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転職活動で自己PRが書けないと悩む女性が、ノートPCの前で考え込んでいる様子

自己PRが書けないときの対処法|伝わる自己PRの作り方と例文を紹介

転職でいざ応募書類を作成しようと思っても、「自己PRが書けない」という悩みで筆が止まってしまう人も多いのではないでしょうか?

しかし、自己PRが書けないのは才能や実績が足りないからではありません。むしろ、「自分の経験をどう言葉にすれば良いのか」の整理が難しいだけです。

書類選考で印象に残るのは、華やかな経歴よりも「どう課題に向き合ってきたか」の思考プロセスや方法論であり、ビジネスパーソンとしての資質です。「日々の仕事で工夫した取り組み」や「業務のやり方を改善した経験」などは、期待以上に採用担当者からの高い評価につながります。

そこで本記事では、「自己PRが何もない」と思っている人でも強みを見つけ出せる方法や、印象的な自己PRに仕上げる作成のポイント、状況やスキル別の自己PR例文をご紹介します。

読み終えるころには、「自分にも書けそうだ」と思えるようになるはずです。経験を言葉にする力を、少しずつ養っていきましょう。

目次

  • なぜ「自己PRが書けない」と感じるのか

  • 企業が自己PRでチェックしていること

  • 自己PRが書けないときの対処法【効果的な5つのテップ】

  • 印象に残る自己PRに仕上げる5つのポイント

  • 【状況別】自己PR作成のヒント

  • 【状況別・スキル別】自己PR例文

  • 英語での自己PR例文

  • 自己PRがどうしても書けないときの最終手段

  • 転職活動で自己PRに悩んでいる方へ|エイペックスのサポート

なぜ「自己PRが書けない」と感じるのか

「自己PRが書けない」と感じる背景には、文章力の問題だけではなく「何をどう伝えるべきか」で迷っているケースが多くあります。完璧を求めすぎて筆が止まってしまう人も少なくありません。

実は、「書けない」のではなく「書き方を知らないだけ」というケースがほとんどです。少しコツをつかむだけで、驚くほどスムーズに自己PRを書けるようになります。

ここでは、多くの人が自己PRの作成でつまずく4つの原因を具体的に解説します。自分がどのタイプに当てはまるかを把握することで、解決の糸口が見えてくるはずです。

① 特別な成果が必要だと思い込み過ぎている

自己PRを考えるのに苦戦する人の多くは、「語れるような特別な成功体験がない」「会社から表彰されたこともない」など、特別な成果が必要だと思い過ぎる傾向があります。
しかし、企業が重視しているのはそうした「際立った成果」だけではなく、「日々の業務への取り組み方」であったりします。

例えば、「業務効率を上げるための小さな工夫」や「周囲との連携を円滑にした経験」などは、立派な評価対象です。仕事はチームで進めることが多いため、協調性や柔軟性は大きな強みとなります。

日々の業務に埋もれがちですが、そのなかで「ちょっとした成功体験」を見直してみましょう。その行動に至った背景や自分なりの工夫、学んだことを自分の言葉で説明するだけで、採用担当者の共感を得られる自己PRになります

② 実務経験が浅く、アピールできる内容がないと感じてしまう

経験が浅いことは、必ずしもマイナスになるわけではありません。むしろ、学ぶ姿勢や学習俊敏性、これから成長していく余地を示すチャンスと捉えましょう。

例えば、「上司の助言を受けて迅速に改善した経験」や、「新しい業務に取り組む際に自分なりの工夫を加えた場面」は、十分にアピールポイントとなります。

大切なのは、仕事の規模や年数ではなく「自分で課題をどう捉え、どう動いたか」という部分です。行動の理由と、その結果どんな変化があったのかをセットで語ることで、あなたの成長意欲や姿勢が自然と伝わります。つまり、「何をやったか」よりも、「なぜそうしたのか」「どのように取り組んだのか」に焦点を当てることが重要で、そこから実務経験の浅さを補い、前向きな自己PRにつなげることができます。

③ 自分の強みをうまく言語化できない

多くの人が、自分の強みや長所を「何となく」しか理解できていません。強みを言語化にするには、過去の行動や他者からの評価を整理し、具体的なエピソードに変換することが大切です。

例えば、「責任感が強い」ではなく、「厳しい納期の案件でも社内に協力を仰いで品質を守り切った」などと具体的に書くことで説得力が増します。自己分析の過程で出てきた自身の特徴を、具体的なエピソードで裏づけて説明すれば、自然で伝わりやすい自己PRに仕上がります。

④ 企業が自己PRで知りたいことを理解していない

企業は、自己PRから「どんな考え方で仕事に取り組む人なのか」「一緒に働きたいと思える人か」を見極めています。

そのため、単に「〇〇をしました」「〇〇を達成しました」といった成果の羅列ではなく、行動の理由や仕事に対する価値観を伝えることが重要です。

例えば、「ミスを減らすために手順書を改善した」といった具体的な行動を示すと、課題解決意識や主体性が伝わるでしょう。また、「チームメンバーへの負荷のバランスを考慮し、業務分担を再設計した」と書くことで、リーダーシップや他者への思いやりがアピールできたりします。

この視点を理解していないと、自己PRが「ただの自己紹介」になってしまい、企業側が知りたい情報が盛り込まれていない内容になってしまいます。

企業が自己PRでチェックしていること

採用担当者は、自己PR文のなかから「どんな考え方をする人なのか」「チームに合う人物か」を読み取ろうとしています。

ここからは、企業がどんな視点で自己PR文を見ているのか、具体的に見ていきます。採用側の評価基準を理解することで、より「伝わる自己PR」を書くことができます。

人柄は良いか?コミュニケーション能力はあるか?

採用担当者は、応募者の人柄や周囲との関わり方を慎重に見ています。仕事は個人で完結するものではなく、多くの場面で他者と連携することが求められるため、どれほど個人として優れたスキルを持っていても、協調性がなかったり人柄に問題があれば採用は見送られます。

そのため、自己PRではチームメンバーや他部署との協働経験、周囲への配慮・気遣い、チームワーク志向が垣間見えるエピソードを盛り込むと効果的です。言葉遣いや語調にも人柄は自然と表れるため、文章全体にビジネスパーソンとしてのマナーと誠実さが感じさせる構成を意識しましょう。

一部企業では、SNSやオンラインでのマナーも評価対象となっており、日常的な発信からビジネスパーソンとしての信頼を損なわない姿勢を保つことも大切です。

自社で活かせるスキルか?価値観は一致しているか?

企業が自己PRを求める大きな理由は、「自社で活躍できる人か」を見極めるためです。だからこそ、自分の強みがその会社でどのように活かせるのかを、根拠と合わせて説明できると説得力が生まれます。

また、企業はスキルだけでなく「どんな価値観で仕事をする人なのか」も重視しています。どれだけ能力が高くても、仕事の進め方や大切にしている価値観が組織の考えと大きく異なると、ミスマッチが起こりやすいからです。

例えば、チームワークを重んじる企業なのに個人プレーを好むタイプだったり、スピード重視の環境なのにじっくり進めるスタイルだったりすると、うまく馴染めない可能性があります。

だからこそ企業研究をしっかりと行い、企業の価値観と共通する部分を意識して伝えることが大切です。こうした工夫により、「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえる自己PRにつながります。

行動や判断のプロセスはどうか?(思考力・主体性)

採用担当者が見ているのは、「何をしたか」という結果よりも「どう考え、どう動いたか」です。そのため、自己PRでは課題に直面したときの判断や行動のプロセスを説明し、思考力や主体性を示すことが重要です。

例えば、「顧客対応の遅れに気づき、手順を改善して処理時間を短縮した」というエピソードは、課題発見力と行動力の両方を伝えられます。行動の背景にある意図まで伝えることで、ロジカルな思考力と責任感が伝わり、企業側にも「安心して任せられる人物だ」と感じてもらえるでしょう。

仕事への意欲や成長意識は高いか?

自己PRで見られるのは自社とのマッチ度ですが、それを判断するために企業はスキルや経験だけでなく、「仕事への意欲」や「成長の可能性」も重視しています。どのような職場でも、新しい課題を自ら見つけて改善に取り組む前向きな姿勢が求められるため、経験が浅くても、学ぶ姿勢や挑戦する意欲を示すことでポテンシャルを高く評価してもらえることがあります。

特に、外資系企業は内資系よりもスピード感のある環境です。そのため変化への適応力があり、新しいプロジェクトや課題に自ら手を挙げて責任を担い、前向きに取り組む成長意欲の高さがより評価されます。継続的に努力を続けて自分を成長させようとする姿勢こそ、企業が求める人物像そのものです。

自己PRが書けないときの対処法【効果的な5つのステップ】

自己PRが書けなくて悩む男性が、ノートPCの前で自己分析の棚卸しをし、求人票を見ながら求められる人物像を整理しているシーン

​自己PRは、応募書類の要となる部分です。「上手く書けない」と感じるときこそ、焦らず手順に沿って整理することが大切です。

ここでは、初心者でもスムーズに自己PRを組み立てられる【5つのステップ】をご紹介します。①から⑤まで順を追って進めることで、説得力のある自己PRを完成させましょう。

① キャリアの棚卸しで材料を洗い出す

自己PRを作る最初のステップは、過去の経験を整理して自分の強みを明確にすることです。成功体験や数値上の実績だけでなく、失敗から得た学びや努力の過程にも自己PRの材料が隠れている可能性がありますので、経験したことをなるべく多く洗い出してみましょう。

以下の手順で経験を整理すると、説得力のある自己PRの土台が作れます。​

  • 3つの視点で経験を振り返る
    「何をしたか(What)」「どう行ったか(How)」「なぜそうしたか(Why)」の順で考えると、行動の背景や意図が明確になります。

  • エピソードをできるだけ多く書き出す
    成果の大小に関係なく、思い出せる限りの経験をリストアップします。数を出すことで、後の選定がスムーズになります。

  • 数字や具体的成果をメモしておく
    「売上を前年比10%伸ばした」「対応件数を月30件増やした」など、数字を入れるだけで信頼性が一気に上がります。

  • 他者の意見も参考にする
    家族や同僚に「自分の強みは何か」を尋ねると、新たな視点で特徴を発見できます。

  • 分析を繰り返して精度を高める
    一度で完璧を目指すのではなく、洗い出しと修正を繰り返すことで、より確かな自己分析につながります。

どんなに小さな経験でも、背景と行動の理由を整理すれば、立派な自己PRの材料になります。

② 取り組んだ内容を可視化する

①で自己PRの材料を洗い出せたら、ここから行動の流れを整理して説得力を高めていきます。

このときは、STARメソッド(Situation=状況・Task=任務・Action=行動・Result=結果)を使えば、経験をストーリー形式でわかりやすく伝えることができます。

前述のように、自己PRで求められるのは特別な経験ではなく、自ら行動したことや日々の工夫点です。それらを下記のように細分化し、精度を高めていきましょう。

  • Situation(状況):そのときの状況や背景は?どんな困難に直面したのか?

  • Task(任務):その状況を解決するためにどんなタスク(任務)があったのか?

  • Action(行動):具体的にどんな行動を取ったのか?どんな特徴があったのか?どのようなスキルを使ったのか?なぜそうしたのか?

  • Result(結果):具体的な成果(数値)は何か?何をもたらしたのか?そこから何を学んだか? 

「なぜその行動を選んだのか」「どんな方法論や思考プロセスでそれを行ったのか」を示すことで、判断力や課題解決力を示すことができます。また、具体的な数値や成果を添えると印象に残り、「何を学んだか」を示すことで成長意欲や伸びしろを伝えることができます。

注意点としては、簡潔な文にまとめることで読み手が行動の流れを自然に追える構成となるよう心掛けることです。

③ 求人票などから企業が求める人物像を確認する

魅力的な自己PRにするには、企業が求める人物像と自分の強みを重ねることが必要です。求人票や企業のホームページにある採用ページには、その会社が求める人物像や応募要件が具体的に示されています。そこからキーワードを抜き出し、自分の経験との接点を探してみましょう。

そうすることで、「その会社の課題解決に自分がどう貢献できるか・役に立つか」を意識して書けるようになり、採用担当者にとって共感しやすい内容になります。そこに企業理念やビジョンと自分の価値観を結び付けることで、熱意と適性を同時に伝えることができます。

会社によって求める人物像は少しずつ違います。だからこそ、応募先ごとに内容を調整するのが成功のコツです。

④ 第三者から客観的な視点を得る

第三者の意見は、自己理解を深める重要なヒントです。家族や信頼できる友人・同僚など、複数の立場の人に意見を求めることで、新たな発見が得られるかもしれません。

自己PRは自分だけで作ると主観的になりがちです。「どんな場面で頼りになったか」「どんな強みを感じるか」などを周囲に具体的に尋ねると、自分では気づかなかった長所が見えてきます。

また、転職エージェントに聞いてみるのもひとつの方法です。毎日履歴書に目を通す人材コンサルタントは、専門家の立場からあなたのキャリアのどこに強みがあるのか、どんな希少性があるのかを明確にしてくれ、応募企業に合った自己PRの作成についてもアドバイスしてくれます。

プロからの客観的な視点を取り入れることで説得力が増し、面接でも自信を持って話せるようになるでしょう。

人材コンサルタントに自己PRの方法について具体的に聞く

⑤ キャッチコピー+エピソードでまとめる

最後に、印象に残る自己PRに仕上げるために「キャッチコピー+エピソード」の構成で作成してみましょう。

以下の手順でまとめると、読みやすく説得力のある内容になります。

  1. キャッチコピーを決める
    最初に「自分を一言で表す言葉」を設定します。例えば、「課題を見つけて行動に移す実践型」「粘り強く成果を出すタイプ」など、強みを端的に伝える表現が理想です。

  2. エピソードで裏づける
    キャッチコピーを支える具体的な経験を、上記のSTARメソッドで整理します。ストーリーの流れを意識し、読み手が情景を思い浮かべられるように書きましょう。

  3. 入社後の活かし方で締める
    最後に、「この強みを入社後にどう活かしたいか」まで書くと、より前向きな印象になります。ポジティブな結びにすることで、成長意欲や貢献意識が伝わります。

​この3ステップで構成すれば、印象に残り、実践力が伝わる自己PRに仕上がります。

印象に残る自己PRに仕上げる5つのポイント

自己PRの作成ステップを理解できたところで、さらに「印象に残る自己PRに仕上げるための5つのポイント」を理解しておきましょう。

たとえ「書けることが少ない」と感じても、伝え方次第で採用担当者からの評価を高めることができます。ぜひ、下記のポイントをおさえて仕上げていきましょう。

① 特別な実績ではなく、日々の取り組みでOK

お伝えしたように、自己PRは派手な成果ではなく「日々の取り組み」や「自分なりの工夫点」「仕事への誠実な姿勢」で評価されます。

たとえ目立った実績がなくても、「業務フローを自分で見直して小さなムダを減らした」「消費者からの問い合わせで対応マニュアルの不足点に気づき、提案して採用された」など、日常業務で工夫した点や努力の積み重ねを伝えることで、仕事へのコミット力や主体性をアピールできます。

小さな改善でも、「自分で気づき、動いた事実」そのものが強いアピールになることを頭に入れておきましょう。また、「これから成長していく姿」を想像してもらうことでも立派な自己PRになります。

② 失敗から学んだことも自己PRにできる

自己PRに失敗経験を取り上げるのもひとつの手です。「失敗しましたが、御社では頑張ります」のような根拠のない説明ではなく、「失敗したが、原因を考えて改善し、次の成果につなげた」という流れで説明すると課題解決力や粘り強さが伝わります。

例えば、「業務でミスをした際に『なぜ起きたか』を分析し、同じ問題を防ぐために業務プロセスや伝達方法を整えた」という話は、実践的な改善のストーリーとなります。挑戦の結果としての失敗があれば、挑戦を恐れない姿勢の裏返しにもなり、特に外資系企業やスタートアップに好まれる話です。

業務で失敗してしまうことは、誰にでもあり得ることです。採用担当者は「失敗した」という事実よりも、「再発防止にどう取り組んだか」を重視しており、「失敗→学び→改善」の流れで語ると信頼感を高められるでしょう

③ 応募先企業に合った内容にする

自己PRは、応募先ごとにカスタマイズすることが鉄則です。どんなに素晴らしい自己PRでも、応募先企業に適したものでなければアピールにはなりません。求人票や採用サイト、転職エージェントから話を聞くなどして、その企業が求める人物像や仕事内容・応募要件をしっかりと理解しましょう。

そのうえで、「自分の強みがどのように企業の課題解決に役立つか」を具体的に示すことが重要です。例えば、「前職での自身の提案力を活かして、新規顧客の獲得に貢献したい」など、会社の方向性に即した言葉で伝えると説得力が増します

他社でも通用する一般的な内容ではなく、「その企業だからこそ採用したい」と思わせる一文が差を生みます。企業理解の深さが、最終的な合否を左右する可能性があることも忘れないでください。

④ 具体的な数値やエピソードを盛り込む

自己PRに説得力を持たせるには、数値や具体例で裏づけることが非常に大切です。

例えば、「売上を伸ばした」よりも「売上を前年比120%に伸ばした」と伝えるほうが成果の大きさが一目で伝わります。「リーダーシップがあります」よりも、「自身のリーダーシップにより15名のチームをまとめ、プロジェクトを期限内に完了させた」といった事実を示すことで、採用担当者は具体的にあなたの活躍をイメージできます。

数値化が難しい場合は、「業務効率を上げた」「顧客から感謝の言葉をもらった」など、状況の変化や第三者の反応を加えてみましょう。数字だけでなく、その場面が想像できる一文を添えるとリアリティが増し、「信頼できる人物だ」と感じてもらえるでしょう。つまり、話にできるだけ「具体性」を持たせることがポイントです。

⑤ 結論から述べ、端的に・誠実に伝える

自己PRは、最初に「結論」を述べるのが鉄則です。話の流れとしては、「結論」→「理由」→「具体例」→「意欲」がもっとも読み手に伝わりやすくおすすめです。

自分の強みを最初に打ち出し、その裏付けとなるエピソードを伝えたあと、「だから貢献できる」「このスキルを御社でぜひ活かしたい」などと締めると、担当者の印象に残りやすくなります。

例:

  • 打ち出したい強み:「私の強みは~です」

  • 根拠:「前職で〇〇規模の〇〇プロジェクトに〇〇として取り組み、〇〇という困難のあるなか〇〇のスキルを使い、〇〇を達成しました。次のプロジェクトでは〇〇として関わることが決定しました」

  • 今後の展望:「この経験を活かし、御社の〇〇に貢献したいと思っております」

ただし、話はなるべくコンパクトに、嘘や誇張は避け自然な言い回しになるよう気をつけましょう。

【状況別】自己PR作成のヒント

デスクの上の白紙の履歴書を前に、ペンを持ったまま自己PRに悩む人のイメージ

​自己PRの正解はひとつではなく、それぞれのキャリアによって最適な書き方は異なります。

ここでは、「職務経歴書での書き方がわからない」「職歴に空白期間がある」「異業種に挑戦したい」など、よくあるケース別に考え方のポイントを整理します。
自分の状況に近いケースがあれば、ぜひ参考にして説得力のある内容にアレンジしていきましょう。

職務経歴書での自己PRが書けない場合

職務経歴書で自己PRが書けないと感じる場合、まずは上記のように業務内容を細分化して、小さなことでも工夫や改善点の実例を棚卸ししてみましょう。成果の大小よりも、主体性を持って課題を発見し改善したプロセスがあれば、立派なPRになります。

採用担当者は、毎日多くの応募書類を限られた時間で確認しています。そのため、職務経歴書では「一目で印象に残る自己PR」に仕上げるという点がポイントです。見出しや箇条書きを活用し、200字程度に要点をまとめるなど「シンプル」で「読みやすい」自己PRを心掛けましょう。

職歴に空白期間がある場合

経歴に空白期間があるときは、ブランクをどう過ごしたかをポジティブに伝えることが大切です。家庭の事情や転職準備など理由を隠す必要はなく、「その期間に何を学び、どう行動したか」を端的に・明確に説明しましょう。

例えば、「資格取得を通じて知識を補強したため、御社の〇〇分野で貢献できる」「育児を通じてマルチタスク力を磨いたため、時短でも効率良く仕事ができる」など、ブランクが企業への貢献に役立つことを伝えると印象が変わります。
つまり、空白期間を成長や強みの補強のための「準備期間」として語る工夫が、信頼感を高めるポイントです。

異業種・未経験職種に転職する場合

異業種や未経験職種への転職では、過去の経験を新しい仕事にどう応用できるかを明確に伝えることが鍵となります
例えば、営業職からを企画職を目指す場合など、「課題発見力」「論理的思考力」など、どの分野でも通用するスキルを中心に書くと効果的です。

また、異業種・職種への転職の場合、転職理由を必ず聞かれることになります。自己PRでも「なぜその業界に挑戦したいのか」「これまでの経験をどう活かすか」を論理的に組み込んで作成しましょう。

自分のケースではどんな自己PRが最適か人材コンサルタントに相談する

【状況別・スキル別】自己PR例文

ここまでの流れをもとに、ここでは実際に使える自己PRの例文をご紹介します。

状況別・スキル別のパターンで解説していますので、自分の経験をどのように文章化すれば良いかが具体的にイメージできるはずです。そのまま真似するのではなく、「構成」や「トーン」を参考に、自分の言葉で書き換えてみましょう。

実績が少ない場合の自己PR例文

大きな成果や表彰歴がなくても、日々の仕事の中で工夫を重ねた経験は立派な自己PRになります。

以下に、実績が少なくても「継続力」や「改善意識」を強みとして伝える例文をご紹介します。

私の強みは、目の前の課題に粘り強く取り組み、着実に改善を重ねる力です。

入社当初は営業として大きな成果を出せず悩んでいましたが、日々の業務を振り返り、上司や同僚からの指摘をひとつずつ改善することを意識しました。

例えば、提案の際にお客様の課題理解が浅いと指摘を受けたことをきっかけに、商談前のヒアリング項目を自分なりに再設計し、事前調査の精度を上げました。その結果、提案内容の質が向上し、半年後には受注率が15%向上しました。

このように、指摘を成長の機会と捉え継続的に改善策を実行し、成果につなげていく力が自分の強みだと考えています。

御社においても、小さな工夫を積み重ねながら、自分だけでなくチーム全体の成果に貢献していきたいと思います。

成果の大きさではなく、課題に向き合い続ける姿勢こそが信頼を生みます。実績が少ない場合も、努力の積み重ねを具体的に示すことで、成長意欲の高い人物として印象づけられるでしょう。

異業種転職の場合の自己PR例文

異業種への転職では、「これまでの経験がどう活かせるか」を明確に伝えることが重要です。

以下に、前職の経験をもとに課題解決能力と信頼関係構築力を強みとしてアピールする自己PRの例文をご紹介します。

私の強みは、課題に対する改善能力と相手のニーズに深く寄り添える信頼関係構築力です。

入社当初は業界知識が浅く、歯科医師の先生からの信頼獲得に苦労し売上が伸ばせずにいましたが、知識の習得とともに医師の細かいニーズを拾い上げる営業を心掛けました。

具体的には、オペ準備の支援や必要な器具・補綴作成に関しての技工所の紹介など、治療全般を網羅したサポートで信頼を獲得し、昨年度は売上目標の120%を達成しました。

より専門性が求められる製薬業界でも、この課題解決力と先生との関係構築力を活かし、的を得た情報提供やサポートで医師の良きパートナーとして御社の成長に貢献したいと考えています。

異業種でも共通して評価されるのは、主体的に課題を発見し、解決まで粘り強く取り組める力です。未経験でも、採用担当者が評価する「再現性のあるスキル」がしっかりとアピールできれば、即戦力としての可能性が伝えられます。

空白期間が長い場合の自己PR例文

3~6か月以上となる長いブランクが経歴にある場合、採用担当者は本質的な問題がそこにないかを確かめるため、面接で質問をしてきます。そのため、自己PRで空白期間の過ごし方をポジティブに伝えておくことで、あらかじめ印象を変えておくことができます。

以下に、空白期間を成長の時間としてアピールする自己PRの例文をご紹介します。

私の強みは、企画立案力と実行力、そしてグローバル環境でも力を発揮できる高い適応力です。

前職ではマーケティングアシスタントとして、日常的に競合他社や顧客データを細かく分析し、施策の改善に活かしてきました。昨年実施のキャンペーンでは、分析結果をもとに使用媒体の変更や施策内容の最適化を自ら提案・実行し、リード獲得数を前年度比30%増加させる成果を上げました。

その後の1年半の留学では、異文化環境でのチームプロジェクトや現地企業でのインターンを通じ、語学力だけでなく、文化・価値観の異なる人々と協働できる柔軟性と適応力を身につけました。

今後は御社のプロダクトマネージャーとして、顧客志向とデータ分析に基づく戦略的立案・実行力を活かし、多国籍チームの一員として成果を出し御社に貢献したいと考えています。

空白期間は、必ず「成長のための準備期間」として語り、採用担当者に前向きな印象を与えましょう。「何を学んだか」「どんな行動を取ってきたか」の具体例を示せば、ブランクをむしろ強みに変えることができます。​

主体性をアピールする自己PR例文

自身の強みとして「主体性」をアピールしたい場合は、「自分から動いた経験」を具体的に示すことがポイントです。

自らの経験のなかから、「指示を待つのではなく、自ら課題を見つけて改善につなげた行動」を考え、それをストーリーとして組み立てましょう。

私の強みは、現状に満足せず常に成長を求め、主体的に改善に取り組む行動力です。

営業トレーナーとして、もっと実践的で成果につながる研修企画ができないかを常に考えてきました。

そこで、インストラクショナルデザインやアダプティブ・ラーニングなど、新しい教育手法を積極的に導入することで参加者の満足度を向上させ、全社的な営業成績をトレーナー着手前と後で150%に上げることができました。

御社においても、幅広い領域・製品知識と、現場や顧客視点を重視した研修開発・トレーニング設計力を活かし、御社の人材育成に貢献していきたいと考えています。

主体性は、どの職種でも評価される普遍的な強みです。小さな提案でも自ら行動に移した実績を示すことで、「任せられる人材」という信頼を築けます。

リーダーシップをアピールする自己PR例文

リーダーシップをアピールする際は、「自分がどのように周囲を動かし、成果につなげたか」を具体的に伝えることが大切です。

チーム全体の課題に気づき、より良い結果のために行動した経験がある人は、そのプロセスを丁寧に言語化しましょう。

私の強みは、状況を俯瞰してチームをまとめ、目標達成に導くリーダーシップです。

前職では、4名の営業チームのリーダーとして新規顧客開拓を担当してきました。
当初はメンバー間の情報共有が不十分で、アプローチが重複するなど非効率な状態でした。

そこで、成果共有フォーマットを導入し、週1回の進捗ミーティングの前にチームメンバーに事前に入力してもらうことで、全員が状況を把握した状態でミーティングを開くようにしました。

事前に課題を共有したことで対策案に多くの時間を割くことができ、結果、チーム全体の月間新規獲得件数が前期比で平均25%向上し、個々のモチベーションも高まりました。

立場に関係なく、チームメンバーと一緒に課題に向き合い行動できる点が、私の強みです。
御社においても、チームで力を合わせて成果を引き出せるリーダーを目指します。

リーダーシップは、役職の有無に関係なく発揮できるスキルです。マネジメントの経験がなくても、小規模でもプロジェクトをリードした経験、課題解決を提案し主体的に動いた経験があれば、ぜひアピール材料にしましょう。

柔軟性(適応力)をアピールする自己PR例文

柔軟性をアピールする場合は、変化に直面した際にどのように考え、行動し、成果を上げたかを具体的に伝えることが重要です。

慣れない環境でも前向きに対応した経験を示すことで、成長意欲や順応力を印象づけられます。

私の強みは、変化する環境のなかでも冷静に対応し、成果を上げられる柔軟性です。

前職では、急な組織再編により担当業務が大きく変更となり、未経験の領域で営業職に就くことになりました。

当初は領域知識がなく戸惑いましたが、顧客ニーズを把握するために同行営業を重ね、また営業所内で製品勉強会を開催することを提案。短期間で基礎知識を身につけ、半年後には担当エリアの受注件数を前年比120%に伸ばすことができました。

この経験を通じて、どんな環境でもまず動いてみて、状況に合わせて工夫する。そんな柔軟な姿勢が身についたと感じています。

変化のスピードが速い御社においても、前向きな姿勢と適応力を強みに、環境の変化に柔軟に対応しながら確実に成果を出していきたいと考えています。

特に外資系企業やスタートアップでは、柔軟性や適応力は重要な資質です。新しい環境や、変化が多い状況でも結果を出せる即戦力人材であることをアピールしましょう。

計画力をアピールする自己PR例文

計画力をアピールする場合は、「どのように目標を立て、実行に移したか」を具体的に伝えることが大切です。限られた期間やリソースのなかで、成果を出した経験を示しましょう。

私の強みは、目標達成に向けて逆算したスケジュールを立て、着実に行動を積み重ねる計画力です。

前職では、新製品の販促キャンペーンを担当し、短期間での売上目標達成が求められました。

そこで、全体のスケジュールを週単位で分解し、タスクの優先順位と週ごとの目標を設定。進捗を可視化する管理シートを作成し、課題発生時にはすぐにマネージャーと相談しスケジュールが遅延しないよう対応しました。

結果、予定より1週間早くキャンペーン準備が完了し、売上目標に対し110%を達成。マネージャーからも、「計画の立て方とリスク対応が的確」と評価をいただきました。

御社においても、課題を整理して計画的に動き、プロジェクトを着実に成功させたいと思っております。

計画力は、求められる結果を継続的に生み出すために必要な資質です。目標を細分化し、リスクを見越して行動した実績を示すことで、「信頼して任せられる人材」という印象を残すことができるでしょう。

自己PRの作成ポイントについて詳しい話を人材コンサルタントに聞く

英語での自己PR例文

外資系企業に転職を希望する場合、英文履歴書の作成や英語面接は避けて通れません。

英語の自己PRというと構えてしまいがちですが、話す順番は「結論」→「理由・根拠」→「入社後の意気込み」で伝えることは日本語と変わりありません。

インパクトのあるオープニングとなるよう注意し、簡潔で明解・ポジティブな言葉を選ぶことを心掛けましょう。​

【3つの強みをアピールする自己PR例文】

I'd like to highlight three key strengths that make me an ideal candidate.

First, my strong analytical skills have led to significant improvements in business processes, such as a recent 15% increase in customer satisfaction based on my data analysis.

Second, I'm highly adaptable and constantly update my skills in this evolving industry.

Lastly, I'm a natural collaborator with excellent communication skills. In my previous role, I led a cross-functional team project that finished ahead of schedule and under budget.

These strengths, combined with my passion for data-driven decision-making, will allow me to contribute significantly to your team's success.

日本語訳:

私の3つの強みは、本ポジションに最適であると考えています。

1つめは分析スキルです。最近ではデータ分析に基づいてビジネスプロセスを大幅に改善し、顧客満足度が15%向上しました。

2つめは適応力の高さで、進化の激しいこの業界で常にスキルを更新させています。

最後に、私は優れたコミュニケーションスキルを活かし、人と人とをつなぐことが得意です。前職では部門横断的なチームプロジェクトをリードし、予定よりも早く予算内でプロジェクトを完了させました。

これらの強みとデータに基づく意思決定力を組み合わせることで、御社のチームの成功に大きく貢献できると確信しています。

​詳しくは、「自己PRを英語でする際のポイントは?使えるフレーズも合わせてご紹介」の記事で紹介しています。

自己PRがどうしても書けないときの最終手段

転職希望者がキャリアコンサルタントと共に自己PRを整理している相談場面の様子

何度書き直しても自己PRに納得できないときは、思い切って視点を変えたり、他者の力を借りたりするのがおすすめです。

ここでは、自己分析のやり直しの仕方や、客観的な意見を取り入れて整理する方法をご紹介します。一人で行き詰まったときこそ、少し視点を変えてみるチャンスですので、ぜひ試してみてください。

自己分析のやり方を改めて見直す

自己PRが書けないと感じたときは、自己分析の進め方を「感覚的なやり方」から「体系的なやり方」へ切り替えてみましょう。

関わったプロジェクトや経験を、5W1Hの手法を使って「何に」「いつ」「どこで」「誰と」「どうして」「どのように」の順でたどって解体していくと、具体的なストーリーが浮かんできます。

小さな出来事でも、そこから意外な強みや優れた行動指針が隠れていることがあります。これを、自己PRの構成に従って仕上げていけば、応募書類や面接で「自分の言葉で語れる強み」としてアピールできます。

周囲の意見を参考に「自分らしさ」を掘り下げる

自分の魅力を見つけにくいと感じたときは、第三者の視点を借りることが効果的です。家族や友人・同僚に、「どんな場面で頼りになると思ったか」「どんな資質が優れていると思うか」など、具体的な質問をしてみましょう。意外な一言が、自分らしさを再発見するきっかけになることもあります。

また、複数の人から得たフィードバックを整理すると、自分らしさの共通点が浮かび上がる可能性があります。周囲の声から共通するキーワードを抽出して自己PRの軸とし、そこからその強みが発揮できた具体的な経験を掘り起こしてみましょう

転職エージェントに相談して客観的に整理してもらう

どうしても自己PRがまとまらない場合は、プロの力を借りるのが最も効率的な方法です。

転職エージェントに在籍する人材コンサルタントは毎日候補者の履歴書に目を通しているため、あなたの職務経歴や実績から企業に”刺さる”強みを見つけ出し、自己PRのクオリティを引き上げてくれます

エイペックスの人材コンサルタントに相談することで、以下のようなメリットを得ることができます:

  • 「このスキルが強み」「この経験はこの企業で価値が高い」など、市場価値を把握したうえであなたの強みを見つけ出してくれる

  • その業界・企業が求める人物像を熟知しているため、各企業ごとの訴求ポイントを教えてくれる

  • 応募書類作成のサポートや模擬面接も実施しているため、自己PRの精度を上げてくれるだけでなく、準備時間の節約にもなる

  • 面接後の採用担当者からのフィードバックも教えてくれるため、二次面接や他社面接に向けて自己PRの再考や対策支援もしてくれる

自己PRの完成度を高めながら転職活動全体をサポートしてくれるため、不安なことは何でも聞くことができ自信を持って選考に臨むことができます。

特に行き詰まったときは、一人で抱え込まずに専門家の視点を借りるほうが早く整理できます。人材コンサルタントへの相談は無料となっていますので、ぜひ下記のボタンからエイペックスに登録してみてください。

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転職活動で自己PRに悩んでいる方へ|エイペックスのサポート

自己PRは「特別な人だけが書けるもの」ではなく、視点を変えれば誰でも書けるようになるものです。大切なのは、自分の歩んできた経験を客観的に見つめ、そこから「どう考え、どう行動してきたか」を丁寧に言葉にすることです。

結果が小さく見えても、誠実に取り組んだ過程には必ず意味があります。本記事でご紹介した手順を実践すれば、自分のなかに眠っている強みを自然な形で表現できるようになります。

それでも

  • 「自己PRが書けなくて行き詰っている」

  • 「忙しいので短時間で自己PRを完成させたい」

  • 「企業ごとに自己PRをカスタマイズするのが面倒」

  • 「転職活動を誰かに相談したい」

と思っている方は、お気軽にエイペックスの業界専門の人材コンサルタントに相談してみてください。

エイペックスでは、外資系・内資系への転職を目指す方を中心に、業界別の転職支援を提供しています。自己PRや志望動機の整理から、最新の市場動向の案内、履歴書・職務経歴書作成のサポート、面接対策、企業との条件交渉だけでなく、今すぐの転職ではなくても今後のキャリアの方向性の相談まで、一貫してキャリア支援を行っています。

自分だけでは見えなかった強みや経験を洗い出し、プロの視点を入れた最適な自己PRで内定獲得を目指しましょう。ぜひ、下記のボタンからご相談ください。

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