現在転職を考えている人のなかには、スタートアップに興味を持つ人もいるでしょう。ただ、情報が少なく不安定なイメージもあるため、「スタートアップに興味はあるけれど、自分に合っているかわからない」と感じる方も少なくありません。
スタートアップ転職では、自分の適性を知るだけでなく、企業の見極め方や転職後のリスク も理解しておくことが大切です。そうした全体像を知りたい方は、総合ガイド「スタートアップ転職で後悔しないために〜注意点と企業の見極め方」も参考になります。
本記事では、主に 「自分はスタートアップに向いているのか?」 に焦点を当て、 「そもそもスタートアップとは何か」「向いている人の特徴」「適性の見極め方」「転職前の確認事項と注意点」「成功事例」について解説します。
転職すべきか迷っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
スタートアップに向いている人とは?現場の視点から解説
スタートアップとは?
スタートアップに向いている人の特徴は?
スタートアップに自分が向いているか見極める方法
スタートアップに転職する前に確認すべき5つのこと
スタートアップに転職する際の注意点
スタートアップへの転職成功事例とコンサルタントからのアドバイス
スタートアップ転職で迷ったらエイペックスにご相談を
スタートアップに向いている人とは?現場の視点から解説
スタートアップで成果を上げる人には、どのような共通点があるのでしょうか?
下記のポッドキャストでは、ITチームのマネージャーを務める幾島 俊が、スタートアップで活躍する人材の特徴や求められるスキル・思考法、転職成功の秘訣などについて解説しています。
政府の成長戦略やAI登場がもたらす業界変化についても触れていますので、キャリアの方向性を見直したい方だけでなく、今後の市場動向に関心のある方にもおすすめの内容です。ぜひ、ご覧ください。なお、ポッドキャストの全編はYouTubeでご覧いただけます。
スタートアップとは?
では、そもそもスタートアップとはどんな企業を指していうのでしょうか?
一般的には、「最新技術や革新的なアイデアをもとに、創業から間もない期間(長くても10年程度)に、大きな成長を見せる企業のこと」と解釈されています。
最初は赤字でも短期間での急成長を目指すのが特徴で、投資家からの資金調達を活用しながら限られた期間で市場を一気に開拓する戦略が基本となります。「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レイター期」の4つの成長フェーズに分けられ、最終的にはM&AやIPO(新規株式公開)、スケールアップなどの出口戦略へとつなげていきます。
多くのスタートアップが集まるのはテクノロジー領域であり、特に近年はX-Tech(ヘルステック、グリーンテック、フィンテックなど)と呼ばれる産業でサービスを取り扱う企業が多く見られます。スタートアップでは役割や業務範囲が流動的なため、不確実なぶん大企業にはない成長機会もあるエキサイティングな業界といえるでしょう。
スタートアップに向いている人の特徴は?

変化のスピードが速く、役割も固定されていないことが多いスタートアップですが、「自分には無理かもしれない……」とすぐにあきらめる必要はありません。
スタートアップに必要なのは、「なんでもこなせるオールラウンダー」ばかりではなく、成長したいという意欲や変化を楽しめる人であり、周りにポジティブな影響を与えられる人です。
どんな特性を持つ人がスタートアップに向いているのか、下記で見てみましょう。多く当てはまる人ほど、スタートアップ気質である可能性が高いでしょう。
1. 成長意欲があり、挑戦を恐れない人
もともとスタートアップは、「(新しいサービスで)世の中に変化をもたらすこと・新しい価値観を与えること」などを目的としてはじまる企業であり、そこに勤める人にも同じ気質が求められます。
そのため、スタートアップで働くためにもっとも重要となる特性のひとつは、「挑戦を恐れない心」です。まだ世の中にない新しいサービスやビジネスモデルを創造するため、「失敗」を重ねて改善していくことが業務プロセスの前提になります。失敗しても臆することなくプラスに捉え、そこから学んで次に活かそうとする姿勢が求められます。
加えて、「成長意欲が高い」ことも非常に歓迎される要件です。変化のスピードが速く、常に新しい挑戦が求められるスタートアップでは、自ら学び、成長し続けようとする姿勢が何よりも重要です。個人の成果がダイレクトに会社の成長につながる環境であるため、意欲的な人ほどチャンスをつかみやすくキャリアの成長につながります。
2. 主体性・自走力がある人
主体性と自走力は、スタートアップで結果を残すために最も必要となる資質のひとつといえます。
明確な役割や業務プロセス・マニュアルのないスタートアップでは、指示を待つのではなく「何をすべきか」、「どうしたら成果が出せるか」を自分で考え、自ら行動に移せる人でないと務まりません。事業がまだ安定していないため、課題を見つけたら解決に向け柔軟に行動できる人ほど周囲に信頼され、成長の機会を得やすくなります。
そのため、「与えられた仕事だけを着実にこなしていきたい人」「上司からの指示を効率良く行っていくことにやりがいを感じる人」は、スタートアップにはあまり適性がないといえます。
3. 「安定」よりも「可能性」を重要視できる人
スタートアップは、大企業や老舗企業に比べて安定性の面では劣ります。組織としての基盤が完全に整っていないぶん不確実であり、事業の方向性や役割が変わることもしばしばあるため、安定した働き方を求める人には向かないでしょう。
スタートアップはその特性上大きな成功を目指しているため、「安定」よりも「可能性」を重視し、現状に満足せず新しいことにトライしようと努力する人に向いている企業です。会社の理念に共感し、「自分の力で会社を育てていきたい」と自分事として考えられる人を企業は求めています。
今は成長段階で不安定であっても、自分の行動が会社の未来を左右するという意識を持って可能性を求めることで、それが結果につながったときに大企業では味わえない大きなやりがいを得ることができるでしょう。
4. 優れたコミュニケーション能力を持つ人
スタートアップでは、ひとりの社員が多くの業務をこなす必要があり、オールラウンダーとしての活躍が求められます。そのように兼務する仕事が増えるほど、社内外で関わる人も多くなるため高いコミュニケーション能力は欠かせません。また、営業職・採用職・開発職など職種によって求められるコミュニケーションの方向性が異なるため、どの分野でも柔軟に対応できる器用さも必要になります。
スタートアップは少数精鋭の組織であり、一人ひとりの影響力が大きいのが特徴です。良好な人間関係を築き、チーム全体のパフォーマンスを引き上げられる人は組織の成長の求心力となり、事業拡大に直接貢献できる人材として重宝されるでしょう。
5. オーナーシップや責任感を持って仕事に当たれる人
スタートアップでは、「自分の仕事は自分で責任を持つ」という意識で最後までやり抜く姿勢が求められます。少数精鋭で一人ひとりの業務量が多く、周囲の助けをすぐには借りれない環境であるためです。
そのぶん、主体的に改善策を提案したり、新しいプロジェクトに挑戦したりするなどオーナーシップを持って仕事に当たることができ、自分の仕事ぶりが組織全体に影響する実感を得ることができます。このようななかでは、自分の発言や判断に責任を持ち、失敗や予期せぬ問題が生じた際にも冷静に対応し、次の行動を考えられるメンタル面の強さも必要となります。
6. 情報収集能力と取捨選択能力がある人
「新しい分野」に挑戦し続けるスタートアップでは、新しい技術や市場の動向、競合情報、顧客ニーズなど、事業の方向性や戦略策定のための情報収集能力が必要になります。変化の速いビジネス環境であるため、タイムリーな情報収集ができるという点も不可欠です。
ただ、流れてくる情報は有益なものばかりではありません。重要な情報を見極め、優先順位をつける取捨選択能力も同時に求められます。すべての情報を整理して吟味する時間はスタートアップにはなく、限られた情報で迅速に意思決定を下す必要があります。ここで適切に判断できるかどうかが、個人の成果だけでなくチームや事業全体の成否にも直結するため、高い情報収集能力と取捨選択能力は重要です。
7. 「当たり前」に疑問を持ち、アイデアに変えられる人
新しいサービスや商品の開発は、私たちが日常で感じる「ちょっとした不便」や「これがこうだったら良いのに」「こういうものがあれば便利なのに」というところから生まれます。言い方を変えれば、普段何気なく過ごしているなかで、このような「不便さ」を感じ取れない人は、新しいサービスや商品の必要性を感じることができません。
そのため、仕事以外の場面でも常にアンテナを張り巡らし、既存のものや当たり前にあるものに対して疑問を持てる人がスタートアップには向いています。
ただ、単に「不便だ」と感じるだけでは不十分であり、「なぜ不便なのか」「どう改善すれば新しい価値創出につながるのか」のアイデアを持ち、それを論理的に説明できる人が重んじられます。つまり、「アイデア+提案力」のセットがある人が高い評価につながるでしょう。
8. 変化を柔軟に受け入れ、楽しめる人
「技術は日進月歩」だといわれますが、特にスタートアップが取り扱う技術はこの傾向が顕著です。技術だけでなく、業務内容や組織体制、働き方なども急激かつ極端に変化することも十分あり得ます。
「挑戦を恐れない」にも通じますが、スタートアップに勤める人はこのような著しい変化に対し戸惑うのではなく、「成長のための変化」としてポジティブに捉えられるマインドが必要です。柔軟に、可能であれば楽しんで変化を受け入れ、必要な対応を自ら考え行動できる人でなければなりません。
「毎日着実に、変わらずに仕事をしていきたい」という思考の人がスタートアップに入ると、多大なストレスを感じることになるでしょう。
9. 失敗しても、前向きに立ち直れるレジリエンスのある人
スタートアップはスピード感と変化の大きい環境であり、想定外のトラブルや失敗が日常的に起こります。
経済産業省がまとめたデータによれば、スタートアップ起業家のうちの84.8%が「失敗経験がある」とし、そのうち46.4%が資金繰りが上手くいかなかったことを「失敗原因のなかでもっとも大きかった要素」としています。また、「不良債権が発生した」も10.1%をマークしていて、スタートアップが資金難によって頓挫することは決して珍しくないことが示されています。
このような不安定な環境のなかで結果を出し続けるには、「失敗を恐れず挑戦する」だけでなく、「失敗しても前向きに立ち直れる強さを持っている」ことも大切です。プロジェクトや会社が成功するために必要な要素を考え、実行に移しながらも、「もし倒産したらどうするか」までを考えて、速やかに立ち直れる経済基盤・精神的余裕を持っておくことが重要です。
また、いわゆる「つぶしの効く資格」をあらかじめ取得しておくのも良いでしょう。
「スタートアップに向いている気質・性格を持っているかどうか」を事前に知ることは、非常に重要です。これを知らなければ、スタートアップに向いているかどうかわからず入社してしまい、あとでミスマッチに気づく可能性があるからです。
ただ、スタートアップ向きの資質が少なくても、企業の理念に非常に共感していたり、情熱を注げる分野であるなど本人にやる気があれば十分に転職することは可能です。また、「スタートアップに向いていない=企業人として能力がない」、というわけではありません。
出典:経済産業省近畿経済産業局「【アンケート調査結果】スタートアップ約300社にサイチャレンジについて聞いてみた。」
スタートアップに自分が向いているか見極める方法
上記で挙げた「スタートアップに向いている資質」を踏まえたうえで、自分がスタートアップに向いているかどうかを見極める方法について考えていきましょう。
自分の資質を見極める方法として、「自己分析を行って自分を知る」「情報収集をして業界や企業を知る」「第三者の視点を取り入れる」の3つがあります。それぞれ解説していきます。
方法① 自己分析を行い、自分を知る
転職でもっとも大切なことのひとつは、「自己分析を行い、自分を知る」という工程です。自分がスタートアップに向いているかを判断する際にも、最も基本的で有効な方法のひとつとなります。
まずは、自分はどんなスキルや強みを持っているのか、どんな働き方や環境が理想なのか、将来どんな自分になっていたいのかを整理するところから始めてみましょう。
自分のスキルや強みを洗い出してみる:
最初にすべきことは、「自分のスキル・強みを洗い出す作業」です。今までのキャリアで積んだ経験や現在保有しているスキル・資格等をリストアップし、自分の強みと成果を評価しましょう。
現在保有するスキルは、直接業務で活用するものばかりである必要はありません。コミュニケーション力やリーダーシップなどのソフトスキル、プロジェクトやチームをマネジメントした経験やスキル、困難な状況でも柔軟に対応した経験や能力、国籍・背景の違うチームと協働できる異文化環境への対応力なども含まれます。
この過程で自分の強み・弱みを明確にし、理想のキャリアビジョンと照らし合わせることがミスマッチを防ぐ最良の方法です。
性格・価値観について考えてみる:
自分の性格や、どんな環境で力を発揮できるタイプなのかも考えてみましょう。
一人でコツコツとのんびり作業するのが好きなのか、チームメンバーと協力してプロジェクトを進めたいのか、異文化環境が好きなのかなど、どのような仕事の仕方や環境であれば楽しめるのかを理解しておけば、どんな職場が向いているかを判断するのに役立ちます。
また、仕事に対する自分の価値観を明確にしておくことも重要です。「収入」「キャリアアップ」「ステータス」「ワークライフバランス」「仕事と育児の両立」「やりがい」など、仕事をするうえで何を重視するか、またその優先順位を考えておくと企業を選択する際に非常に役立ちます。
将来のキャリアビジョンを明確にする:
自分のスキルや強み、性格や価値観に合った職場環境が見えてきたら、次は今後の目標や達成したいことを考えてみましょう。理想とする将来像が明確になることで、「その企業への入職が自分のキャリアにとってプラスになるか」を判断しやすくなります。
理想の将来像は人によって異なります。将来的に起業を目指す人もいれば、自分の価値観と合う企業で働くことを重視する人、あるいはプライベートを大切にした働き方を望む人もいるでしょう。 「今」の条件だけでなく、「将来どうありたいか」を見据えることが、企業選びを成功させるコツです。
方法② 情報収集を行い、業界や企業を知る
「自分を知る」と同時に、相手である「企業について知る」ことも適性を見極めるうえで欠かせません。市場動向や業界情報と同時に、希望する企業のビジョンや価値観・社風・働き方などについて情報収集し、自分の志向や適性とのマッチ度を確認しましょう。特に、その企業の先行きが明るいものであるかどうかを見極めることも重要です。
また、複数の類似した求人情報を集めて、比較検討することも有効です。同じ業界・同じ職種であっても求める人材像が異なることはよくあるため、情報収集を行うことでより自分のスキルや価値観にマッチした企業を選ぶことができます。
※「この企業の理想に強く共感しているので、この企業に入るために現職を辞めるつもりである」などのような強い動機がある場合は除く
方法③ 第三者の視点で確かめる
企業への適性を見極める方法として、「自己分析と情報収集が重要である」としましたが、より迅速に、より正確に確かめるためには転職エージェントの力を借りるという方法があります。
自分自身のことを言語化するのは意外と難しいものですが、転職エージェントはその言語化を手伝ってくれる存在です。人材コンサルタントに相談することで、顕在化していなかった自分の本当の希望(「年収アップを第一の希望にしていたが、本当はプライベートを重視できる働き方ができるなら、年収の上がり幅は小さくても構わなかった」など)や、意外な強み(「〇〇で行ったルーチンワークの業務改善経験が、スタートアップで必要な主体性や発想力として評価される」など)を引き出してくれることもあります。
また、スタートアップは大企業や老舗企業とは異なり、口コミなどの数が非常に少ない(あるいは0)のこともあり、情報が集められないこともあります。エイペックスのように、実際に採用担当者とコミュニケーションを取る転職エージェントを活用することで、企業の正確な情報が得られると同時に、その企業への適性についてもアドバイスがもらえます。
スタートアップでは、カジュアル面談を行っている企業が多くあります。まだその企業に応募するかはっきりとわからない場合には、面接の前にカジュアル面談で自分と企業の相性を測ることができますので、ぜひエイペックス相談してみてください
スタートアップに転職する前に確認すべき5つのこと

スタートアップは、安定という点では大企業や老舗企業に劣る面があります。また、求人条件や求人情報が精査し切れていないこともあり、文字だけでは情報が掴みきれないこともあります。
そのため、スタートアップに転職を希望する際には、下記の5つのポイントを意識して確認する必要があります。
1. 企業のビジョン・ミッションに共感できるか
企業のビジョンやミッション、方向性や事業内容に共感できるかどうかは、仕事のモチベーションに大きく左右します。そして従業員一人ひとりの仕事へのモチベーションは、ときにプロジェクトの成功の可否そのものにも影響を与えます。
特に創業間もないスタートアップでは、待遇や働き方の面で整備されていない部分も多いため、「この会社で実現したいことがある」「この製品開発を成功させて自分も開発者として成長したい」という内発的なモチベーションに支えられます。予期せぬ困難が発生した際にもこのモチベーションが大きな力となるため、事前に企業のビジョンやミッションと、自分の理想が一致するかをよく調べることが非常に重要です。
2. 資金状況と事業の安定性はどうか
スタートアップは既存の企業に比べて、資金面が不安定であることはよく指摘されます。ただそのなかでも、比較的資金状況が良い企業と、収益構造が不安定な企業があります。
投資家からの資金調達状況や資金の使い道、収益モデル、将来のスケーラビリティなどを客観的に把握し、将来の倒産・給与不払い等のリスクを冷静に見極めましょう。企業の理念への共感や成長への意欲はとても大切ですが、自分が将来にわたって活躍できる環境なのか、現実的な経営基盤を持つ企業かどうかを確認してから応募するようにしましょう。不安な場合には、転職エージェントに相談してみましょう。
3. 役割と裁量の範囲は明確か
スタートアップは従業員一人ひとりが任される業務の範囲が広く、その範囲も曖昧な場合が多いといえます。それがスタートアップの面白さでもありますが、自分のスキルや志向と大幅に乖離した役割を求められる場合、モチベーションの低下や会社への不満につながります。
入社前に、「自分が担う役割」と「どこまで意思決定できるか(裁量の範囲)」を確認しておくことが重要です。自分がどのような立場で貢献できるのか、組織の意思決定プロセスのなかでどの位置に立つのかを把握しておくと、納得感のある転職につながります。
4. 組織文化・チームの雰囲気は自分に合っているか
スタートアップへの転職では「スキルマッチ」が重要ですが、同じくらいに「カルチャーマッチ」も大切な要素です。社員数の少ないスタートアップでは、社員同士や経営層との距離が近くなるため、企業文化やチームの雰囲気によって働きやすさが大きく変わってくるからです。
例えば、「若い人ばかりで子育て世代に対する理解が乏しい」「上下関係がなくフラットで意見を伝えやすい」「成果主義で、他チームが困っていても関与しない」など、会社ごとに社風は大きく違います。面接やカジュアル面談などの場で、チームの柔軟性や協力体制、コミュニケーションの取り方などを見極め、自分とのマッチ度を判断してから転職するようにしましょう。
5. キャリアパスの見通しはあるか
スタートアップでは、成長に合わせて組織構造が大きく変わる可能性があるため、明確なキャリアパスが用意されていないことも多くあります。
そのため、「入社後にどのようなスキルを身につければ、将来どんなチャンスがあるのか」を事前に確認しておくことも、充実したキャリアを構築するうえで大切です。成果次第で大きなキャリアアップも見込めるスタートアップでは、これが仕事の大きなモチベーションにつながる可能性もあります。面接や面談で、会社が社員のキャリア成長についてどう考えているかについて具体的な話を聞けるよう質問しましょう。
なお、これらの情報を個人で調べるには限界もあります。応募先企業をより具体的に知るためには、プロである転職エージェントの力を借りるのが効率的です。
スタートアップに転職する際の注意点
では、実際にスタートアップに転職する場合、大企業と比べてどんな変化が予想されるのでしょうか。
下記で、スタートアップに転職した際に考えられる変化を注意点として挙げておきましたので、許容範囲であるかどうか確認しておきましょう。
大企業からの転職では年収ダウンの可能性がある
スタートアップへの転職は、選ぶ企業によっては収入や待遇面のリスクもともないます。
企業としての体力がまだないため、基本給が低めに設定されていたり、インセンティブやストックオプションでそれを補う報酬体系であったりします。
自分の成果が自社の利益となり報酬が上がるまでにタイムラグが発生するケースはありますが、結果が出せれば大手企業では考えられないスピード感で高い報酬を得られたりと、スタートアップはその成長機会が魅力です。そのため、大手企業のような安定した高収入や手厚い待遇が転職の優先順位の場合、スタートアップへの転職は慎重に考えるべきです。
業務内容が幅広く、人手不足でハードワークになりがち
スタートアップは、とにかく人手が足りません。そのため一人ひとりの業務量が多く、ハードワークになりがちだというデメリットがあります。福利厚生や研修制度が未整備なことも多く、忙しい状況で働くことになるため、休日出勤や残業・早出が余儀なくされるケースもあります。
もちろん例外もありますが、「技術屋として入社したのに、営業面でのサポートもかなり担うことになった…」ということもあるかもしれません。「何でも屋」として複数の役割を担うことで、自身の専門性が薄まるというリスクもあるでしょう。
ただし、ハードワークであることには変わりませんが、働く場所や時間については柔軟なスタートアップは多くあります。最近は経営者も従業員の働きやすさを重視していることが多く、リモートワークや独自の休暇制度を設けるなどの施策を導入しているため、事前に待遇について調べてみると良いでしょう。
変化への迅速な対応が求められる
スタートアップでは、事業の拡大にともないビジネス環境や経営方針の転換が多発します。
それにより、自身の役割や仕事の優先順位、裁量権に変化があったり、チーム体制や業務プロセスが変わったりと、具体的な変化に応じて迅速に対応していくことが求められます。大企業と比べても変化のスピードは非常に速く、柔軟性や適応力、精神的なタフさがないと負担に感じる可能性があります。
スタートアップへの転職成功事例とコンサルタントからのアドバイス
スタートアップへの転職を成功させるには、経験やスキルだけでなく、自分の強みをどう活かすかや冷静な判断力が重要です。
そこで、エイペックスでスタートアップへの転職を成功された2人の方の事例をご紹介します。
担当したコンサルタントからの具体的なアドバイスも載っていますので、スタートアップに向いている人が何を実践し、どんなふうに判断を下しているか、ぜひ参考にしてみてください。
成功事例①:保険系テック企業のエンジニアリングマネージャーが、わずか2か月でVPoEへ
(Vice President of Engineering)
転職者のプロファイル:
こちらの方は、プロダクト開発など技術職としての専門性と、組織マネジメントを両立してきた経験を持つ希少性の高い候補者の方です。
前職の日系SaaS企業では、エンジニアリング部門と人事部門を統括。人事部門では採用戦略から人事企画まで一貫して業務をリードし、チームの規模を2倍にするなど組織の急成長に大きく貢献しました。そのほかにも、成長企業で事業責任者やシステム部長を務め、事業と組織両方の側面から具体的な成果を出しています。スタートアップから中堅企業までさまざまな専門領域に携わったことで、幅広い経営感覚を育まれた方といえます。
その後、「経営層に近い立場で、開発生産性の向上に努められるポジションに就きたい」と考え、成長フェーズにあるSaaSスタートアップへの転職を決断。複数社を比較した結果、エイペックスでの初回面談から約2か月でVPoEのオファーを獲得しています。
現在は、スタートアップ企業のエンジニアチームの責任者として、開発体制や採用戦略の刷新を推進し、これまで培った組織構築スキルを最大限に活かした業務を行っています。
担当コンサルタントが見た転職成功のポイント:
転職では、給与や働き方などの表面的な希望だけでなく、本当に目指している方向性やその理由までを人材コンサルタントに話していただくことで、その方にマッチした求人だけを紹介することができます。
この方の場合も、「次のキャリアとしてどんな経験を積んでいきたいか」「なぜそう思うのか」など背景を具体的にお聞きできたことが、成功の要因として大きかったといえます。キャリア面談後に実現が見込めそうな企業を何社かご紹介し、質の高い比較検討をしていただけました。
同じような転職を考える方へのアドバイス:
ポジション・条件面などのご希望だけでなく、何を経験/実現されたいかなどの裏側にある思いも伝えていただけると、人材コンサルタントがより深く希望を理解することができ、結果的により魅力的なポジションをご案内することが可能になります。ぜひ、転職の背景にある思いを担当コンサルタントに率直に話をしてみてください。
成功事例②:クラウド/セキュリティのエキスパートが成長期スタートアップのデリバリーマネージャーへ
転職者のプロファイル:
こちらの方は、クラウドインフラやセキュリティ分野で15年以上の経験を持つテクノロジーコンサルタントです。
前職の大手外資系IT企業では、ポストセールス領域を中心にシステム設計・クラウド移行・セキュリティソリューションの導入支援など、エンタープライズから通信・公共分野まで幅広い顧客を担当されていました。
その後、「より広範な責任と裁量権で、自ら手を動かして成長フェーズの企業を支えたい」と考え、ITインフラやセキュリティを強みとする成長中テクノロジー企業をターゲットに転職活動を開始。結果、エイペックスでの初回面談からわずか約3週間で現職のオファーを獲得されました。
現在は、IoTデータの安全な流通を支えるソフトウェアを開発する日本発ディープテックスタートアップにてデリバリーマネージャーとして活躍しており、エンタープライズ顧客向けのプロジェクトでサービス提供や技術支援を統括し、カスタマーサクセス体制の強化に取り組んでいます。
担当コンサルタントが見た転職成功のポイント:
この方の転職成功のポイントは、「なぜ現職を離れてまで転職したいのか」というもともとご自身が考えていた転職のテーマに最後までぶれが生じなかったことです。
転職活動を進めていくなかでは、さまざまな情報のインプットや目先の好条件に影響され、判断基準が良くも悪くも変化してしまうことはある意味当然なことです
今回のケースでは、毎回の面接後に候補者/企業様のフィードバックをもとに冷静に振り返りを行い、ご自身の軸を再確認しながら進められたことで、結果的に転職を通じた自己実現につながりました。
同じような転職を考える方へのアドバイス:
転職活動は日常的なイベントではないため、状況を俯瞰できること、本質的な情報を得るためのアクションが不可欠です。情報収集としてだけでなく、意見交換や壁打ち相手としても我々人材コンサルタントを活用いただくメリットがあります。
エイペックスでも、次の転職までの短期的なお付き合いだけでなく、中長期的なキャリア形成のサポートも行っていますので、ぜひ一度キャリア面談に参加してみてください。
スタートアップ転職で迷ったらエイペックスにご相談を

スタートアップで成功するためには、自身の成長意欲や変化への柔軟性、主体性、コミュニケーション能力、責任感、情報収集・取捨選択能力、そしてレジリエンスといった特性が重要です。
そのためには、自己分析と情報収集をしっかりと行い、転職エージェントのような第三者の視点を取り入れて自身の適性を見極めることが大切です。
スタートアップへの転職は大企業にはない大きなやりがいをもたらしますが、不安定さや情報の少なさから不透明で不安になる傾向があります。特に情報収集という点では個人では限界があるため、エイペックスのような業界特化型の専門エージェントを活用することがもっとも有用です。
エイペックスを転職のパートナーとして活用することで、
キャリア相談
非公開求人を含めた情報収集
履歴書の作成や面接などの選考対策
給与を含めた条件交渉
など、ワンストップかつ一貫した支援を受けることができます。
また、企業と実際にコミュニケーションを取る人材コンサルタントから支援を受けることで、求人票だけでは見えないリスクやギャップについても事前にアドバイスをもらうことができます。大企業からの転職では年収ダウンやハードワークになる可能性もありますが、柔軟な働き方が可能な企業も増えていますので、ぜひエイペックスの人材コンサルタントに相談してみてください。
スタートアップへの転職で悩んでいる方、そもそも転職すべきか迷っている方、今後のキャリアについて相談されたい方は、ぜひ下記のボタンからエイペックスのキャリア面談にお申し込みください。ワンストップの支援を受けることで、より効率的かつ成功率の高い転職活動が実現できます。