転職・就職活動において、最初の難関となるのが「履歴書の作成」です。履歴書の基本情報(名前や住所、生年月日など)や学歴までは書けても、志望動機や自己PRなどの欄で行き詰ってしまう人は多いものです。また、職歴や所持資格が非常に多い場合、どれを書くべきか迷う人もいるでしょう。
そんな人のために、ここでは【無料で使える履歴書テンプレート(Word・Excel・PDF対応)】を紹介しつつ、履歴書の各項目の書き方ガイド、採用担当者に好印象を与える書き方のポイント、履歴書の提出マナーやよくある質問などについて解説していきます。
履歴書の基本の書き方から、特定のアピール方法に特化した書き方もご紹介していますので、選考の第一段階となる履歴書をしっかりと整え、ぜひ選考突破を目指しましょう。
目次
【ニーズ別】無料で使える履歴書テンプレート
履歴書にはある程度決まったかたちがありますが、「何をアピールしたいか」で履歴書のテンプレートを使い分けることができます。
下記に、ニーズ別に①~⑥までの履歴書のダウンロード用テンプレートを掲載しましたので、理想のテンプレートを使ってしっかりと自身をアピールできるようにしましょう。
1.【基本の履歴書】厚生労働省推奨テンプレート(最新版)
まず、最も基本となる履歴書の形式が「厚生労働省履歴書様式」です。迷った場合は、これを選べば問題ないでしょう。
「自分が新卒の時に使った履歴書と様式が違う気がする」と気づく人もいるかもしれません。実は、履歴書の基本様式は2020年に変更されていて、従来の形式に必要とされていた「性別」が任意記載となり、「配偶者」「配偶者の扶養義務」「扶養家族数(配偶者を除く)」「通勤時間」の欄が削除されています。
2.【職歴が多い人向け】学歴・職歴欄が多い履歴書テンプレート
厚生労働省推奨の履歴書はありますが、それ以外の履歴書を使ってはいけないという決まりはありません。学歴や職歴欄が多い人は、その欄が多く設けられたこちらのテンプレートを使いましょう。
志望動機や自己PRを記入する欄がないため、職務経歴書やカバーレターなど別の資料でそれらをアピールすることをおすすめします。
3.【職歴が少ない人向け】学歴・職歴欄が少ない履歴書テンプレート
転職経験がない(あるいは非常に少ない)人や、若い世代の場合は、学歴・職歴欄が少なくなる傾向にあります。
その場合は、厚生労働省推奨テンプレートに加えて
志望の動機
自己PR
趣味・特技など
の欄を入れたこちらの履歴書を使用すると良いでしょう。就職・転職時に大事なのは、自分の能力や情熱を訴えかけることです。志望動機や自己PRを積極的に打ち出していくことで、やる気を伝えやすくなります。
4.【意欲を伝えたい人向け】志望動機・自己PR欄が充実した履歴書テンプレート
志望動機・自己PR欄を充実させると、転職希望先への強力なアピールとなります。
特に、
異業界・ポジションに応募したい
第一志望の企業である
少し背伸びをしてでも受けたい企業である
という場合は、このテンプレートを使って自分の熱意を伝えていくようにしましょう。なお、志望動機・自己PRは、単に「空欄を埋めること」に終始するのではなく、「なぜその企業を希望しているのか」「自分がどうしてそのポジションに適任か」を中心に、個性のあるものにまとめなければなりません。
5.【スキルを強調したい人向け】資格・スキル欄が多い履歴書テンプレート
技術系・開発系・メディカル系などの専門スキルを重視する職種や、国家資格が必須のポジションに応募する場合は、免許・資格やスキルなどの欄が充実したテンプレートを使用します。
「免許・資格に関する特記事項」には、現在結果待ちの資格試験、挑戦予定(勉強中)の資格などを記すことができます。自己PRや特技の欄でも、資格・スキルの有用性をアピールすると良いでしょう。
6.【証明写真なしで作成したい人向け】写真欄なしの履歴書テンプレート
日本では、履歴書におおむね3か月以内に撮影した証明写真を貼り付けます。これは、確かに本人であることを確認するために求められるものであり、写真添付なしの場合「書類上の不備」「やる気がない」と判断され書類選考を突破できない可能性すらでてきます。
そのため、特に指定がない場合は証明写真は貼り付けるべきですが、外資系企業の一部では、差別防止の観点から「証明写真の貼り付けは不要」としているところもあります。転職希望先の企業からの指定がある場合に限り、こちらの証明写真欄なしのテンプレートを使用してください。
履歴書テンプレートの選び方と使い方
ここからは、履歴書のテンプレートの選び方と、基本的な使い方について解説していきます。
自分の職歴・スキルに合わせたテンプレートを選ぶポイント
上でも述べましたが、履歴書は「自分のアピールしたいところ」に焦点を当てられるものにします。応募先企業に合致した職務経験が多ければ「職務経歴の欄が多くあるテンプレート」を、熱意をアピールしたいのであれば「自己PR欄などが豊富なもの」を選ぶなど、応募先企業が「この人は自社に合っている」と評価してくれる点に多くの文章を割けるテンプレートを選びましょう。
なお、「どれにしようか迷う」という場合は、基本のテンプレートを使うと失敗がありません。
Word・Excel形式のテンプレートを使う方法
Word形式、Excel形式の履歴書テンプレートを使用する場合は、配置やスペースを自由に変えて特定の情報を強調したいときに便利です。必要項目を入力したあとに、PDFに変換して提出しましょう。
PDFはWordやExcelに比べて改ざんできる余地が少ないため、重要な書類ではこの形式がよく使われます。なお、応募予定先の企業から書式の指定がある場合はそれに従います。
PDF形式のテンプレートを使う方法
PDF形式のテンプレートは、印刷して手書きしたいときに便利です。編集可能なPDFなら、直接入力して保存するだけで完成版の履歴書として使えます。
パソコンで作成した履歴書をPDFに変換する方法
WordやExcelで履歴書を作った場合は、画面左上の「ファイル」から「名前を付けて保存」または「エクスポート」を選び、ファイル形式で「PDF」を指定して保存するだけで変換できます。Googleドキュメントやスプレッドシートの場合も、「ファイル」→「ダウンロード」→「PDF」を選ぶことでPDF化できます。
また、どのソフトでも「印刷」メニューから「PDFに保存」を選択して変換することも可能です。PDFに変換しておくとレイアウトが崩れず、サイトからの応募やメール添付にもそのまま使えるため、提出用の「完成版」として便利です。
テンプレートを編集・保存する際の注意点
テンプレートを編集し保存する際は、「文章校正」などを使って誤表記などがないかを確認するとミスが少なくなります。確認する場合は、画面上で見るだけでなく、一度プリントアウトするとさらに間違いに気づきやすくなり効果的です。
手書きで履歴書を作成する場合のコツ
手書きで履歴書を作成する場合は、「修正液や修正テープが使えない」ということが大きなネックになります。これは、採用担当者に「手抜きだ」「本人以外が書き直した可能性が否定しきれない」というマイナスの印象をもたらすからです。
そのため、事前に鉛筆やシャープペンで必ず下書きをし、その上からなぞるようにして書いてください。また、書き終わったらインクが乾いたことを確認して、丁寧に消しゴムをかけます。
また、手書きの場合は志望動機や自己PR欄において、「大きめの文字で書いていたら、欄が足りずに最後の方は細かい文字になってしまった」ということがよく起こり得ます。これを避ける手段としても、下書きが有効です。
履歴書の正しい書き方と基本ルール

履歴書の書き方には一定のルールがあります。下記に注意しながら作成しましょう。
正式名称で記載する(略称や俗称で書かない。NG例:東大、Apex(株)など)
和暦もしくは西暦で統一する(表記はどちらでも可)
誤字脱字、余計な文字が入っていないかをよく確認する
空白欄を作らない(「特記事項」を問われる欄で、「なし」と書くのはOK)
履歴書の上部の「日付」の欄には、作成日時もしくは送信日時を書く
顔写真は3か月以内のものを使う
フォントや文字サイズを統一する
左寄せで、文頭を揃える
手書きの場合は黒のボールペンを使用。修正液・修正テープの使用はNG
なお「表記の統一ができているか」「誤字脱字、余計な文字が入っていないか」などは、第三者(家族など)の目で読み上げ確認してもらうと気づきやすくなります。
履歴書は、企業に自分を売り込む最初の材料となります。パソコンで作成するにしろ手書きにしろ、間違いのないように、また相手が数秒であなたの魅力を認識できるようわかりやすく作り込むことが大切です。
履歴書テンプレート:各項目別の書き方ガイド
ここからはより細かく、各項目の書き方について解説していきます。
学歴欄の書き方
履歴書の学歴欄と、次にくる職歴欄は採用担当者がまず目にする重要な部分です。基本的な書き方の例と注意点をしっかりとおさえましょう。
例:
注意点:
高校入学から最終学歴まで時系列で記入。「入学→卒業」の順で上から下に書く
西暦か和暦で年月も明記(例:2000年4月 〇〇入学、2003年3月 〇〇卒業)
学校名・学部名・学科名は略さず正確に書く(例:国立B大学 C学科 D学部)
職歴欄との境界に一行スペースを入れる
職歴欄の書き方
例:
営業部に配属 新規顧客開拓を担当、5年連続優秀営業賞を受賞
営業部 営業戦略課に主任として配属
データ分析・営業戦略立案を担当、新製品上市を成功に導く
現在に至る
注意点:
「入社→退社」の順で上から下に書く
会社名・部署名・役職・在籍期間を明記
会社名等は正式名称で書く(例:株式会社〇〇 営業部 営業戦略課 主任)
箇条書きで主な担当業務や実績を簡潔に書く(例:新規顧客開拓を担当、5年連続優秀営業賞を受賞)
在職中の場合は「現在に至る」と最後に表記
退職理由は「一身上の都合により退社」「介護のため退社」「配偶者の転勤により退社」など簡潔に記す
なお、「一度社会人になった後に再度学校で学び直し、その後で再度就職した」という場合は、時系列ではなく「学歴」と「職歴」で分けて書きます。
退職の理由は、個人的な理由であれば上記のように簡潔に記しますが、倒産や整理解雇など会社都合であれば「会社都合により退職」、契約満了であれば「契約期間満了につき退職」などと記載します。
退職理由をある程度細かく書くのは、「短い期間で転職を繰り返しているが、それにはやむを得ない理由があった」と伝えるためです。
また、大きな異動(部署異動、担当領域変更、海外駐在など)があった場合は、それも記すと良いでしょう。
ちなみに、正社員の場合は雇用形態は原則として未表記で構いませんが、派遣社員や契約社員などのような非正規雇用の場合は「株式会社F入社 営業部に配属(契約社員)」などのように書きます。
免許・資格欄の書き方
免許・資格の欄は、まずはじめに重要度の高い国家資格・免許を書き、その次に資格を書きます。
例:
基本的には免許→資格の順番かつ時系列で書きますが、見せたい順番で書いても問題はありません。応募先企業が有用であると評価する免許・資格を、上段にまとめるかたちで書きアピールしても良いでしょう。
また、免許・資格の欄が足りない場合は、優先度の高いものをピックアップして書くか、もしくは別紙にまとめます。ちなみに、あまりにも有効度の低い資格(英検4級など)は記しません。業務に直接関係のない免許(普通自動車免許など)を、「その他特記すべき事項」に記す手もあります。
志望動機・自己PR欄の書き方
志望動機・自己PR欄は、履歴書においてもっとも重要な項目です。使いまわしは厳禁で、必ず応募先企業に合わせてオリジナルで一から作成する必要があります。
例:
【企業の理念・価値観と自身の目標・価値観の一致を言及する】
例①:「御社の掲げる『ちょっと足りない、をなんとなく便利、に変えていく』という理念に共感しました。私自身、日々の業務や生活のなかで「より使いやすく、より効率的にする」ことを意識しており、私の経験や日々の工夫を活かして御社のミッションに貢献できると考えています」
例②:「大手企業のHRマネージャーとして10年の経験がありますが、大手ゆえの柔軟性の不足から限界を感じはじめていました。御社は大手外資系企業でありながら、日本においては独立性を持って業務が遂行できるということで、人事の面から組織変革を推進し、今後の事業成長に貢献できるチャンスが多くあると感じています」
【企業にとって有効なスキルや資格をアピールする】
例:「プロダクトマネージャーとして、〇〇製品のローンチを戦略策定から実行まで一貫してリードし、上市2年で〇〇億円の売上を達成しました。今後は御社にて、〇〇領域のアジア地域での販売マーケティング戦略をリードし、海外展開の拡大に貢献したいと思います」
【個人的なエピソードと企業を絡める】
例:「米国で、イミグレーションを専門とする事務所の採用サポートを行っていました。自身の家族を含めて、グリーンカードの取得で大いに助けられた人々を知り、自分も同じような境遇の人たちを助けたいと強く思うようになり、この分野に力を入れている御社を志望しました」
【入社したい熱意とその理由を書く】
例:「〇〇領域における〇〇治療法の大きな可能性に非常に魅力を感じており、ぜひ自分も携わり幅広い患者さんに治療法が届くよう貢献したいと強く思っています」
なお、ここでは5つに分けてお話ししましたが、実際には複数のポイントを組み合わせてアピールすることも可能です。
本人希望欄の書き方
履歴書の「本人希望欄」は、「絶対に譲れない条件」のみを書くようにします。
例えば、
保育園の迎えのため、18時半までに退勤が必要
介護のため転勤ができない
などを簡潔に記します。基本的には「やむを得ない事情による希望」のみを記します。
なお、特に希望がない場合は「なし」もしくは「貴社の規定に従います」とします。
写真欄の書き方
履歴書の写真は「清潔感・誠実さ」を見せる部分であり、面接官の印象を左右する欄です。注意点をしっかりと確認して撮影しましょう。
注意点:
縦4センチ×横3センチ(証明写真機で指定可)
正面向き、上半身のみ
背景色は、白色/青色/灰色のいずれか
髪が目にかかっておらず、口を閉じた軽いほほえみ、肩を自然に落とした姿で撮影する
原則として黒髪、女性はビジネス用のメイクとする(業界によって多少許容範囲が広がる)
撮影から3か月以内
スーツやオフィスカジュアルなど、清潔感のある服装
現在はスマートフォンでも撮影できますが、意外と難易度が高いため、基本的には証明写真機での撮影が無難です。また、ベストを考えるのであれば、写真館での撮影が推奨されます。
採用担当者に好印象を与える履歴書の書き方ポイント

履歴書は、採用に至る第一歩目のツールとなるものです。そのため、採用担当者に好印象を与える書き方を心掛けなければなりません。
志望動機と転職理由の一貫性を意識する
志望動機と転職理由は、一貫性を意識して作成します。
例えば、転職理由が「新しいマーケティング手法を学びたい」であれば、志望動機も「御社のように、データドリブンマーケティングやMAを活用した顧客育成、最新のSNS施策に積極的に取り組んでいる環境であれば、これまでの経験を活かしつつ、さらに成長できると感じ志望しました」のようにします。
志望動機や転職理由は、面接時にもほぼ必ず聞かれます。履歴書に書かれた内容と、面接時の受け答えに矛盾がないように注意しましょう。
経験・スキルを具体的かつ分かりやすく伝える
経験やスキルは、具体的に、かつ分かりやすく伝えるのが鉄則です。
原則として、担当した業務や役割を明確にしたうえで、具体的な数字(「年間売上ベスト3に、3年連続でランクインした」など)を加え、採用担当者が瞬時に実力を理解できるようアピールします。また、所持している資格を打ち出したり、資格×経験で売り込んだりするのも有効です。
さらに、求人票のキーワードや応募先が求めているスキルを意識して内容を取捨選択することで、自分の経験がその企業でどう活かせるのかが伝わりやすくなります。
誠実さと読みやすさを感じさせる文字・表現を使う
採用担当者は多くの応募書類を短時間でチェックします。そのため、履歴書には「読みやすさ」が求められ、それは忙しい採用担当者への配慮として高評価につながります。
難解な言い回しや、美辞麗句的な表現は必要とされません。簡素でありながら、稚拙さを感じさせない読みやすい文章を意識して作成します。
なお書き方は、「言い切り型」が望ましく、あいまいな表現や口語表現は避けるべきです。社会人として、コミュニケーションの基本を備えていることを示しましょう。
〇 ~の経験を活かし、御社の海外展開に寄与します/しかし、〇〇のようにしたことで~/非常に役立ちました
✕ ~の経験で、御社の海外展開に寄与できると思います/でも、このようにしたことで~/すごく役立ちました
文章のねじれや主語述語の不適応、あいまいな表現や口語調の使用は、意外と自分では気づきにくいものです。可能な限り第三者のチェックを入れましょう。
余白やレイアウトを整え、見やすさを重視する
履歴書の余白やレイアウトについても、注意を払うことが大切です。余白が適度にあり、情報が整理されていると一目で内容が理解しやすく、担当者への配慮が感じられます。
文頭の配置を揃える
行間・文字サイズを統一
重要な項目は適度に余白を確保し、詰め込みすぎない
数字や年号の書き方を揃える
テンプレートを使う場合は、崩れがないか最終チェック
などに注意しましょう。
なお、履歴書は空欄がないように埋めるべきですが、志望動機などの欄は7割以上を埋めれば良しとします。「余白が0になるまで、文字で埋め尽くさなければならない」ということはありません。
テンプレートを利用し、書き方の基本を守っても「自分らしさ」は十分にアピールすることができます。経験やスキルの強調ポイントや書き方は自分で工夫し、「読まれる履歴書」を目指して丁寧に書いていきましょう。
効率的な履歴書作成のコツ
転職活動では、ほとんどの人が複数企業に応募することになるでしょう。効率良く履歴書を作成して管理していかないと、思わぬ失敗や非効率な状況を招いてしまいます。ここからは、履歴書の効率的な作成のコツをお教えしていきます。
共通情報を入力した基本ファイルを作成しておく
履歴書を作成する場合は、「共通情報を入力した基本ファイルをまず用意して、保存しておく」という方法がお勧めです。
氏名
生年月日
住所・電話番号・メールアドレス
学歴および職歴
保有免許や資格(※免許および資格が非常に多い場合は、応募先企業に合わせてあとで取捨選択する)
希望条件
は、どの企業に提出する履歴書でも共通している内容のため、これらを書き込んだファイルをマスターとして作っておきます。
なお、志望動機・自己PRの欄は応募先企業ごとにあとでカスタマイズするため、必ず空白のままにしてから保存します。
定期的に内容を見直して最新情報に更新する
履歴書は一度作成したら終わりではなく、定期的に内容を見直すようにします。特に、新しい職務経験や資格取得があった場合は、見直しとアップデータを随時行いましょう。
また、家庭環境の変化によって働き方が変わった、あるいは変わることが予想される場合もあります。希望条件についても変更があった際は、一度見直しを行います。
履歴書と職務経歴書、場合によってはその他の応募書類をセットで準備する
履歴書は就職・転職時に用いるもっとも基本的な書類ですが、多くの企業では職務経歴書も同時に提出が必要になります。また、外資系企業の場合には履歴書ではなく英文レジメを求められたり、それにともないカバーレターの準備も必要になったりします。
《応募書類で必要になる可能性があるもの》
履歴書
職務経歴書
英文履歴書(外資系企業に多い)
カバーレター(外資系企業に多い)
研究概要書(研究開発職やアカデミア系に多い)
研究業績リスト / パブリケーションリスト(製薬企業の研究・メディカル職に多い)
ポートフォリオ(デザインやクリエイティブ系に多い)
これらが求められた場合にすぐに提出できるよう、履歴書に加えて事前に用意しておきましょう。特に、外資系企業でよく求められる「英文履歴書」「カバーレター」は事前に英文のチェックも必要となるため、外資系を専門とする転職エージェントに添削を依頼しておくと便利です。
履歴書を送付・提出する際のマナー
履歴書を提出する手段は、主に下記の3つに分けられます。
メール・ウエブサイト経由
郵送
持参
提出する履歴書自体は同じでも、提出時のマナーは少しずつ異なります。
メール・ウエブサイト経由で送付する場合の注意点
メールで送付する場合は、以下を守ります。
指定されたファイル形式や容量の制限を確認して送る(特に指定がない場合はPDF、2MB程度以内)
セキュリティが気になる場合は、パスワード機能や、指定したメールアドレスの人のみが閲覧可能なクラウドストレスサービスなどを利用する(ただし、企業からの送付指示があればそれに従う)
ファイル名をわかりやすくする(例:履歴書_Apex太郎)
メールの件名も内容が一目でわかるようにする(例:【応募書類送付】営業マネージャー応募/Apex太郎」
送信前に、件名・宛先・添付に間違いがないか確認する
ウエブサイト経由の場合は、企業からの確認メールが届くかチェックする
なおメール本文には、
担当者名
簡単な挨拶(「履歴書を送付させていただきます」などの要件)
〆の挨拶
自分の名前、電話番号、メールアドレス
を短くまとめます。
郵送で送る場合の注意点
郵送で送る場合は、以下を用意します。
履歴書・職務経歴書に対応した白の封筒(茶も可)(角形2号封筒が一般的)
送付状
書類を留めるクリップ
透明なクリアファイル
郵便料金の不足がないようにするのは大前提ですが、郵便料金がわからなければ郵便局で必ず計ってもらってから送るようにします。
また、急ぐ場合は速達で送ります。昔に比べて郵便物が届くまでに時間がかかるようになったため、期日には余裕を持って送るようにしましょう。
宛名は黒字で、以下のように書きます。
会社名(正式名称)+ 部署名(人事部など)+ 御中 もしくは 会社名 + 人事部 + 採用担当者名 + 様
また、封筒の表面には「応募書類在中」と赤文字+赤枠で書くと良いでしょう。裏面には、リターンアドレスを書きます。
送付状に書く内容は、「メールの場合」とほぼ同じです。送付状を一番上にし、その下に履歴書、さらに職務経歴書などを下に重ねてクリップで留めて送ります。
面接に持参する場合の注意点
現在はメールやウエブサイト経由で送付することが多い履歴書ですが、「面談時にお持ちください」としている企業もあります。
その場合は、
白の封筒(茶も可)
透明なクリアファイル
に入れて持って行きます。面接時には、「クリアファイルに入った状態の履歴書を、封筒から出して渡す」が基本です。ただし、「受付で一度預かる」などの場合は、封筒に入れたまま渡しましょう。また、急に余分に必要といわれる場合もあるため、1~2部コピーを取って持参すると安心です。
書類を重ねる順番は、郵送のときと同じです。
ただし郵送のときとは異なり、
宛先は書かない(自分の住所氏名は書いておくのが無難)
封筒には糊などはしない
という決まりがあります。
なお履歴書を渡す際は、相手から見て、書類が正の位置に来るように渡しましょう。
履歴書に関するよくある質問
ここでは、履歴書に関するよくある質問とその答えを記していきます。
Q. 履歴書のサイズはA4とB5のどちらが良いですか?
A. どちらでも構わないが、A4が一般的
履歴書サイズはA4、B5どちらでも構いませんが、A4を使用する人のほうが多いでしょう。
A4の場合は、職務経験や学歴・資格など多くの情報を記載する場合に適しています。特に研究職や専門職など、スキルや経験・成果を詳細に記載して専門性をアピールしたい場合には、A4サイズを選択しましょう。
対して、B5サイズはコンパクトでアクティブなイメージを与えることができるため、視覚的なアピールを重視するデザイン系の職種や、スペースを有効に使ったデザインを前面に出したいなど、オリジナリティやクリエイティブな自己表現を重視する場合に選ぶと良いでしょう。
Q. 履歴書に空欄があっても大丈夫ですか?
A. 基本的には空欄は避ける
基本的には、空欄がないほうが好印象です。特に、学歴・職歴などの基本情報、志望動機、自己PR欄は適度な余白を作りながらも必ず内容を記載するようにしましょう。資格・免許欄についても、取得していない場合は空欄で問題ありませんが、「何も書けない=スキルがない」と判断されやすく注意が必要です。
ただし、希望条件欄などは「貴社の規定に従います」などのように書いても問題ありません。
Q. 「同上」や「現在に至る」「以上」の書き方で注意点は?
A. 内容によって異なる
「同上」は、連絡先や学校名・会社名などの繰り返しに使えます。ただし、指す内容が明確な場合のみに使うことと、多用すると読みづらくなる点に注意しましょう。
「現在に至る」は、「現在、その会社に所属・在籍している」という場合に使います。
「以上」は、「この項目で書くべきことはこれで終わりである」という場合に使います。
Q. 在職中の場合の記載方法は?
A. 「入社年月」~「現在(に至る)」または「在職中」と記載
在職中の場合は、「~現在」「~現在に至る」「在職中」と書くことで、空白期間の誤解を防ぐことができますので、必ず記載しましょう。
例:2025年4月~現在 株式会社A 営業部所属
Q. 職歴が多くて書ききれないときはどうしたら良いですか?
A. 別紙、あるいはまとめて書く
職歴が多すぎて書ききれない場合は、
別紙にまとめる
「2023年4月 株式会社A 入社(2025年12月 一身上の都合により退社)」などのようにまとめる
のいずれかの書き方とします。応募先企業と関連性の高い職歴を中心に記載し、職歴が多くても、略さず記載できるよう工夫しましょう。
Q. アルバイト・派遣経験は書くべきですか?
A. 応募先企業に非常に関連がある、社会人経験が浅い、ブランクの理由になる場合に書く
アルバイトや派遣経験は原則として記載しなくても良いですが、応募する職種やその経験の関連性によって判断すると良いでしょう。
例えば、はじめて営業職に応募する場合、コールセンターや接客アルバイト経験を記載し、応募職種との関連性をアピールしても良いでしょう。また、そこで「リード獲得数を1.5倍にした」などの実績があれば尚更書くべきです。
新卒や職歴が少ない場合は、アルバイト経験も職務経験の補足として書いても問題ありません。また職歴に空白期間がある場合も、そこをアルバイトや派遣の経験で埋めることで、担当者に「何をやっていたのか」という疑念を生じさせない効果もあります。
異動歴の書き方は?
A:応募先企業に関連がある場合は、わかりやすく記す
同じ会社内での異動歴は、採用担当者が見たときにプラスの評価になると考えられれば記載しましょう。
異動歴は、下記のように書くことができます。
「2021年4月 株式会社A 入社 営業部に配属」
「2024年4月 同社 企画部に異動」
「2025年4月 同社 企画部主任に昇進」
また出向の場合は、下記のようにします。
「2023年4月~2024年3月 株式会社Bに出向 マーケティング部に所属」
履歴書に退職理由は書くべきですか?
A. 「一身上の都合」で事足りる場合が多い
基本的には、退職理由は「一身上の都合」で問題ありません。ただし、会社都合の場合や、介護・育児などの止むを得ない事情の場合は理由を簡潔に記しても構いません(例:米国留学のため退職、など)
履歴書はコンビニ購入でも問題ないですか?
A. 問題ない
コンビニで購入できる履歴書には手書き用・PC作成用があり、コンビニで購入しても問題ありません。また、コンビニで印刷しても問題ありません。ただし、手間を考えたときには記事の最初にあるように、無料でダウンロードできるテンプレートを使用するのが効率的です。大切なのは、用紙の清潔さや記入の丁寧さ、内容の正確さであり、指定がない場合には書きやすいと思うものを選びましょう。
写真なしでも大丈夫ですか?
A. 特段の事情がある場合以外は、写真を貼り付けるべき
企業側から、「写真不要」の案内がある場合を除き、写真は添付するのが原則です。写真がないと、「応募意欲が低いのでは?」と誤解を生じさせてしまう可能性があるからです。特に、郵送や持参の場合、日系企業の場合は写真を添付するのが望ましいとされます。写真なしで提出する場合は、企業の指示や応募要項を必ず確認しましょう。
応募先に提出した履歴書は返却されますか?
A:企業によるが、基本的には返却されない
提出した履歴書を返却する義務は、企業側にはありません。企業によっては返却対応するところもないわけではありませんが、基本的には返ってこないものと考えておきましょう。
履歴書は、あなたの第一印象を決定づける重要なツールです。内容に注意を払うのはもちろん、送付方法や同封書類など、最終確認を怠らずに送付・送信しプロフェッショナル人材としての適性を見せましょう。
なお、履歴書を含め、応募書類の準備に不安がある方は、エイペックスの人材コンサルタントにご相談ください。業界・職種に特化した専門のコンサルタントが、あなたの転職活動を丁寧にサポートします。
履歴書の作成はエイペックスにお任せください

履歴書は、採用担当者が最初に目にする書類であることが多く、あなたが企業にとって有用な人物であることを瞬時に印象づける必要があります。
そのためには、基本的なルールを押さえるだけでなく、あなたの強みや経験が最も伝わる形に整えることが重要です。履歴書は定期的に見直し、募集内容や企業の求める人物像に合わせてカスタマイズすることで、書類選考の通過率は確実に高まります。
エイペックスでは、業界・職種ごとの書き方のポイント整理から、志望動機・自己PRのブラッシュアップ、強みを引き出すアドバイスまで、キャリアのプロが丁寧にサポートします。
「どのテンプレートを使えば良いかわからない」
「どう書けば魅力的に見えるかわからない」
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