更新日:2025年12月16日
面接で万全の対策をして臨んでも、服装でマイナス評価を受けてしまってはせっかくの準備が無駄になってしまいます。
自分の人材としての価値を最大化させるためにも、ぜひ本記事で面接に相応しい服装について学びましょう。男女別・業界別・季節別のほか、「服装自由」といわれた場合、オンラインの場合、エグゼクティブの場合など面接時の服装の豊富な情報が揃っています。
「どんな服装で行けば良いのか迷っている」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:転職初日の服装はどうする?オフィスカジュアルや服装自由の場合もご紹介
目次
面接前の服装・身だしなみ クイックチェック
面接時の服装の基本マナー
【女性編】面接での服装・身だしなみの基本
【男性編】面接での服装・身だしなみの基本
面接で「服装自由」といわれた場合
季節ごとの面接での服装の注意点
オンライン面接の服装マナー
管理職・エグゼクティブ向けの面接時の服装のポイント
【業界別】面接で好印象を与える服装のポイント
面接前の服装・身だしなみチェックリスト
面接時の服装に関するよくある質問
面接準備や服装で迷ったらエイペックスへ
面接前の服装・身だしなみ クイックチェック
面接前の身だしなみチェックリスト(簡易版)
詳細版は記事後半をご覧ください。
✓髪・爪・ひげは清潔か
✓靴は磨いてあるか
✓企業指定の服装ルールを確認したか
✓夏冬・オンラインなど状況に合っているか
【シーン別】面接時の服装の基本ポイント
【業界別】面接時に好まれる服装の傾向
面接時の服装の基本マナー

面接官はあなたの服装のどこを見ている?
服装は第一印象を決める大切な要素です。特に30分~1時間程度で合否を判定する面接では第一印象が非常に重要であり、服装はそれを左右する大切な要素です。
面接官は、服装から受ける印象により「社会人としてのマナーがしっかりと身についている」「この人と一緒に働きたい」「この人ならば、客先に出しても失礼なことはなさそうだ」と判断します。そのため、下記の服装のマナーに気を配り、印象を少しでも上げてプラスの状態から面接をスタートさせましょう。
服装マナー① 清潔感があるか?
服装に気を配る際に、男女ともに最も大切なのは「清潔感があるかどうか」です。
大前提として「人に不快感を与えないか」が見られ、特に「におい」は重要な要素となります。汗のにおいはもちろん、香水のかけすぎなどもNGです。
服装そのものはもちろんですが、服のシワや毛玉・ペットの毛など「清潔感」に関することは人は意外と敏感です。できれば、スーツやワイシャツはクリーニングに出しておき、完璧に整えてから面接に臨みましょう。髪や爪などの細部にも気を配り、清潔感がありプロフェッショナルな印象を与えられるよう心掛けることが大切です。
服装マナー② 面接する企業に相応しい服装か?
希望する業界や職種・企業によって、面接時に相応しい服装は若干変わります。
例えば老舗企業や、企業風土として「誠実さ」「真面目さ」が求められる業界であれば、基本ルールをしっかり守った服装が求められます。逆に、美容・アパレル業界であればある程度個性のあるものが許容されたり、自社商品を取り入れたオフィスカジュアル・スーツを着用することで好印象につながったりします。
最近非常によく見られる「私服で」と指定してくる企業は、カジュアルさを重視していたり、応募者自身のセンスを見たいといった意図があります。その場合はスーツではなく、カジュアルでありながら「きちんと感」が出る服など、「面接する企業のカルチャーに合わせた服装」を意識しましょう。
服装マナー③ 統一感のある服装か?
服装・小物も含め、全体の統一感があるかどうかも重要です。
特に起こりがちなのが、「スーツの上着と、パンツ・スカートが別の組み合わせになっている」という事態です。明るい所で、実際に着用して鏡の前で確かめるようにしましょう。
それ以外にも、ネクタイ・ベルト・バッグ・靴などとの統一感も重要です。アクセサリーについては「しなければならないもの」ではないため、迷ったのならば「着けない」の選択肢を取ります。また、着用する場合はスーツやシャツとバランスが取れるものを選ぶようにしましょう。
服装マナー④ 体のサイズにフィットしているか?
体にフィットしたサイズのスーツであるかどうかも、面接時に見られるポイントです。あまりにも大きいもしくは小さいサイズのスーツは、「きちんとしていない人」というマイナスの印象を与えてしまいます。
体型は年齢を重ねることで変わりますので、必ず見直しを行いましょう。なお、転職期間までに時間があるのであれば、オーダースーツなどを考えてみるのも手です。
また、「若いころから体型は変わっていない」という理由で、新卒のときのリクルートスーツを利用したいという人もいるかもしれませんが、落ち着きや頼りがいのない印象に見えてしまうため、20代後半以降の転職では基本的には着用しません。どうしても用いたい場合は、インナーや小物を見直して、リクルートスーツの印象を変えるようにしましょう。
【女性編】面接での服装・身だしなみの基本

ここからは男女別に、一般的な転職活動で求められる服装と身だしなみの基本を紹介していきます。まずは女性編からです。
① スーツ・インナー
◆スーツは黒・ネイビー・グレーが基本
スーツの色は、黒・ネイビー・グレーのいずれかにします。定番色であり安定感があるこの色は、特に金融系の職場に面接に向かう際に好まれます。
また、多くの業界でベージュも適切であり、明るい灰色なども許容されます。基本は無地としますが、目立たない程度のストライプなどは問題ないでしょう。
◆ジャケットは体に合ったシルエット
ジャケットは、体に合った物を選びます。ボディラインが出すぎるものは避け、動いたときでも体のラインが出ず、かついわゆる「ダボダボ」な印象にならないものを選びます。
産休・育休後の再就職の場合は、「体重に変化はないが、ボディラインが変わっている」ということもよくあるため、手持ちのスーツの見直しをしてみてください。
◆インナーは白・ベージュなど落ち着いた色味
女性のインナーは、白やベージュの落ち着いた色味のものを選ぶのが正解です。リボンやフリルなどの装飾は、業界によっては許容されますが原則として避けたほうが賢明です。
なお女性のインナーは、
ワイシャツ
ブラウス
カットソー
の3つに大別されます。金融業や不動産業などの場合は誠実な印象を与えられるワイシャツが好ましく、汎用性の高いブラウスは営業職をはじめとしてさまざまな業界への転職活動に利用できます。活発な印象を与えるカットソーは、スタートアップやクリエイティブ系など革新的なスタイルを求める企業の面接に適しています。
◆パンツスーツ・スカートスーツどちらでも可
女性の転職用のスーツは、パンツスーツとスカートスーツのどちらでも構いません。
パンツスーツは、アクティブ・革新的な印象を与え、スカートスーツは柔らかさ・伝統的な印象を与えるため、業界や「見せたい自分像」に合わせて選び分けていくと良いでしょう。
② 靴・バッグ
◆パンプスは低〜中ヒール(3cm〜5cm)
靴は、基本的にはパンプスを選びます。色は紺色や黒色、ベージュ、灰色を選ぶと良いでしょう。
装飾のない靴で、かつヒールは3cm~5cmにとどめ派手さが出ないようにします。現在は、ストラップつきのパンプスも許容される流れにありますが、ややカジュアルな印象を与えるため、特にフォーマル色が強い業界への面接では用いないほうが無難です。
◆ストッキングはベージュ
ストッキングはベージュで、25〜30デニールのものを選びます。タイツは避けるようにし、寒い時期は保温性の高いストッキングもしくはパンツスーツを選びます。
なお、パンツスーツの場合でも座ったときなどに足の甲は見えるため、靴下ではなくベージュのストッキングを履きます。
◆バッグはA4サイズが入り、自立するもの
バッグは、A4サイズの書類が入り、使いやすく、自立するものを選びます。ビジネス用のバッグを用いるのが望ましく、スーツとの相性が良いものを選びます。
また、バッグは意外と劣化が進みやすいものでもあるため、面接に行く前には状態を確かめておきましょう。現職で毎日使っていたものはもちろん、「しばらく使っておらずクローゼットの奥にずっとしまっていた」というバッグも意外と痛んでいることが多いものです。
③ ヘア・メイク・香水・爪・アクセサリー
◆髪型はまとめ髪、暗めの色で清潔感
長めの髪ならば、耳と同じ程度もしくは耳よりも少し下の位置でまとめるようにします。ひとつに結んで、上品なバレッタやゴム、派手さのないシュシュを使うのが無難です。また、ハーフアップにしても良いでしょう。
女性の場合、男性に比べて「許容される髪の毛の色の範囲」が広めです。現在は茶色でも問題なく受け入れられることが多く、8トーンまでは問題ありません。また、「髪の毛の色は問わない」としている業界の場合は、さらにこの範囲は広がります。
前髪は、ある分にはまったく問題ありませんが、目が隠れたり、表情が見えにくかったりする髪型はNGです。
◆メイクはナチュラル、香水は控えめ、派手なマニキュアはしない
メイクは、ナチュラルメイクを基本とします。厚塗りは避け、パウダーもポイント使い程度にとどめます。なお、「仕事終わりに面接に行く」という場合は、メイク直しの時間を取れるようにしておくことも重要です。
アイシャドウ:ブラウンやベージュが無難。パールやラメの入ったものは使用しない
アイライン:使わなくても問題ないが、使う場合は太くなりすぎない
マスカラ:アイライン同様基本的には不要。つける場合はブラウン系もしくは黒色系、控えめに使うのが基本
チーク:ベージュやコーラル系をチョイス。顔色を良く見せる程度にとどめる
口紅:ピンクベージュなどを選ぶ。グロスはツヤ感が強くなりすぎるので避ける
香水:つけないほうが無難。つける場合は控えめに
爪:短く切り揃えマニキュアはなし、もしくはクリアなものにとどめる
◆アクセサリーは最小限
アクセサリーは基本的にはつけません。許容される範囲としては、
結婚指輪
ワンポイント程度に使えるネックレス(華美ではないもの)
小さいあるいは透明なピアス(女性のみ、男性は不可)
落ち着いたデザインで、音が出ない革やシルバーのストラップの時計
までです。
女性の場合は男性以上に、「許容される幅」「見せるべき方向性」が業界ごとに違います。そのため、受けようとしている会社の社員の装いなどを事前に確認し、面接時に望まれる服装を把握しておくと安心でしょう。
【男性編】面接での服装・身だしなみの基本

ここからは、男性の面接での服装・身だしなみについて解説していきます。男性の装いも基本的には女性と同じですが、許容される範囲はやや狭くなります。
① スーツ・シャツ
◆スーツはネイビー・チャコールグレーが無難
スーツの色は、ネイビーもしくはチャコールグレーを選びます。
黒色については評価が分かれ、「リクルートスーツの印象が強いため、原則として避けるべき」とする説や、「フォーマルな印象や落ち着いた印象があるため、歓迎される」とする説、「ネイビーやチャコールグレーと同等の扱いである」とするものがあります。どれも間違いではありませんが、新しく買い直すのであればネイビーやチャコールグレーなどが無難です。
◆サイズは体に合ったもの、肩幅・丈・袖の長さを確認
体に合ったサイズのスーツを着るのが鉄則です。肩幅・丈・袖の長さを確認しましょう。特に、若いときの吊るしのスーツや、間に合わせで買ったスーツを着続けている場合は、この機会に買い直しを検討しても良いでしょう。
◆シャツは白または淡いブルー、アイロンをかけ清潔に
男性の転職時のシャツは、レギュラーカラーのワイシャツとします。半袖のワイシャツもありますが、転職活動のときには長袖のワイシャツを選んだほうがシルエットがきれいに出ます。
シャツは基本的には白色を選びますが、淡いブルーでも問題ありません。目立たない程度のストライプも許容される場合もありますが、無地が無難です。
② ネクタイ・小物
◆ネクタイは派手すぎず、無地や控えめな柄
ネクタイは、どの業界であっても「無地もしくは控えめな柄で、色も主張が強すぎないもの」を選びます。ただし、黒や白は冠婚葬祭と直結するカラーリングのため避けます。
金融業や不動産業などの堅い業界の場合は、ネイビーやブルーが望ましいでしょう。接客業や営業系の場合は、暖色系が好ましいとされています。また、イメージカラーが明確にある企業の場合は、そのイメージカラーと合わせたネクタイを選ぶのもひとつの手です。
◆靴は黒革靴を磨く
靴は黒の革靴が最も無難ですが、濃い茶色の靴でも問題ありません。爪先の尖っていないデザインで、紐がついたものを選び、よく磨いておきます。
靴下は、無地の黒色もしくはネイビー、濃い灰色を選びます。地肌が見えない長さ・厚みのものを選びましょう。
◆ベルトは靴の色に合わせる
ベルトは、靴の色に合わせて選ぶと失敗がありません。バックルの色は銀色とし、派手すぎるデザインは避けます。素材は革製(本革・合皮、いずれも可)で、かつ太さが3cm~5cm程度のものにするのが無難です。
◆腕時計はシンプル、アクセサリーは避けるのが無難
腕時計はハイブランドのものは避け、革のベルトかつ音の出ないシンプルなものを選びます。
ネクタイピンとカフスボタンは、必須ではありません。着用するかどうか迷ったのであれば、着けないのが無難です。着用する場合は、地味で目立たない色・デザインを選びます。
男性の場合でも結婚指輪は着けても問題ありませんが、それ以外のアクセサリーは着けないようにします。
◆バッグはA4サイズが入り自立するビジネスバッグ
バッグは、A4の書類が入るサイズとし、自立するビジネスバッグを選びます。カジュアルな印象の強いリュックサックや肩掛けカバンは避けましょう。
③ 髪型・身だしなみ
男性の場合は、ほぼすべての業界で「清潔感」「きっちりした服装」が求められます。男性の化粧やネイルが許容されつつある現代ですが、人事権を持つのは40代以上であることが多く、こと転職活動においては推奨されるものではありません。
また、清潔感を出すには日ごろからのケアが必要不可欠であるため、生活習慣やスキンケアなども含めて見直してみると良いでしょう。
◆短髪で黒色、顔にかからないよう整える
転職時の男性の髪型で望ましいのは、「短く」「黒色で」「顔にかからない(特に目にかからない)スタイル」です。
男性の場合、一部の業界を除き長髪は許容されません。また、髪の毛の色についても女性以上に厳しい判断が下されるため、長さ・色・ヘアスタイルの面では基本を守る必要があります。
◆眉・ひげは清潔に
ひげはきちんと剃ります。「おしゃれにひげを整える」ではなく、「きちんと剃り落とす」ほうが好印象を与えます。日頃から肌の手入れをしておくと、より清潔感を与えられるでしょう。
眉毛は、整える場合は眉山を作るとアクティブな印象になり、眉山の角度をほぼ平らにすると柔らかい印象を与えることができます。ただ、作りすぎると不自然な印象になってしまうので注意が必要です。
◆爪は整える
爪は、自分が思う以上に人に見られています。短く切り揃え、汚れがないようにしましょう。深爪にならないように注意し、日頃から指先の保湿ケアをしておくのが望ましいといえます。
面接で「服装自由」といわれた場合

業界や企業によっては、「面接時の服装自由」としていることもあります。
ここでは、このように指定された場合に選ぶべき服装、また迷ったときの判断基準について解説していきます。
なぜ企業は「服装自由」とするのか?
「服装自由」としている企業は、多くの場合下記のような意図があります。
自社の社風を理解しているか、それに合わせた装いができるか
転職希望者のセンスはどのようなものか、個性やオリジナリティはあるか
美容業界やアパレル業界など、スタッフがひとつの「モデル」としての意味も持つ業界ではこの傾向が強いでしょう。この場合、髪の毛の色や着用する服・メイクも含め、ある程度個性的なものであることが許容・推奨されます。
しかしそれ以外の業界における「服装自由」の場合、まったく違う意味を持ちます。
服装のルールが定められていないなかでも、常識的な装いができるか
自社の社風についてよく調べたうえで、それに合う服装を自発的かつ能動的に選べるか
業界・職種に合わせた適切な装いをきちんと選べるか
そのため、美容・アパレル業界以外での「服装自由」では、
企業の社風を、ホームページやSNS等の写真などから把握する
基本を押さえたうえで、年齢・職種・業界に合わせた装いを考える
といった工程が必要です。
迷ったときの判断基準
◆スーツを選べば大きなマイナスはない
「服装自由」とされた場合は、スーツもしくはビジネスカジュアルを選ぶのが基本です。
特にスーツは無難な選択肢であるため、男性でも女性でも選びやすいでしょう。グレーやネイビー、チャコールグレーのスーツに、白色のワイシャツを合わせるのが最も一般的です。それに加え、
男性の場合:
無地で落ち着きのある色のネクタイ
靴下はネイビーの無地
靴は紐付きの革靴女性の場合:
25~30デニールのストッキング
3cm~5cm程度のヒールのパンプス
化粧はナチュラルメイク
を合わせましょう。
◆オフィスカジュアルを選ぶ場合は、上品で落ち着いた服装を意識
オフィスカジュアルの場合は、「カジュアル」ではなく、「オフィス」に寄った選び方をするのが無難です。
男性の場合:
ジャケットorブレザー:定番色はネイビー・グレーだが、ベージュなどの淡い色を選んでも問題ない
インナーはワイシャツ:基本的には白色などの定番色。ジャケットがベージュのように淡い色の場合、やや落ち着いた色合いにするとバランスが取りやすい
パンツはスラックス
靴は紐付きの革靴
ネクタイはなくてもOK女性の場合:
ジャケット×シャツorカットソー×スカートの組み合わせが無難
ジャケット:ネイビー・グレー・ベージュなど
シャツやカットソー:白色が定番。クリーム色などの淡い色ならば問題なし
スカート:ひざ丈~ひざ下の長さ、派手でなければ黒色や濃い茶色などでも良い
ロングパンツを選んでもOK
ストッキングはベージュ
靴はパンプス
メイクはナチュラルメイク
バッグは、男女とも「A4サイズの書類が入る、自立した、手提げ式の、カジュアルすぎないもの」を選べば問題ありません。
季節ごとの面接での服装の注意点
面接時の服装にはルールがあり、基本的にはそれに沿うものです。ただ、真夏や真冬の場合、この「基本のルール」を守ることが気温・気候的につらくなったり、また見た目の問題からほかの対策が必要になったりすることがあります。
ここからは、夏(特に猛暑日)や冬(特に真冬日)に面接に臨む場合の服装の注意点について解説していきます。
夏の面接
夏、特に猛暑日の面接は、「清潔感」と「きっちり感」を両立させなければならなず注意が必要です。
◆半袖シャツ・ノースリーブインナーは避け、長袖・薄手素材で清潔感をキープ
猛暑日であっても、面接時には半袖シャツやノースリーブインナーは原則としてNGです。 面接時の服装の基本である長袖シャツを着用しましょう。
現在は、薄手素材の長袖シャツや、吸汗性と速乾性に優れた素材で作られたもの、接触冷感タイプのものもあるので、これらを積極的に利用しましょう。
◆夏用スーツをひとつ持っておくと心強い
指定がある場合を除き、面接時は夏でもジャケット・スーツを着用します。そのため、夏に転職活動をする場合は、夏用スーツ(夏用ジャケット)をひとつ持っておきましょう。
これは、通常のスーツよりも薄手で通気性がよく、接触冷感機能などを備えているもので、夏でも快適に着こなせます。また夏用のスーツのなかには、夏向けの爽やかなデザインで作られたものも多く、特に「服装自由」としている企業で好意的に受け入れられるものが揃っています。
なお女性の場合で、特にオフィスカジュアルでの面接が求められる場合は、夏向きの青・白・薄い緑などを取り入れていくと、爽やかな見た目になります。
◆生脚・サンダルは避け、革靴やパンプスで統一
夏の面接でも、足元は「紐付き革靴」「パンプス」で統一します。サンダルやミュールは厳禁です。
また、いわゆる「生脚」で面接に臨むことも禁じられています。「ストッキングが暑い、蒸れる」という場合は、涼感加工のストッキングを選びましょう。また、パンツスーツ×膝下ストッキングを組み合わせることで、下半身部分の蒸し暑さからある程度解放されます。
◆クールビズ対応か事前に確認
特に指定がない限りは、面接時の服装は猛暑日でも基本を守るべきです。ただし、企業側から「クールビズ可」と通達があった場合はこの限りではありません。
この場合は、
ノーネクタイ
ノージャケット
が許容されます。
原則として半袖シャツも可と解釈されますが、慎重にいきたいのであれば長袖シャツを選ぶほうが無難です。
なお、白いワイシャツの場合、ジャケットなしだと肌が透けてしまうことがあります。事前に、肌が透けて見えないかを確認しておきましょう。また、ジャケットを着ないぶんシワや汗染みが目立ちやすくなるので、その対策もしっかりと行います。
◆汗やにおい対策を忘れずに
夏の面接では、汗やにおいの対策をしっかり行うことが重要です。ボディシートを持ち歩き、面接前に使いましょう。脇はもちろん、手のひらや首筋にも使っておきます。
制汗剤も適宜利用しましょう。香りのあるものは好き嫌いが分かれるため、無香料で、香りがついていないものを選ぶのが無難です。
また、においは体からだけではなく、衣服からも漂うものです。使ったスーツは風通しの良いところにかけ、脇・背中・首筋を固く絞った濡れタオルで叩いて汗をとります。また、消臭スプレーを利用し、定期的にクリーニングに出すようにします。
女性の場合はメイクの崩れも問題となるので、面接前は、エアコンの効いたところで化粧直しをしましょう。化粧崩れ防止のフェイスパウダーなどは強い味方となります。
冬の面接
真冬日の面接は、「防寒対策をどのようにすべきか」が重要になってきます。コートや靴、マフラーなどの小物との付き合い方を見ていきましょう。
◆コートは面接前に脱ぐ
コートは、男女問わずトレンチコートやチェスターコートが望ましいとされています。ダウンコートやダッフルコート、ムートンコートなどは、砕けすぎた印象を持たれるため推奨されていません。
色は、黒やネイビー、ブラウン、ベージュが望ましく、明るすぎる色や派手すぎる色は好まれません。スーツと色を合わせられればより良いでしょう。なお、裏地に関しても、極端に大きくロゴが入っていたり、派手な模様が入っていたりするものは避けます。
コートは面接の前に脱ぎ、裏地が表に出るようにして畳みます。基本的にはコートを着て建物内に入ることは不調法とされるため、複合ビルの場合はエントランスで脱ぐようにしましょう。
◆ニットやセーターは避けるのが原則
ニットやセーターは、「服装自由」「私服で」とされているところや、一部の業界(アパレル系など)では許容されることがありますが、それ以外の場合は避けたほうが無難です。
ニットやセーターはカジュアルな装いとしての性質が強いため、原則として面接時には向きません。もし使うのであれば、黒やネイビーなどの落ち着いた色で、かつ無地のものを選びます。
◆ブーツは避け、革靴やパンプスで統一
ブーツや長靴はカジュアルな靴として扱われるため、面接時には相応しくありません。そのため、冬の面接であっても履くのは革靴もしくはパンプスとするべきです。
なお、豪雪地帯などでは、革靴やパンプスでは面接の場所にたどり着く前に足元が汚れてしまうということもあります。そのような場合は、「面接の場所にたどり着くまではブーツを履き、面接場所のパウダールームなどで革靴・パンプスに履き替える」という方法を取ってください。履き替えた靴は、コインロッカーがあればそこに預け、ない場合は目立たない色の袋に入れて持って行きます。
◆手袋やマフラーは控えめに、会場に入る前に整える
手袋やマフラーは、カシミアなどの素材のもので、シンプルなデザインのものを使います。ブラウンや白、黒、ネイビーなどの色が使いやすいでしょう。また、基本的には無地を選びますが、目立たない柄のものならば使用しても構いません。
これらはコートと同じタイミングで脱ぎ、片付けておきます。
オンライン面接の服装マナー
近年は、一次面接などはオンライン面接が主流となりつつありますが、画面越しであってもオフラインでの面接と同じようにきちんと服装を整えることが重要です。「上半身しか映らないから」「画面越しだから」と油断していると、見抜かれる可能性があります。
服装は対面面接と同じ
オンライン面接であっても、服装はオフラインでの面接のときと同じです。スーツもしくはジャケットを着用し、アイロンをかけたワイシャツを着て、髪の毛を整えて面接に臨みます。
ただ、インナーは意識して明るめの色を選び、メイクもやや明るめにするとより良いでしょう。こうすることで顔色が良く見えるようになり、映りも良くなります。
画面映えを意識する
オンライン面接と対面面接の違いは、「面談を受ける側が、『場』を用意しなければならない」という点です。
事前に接続環境に不備がないかを確認するのは基本ですが、それ以外にも下記の点に注意しましょう。
◆照明・背景
オンライン面接において最も大切な要素は、「照明」です。一般的な室内照明だけでは光量が足りなかったり、顔に影が落ちたりします。
基本的には、太陽光が入る窓を正面にして面接を受けることが推奨されます。難しい場合は、リングライトや卓上ライトを使い、顔の影を飛ばしましょう。
現在は、ほとんどのWEB会議アプリで背景加工ができるようになっています。背景加工はこれに頼るのが楽ですが、見栄えが悪い場合もあります。可能ならば、白い壁を背景にして臨むようにしましょう。バーチャル背景を使用する場合は、ごくシンプルなものを選びます。
◆カメラ位置にも注意
カメラ位置は、「自分の目線と同じ高さ」にします。パソコンやスマホの下に台を置いて高さを調節したり、イスの座面を下げたりして調整するとやりやすいでしょう。
また、位置を自由に調節できる外付けのカメラを使うのもひとつの方法です。
管理職・エグゼクティブ向けの面接時の服装のポイント
ここまでは、一般的な転職活動における服装の注意点について解説してきましたが、管理職・エグゼクティブ待遇を前提とした面接では、求められる装いにまた違いが出てきます。ここでは、それについて解説します。
服装で信頼感・品格を演出する
「服装」は、人を判断するために使われる要素のひとつです。管理職・エグゼクティブ待遇での採用を目指すなら、服装で信頼感や品格を演出しなければなりません。
◆高品質・上質素材のスーツやシャツを選ぶ
管理職・エグゼクティブ職は、見ている人に安心感と信頼感を抱かせる必要があります。品質の良いスーツはそれらを演出する手助けをしてくれます。
この立場の人におすすめなのが、「ウール」です。ウール100%のスーツは適度な光沢感を持ち、品が良く、エレガントに見えます。特に、オーダーで自分の体形に合わせてあつらえたウール100%のスーツは、管理職・エグゼクティブ職に相応しい品格をアピールする強力な武器となるでしょう。
シャツは、上質なコットンのものが選びやすいといえます。また女性で、特にブラウスを面接に使う場合はシルクを素材としたものがおすすめです。
◆落ち着いた色味でリーダーとしての落ち着きを表現
色は、やはりネイビーやチャコールグレーがおすすめです。あまり明るすぎる色はなじまないため、ネイビーでも特にダークネイビーと呼ばれる黒寄りのネイビーが推奨されます。
なお、スーツ・ジャケットが重い色合いの場合は、インナーを比較的明るめの色にするとバランスが取りやすくなります。
◆小物(時計・バッグ・靴)はシンプルかつ上質に
時計や靴、バッグのマナーは「面接の基本の服装」と変わりありません。
管理職・エグゼクティブ職での面接であっても、ハイブランドの時計は避けたほうが無難です。ただし、ハイブランドであることを強調しすぎないシンプルなデザインの時計、長く使うことを前提としたビジネスバッグ、機能性をしっかり重視した靴ならば、ある程度値段の張るものでも問題ありません。
体型・年齢に合わせた着こなし
「自分の体形や年齢を把握したうえで、それに合った装いができること」は、管理職待遇での採用に必須となる要件です。これができていない場合、「自分自身のことのみならず、仕事においても現状認識ができていない人である」と認識される可能性が高いからです。
◆ジャケットやパンツのシルエットは体へのフィット感が大切
ジャケットやパンツは、体に合っているかどうかを確認します。体重に変化がなくても、ウエストやヒップ、腕のラインなどが変わることはあるため、単純な「サイズ」だけではなく、「シルエット」でも確認しましょう。
また、合わせて、「スーツ自体が型崩れをしていないか」を見ることも重要です。
◆ヒールの高さやパンツの丈など、動きやすさと見た目のバランスを重視
パンツ丈の長さで最も一般的なのは、「足の甲の部分に、パンツの裾が軽くかかる程度」です。パンツを履いただけでは長さが把握しにくいので、面接時に履いていく靴と合わせたうえで確認しましょう。
ヒールの高さの基本は3cm~5cmですが、男女ともにかかとがすり減っていないかを確認します。また、大きい傷がないか、動きやすさと見た目のバランスが取れているかも改めて確認しておきましょう。
面接中の印象づくりが大切
清潔感のある髪型・爪・メイクであることは、一般職以上に強く求められます。管理職での採用となると、あなた自身が部下の規範となることが求められるからです。
髪の毛は、ただとかすだけではなく、ほつれや乱れがないようにきちんと整えます。爪先は汚れがないことはもちろん、適切なケアをしておくことが必要です。
姿勢や立ち居振る舞いも、採点対象のひとつとなります。猫背にならないことはもちろん、胸をそらしすぎるのもマイナスポイントとなるので、「天井から糸で吊るされている状態」を意識して姿勢を作りましょう。
左右の肩を同じ高さにすることを意識して立つとより良いでしょう。特に、「いつも肩掛け鞄を使っている」という人は、肩の高さが傾いている可能性があるので注意が必要です。
【業界別】面接で好印象を与える服装のポイント
業界ごとで、面接で好まれる服装にも若干違いがあります。ここでは、業界別の好まれる服装について解説していきます。
コンサルティング・金融
コンサルティング業界・金融業界は何よりも「誠実感」「信頼感」が求められるため、堅い服装が求められます。
ダークネイビーのスーツに、白い無地のワイシャツの組み合わせが推奨されます。ネクタイも落ち着いた色のものとし、無地もしくはごく目立たない模様のものを選びます。
IT・テクノロジー
IT・テクノロジー系は、比較的服装のルールが緩やかな傾向にあります。「服装自由」とされることも多いため、オフィスカジュアルを選んでも良いでしょう。
ただその場合でも、清潔感とスマートさを意識し、「外れすぎない」服装にすることが重要です。定番のネイビーカラーのほか、ベージュのジャケットなどを選んでも問題ありません。
消費財・ラグジュアリー・メーカー
高額な商品を扱うことになる業界では、社員にもそれに相応しい服装が求められます。この場合、管理職・エグゼクティブでの採用に近い上質な素材のもの(ウール100%のスーツ×シルクブラウスなど)を選び、品格の高さを表現します。
ただし、「信頼」もキーワードとなる業界のため、華美なデザインは好まれません。「シンプルでありながら上質」を心掛けて服を選びます。
製薬・ヘルスケア・ライフサイエンス
この分野の場合は、「外勤のときはスーツで、内勤のときはオフィスカジュアル」とされることが多いため、面接の場でもそれに準じます。
基本的にはスーツで面接に向かうのが良く、ダークネイビーもしくはグレーのスーツに、白色もしくは水色のシャツを組み合わせるのが定番です。清潔感の求められる業界なので、古く摩耗したスーツを使うのは厳禁です。
面接前の服装・身だしなみチェックリスト
面接前には、下記のチェックリストで服装・身だしなみが適切かを確認してください。
また、確認は、「前日」「当日1時間ほど前」「当日20分ほど前」に分けて行うと見落としがありません。
✓服のシワ・汚れ・毛玉がないか
✓寝ぐせはないか、まとめ髪の場合はほつれ毛がないか
✓スーツにほこりやペットの毛などがついていないか
✓ナチュラルメイクになっているか
✓靴はきちんと磨いてあるか
✓ストッキングの色は適切か、伝線がないか、替えは用意したか
✓企業側の指定する服装になっているか
✓夏は制汗剤などを適切に使えているか、冬は天候(特に雪や雨)に合わせて調整できているか
服装は、面接の第一のチェックポイントです。ここで門前払いにならないように、しっかり確認しておきましょう。
関連記事:転職初日の持ち物・事前準備チェックリスト
面接時の服装に関するよくある質問
ここからは、面接時の服装に関するよくある質問と、その答えを記していきます。
Q.「私服OK」と言われた場合、どのような服装で行くべきですか?
A. オフィスカジュアル
「私服でOK」とされた場合は、オフィスカジュアルの服装で行きます。一般的な「私服(Tシャツやジーンズなど)」は原則不可です。また、このように表記された場合は、スーツも避けたほうが無難でしょう。
Q. ネクタイやストッキングは必須ですか?
A. ストッキングは必須、ネクタイは「服装自由」以外は必須
ネクタイとストッキングは、ビジネスの場における基本です。ただしネクタイは、「私服でOK」「服装自由」とされている場合は着用しなくても構いません。ストッキングはどのような場合でも着用するべきですが、膝下ストッキングなどの使用は問題ありません。
Q. 外資系企業はカジュアルな服装でも良いですか?
A. 企業による
外資系企業でも、指定がない場合はスーツで行くのが基本です。ただし、外資系企業の場合は、比較的明るい色合いのスーツでも許容される傾向にあります。また、「服装自由」とされている場合はそれに従います。
Q. リクルートスーツで参加しても良いですか?
A. 基本的にはビジネススーツで
20代前半(広く見ても20代後半)までの転職ならばリクルートスーツでも問題ありませんが、それ以降の世代ならばビジネススーツで面接に行くのが基本です。リクルートスーツは「新卒」の印象が強いため、社会人経験を積んだ人の転職活動時の服装には相応しくありません。
Q. カジュアル面談の服装はどうしたら良いですか?
A. オフィスカジュアルが正解
近年スタートアップなどでよく行われるカジュアル面談は、正式な面接に進む前に情報収集や雰囲気を感じ取るために行われるものです。
選考の意思が決定していない場合でも参加が可能で、率直に会社の雰囲気などを先輩社員や担当者に聞けるのが魅力のカジュアル面談ですが、相性をチェックしているのは企業も同じです。清潔感があり、頼もしく好印象を与えられる服装を心掛けましょう。迷ったら「オフィスカジュアル」を基本とし、スーツやネクタイは必須ではありません。
Q. 面接が複数日ある場合、服装を変えるべきですか?
A. 基本的には変えなくて構わない
アパレル業界などごく一部の業界の面接においては、一次面接と二次面接以降では服装を変えたほうが良いとされることがあります。しかしそれ以外の業種では、複数回の面接が実施される場合でも、同じ服装で行っても構いません。どうしても気になるのであれば、ネクタイなどの小物で調整すると良いでしょう。
Q. 面接で避けるべき服装や色はありますか?
A. カジュアルすぎる服装、派手な色は避ける
面接では、過度にカジュアルな服装(Tシャツやハーフパンツ、膝上のスカートなど)は、「服装自由」とされていても避けます。また、明るすぎる色や派手な色についても避けるべきです。模様に関しては、小さく目立たないものならば問題ありませんが、無地のほうが無難です。
Q. 面接に最適な服装はありますか?
A. ダークカラーのスーツ×白いワイシャツ
面接時は、暗めの色のビジネススーツ×白のワイシャツ×A4サイズで自立するビジネスバッグの組み合わせが最適です。男性はここに紐付きの革靴、女性ならばパンプスを合わせます。
「服装自由」とされていた場合は、ジャケットに白シャツを合わせると失敗がありません。
面接準備や服装で迷ったらエイペックスへ
面接での服装は、ビジネススーツにワイシャツを組み合わせたものが基本となり、清潔感やその場に合った相応しい装いであるかが重要になります。業界や職種・企業文化に合わせながら、夏場や冬場の面接、オンライン面接などの注意点を頭に入れ相応しい対応を心掛けましょう。
ただ、「面接での服装や印象を整えても、なかなか内定につながらない」「準備をしたが本当に合っているか不安だ」と感じる方もいるでしょう。
そんなときは、転職エージェントが心強い味方になってくれます。キャリアのプロである第三者に相談することで、自分では気づきにくい改善すべき点や、企業ごとの面接対策のポイントのアドバイスをもらうことができます。
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