き継ぎ
長期休暇中の同僚のフォロー
などの仕事が次から次へとやってきます。対して転職活動においては、
夏期休暇を取りながらの複数の企業の面接スケジュールの調整
それぞれの企業に合わせたアピール方法の考案
企業側の人材配置の変更や夏期休暇のためのスケジュールの遅れ
などが見られやすくなります。このように、10月の転職にはメリットもデメリットもあります。上記を踏まえ、「自分にとって最適な転職のタイミングはいつか」を考えましょう。
10月入社の転職活動における注意点
さて、10月入社を目指して転職活動を行う際には、この時期ならではのいくつかの注意点があります。
余裕のあるスケジュール管理を
退職交渉のタイミングに注意
円滑な引継ぎと有給取得を踏まえた退職日の決定を
カウンターオファーに注意
それぞれ見ていきましょう。
余裕のあるスケジュール管理を
8月~9月は連休・休暇も多く、面接や最終調整が後ろ倒しになる可能性が高いといえます。企業の人事担当者の異動や、関係部署の在席状況も変わってくることが多くなるため、余裕を持った日程設定がポイントです。
退職交渉のタイミングに注意
退職届を提出する8月は、上長が長期休暇を取ることが予想されます。退職面談や重要な書類の提出はなるべく長期休暇前後を避け、複数の候補日を確保しておきましょう。
円滑な引継ぎと有給取得を踏まえた退職日の決定を
退職交渉の際には、有給休暇取得を含めた現職での最終出社日が転職先の入社日にずれ込まないよう入念な確認が必要です。
法律上は「2週間前に退職届を出せば辞められる」とされていますが、特段の事情(ハラスメント行為が激しい、職場を原因とする著しい心身の不調によって働き続けることが難しいなど)がない限りは、就業規則に基づいてある程度の余裕をもって退職を届け出るべきです。
また、プロジェクトの区切りや目標達成のタイミングを意識し、円滑な業務引き継ぎを行ってから有給が取得できるようあらかじめ計算しておきましょう。特に8月は夏期休暇、9月は連休が続き思うように引継ぎが進まないことも考えられるため、注意が必要です。
なお、業務の引き継ぎについては、
担当業務の進行状況(特に未完了タスク)
関係部署との連携プロセス
具体的な作業フロー(マニュアルを事前に作成できれば尚良し)
連絡先リスト
を、早い段階でまとめておきましょう。引き継ぎ相手が複数となる場合は、優先順位や対応スケジュールを部署・担当者・タスクごとに明示すると現場の混乱を防げます。
カウンターオファーに注意
10月が組織変更や配置変更のタイミングである場合、現職でもそれに向けた面談が行われる時期です。退職を申し出た際に、「異動」や「昇格」などのオファーを受ける可能性があります。
いわゆる引き留め工作であるカウンターオファーですが、承諾するとメリットよりもデメリットが多く、おすすめできません。退職の意思を伝えた時点で上司の信頼を失っており、キャリアに傷がつく恐れがあります。カウンターオファーを受けた際は、今一度「なぜ転職したかったのか」を思い出し、毅然とした態度で退職の意思が固いことを示しましょう。
業界別|おすすめの転職時期

業界ごとに採用活動のピークや求人市場の動きは大きく異なります。10月入社を見据えた転職を計画する際には、それぞれの業界特有のタイミングや背景を正確につかむことが大切です。
製薬・医療機器業界
製薬・医療機器会社では、組織体制の見直しや人員配置の変更が4月、10月に行われやすい傾向にあります。このため、その前の時期にあたる1月~3月、7月~9月に転職活動を行うのがおすすめです。
ただし、製薬会社や医療機器メーカーは、新薬・新規製品の上市のタイミングに合わせて求人募集を行う傾向にあります。特に営業職の場合は、大きな売上が見込める新製品発売前に大量の人員を募集します。日頃から転職エージェントと連絡を取り、タイミングを逃さないようにするのが成功のポイントです。
IT・テクノロジー業界
IT・テクノロジー業界は、一般的に10月、12月、3月に求人情報がよく出される傾向が見られます。これを踏まえると、7月~2月が転職活動に最適な時期となりますが、IT業界は人材不足の問題を抱える業界であり、一年を通して求人広告は出ているといえます。
特に、
クラウドサービス
サイバーセキュリティ
データ活用関連・デジタルマーケティング
DX
などのプロジェクトのリード経験がある人は、非常に転職しやすいといえます。実務経験が1年程度しかないジュニアレベルの人材であっても、スキル次第では好条件での転職が可能です。
金融業界
金融業界では、1月~3月、6月~8月、11月~12月に中途採用が積極的に行われる傾向があります。
1月~3月は、年度末や新年度に向けた動きが活発になる時期であり、6月~8月は夏のボーナス支給後の退職者の欠員補充、11月~12月は年末年始を見越した採用活動がピークを迎える時期で、新年のスタートを意識した求人が多い時期といえます。
サービス・消費財業界
サービス業や消費財業界では、四半期やシーズンごとのキャンペーンや新商品展開に合わせて組織改編・強化・見直しが進むため、10月入社を前提とした求人が多くなります。
特にブランド戦略やSNS戦略、デジタルマーケティング、オムニチャネル推進など、消費者動向の変化を反映した仕事経験があれば、好条件での転職が可能になるでしょう。
SAP導入プロジェクトやサプライチェーン最適化、オペレーションエクセレンスなど、現場変革をリードできる即応力を持つ人が重視される傾向があるのもこの業界の特徴です。
外資系企業へ10月入社を目指す場合の転職活動のポイント
外資系企業の採用状況は、グローバル本社全体の業績や会計年度のタイミングと連動する傾向が強まります。外資系企業の会計年度は一般的に1月~12月が多く、新しい年度に向けて人材を確保したいと動き始める企業が多いため、10月はひとつの好機となるでしょう。
外資系企業の場合は、特に実績・能力を重視するジョブ型雇用が一般的です。チームなどのマネジメント経験があること、また転職先でもリーダーとしてすぐに戦力となり得るスキルを持っていることは、外資系企業への転職を有利に進める要素となります。クロスボーダーでの業務推進や、異文化環境での就業経験がある人も比較的転職がしやすいでしょう。
外資系企業の選考で求められる資質
自分の意見を持ち表現できる:外資系企業では、自己主張=自分の意見をはっきりと表現する能力が高く評価されます。多様な文化や価値観が交差する環境で、自らの立場や考えを明確に伝えることがプロジェクトの成功に不可欠だからです。また新しいアイデアや改善提案を積極的に行う姿勢も求められます。
国際的な視点を持っている:グローバルなビジネス展開を行う外資系企業では、異文化への理解や国際的な市場動向に対するアンテナも欠かせません。世界各地の顧客やチームメンバーと効果的に働くためには、幅広い視野と多様性への柔軟な対応力が必要です。
専門的なスキルを持っている:ジョブ型雇用が定着する外資系では、高度な専門知識や特定の技術スキルが最も重要視されるポイントのひとつです。自身がいま持つスキルだけで満足せず、つねに業界の最新トレンドのキャッチアップやスキル向上を図り、どの企業に行っても活躍できる競争力のある人材を目指しましょう。
目標に対するコミット力がある:外資系企業は結果重視の実力主義です。ミッション(目標)を確実に達成できるコミット力のある人材が求められますので、転職活動では具体的な数値を示しながら、これまで得た具体的な評価や目標達成の実績についてアピールすることができれば、高い評価につながります。
コミュニケーション能力がある:外資系企業では日系企業のような「察する」文化はありません。バックグラウンドの異なるチーム内外の人々や多数のステークホルダーに対し、はっきりと、なおかつ円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。
英語力・語学力がある:外資系企業で求められる英語力は、基本的なメールの対応から交渉、折衝といった高度なビジネスレベルのコミュニケーションまで幅広く、TOEIC600点以上が一般的な最低ラインとされます。しかし、具体的な要件は職種や業界によって異なり、特に管理職以上では高度な英語コミュニケーション能力が必須となります。
※詳細は、「外資系企業に向いている人の特徴は?評価されるポイントやスキルもご紹介」をご覧ください。
一般的な外資系企業の採用面接プロセス
外資系企業では、おもに以下のようなプロセスで採用へと進みます:
求人の確認と選定・応募
書類選考(スクリーニング)
数回の面接
リファレンスチェック
最終面接
内定と条件交渉・オファー面談
なお、外資系企業は業界や企業ごとに、ループ面接やケース面接など独自の面接形式や選考ステップが導入されるケースも多く、転職エージェントなどを通じて事前のリサーチと対策が必要となります。
グローバル人材としてのキャリアを形成する
外資系企業への10月入社を果たすことで、グローバル本社やAPACなどの地域チームとの協業ができたり、経営層と直接やり取りするチャンスが拡大したりする可能性が高まります。新年度の戦略や組織課題に早い段階から携わることができるため、戦略企画やガバナンス強化、グローバルプロジェクトなどに、より深く関われるようになるでしょう。そしてこれは、今後のグローバル人材としてのキャリア形成においても重要な意味を持ちます。
また、外資系企業では自立的・自律的な働き方が求められるため、入社直後から目標達成に向けた行動や、裁量に基づく自己決定を期待される場面がよくあります。入社直後から、他部署や他地域とのネットワークづくりや、課題発掘・解決の意識を持って業務を行うと高い評価を得られやすくなります。
転職時期を決める前に確認しておきたいこと
10月入社を目指す人のなかにも、最適な転職時期が判断できず迷っている人も多いのではないでしょうか。
「いつ転職するのが最適か」については、企業側の需要のほかに以下のような要素も考慮すると、より満足度の高い転職活動ができる確率が高まります。
現在の年齢を考慮に入れる
転職市場は、若手であるほど採用までのハードルが低いのが現状であり、すでに転職を決意しているのであれば早めに行動に移すのがベターです。
年齢よりも専門性や経験が重要ではあるものの、同じようなスキルであれば40歳の候補者よりも39歳の候補者が書類選考を通過しやすい、という現実があります。ぜひ、自身の年齢も考慮しながら今後のキャリアについて考えてみましょう。
ボーナスの支給時期を考慮する
ボーナス支給後の転職を考えるなら、支給時期の1ヶ月前程度から活動を始めるのがおすすめです。6月~7月や12月のボーナス支給を想定し、5月~6月または11月頃から活動を開始すると、タイミングよく転職できる可能性が高まります。
なお、退職の意思表示によってボーナスを減額する企業もあります。現職の就業規定を確認し、ボーナス支給後に退職面談を行うようスケジュールを立てましょう。
年末調整に注意する
年末調整は現在所属している企業が行うのが原則であるため、年末調整が行われる10月~12月の退職・就職には注意が必要です。例えば、10月末で退社し11月に最終の給与支払いを受け、12月に新しい会社に就職したといったケースの場合、自分で年末調整を行わなければならない可能性がでてきます。
転職エージェントに、最も負担のない退社日・入社日はいつなのか相談すると確実です。詳細はこちらの記事をご覧ください。
時期にこだわりすぎない
転職しやすい時期の知識は有用ですが、過度にこだわる必要はありません。キャリアアップの機会や現職の業務状況など、個人の事情も大切にすべきです。理想的な求人は予測不可能なタイミングで市場に出ることがあるため、常に転職エージェントとコンタクトを取り続け、準備を整えておくことが大切です。
転職市場に出てこない欠員補充の求人や上級レベルの求人情報は、転職エージェント限定で応募を受け付けていることが少なくありません。特に中途採用がメインの外資系企業などの場合、エイペックスのような外資系専門の転職エージェントを活用することが理想の転職の秘訣です。ぜひ、下記のボタンからお気軽にご相談下さい。
転職エージェントを活用するメリット

転職活動を成功に導くためには、情報収集力とタイミングの見極めがひとつの鍵となります。特に10月入社を視野に入れる場合、市場の採用動向や志望企業の最新情報をしっかりつかむ必要があります。
このような情報収集には、転職エージェントの持つ各企業とのネットワークとリアルタイムの求人情報が大きな武器となります。各企業内の新規プロジェクトや組織改編情報などを把握しており、企業がどんな人材を求めているのか、また採用が活発化する時期をよく知っています。
さらに、転職エージェントは各社の選考プロセスの特徴にも精通しており、場合によっては調整をかけることのできる立場でもあります。条件交渉も間に入って行ってくれますので、非常に心強い見方となるでしょう。
転職エージェントが持つ強みとは
転職エージェントを味方につけることで、転職活動を有利に進めることができます。
以下で、代表的な転職エージェントの強みを見ておきましょう:
最新の市場情報が得られる:エイペックスのように業界に特化した転職エージェントの場合、コンサルタントはその業界や職種に精通しているため、最新の求人情報や各社の動向について情報をもらうことができます。良い企業が見つかって応募が決定した場合には、その企業や所属するチーム、面接官などについても情報をもらうことができ、面接通過の可能性を上げることも可能です。コンサルタントはほぼ毎日採用担当者とやり取りをしているため、最も最新で信頼できる情報をもっている心強い味方となります。
非公開の求人を紹介してもらえる:企業や一般の求人サイトでは確認できない非公開の求人を紹介してもらうこともできます。ウェブサイトでは求人情報の更新が遅れ、既に募集終了の求人情報が掲載されたままということもあります。新着の求人を紹介してもらえることで、他のライバルよりも早く採用担当者の目に留まることも考えられ、内定へのステップを早めることが可能です。
企業にあなたを売り込んでくれる:採用担当者の一番近くにいるのが転職エージェントの人材コンサルタントであり、企業の上層部との強いコネクションを持つコンサルタントもいます。コンサルタントと直接話をすることで、書面上のあなたのキャリアだけでなく、あなたの人と成りや考え方を理解してもらえ、プラスアルファのあなたの魅力を直接企業に売り込んでくれます。特に企業が二者択一で迷っている場面などでは、あなたの魅力を実際に知っているほうが、コンサルタントもより熱心に採用担当者を説得してくれるでしょう。
履歴書の添削や面談対策を行ってくれる:コンサルタントは毎日何通もの履歴書に目を通しているため、見やすい・アピールしやすい・書類選考を通過しやすい履歴書が何であるかを熟知しています。エイペックスでは履歴書・職務経歴書をきれいにフォーマットして添削してくれますので、あなたの時間と労力の大幅な削減が可能です。もちろん英文履歴書の作成もサポートしています。実際に応募が決まったあとは、面接の日程調整や面接情報の提供だけでなく、想定質問の洗い出しや模擬面接まで実施してくれ、あなたの面接合格を全面的にサポートしてくれます。
10月入社の転職についてよくある質問 (FAQ)
最後に、10月入社の転職についてのよくある質問と、その答えを記していきます。
Q. 10月入社を希望する場合、転職活動はいつ始めれば良いですか?
A. 6月~7月から開始するのが一般的
10月は転職・再就職が活性化する時期です。企業の採用強化が始まる前に動き出すことで、より多くの選択肢に出会いやすくなり、現職の業務完了や退職に必要な期間も確保できます。少し早めに6月から転職活動を開始して、7月中にある程度応募先を定めて書類準備などを完成させると、無理なく転職活動を進めていけます。
Q. 10月入社の求人が増えやすい業界は?
A. どの業界も増えやすいが、金融業界は特に増えやすい
10月は下半期の事業計画や組織改編に合わせて、多くの業界で採用ニーズが高まります。特に、金融業界での専門職やエンジニア関連職で求人・採用が活発化します。
Q. ボーナスを受け取ってから転職する場合の注意点はありますか?
A. 事前に現職の就業規定を確認する
事前に、ボーナスの支給月やボーナスに関する現職の規定を確認しましょう。 「ボーナス支給後、〇か月以内に辞める意思を表明している従業員に対しては、そのボーナスの〇割を減額する」と設定している企業もあります(法律上有効)。ボーナス支給月や企業独自の規定を事前に確認し、支給後の退職手続きを計画的に進めることが重要です。
Q. 面接日程が夏休みや連休と重なる場合、どのように対応すべきですか?
A. 事前に面接日時の調整を申し出る
希望する企業が長期休暇中の場合は、次の面接日まで期間が空くこともあります。複数の希望日時を提示し、「できるだけ早い段階で面接をしてほしい」と依頼することで、遅れを最小限に抑えられます。
Q. 10月入社に向けて複数の内定をもらった場合、どのように選択すれば良いですか?
A. 事前に決めておいた優先順位を再度確認し、一覧表を作成する
内定先ごとに、職務内容・将来のキャリアパス・ワークライフバランス(ワークライフインテグレーション)などを整理し、一覧表などで可視化して比較しましょう。事前に決めておいた優先順位を再度確認しながら、条件だけでなく、成長のための環境や、自身の価値観との一致を総合的に評価して決定することで、後悔のない転職が可能になります。
Q. 外資系企業の10月入社では英語力はどの程度求められますか?
A. 部門によりさまざまであるが、日常会話レベル以上が一般的
一般的に、管理職以上はグローバル本社へのレポートやプロジェクトでの連携が発生することが多いため、実務レベルでの英語力が期待されます。口頭でも読み書きでも問題なく意思疎通ができるレベルが求められますが、TOEICでは700~730点以上、企業から評価を得やすいのは800~850点以上です。ただし、スタッフレベルや書面・口頭での簡単な対応が必要というレベルであれば、日常会話レベル以上、TOEICでは600点以上とする企業もあります。たとえ規定のレベルに到達していなくても、熱意や学習意欲を考慮してくれる企業もありますので、あきらめず応募してみましょう。
Q. 働きながら転職活動を行う際のポイントは?
A. 現職に迷惑をかけないようにするのが基本
特段の事情がある場合を除き、現職に迷惑をかけないよう進めるのが基本です。
転職活動のスケジュールを明確にし、現職の繁忙期や会議日程と重複しないよう事前調整を心掛けます。なお、オンライン面接や書類提出のタイミングを柔軟に設定することで、業務への影響を最小限に抑えられます。
転職を考えているならまずはエージェントと話そう
中途採用は新卒の時とは異なり、求人が出る時期は一定ではありません。一般的には、4月や10月などの決算期の変わり目に求人が増加する傾向はありますが、その時期に自分の要望に合った求人が出ているかは別問題です。そのため、すぐの転職はもちろん、将来的なキャリア形成のアドバイスをもらいたい場合は、転職エージェントに登録して常日頃から市場情報を把握しておくことが大切です。また、自己分析や情報収集など、できるところから進めていくと、気になる求人が出た時にすぐに応募して選考に移ることができます。
転職市場は、業界や職種ごとに採用の動向や企業の方針が大きく異なります。特に10月入社を見据える場合には、転職エージェントの手を借りて効率的に進める必要があります。まずはお気軽に、無料相談からスタートしてみてください。